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第1章・異世界転移と異世界転生
魔結晶①
しおりを挟むユーリとアルバトスさんの呪いの毒を消して、私が元の世界に戻るのを早めようと決めた後、アルバトスさんの家を、ジャンくんとモネちゃんが訪ねてきた。
ユーリとアルバトスさんが食事をするようになったから、新鮮な食材を届けに来てくれたのだ。
ジャンくんとモネちゃんは、私がユーリとアルバトスさんの呪いの毒を消す事ができた事を知ると、涙を流して喜んでくれた。
私は二人に何度もお礼を言われて、二人は私こそが本物の聖女だったのだと言って……それを聞いた私たちは、苦笑するしかなかった。
アルバトスさんは、ジャンくんとモネちゃんに、今の私の状況を説明してくれた。
そして、自分とユーリの痣が消えた事を、まだ誰にも言わないように口止めして、私を元の世界に戻すために協力してほしいと頼み込む。
ジャンくんとモネちゃんは、もちろん何でも協力すると頷いてくれたけれど……せっかく仲良くなれたのに、もうお別れなのが寂しいとも言ってくれた。
私も同じ気持ちで、ちょっと泣いてしまった。
四人と一匹で相談をし、私を元の世界に戻すための役割分担を決めた。
魔結晶の作り方は、ユーリが教えてくれる事になった。
サーチートはアルバトスさんにくっついて、私を元の世界に送るための、魔法陣の作成をするらしい。
そして、そのための材料の調達を、ジャンくんとモネちゃんが担当する事になった。
魔法陣の作成は、三メートル四方の白い布に魔法陣を描く事で代用するらしい。
最初は、庭に魔法陣を描くための台座を用意してくれるつもりだったらしいのだけど、時間がないから白い布に描く事にしたのだそうだ。
アルバトスさん曰く、ジュニアス王子たちに私が本物の聖女だという事に気付かれない内に行わなければならないため、時間との勝負らしい。
それでも、布に魔法陣を描くのも、私が必要な量の魔結晶を用意するのも、時間がかかるかもしれない事を考慮して、実行日は三日後という事になった。
三日の間に、魔法陣作成組は魔法陣を、そして魔結晶製造組は必要な量の魔結晶を用意しなくてはならないのだ。
魔結晶なんて物が私に作れるのかな、なんて言っている場合ではない。
みんなの優しさに応えるためにも、なんとしても、三日間で魔結晶を作らなければならないのだ!
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