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2.10歳~
32.新たな出会い。
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春になり、俺は10歳になった。念の為に『黒狼』に暗にほのめかした。
『俺達を探すな。』
そして、メイディスを国王にする事を要求した。あいつにはそんな権限はないけれど、メイディスが魔力を望むなら、『黒狼』に強化してもらうしかない。
だからこそ、わざわざ足を運んだのである。俺、面倒な事はしない主義なので。
そして、パシリ一号がうるさい。
「今年もお花見の季節が来たっすよ!!この間、ヘンリーが『桜』の花弁が咲いているのを見たって言っていたっす!」
・・・桜。前世の俺がこよなく愛した花。家にもあって、赤子の頃に、この街に植樹した。しだれ桜など、色んな桜が見たかったので、たくさん植えてそれなりの大きさにした。
パシリ一号と二人生活の頃に、うっかり花見について口走ってしまった為、今では街全体の一大イベントになってしまった。
なんで?
この世界にない花なのに?花見という文化なんてないのに?花より団子な奴もいるけれども。
「この街は、陽翔様がルールっすから!」
パシリ一号が笑顔で言い切る。そこまで、俺の意見が通るのね。俺は一人で花見したかったな。
「ちょっくら、食料でも調達してこようかな?」
「お供するっす!」
「それでなくても、ついてきているだろうが!」
「ガードもシフォンもついてくるっす!俺も行くっす!な?」
コクコク頷くガードとシフォン。パシリ一号は問うた。
「それで、どこ行くっすか?」
「ちょっと、フランソワーズ王国の方に行こうと思って。」
「もしかして、レッドフォックスチキンとローストテリアビーフを狩るんすか?」
「子供達、喜ぶだろ。」
「優しいっすね!!」
「うっせ。」
死の森は何も、ディアレスト王国だけに存在する森ではない。隣国にも接しており、『ルディーン』の街は、国境が曖昧ではあるが、大半を占めているのはディアレスト王国であるが、隣国のフランソワーズ王国にも属している。領土の四分の一程度を占めている。故にこの街は本当に広いから、迷ったら死という暗黙のルールが存在するのは当然であろう。ちなみに、フランソワーズ王国の領土はディアレスト王国よりも大きい。でも、どちらも大国である。
ちなみに、レッドフォックスチキンは唐揚げにすると美味しい。ローストテリアビーフはハンバーグにすると美味しいので、子供達には大人気である。俺も初めて気が付いた時は正直、悶えた。
・
・
・
さて、フランソワーズ王国領の死の森へと向かいますか。
向かったところで怒濤の勢いで狩り続けた。そして、俺は一仕事を終えると、第六感が働いた。
ここに、誰か近寄ってくる・・・?
ここくらいは、フランソワーズ王国からなら、命からがら逃げ込めば、何とか自国に戻ってこられる。しかし、俺は元の姿に戻って、フランソワーズ王国の者である事のように誤魔化す。ついでに、眼鏡も外そうか。
「あれっ?陽翔様、ハルディーン王子の姿になるっすか?」
「近くに、他人がいる。近くまで寄るぞ。」
・
・
・
「いやっ!やめて!!私を、誰だと思っていらっしゃるの!?」
「こうでもしねーと、国が動いてくれねーんでな。大丈夫。お姫様は、ここで死ぬだけだから。」
「ほらよっ!」
男達は煌びやかな服装を纏った、薄紅色の髪の持つ少女を投げ捨てる。少女が痛がっている間に、さっさと男達は逃げていってしまう。その少女に俺は、少しの間見惚れていた。
どこかで、見た顔だよな・・・。どこ・・・いや、乙女ゲーム以外の情報はないんだった。じゃあ、ハルディーンルートのどこかで、この少女を見たって事だよな?
そう考えている間に、魔の気配を感じたので、臨戦態勢に入り、魔物が少女を襲おうとしているところを助けに入った。
・・・っち!乙女猿かよ。つまんねーもん、斬っちまったぜ。
少女は、俺を恍惚そうな顔で見ている。・・・あぁ、そう言えば、この方は、フランソワーズ王国の第三王女の、サクラ・フランソワーズ様だ。
『俺達を探すな。』
そして、メイディスを国王にする事を要求した。あいつにはそんな権限はないけれど、メイディスが魔力を望むなら、『黒狼』に強化してもらうしかない。
だからこそ、わざわざ足を運んだのである。俺、面倒な事はしない主義なので。
そして、パシリ一号がうるさい。
「今年もお花見の季節が来たっすよ!!この間、ヘンリーが『桜』の花弁が咲いているのを見たって言っていたっす!」
・・・桜。前世の俺がこよなく愛した花。家にもあって、赤子の頃に、この街に植樹した。しだれ桜など、色んな桜が見たかったので、たくさん植えてそれなりの大きさにした。
パシリ一号と二人生活の頃に、うっかり花見について口走ってしまった為、今では街全体の一大イベントになってしまった。
なんで?
この世界にない花なのに?花見という文化なんてないのに?花より団子な奴もいるけれども。
「この街は、陽翔様がルールっすから!」
パシリ一号が笑顔で言い切る。そこまで、俺の意見が通るのね。俺は一人で花見したかったな。
「ちょっくら、食料でも調達してこようかな?」
「お供するっす!」
「それでなくても、ついてきているだろうが!」
「ガードもシフォンもついてくるっす!俺も行くっす!な?」
コクコク頷くガードとシフォン。パシリ一号は問うた。
「それで、どこ行くっすか?」
「ちょっと、フランソワーズ王国の方に行こうと思って。」
「もしかして、レッドフォックスチキンとローストテリアビーフを狩るんすか?」
「子供達、喜ぶだろ。」
「優しいっすね!!」
「うっせ。」
死の森は何も、ディアレスト王国だけに存在する森ではない。隣国にも接しており、『ルディーン』の街は、国境が曖昧ではあるが、大半を占めているのはディアレスト王国であるが、隣国のフランソワーズ王国にも属している。領土の四分の一程度を占めている。故にこの街は本当に広いから、迷ったら死という暗黙のルールが存在するのは当然であろう。ちなみに、フランソワーズ王国の領土はディアレスト王国よりも大きい。でも、どちらも大国である。
ちなみに、レッドフォックスチキンは唐揚げにすると美味しい。ローストテリアビーフはハンバーグにすると美味しいので、子供達には大人気である。俺も初めて気が付いた時は正直、悶えた。
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さて、フランソワーズ王国領の死の森へと向かいますか。
向かったところで怒濤の勢いで狩り続けた。そして、俺は一仕事を終えると、第六感が働いた。
ここに、誰か近寄ってくる・・・?
ここくらいは、フランソワーズ王国からなら、命からがら逃げ込めば、何とか自国に戻ってこられる。しかし、俺は元の姿に戻って、フランソワーズ王国の者である事のように誤魔化す。ついでに、眼鏡も外そうか。
「あれっ?陽翔様、ハルディーン王子の姿になるっすか?」
「近くに、他人がいる。近くまで寄るぞ。」
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「いやっ!やめて!!私を、誰だと思っていらっしゃるの!?」
「こうでもしねーと、国が動いてくれねーんでな。大丈夫。お姫様は、ここで死ぬだけだから。」
「ほらよっ!」
男達は煌びやかな服装を纏った、薄紅色の髪の持つ少女を投げ捨てる。少女が痛がっている間に、さっさと男達は逃げていってしまう。その少女に俺は、少しの間見惚れていた。
どこかで、見た顔だよな・・・。どこ・・・いや、乙女ゲーム以外の情報はないんだった。じゃあ、ハルディーンルートのどこかで、この少女を見たって事だよな?
そう考えている間に、魔の気配を感じたので、臨戦態勢に入り、魔物が少女を襲おうとしているところを助けに入った。
・・・っち!乙女猿かよ。つまんねーもん、斬っちまったぜ。
少女は、俺を恍惚そうな顔で見ている。・・・あぁ、そう言えば、この方は、フランソワーズ王国の第三王女の、サクラ・フランソワーズ様だ。
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