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1.幼少期。

6.全ては万事解決と思ったのですが。

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属性魔法を贈与された、フィートもといパシリ一号はその場に倒れた。すごい熱である。本来、持っていない能力を身体に埋め込まれて、身体がもたなかったようですね。でも、これで、俺の役目は終わった事だろう。うっひょう。魔法を使えるように、出来るなんて俺、まさにチート!!



パシリ一号はその後2日間寝込んで、ようやく身体に馴染んだ様子である。俺は、パシリ一号に声を掛ける。


「これで、俺の役目は終わりました。家から出てってくれる?」
「えぇ?嫌っす!!俺は、まだまだハルディーン王子に教えてほしい事いっぱいあるっす!!」
「なぁ?俺を、ハルディーン王子って言うの止めろよな?陽翔はるとって呼べよ。せっかくの俺の王族紋章継承魔法で、魔法を使えるようにしたのに。何が、問題なんですか?」
「陽翔様、最強です!!俺は、魔法が使えるようになっても今のままじゃ、一族を滅ぼせません!」
「俺は、決して復讐の手伝いをした訳ではねーんだよ?」


いや、マジで。俺は、平穏な日々を過ごしたいだけなんだ!!もう、こうなったら条件を提示して、出てってもらうしか!!


「じゃあ・・・次はさ。一旦、この森を出て、再び、この家にたどり着けたら、しばらくは俺が面倒見てやるよ。それで、どう?」
「それが、次の試練っすか!!受けて立つっす!!」


俺は、パシリ一号に街でも上手く過ごせるように、一年くらい、もつくらいのお金を渡して、結構な数のポーションを渡した。これで、この森から出る事は、上手くすればいけるかもしれない。・・・でも、ここに戻ってこれるかは別。この森って、バカでかいからな。しかも、俺は、辺境の地で過ごしているから。奥まで行かないと、戻って来る事は不可能である。


武器も一応渡しておく。エクスカリバーは俺のもの。メタルソードでも、渡しておこう。殺戮の斧もね。マジックボックスも一応渡しておく。荷物がかさばると、面倒でしょ?俺が殺したみたいで、あとあと恨まれそうだから。


こいつの怨念はマジでヤバそう。そうして、一旦、パシリ一号はこの家から出て行ったのである。






















これで、俺の平穏な日々が取り戻せると思ったのですが。そうは、問屋はおろしてはくれないらしい。俺は、習慣である薬草探しに精を出していた時の事である。またもや、パシリ一号が魔物に襲われかけているところを助けてしまったのである。



んんんん。俺、学習しろよ!!フィートもといパシリ一号は瞳をぱあっと輝かせているし、何故か、見知らぬ他人が2人いるし!!何でだよ!!奴隷の印が刻まれているっぽいから、あの金で、奴隷を買ったのかよ!!アホか!!


奴隷さんは男女の双子の兄妹で、俺より5歳ほど上の様子。そんな奴に買われるとは、世も末だな。つーか、ここまで戻ってこれるなら、俺の力、いらなくね?ここは、ため息をつく事しか出来なかった。
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