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第1章・異世界転移と異世界転生
もう一人の聖女?②
しおりを挟む「うふふ、嬉しい事を言ってくれるのね、ありがとう」
女の声が聞こえて振り返ると、ジュンが居た。
ジュンに夢中な方の兵士が顔を赤くする。
金髪に近い茶色の髪に、少し赤みを帯びた茶色の目をしたジュンは、胸元が大きく開いた赤いドレスを着ていた。
開いた胸元を、大きな赤い宝石が飾っている。あれはルビーかな。
彼女は私を見ると、ニヤリと笑った。すごく感じが悪い。
「あら、ずいぶん可愛らしくなったのね。あんなに醜く太っていたのに」
そう言った順に、カチンときて、イラッとしたのは言うまでもない事だ。
なので、私もつい言い返してしまった。
後から思えば、これを口にしたから面倒な事になってしまったのかもしれない。
「あなたも、若返れて良かったですね」
と……。そう言った瞬間、ジュンは目を吊り上げた。
「あなた、覚えてるの?」
「は?」
覚えているとは、前世――つまり、元の世界の事か?
まぁ、思い出したのは夢に見たからだけど、あんな特徴のある服を着ていたら、夢に見なくてもそのうち思い出したかもしれない。
そう言えばこの人、金の獣の衣を纏った聖女って言われてたんだっけ。
ヒョウ柄の服が、金の獣の衣……まぁ、間違いじゃないけどね。
「素敵なドレスですね。でも、あの派手な服は、もう着ないのですか? 金の獣の衣なのに」
私のこの言葉を聞いて、多分ジュンは、私が全てを覚えている事に気が付いたのだろう。
だが、彼女は私に対して謝罪の言葉を口にするわけでもなく、むしろ開き直ったかのように言った。
「アンタ、邪魔よ!」
ジュンはそう言うと、
「ファイヤーボール!」
と叫び、私にバスケットボールくらいの火球を投げつけて来た。
「ぎゃあっ!」
私は避けたが、私の後ろに居た兵士二人が、ファイヤーボールをくらってしまい、床に転がった。
私は彼らに近づくと、ヒールをかけてやる。
「ちょっと、何するの! 火事になっちゃうじゃない!」
ここは王宮で、ナディア様の部屋の前である。
ファイヤーボールなんか使ったら、火事になってしまうではないか!
「あなた……ヒールが、使えるのね?」
私は彼女を睨みつけたが、ジュンは私を見て驚いていた。
どうやら、私がヒールを使えた事に驚いているみたいだった。
ヒールは多分、私が一番使っている魔法だから、今では一番得意な魔法かもしれない。
「そのヒール、私によこしな!」
ジュンはそう叫ぶように言うと、ファイヤーボールを連発して攻撃してきた。
火球が三つ飛んでくるけれど、分厚い肉とオサラバした今の私なら、避けられると思う。
だけど、そうしたらこの王宮が火事になっちゃうんじゃないかな?
どうしよう、どうしたらいいだろう?
「サンダーシールド!」
飛んでくる火球の処理に悩んでいるうちに、目の前の火球は消えてしまった。
私の前に、雷の盾みたいなのが現れたのだ。
「ノートン様!」
兵士たちが歓喜の声を上げる。
雷の盾で私たちを守ったノートンは、私たちを背中に庇い、ジュンの前に立った。
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【※女性蔑視な発言が多々出てきますので嫌な方は注意して下さい】
【※知識の無い者がフワッとした知識で書いてますので『これは違う!』が許せない人は読まない方が良いです】
【※ファンタジーに現実を引き合いに出してあれこれ考えてしまう人にも合わないと思います】
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
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◇なろうにも上げてます。
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