33 / 52
第三章 神の啓示
第9話 暴虐のリード
しおりを挟む
翌日。
朝から洞窟には王城から派遣された兵士の一団が訪れていた。
予定通り、そこにはリードの姿がある。
「ったく。俺がどうしてこんな辛気臭いところに派遣されなきゃならねえんだ」
リードは他の兵士の目を盗んで悪態をつきながら、予想通り僕のところにやって来た。
「よう。モグラ野郎。相変わらずおまえは冴えないツラしてんな。シェラングーンでは世話になったじゃねえか。ああ?」
僕は出来る限り平静を装って彼に言葉を返す。
「やあリード。討伐隊のほうはどうだい?」
「どうもこうもねえ。あのクソ魔女がどこに姿を現すか分からねえから、追跡すら難しくて頭に来るぜ。本来なら俺は討伐隊の特別任務があるから、王城のザコどもと一緒にこんなところに来る必要はなかったってのに、ミランダが戻る可能性があるからってだけでこんな薄気味悪い場所まで出向かなきゃならねえ。腹立たしい話だ。そうだろ? モグラ野郎」
リードは僕に八つ当たりをするようにそうまくし立てた。
腹立たしいのは僕のほうだったけど、今日の僕には目的がある。
怒りをグッとこらえて彼に話を切り出した。
「そのことなんだけど、リード。僕を討伐隊のメンバーに加えてくれないか?」
僕のそんな申し出にリードは数秒の間、驚きの表情で沈黙した。
さすがに僕がこんなことを言い出すなんて予想すらしてなかったんだろう。
「はぁ? おまえそれマジで言ってんのか? 頭オカシイんじゃねえの? 討伐隊は精鋭ぞろいのエリート集団だぞ。おまえごときに何が出来るんだよ。虫けらが」
そう言うとリードは軽薄な笑みを浮かべる。
だけど僕はひるまなかった。
「大マジだよ。っていうか僕を連れて行ったほうがいいと思うよ?」
少し挑発的にそう言うとリードは途端に不機嫌な表情を浮かべて僕を睨みつけてくる。
「何だと? 何か根拠があって言ってるんだろうな。モグラ野郎」
凄みをきかせた表情と口調でそう言うリードに、僕は手にある呪いの剣『タリオ』を見せた。
「ミランダの呪いの剣だ。これが彼女の居場所に引き合わせてくれる。彼女のいる場所が分かるんだ」
それを聞くとリードは途端に優男風の表情に戻って両手を広げた。
「へぇ。そいつは便利だな。だったら……」
リードはそう言うと僕の手から強引に呪いの剣『タリオ』を奪い取った。
「これだけあればいい。おまえはいらねえ」
だけど、そう言うリードの手から瞬時にして姿を消した呪いの剣は、すぐに僕の手の中に戻ってきた。
その現象にリードはさすがに面食らって目を剥いた。
「なっ、何だこりゃ?」
「魔女の呪いだよ。僕の手の中から離れないんだ」
僕の言葉を聞くとリードは訝しげな視線を僕に向け、つまらなさそうに舌打ちをした。
「チッ。てめえ。何を考えてやがる?」
「さっさとミランダにこれを返却したいんだ。僕の手の中からいつまでもこれが離れないから困ってるんだよ。迷惑してるんだ僕も」
僕は精一杯うんざりした表情を作り、思い切り遠くに剣を投げ捨てる。
すぐに剣は僕の手の中に戻ってきて、僕はさらにゲンナリとした顔をしてみせる。
それを見たリードは少しの間、僕を睨んでいたけど、やがて舌打ちをして口を開いた。
「チッ。連れて行ってやるよ。だが役に立たねえと分かりゃ即座にメンバーから外すぞ」
そうなったら僕はすぐにまたこの洞窟に戻されてしまう。
そんなわけにはいかない。
「それにおまえは雑用係だ。俺の指示に従え。そうじゃなければ連れて行かねえ」
リードのことだから相当ムチャなことを僕に指図してきそうだけど、今はこいつにくっついていく以外にここを出る方法はない。
「雑用係でもいいし、可能な限り指示には従うよ」
僕は出来る限り感情を抑えてそう伝えた。
そんな僕の答えにリードは何かを思いついたようで、唇の端を吊り上げる。
根性の捻じ曲がった性格の悪い笑みだった。
「もう一つあるぜ」
「え?」
「今ここでこの俺様に土下座をして頼んでみろよ。お願いしますってな」
……そうきたか。
何となくリードがこんなことを言い出しそうな気がしていたから僕は驚かなかった。
こいつは僕を屈服させたくて仕方がないんだ。
僕なんかよりもずっと高スペックなNPCのはずなのに、はるかに格下の僕を躍起になって踏み潰そうとするんだから、やっぱりこいつは小物だな。
リードはニヤニヤしながら僕を見据えている。
「出来ねえならおまえは連れて行かない。土下座してでも頼みたいってんなら俺も男だ。そこはおまえの気持ちを汲んでやる。どうだ?」
是非も無い。
僕はやると決めたんだ。
僕は口を真一文字に引き結び、リードの眼前で地面に膝をつけて正座の姿勢で座り込んだ。
土下座なんてしたくない。
特にリード相手には絶対に。
でも、ミランダを救うことが出来るなら、土下座だろうが何だろうがやってやる。
僕は座ったままリードを見上げて背筋を伸ばすと、地面に両手をついて深く頭を下げた。
リードはそんな僕を見て気分を良くしたようで、高揚した声を上げる。
「よーしよし。いいぞ。オラッ! もっと頭を低くしろ!」
そう言いながらリードは僕の後頭部を足で踏みつけた。
僕の額が固い地面に押し当てられ、痛みが走る。
それでも僕は必死に耐えてリードに頭を下げ続けた。
リードはグリグリと足を僕の後頭部に押し付け続ける。
やがてそれにも飽きると嗜虐に満ちた声で言った。
「よし。土下座してるおまえの情けない姿を写真に残してやる」
そう言うとリードは僕の土下座姿を何度も撮影し、その写真を僕の前に投げ捨てた。
「ヒャッハハハハ! ダセー! 何だコイツ土下座してやがる。虫みたいに這いつくばって最低のゴミだな。みっともない男だぜ。おい! 分かってんのか! 見ろ! これがおまえの姿だ! おまえは俺より下だ! 言ってみろモグラ野郎!」
僕は少しだけ顔を上げて、彼が投げてよこした写真に目をやる。
地面に額を擦り付けて土下座する僕の姿がそこには写し出されていた。
「……僕は君より下だよ。弱々しいモグラ野郎なんだ」
リードはようやく満足したようで僕の髪の毛をつかんで引き起こした。
「よし。そこまで言うなら連れてってやる。感謝しろよ。心の広い俺様の慈悲にな」
そう言うとリードは乱暴に僕を突き飛ばした。
僕は尻餅をつきながらリードを静かに見上げると、彼はメインシステムにアクセスして僕の同行申請を申し出た。
すぐに許可は下り、僕は洞窟の外に出られる体になった。
「……ありがとう。リード」
僕は怒りで震え出しそうな心を必死に押さえつけ、礼の言葉を口にすると立ち上がった。
そしてリードの後について洞窟の出口へと歩み出したんだ。
待ってろミランダ。
僕が意地でも君を止める。
朝から洞窟には王城から派遣された兵士の一団が訪れていた。
予定通り、そこにはリードの姿がある。
「ったく。俺がどうしてこんな辛気臭いところに派遣されなきゃならねえんだ」
リードは他の兵士の目を盗んで悪態をつきながら、予想通り僕のところにやって来た。
「よう。モグラ野郎。相変わらずおまえは冴えないツラしてんな。シェラングーンでは世話になったじゃねえか。ああ?」
僕は出来る限り平静を装って彼に言葉を返す。
「やあリード。討伐隊のほうはどうだい?」
「どうもこうもねえ。あのクソ魔女がどこに姿を現すか分からねえから、追跡すら難しくて頭に来るぜ。本来なら俺は討伐隊の特別任務があるから、王城のザコどもと一緒にこんなところに来る必要はなかったってのに、ミランダが戻る可能性があるからってだけでこんな薄気味悪い場所まで出向かなきゃならねえ。腹立たしい話だ。そうだろ? モグラ野郎」
リードは僕に八つ当たりをするようにそうまくし立てた。
腹立たしいのは僕のほうだったけど、今日の僕には目的がある。
怒りをグッとこらえて彼に話を切り出した。
「そのことなんだけど、リード。僕を討伐隊のメンバーに加えてくれないか?」
僕のそんな申し出にリードは数秒の間、驚きの表情で沈黙した。
さすがに僕がこんなことを言い出すなんて予想すらしてなかったんだろう。
「はぁ? おまえそれマジで言ってんのか? 頭オカシイんじゃねえの? 討伐隊は精鋭ぞろいのエリート集団だぞ。おまえごときに何が出来るんだよ。虫けらが」
そう言うとリードは軽薄な笑みを浮かべる。
だけど僕はひるまなかった。
「大マジだよ。っていうか僕を連れて行ったほうがいいと思うよ?」
少し挑発的にそう言うとリードは途端に不機嫌な表情を浮かべて僕を睨みつけてくる。
「何だと? 何か根拠があって言ってるんだろうな。モグラ野郎」
凄みをきかせた表情と口調でそう言うリードに、僕は手にある呪いの剣『タリオ』を見せた。
「ミランダの呪いの剣だ。これが彼女の居場所に引き合わせてくれる。彼女のいる場所が分かるんだ」
それを聞くとリードは途端に優男風の表情に戻って両手を広げた。
「へぇ。そいつは便利だな。だったら……」
リードはそう言うと僕の手から強引に呪いの剣『タリオ』を奪い取った。
「これだけあればいい。おまえはいらねえ」
だけど、そう言うリードの手から瞬時にして姿を消した呪いの剣は、すぐに僕の手の中に戻ってきた。
その現象にリードはさすがに面食らって目を剥いた。
「なっ、何だこりゃ?」
「魔女の呪いだよ。僕の手の中から離れないんだ」
僕の言葉を聞くとリードは訝しげな視線を僕に向け、つまらなさそうに舌打ちをした。
「チッ。てめえ。何を考えてやがる?」
「さっさとミランダにこれを返却したいんだ。僕の手の中からいつまでもこれが離れないから困ってるんだよ。迷惑してるんだ僕も」
僕は精一杯うんざりした表情を作り、思い切り遠くに剣を投げ捨てる。
すぐに剣は僕の手の中に戻ってきて、僕はさらにゲンナリとした顔をしてみせる。
それを見たリードは少しの間、僕を睨んでいたけど、やがて舌打ちをして口を開いた。
「チッ。連れて行ってやるよ。だが役に立たねえと分かりゃ即座にメンバーから外すぞ」
そうなったら僕はすぐにまたこの洞窟に戻されてしまう。
そんなわけにはいかない。
「それにおまえは雑用係だ。俺の指示に従え。そうじゃなければ連れて行かねえ」
リードのことだから相当ムチャなことを僕に指図してきそうだけど、今はこいつにくっついていく以外にここを出る方法はない。
「雑用係でもいいし、可能な限り指示には従うよ」
僕は出来る限り感情を抑えてそう伝えた。
そんな僕の答えにリードは何かを思いついたようで、唇の端を吊り上げる。
根性の捻じ曲がった性格の悪い笑みだった。
「もう一つあるぜ」
「え?」
「今ここでこの俺様に土下座をして頼んでみろよ。お願いしますってな」
……そうきたか。
何となくリードがこんなことを言い出しそうな気がしていたから僕は驚かなかった。
こいつは僕を屈服させたくて仕方がないんだ。
僕なんかよりもずっと高スペックなNPCのはずなのに、はるかに格下の僕を躍起になって踏み潰そうとするんだから、やっぱりこいつは小物だな。
リードはニヤニヤしながら僕を見据えている。
「出来ねえならおまえは連れて行かない。土下座してでも頼みたいってんなら俺も男だ。そこはおまえの気持ちを汲んでやる。どうだ?」
是非も無い。
僕はやると決めたんだ。
僕は口を真一文字に引き結び、リードの眼前で地面に膝をつけて正座の姿勢で座り込んだ。
土下座なんてしたくない。
特にリード相手には絶対に。
でも、ミランダを救うことが出来るなら、土下座だろうが何だろうがやってやる。
僕は座ったままリードを見上げて背筋を伸ばすと、地面に両手をついて深く頭を下げた。
リードはそんな僕を見て気分を良くしたようで、高揚した声を上げる。
「よーしよし。いいぞ。オラッ! もっと頭を低くしろ!」
そう言いながらリードは僕の後頭部を足で踏みつけた。
僕の額が固い地面に押し当てられ、痛みが走る。
それでも僕は必死に耐えてリードに頭を下げ続けた。
リードはグリグリと足を僕の後頭部に押し付け続ける。
やがてそれにも飽きると嗜虐に満ちた声で言った。
「よし。土下座してるおまえの情けない姿を写真に残してやる」
そう言うとリードは僕の土下座姿を何度も撮影し、その写真を僕の前に投げ捨てた。
「ヒャッハハハハ! ダセー! 何だコイツ土下座してやがる。虫みたいに這いつくばって最低のゴミだな。みっともない男だぜ。おい! 分かってんのか! 見ろ! これがおまえの姿だ! おまえは俺より下だ! 言ってみろモグラ野郎!」
僕は少しだけ顔を上げて、彼が投げてよこした写真に目をやる。
地面に額を擦り付けて土下座する僕の姿がそこには写し出されていた。
「……僕は君より下だよ。弱々しいモグラ野郎なんだ」
リードはようやく満足したようで僕の髪の毛をつかんで引き起こした。
「よし。そこまで言うなら連れてってやる。感謝しろよ。心の広い俺様の慈悲にな」
そう言うとリードは乱暴に僕を突き飛ばした。
僕は尻餅をつきながらリードを静かに見上げると、彼はメインシステムにアクセスして僕の同行申請を申し出た。
すぐに許可は下り、僕は洞窟の外に出られる体になった。
「……ありがとう。リード」
僕は怒りで震え出しそうな心を必死に押さえつけ、礼の言葉を口にすると立ち上がった。
そしてリードの後について洞窟の出口へと歩み出したんだ。
待ってろミランダ。
僕が意地でも君を止める。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
だって僕はNPCだから 3rd GAME
枕崎 純之助
ファンタジー
【完結】
3度目の冒険は異世界進出! 天使たちの国は天国なんかじゃなかったんだ。
『魔女狩り大戦争』、『砂漠都市消滅危機』という二つの事件が解決し、平穏を取り戻したゲーム世界。
その中の登場人物である下級兵士アルフレッドは洞窟の中で三人の少女たちと暮らしていた。
だが、彼らの平和な日々を揺るがす魔の手はすぐそこに迫っていた。
『だって僕はNPCだから』
『だって僕はNPCだから 2nd GAME』
に続く平凡NPCの規格外活劇第3弾が幕を開ける。
どうせ俺はNPCだから
枕崎 純之助
ファンタジー
【完結しました!】 *この作品はこちらのスピンオフになります↓
『だって僕はNPCだから』https://www.alphapolis.co.jp/novel/540294390/346478298
天使たちのゲーム世界である「天国の丘《ヘヴンズ・ヒル》」と対を成す悪魔たちのゲーム世界「地獄の谷《ヘル・バレー》」。
NPCとして鬱屈した日々を過ごす下級悪魔のバレットは、上級悪魔たちのワナにハメられ、脱出不可能と言われる『悪魔の臓腑』という深い洞窟の奥深くに閉じ込められてしまった。
そこでバレットはその場所にいるはずのない見習い天使の少女・ティナと出会う。
バレットはまだ知らない。
彼女が天使たちの長たる天使長の2代目候補であるということを。
NPCの制約によって強さの上限値を越えられない下級悪魔と、秘められた自分の潜在能力の使い方が分からない見習い天使が出会ったことで、2人の運命が大きく変わる。
悪魔たちの世界を舞台に繰り広げられるNPC冒険活劇の外伝。
ここに開幕。
*イラストACより作者「Kotatsune」様のイラストを使用させていただいております。
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
どうせ俺はNPCだから 2nd BURNING!
枕崎 純之助
ファンタジー
下級悪魔と見習い天使のコンビ再び!
天国の丘と地獄の谷という2つの国で構成されたゲーム世界『アメイジア』。
手の届かぬ強さの極みを欲する下級悪魔バレットと、天使長イザベラの正当後継者として不正プログラム撲滅の使命に邁進する見習い天使ティナ。
互いに相容れない存在であるはずのNPCである悪魔と天使が手を組み、遥かな頂を目指す物語。
堕天使グリフィンが巻き起こした地獄の谷における不正プラグラムの騒動を乗り切った2人は、新たな道を求めて天国の丘へと向かった。
天使たちの国であるその場所で2人を待ち受けているものは……?
敵対する異種族バディが繰り広げる二度目のNPC冒険活劇。
再び開幕!
*イラストACより作者「Kamesan」のイラストを使わせていただいております。
百花繚乱 〜国の姫から極秘任務を受けた俺のスキルの行くところ〜
幻月日
ファンタジー
ーー時は魔物時代。
魔王を頂点とする闇の群勢が世界中に蔓延る中、勇者という職業は人々にとって希望の光だった。
そんな勇者の一人であるシンは、逃れ行き着いた村で村人たちに魔物を差し向けた勇者だと勘違いされてしまい、滞在中の兵団によってシーラ王国へ送られてしまった。
「勇者、シン。あなたには魔王の城に眠る秘宝、それを盗み出して来て欲しいのです」
唐突にアリス王女に突きつけられたのは、自分のようなランクの勇者に与えられる任務ではなかった。レベル50台の魔物をようやく倒せる勇者にとって、レベル100台がいる魔王の城は未知の領域。
「ーー王女が頼む、その任務。俺が引き受ける」
シンの持つスキルが頼りだと言うアリス王女。快く引き受けたわけではなかったが、シンはアリス王女の頼みを引き受けることになり、魔王の城へ旅立つ。
これは魔物が世界に溢れる時代、シーラ王国の姫に頼まれたのをきっかけに魔王の城を目指す勇者の物語。
終焉の謳い手~破壊の騎士と旋律の戦姫~
柚月 ひなた
ファンタジー
理想郷≪アルカディア≫と名付けられた世界。
世界は紛争や魔獣の出現など、多くの問題を抱え混沌としていた。
そんな世界で、破壊の力を宿す騎士ルーカスは、旋律の戦姫イリアと出会う。
彼女は歌で魔術の奇跡を体現する詠唱士≪コラール≫。過去にルーカスを絶望から救った恩人だ。
だが、再会したイリアは記憶喪失でルーカスを覚えていなかった。
原因は呪詛。記憶がない不安と呪詛に苦しむ彼女にルーカスは「この名に懸けて誓おう。君を助け、君の力になると——」と、騎士の誓いを贈り奮い立つ。
かくして、ルーカスとイリアは仲間達と共に様々な問題と陰謀に立ち向かって行くが、やがて逃れ得ぬ宿命を知り、選択を迫られる。
何を救う為、何を犠牲にするのか——。
これは剣と魔法、歌と愛で紡ぐ、終焉と救済の物語。
ダークでスイートなバトルロマンスファンタジー、開幕。
Fragment-memory of future-Ⅱ
黒乃
ファンタジー
小説内容の無断転載・無断使用・自作発言厳禁
Repost is prohibited.
무단 전하 금지
禁止擅自转载
W主人公で繰り広げられる冒険譚のような、一昔前のRPGを彷彿させるようなストーリーになります。
バトル要素あり。BL要素あります。苦手な方はご注意を。
今作は前作『Fragment-memory of future-』の二部作目になります。
カクヨム・ノベルアップ+でも投稿しています
Copyright 2019 黒乃
******
主人公のレイが女神の巫女として覚醒してから2年の月日が経った。
主人公のエイリークが仲間を取り戻してから2年の月日が経った。
平和かと思われていた世界。
しかし裏では確実に不穏な影が蠢いていた。
彼らに訪れる新たな脅威とは──?
──それは過去から未来へ紡ぐ物語
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる