蝶の如く

きなこ

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困惑と決意

8 (15p)

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次の日の早朝のこと…
二階の空き部屋にて


「桜蘭さん、父の古着ですが良ければこちらをお召になってくださ…っええ!!!」

華が楓に着替えを持ってきた所
楓はちょうど稽古着を脱いでいる所だった。

「あ!お華さん
おはようございます」

「あぁ、おはようございます…じゃなくて!」

「?」

「桜蘭さん女子だったのですか!?」

「えぇ、そうですけど…」

その返事に華は百面相し、楓は何かまずい事をしてしまったのかと不安になっていた。

「桜蘭さん!」

「は、はいぃ!!」

突然名を呼ばれ声が裏返ってしまった。
その反応にクスクス笑う華に何処かに連れていかれる

華の部屋だ。
小綺麗で良い匂いのする部屋の中央に座らされる

「えっと…お華さん?」

「動かないでください。」

そう言いテキパキとした動きで楓の顔に化粧を施し、自分の着物を着つける。

「やっぱりこっちの方がいいわね!」

満足げにお華が言うのだが、楓は不安で仕方がない
今まで成人式の時以外に女物の着物を来たことがなく、自分は似合わないと思っているからだ

しかし、実際は違う
中性的で整った顔立ちは化粧もはえ、可愛いというよりも太夫のように美しい。

不安気な楓をよそに「これならいつもよりお客さんが増える」と、満足げな華であった。
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