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第3章・冒険者デビュー
楽しい時間
しおりを挟む「ジル! ユリウス、ジルを連れて来てくれたの? ありがと! ねぇ、アルバトスさん、この子がアタシのジル! 美人で可愛いでしょ~!」
ゴムレスさんとの話を終え、仕事の終わったジルさんと共に買い物をして、同じく買い出しを終えたジャンくんとモネちゃんに合流した私たちは、ユリウスのテレポートの呪文でシルヴィーク村に戻って来た。
アルバトスさんたちはすでにハロン商会の食堂に居て、リュシーさんはすっかり出来上がっていた。
「あー、ジルさんだー! オリエちゃんもユリウスくんも、お帰りなさーい!」
あと、サーチートも既に出来上がっていた。
森の探索のためにサーチートを利用するみたいで、ちょっと申し訳ないから、お菓子やお酒をサーチートにって、商都ビジードで買い込んできたけど、しばらくの間はお預け決定だ。
あの小さな体のどこに、あんなにお酒が入るんだろうな。
「あぁ、お帰りなさい、ユリウス、オリエさん。そしてジルさんは、初めましてですね。私はユリウスの伯父のアルバトスです。お会いできて嬉しいです。リュシーさんの言われた通り、素敵な方ですね」
そしてアルバトスさんは素面だった。
リュシーさんやサーチートと同じように飲んでいるはずなのに、全く酔っている感じはない。
さすが、ザル……ちなみに私は飲むとすぐに酔っぱらって眠くなるくらい弱いけど、ユリウスは枠だ。
だから、ユリウスもアルバトスさんも、いつも付き合い程度しかお酒を飲まない。
どれだけ飲んでも酔わない自分たちが飲むよりも、他の人が飲めばいいという考え方をしているんだよね。
「初めまして、ジルと申します。この度は、お招きありがとうございます。それからリュシーがご迷惑をかけてすみません」
サーチートと共に何度も乾杯をしている、陽気な酔っぱらいと化したリュシーさんを見て、苦笑するジルさん。
「いえ、気になさらないでください。リュシーくんは明るくて話も面白くて、とても良い青年です。今日はたくさん楽しんでいただきたいです。さぁ、ここの食事はどれも美味しいんです。ジルさんもどうぞ」
「はい、ありがとうございます!」
それから、私、ユリウス、サーチート、アルバトスさん、リュシーさん、ジルさんに、ジャンくんとモネちゃんを加えた宴会は、とても盛り上がった。
みんなで楽しく食べて、飲んで――調子に乗って食べるよりも飲んでしまった私は、すぐに眠くなってしまったんだけど、
「眠いなら、寝ていいよ」
と優しく私を引き寄せてくれたユリウスがとても楽しそうにしていたから、それがとても嬉しかった。
ねぇ、ユリウス。
黒魔結晶とか、ゴブリン・スタンピードとか、これからいろいろと大変なのかもしれないけど、私はユリウスと一緒に居られれば、それで幸せなんだよ。
だから、ずっとずっと、そばに居てね。
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【※ファンタジーに現実を引き合いに出してあれこれ考えてしまう人にも合わないと思います】
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◇なろうにも上げてます。
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