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第2章・のんびりまったりスローライフ?

ルリアルーク王の噂②

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「ジュニアス様は、褐色の肌に黒い髪、赤い瞳らしいが、創世王の色を持つ、現オブルリヒト王であるフェルゼン様の息子だ。ジュニアス様の容姿は創世王の色とは少し違うが、血筋から言っても、十分ルリアルーク王の可能性はあるだろう。今の世のルリアルーク王が、その色を纏っているとも限らないしな」

「へぇ……」

 商人の男は熱く語っているが、ユリウスはすでに聞きたくなさそうだ。
 ものすごく嫌そうな顔をしている。
 だけど、情報として聞いておいた方がいいだろうと思い、私は彼に続きを促した。

「それによ、どうやらオブルリヒト王国は、聖女召喚の儀を行い、聖女召喚に成功したらしいんだよ! だから、ジュニアス様のそばには、異世界から来た、とんでもなく美しい聖女様が居るって話だ」

「あー……、そう、なんだ……」

 聞くんじゃなかった、と私は思った。
 私の心の内を呼んだのか、ユリウスが苦笑している。
 そうか、ジュニアスの事だけじゃなく、ジュンの噂まで広がっているんだね。
 ジュン……確かに美人だけど、本当に綺麗なのは、ジュニアスの奥さんであるナディア様の方だと思うんだよね。
 ナディア様、お元気になさっているかなぁ。
 こんな噂が世間に広がっているのを知って、心を痛めてらっしゃらないだろうか。

「そんなわけで、今オブリールには、ジュニアス様の家来になりたいっていう冒険者が続々と集まってきて、にぎわっているらしいぜ」

「そ、そうか……」

 これはユリウス的に、絶対にオブリールには行きたくない展開だ。
 だがそれを口にせず、ユリウスは旅の商人に、考えてみるよ、とだけ言った。

「色だけで言うなら、兄ちゃん、あんた、髪が銀色なら、創世王の色、ビンゴだなぁ」

 旅の商人は、ユリウスを見て笑った。
 褐色の肌に、金色の瞳、あとは隠している銀色の髪で、創世王の色がビンゴだ。
 まぁ、本当は、すでにビンゴなんだけど。
 ふと視線を感じて振り返ると、ユリウスがビンゴだと知っている女将さんと目が合った。
 女将さんは、言わないから安心して、と言わんばかりに、うん、と頷いてくれた。


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