Happy Life ～あるバカップルが周りに与える幸せな影響～

第2章：プロポーズは五歳のときに

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　春斗は十五歳になったが、幸太郎はいまだにこの自分の孫が大物なのかただの馬鹿なのか、わからないでいた。
　我が孫ながらすごい奴だと思うところもあれば、底なしにただの馬鹿ではないかと思うところもある。
　春斗は馬鹿な子ほど可愛いを地で行く奴で、いろんな意味で目が離せず、この先どんなふうに成長していくのかが、とても楽しみだ。

　冬美との付き合いは順調で、二人は互いのそばにいるだけで幸せそうだ。
　ただ一つ気になる事は、お前たち……特に春斗はそれでいいのかと思ってしまう。
　春斗と冬美の付き合いは、まるで子供の頃のままごとの延長だ。
　大人しい冬美はともかく、春斗は男としてそれでいいのかと、少し……いや、とても気になってしまう。

「おお、そうじゃ、これをやろう。忘れておったわ」

　幸太郎はそう言うと、胸のポケットから取り出したものを春斗と冬美に差し出した。

「この間、担当と打ち合わせをした時に、もらったんじゃ。ホレ、近くのプールがリニューアルしたじゃろ。そこの招待券じゃ。たくさんあるからみんなで遊びに行って来い」

「サンキュー、じいちゃん！　じゃあ、みんなを誘って行って来るな」

「ありがとう、おじいちゃん。春斗くん、楽しみだね！」

「オウ！　楽しみだな！」

　二人はプールの招待券を手にして無邪気に喜んだ。
　この二人はいつまで初心なままでいられるのだろう。
　このまま、ままごとのような恋を続けるのか、それとも変わるのか……。

「あぁ、楽しんで来るといい」

　どうなるのじゃろうのう。
　そんな事を考えながら、幸太郎は嬉しそうな孫とその恋人を見つめていた。