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第2章・のんびりまったりスローライフ?

スタイリッシュ・アーマー②

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「そうだね、大丈夫だと思うよ。この布と同じ物はうちにはないから、元通りに直す事はできないけれど、うちの技術があれば、前よりも防御力を上げられるし、この裂け目も上手く直してあげる事ができるよ」

 この店は、アイアンスパイダーと言う魔物から採れる、鉄糸を扱っているそうで、防御力の高い布を織る事ができるらしい。
 アイアンスパイダーから採れる鉄糸で織った布は丈夫で柔軟性があり、防御力がとても高いのだそうだ。
 それに、上着の袖やズボンの裾を鉄糸で加工すると、籠手や脛当替わりになるらしい。
 最近のユリウスの戦い方を考えると、是非ともその加工をジャケットとズボンにしてほしいと思った。
 ユリウス自身も気に入ったのだろう、自らソフィーさんに鉄糸での加工をお願いしている。

「じゃあ、ジャケットとズボンを預かろうね。お兄さん、着替えは持っているかい? それとも、お兄さんに合いそうなズボンを探そうか?」

「お願いできますか」

「はいよ、ちょっと待ってね。探してくるよ」

 ソフィーさんはそう言うと、奥に倉庫があるんだよ、と言って、カウンターの後ろにあるドアの方へと向かった。
 だけど、ソフィーさんがドアノブに手を伸ばす前に、そのドアは開かれ、ソフィーさんと同じくらいの年代の男の人が、姿を現した。

「ソフィー、お客さんかい?」

 そう言った男の人は、ユリウスを見ると、一瞬目を見張った。
 ソフィーさんもそうだったけれど、やっぱりユリウスを見ると、驚いちゃうみたいだ。
 褐色の肌、銀色の髪、金色の瞳……この組み合わせは、有りそうでなかなかない組み合わせらしいからね。

「もう、あんたったら、そんなにお客さんをジロジロと見たら失礼だよ! まぁ、私も人の事は言えないんだけどね」

 そう言ったソフィーさんを困ったように、だけど優しく見つめた男の人は、ユリウスに「夫婦揃って、すみません」とぺこりと頭を下げた。
 彼はソフィーさんの旦那さんで、ガレアスさんという名前らしい。

「何かご注文してもらったのかい?」

「えぇ。カウンターに置いてあるジャケットの直しと、鉄糸の加工をね。今お兄さんが履いているズボンの方にもって事だから、ちょっと替わりのズボンを探してくるよ」

 そう言ったソフィーさんは、ガレアスさんと入れ替わりに、奥へと消えていった。

「ほう、どれどれ」

 ガレアスさんはカウンターに置かれたジャケットが気になったのだろう、カウンターへと近づこうとした。
 その時、ガツンガツンという、床を何か硬い物が叩くような音がして、カウンターに居たサーチートが、何の音だろうと首を傾げた。
 ガレアスさんはカウンターに居たサーチートを少し不思議そうに見つめると、

「うるさいかい? すまんね。わしの左足の音なんだ。左足が、膝から下がなくて義足でね、木の床を歩くと、大きな音がするんだよ」

 と申し訳なさそうに言い、カウンターを周ると、私たちに左足を見せてくれた。
 確かガレアスさんの言う通り、彼の左足は膝から下が杖のような木の義足になっていた。


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