17 / 332
第1章・異世界転移と異世界転生
サーチートは学習したい②
しおりを挟む
「ねぇ、オリエ。二人とも、可愛いよねぇ」
そう言ったユリアナ王女に、私も頷く。
本当に二人とも、とても可愛い。
でも……ちょっとお腹が減ったんだよなぁ。
さっきみたいに、鳴らなかったらいいんだけど。
そんな事を思っていたら、アルバトスさんと目が合った。
アルバトスさんは優しく緑の瞳を細めて笑うと、サーチートに優しく言った。
「では、サーチートくん。勉強は明日からという事にして、今はオリエさんと一緒に、食事を作りに行った方がいいのではないでしょうか。君の大好きなオリエさんが、お腹を空かせているのではないですか?」
アルバトスさんがそう言うと、サーチートは、はっとした顔をして、私を振り返り、ごめんね、と言う。
「オリエちゃん、お腹ペコペコで、お腹ペタンコなっちゃうところだったね」
「いやいや、そこまでじゃないから、大丈夫だよ」
お腹は減っているけれど、ぼてっとしたこのお腹は、絶対にペタンコにはならないよ、サーチート。
自虐的な事を思いながら、
「じゃあ、行こうか」
私はサーチートを連れて、台所へと向かった。
台所には、食材がたくさんあった。
私が日頃から食べている物と良く似ているけど、ここは異世界だからなぁ。
私の知っている食材と同じ物なのかは謎である。
さぁてどうするかと黙って考え込んでいると、私の腕から飛び出したサーチートがキャベツっぽい物に近づき、かじり付いた。そして、
「オリエちゃん、これ、キャベツだよ」
と教えてくれる。
「そうなの?」
「うん、そうだよ。確認してみて」
サーチートはそう言うと、ころんとお腹を見せて転がった。
白いお腹に、またスマホが現れる。
「今かじった物のデータだよ」
サーチートのお腹のスマホ画面には、先程サーチートがかじったキャベツっぽい物の画像があった。
タップしてみると、『キャベツ』と表示される。
「オリエちゃん、ぼくはね、食べたり触ったりしたら、その対象のデータを手に入れる事ができるんだよ」
「すごいねぇ」
そう言えば、さっきアルバトスさんと話をしている時、そういう事を言っていたなぁ。
ただのスマホケースのぬいぐるみだったはずなのに、すごい能力だ。
サーチートはお腹のスマホをしまって起き上がると、ジャガイモっぽいものをかじって、ジャガイモ、人参っぽいものをかじって、それが人参である事を教えてくれた。
どうやら食材は、元の世界の物と同じ物が多いみたいだ。ありがたい!
その後もサーチートは、調味料入れにも手を突っ込んで、塩、砂糖、カレー粉、酢、とかを教えてくれる。
その他、卵や小麦粉、お米もあって、私はラッキーと手を叩いて喜んだ。
でも、肉や魚は、マブタのハム、マブタのベーコンとか、マギョの切り身とか、知らない名前の物もあった。
マブタとかマギョとか、どんな生き物なんだろうね。
でも、貯蔵庫に置いてあるのかから、全て食べられるものなのだろうと私は思った。
そう言ったユリアナ王女に、私も頷く。
本当に二人とも、とても可愛い。
でも……ちょっとお腹が減ったんだよなぁ。
さっきみたいに、鳴らなかったらいいんだけど。
そんな事を思っていたら、アルバトスさんと目が合った。
アルバトスさんは優しく緑の瞳を細めて笑うと、サーチートに優しく言った。
「では、サーチートくん。勉強は明日からという事にして、今はオリエさんと一緒に、食事を作りに行った方がいいのではないでしょうか。君の大好きなオリエさんが、お腹を空かせているのではないですか?」
アルバトスさんがそう言うと、サーチートは、はっとした顔をして、私を振り返り、ごめんね、と言う。
「オリエちゃん、お腹ペコペコで、お腹ペタンコなっちゃうところだったね」
「いやいや、そこまでじゃないから、大丈夫だよ」
お腹は減っているけれど、ぼてっとしたこのお腹は、絶対にペタンコにはならないよ、サーチート。
自虐的な事を思いながら、
「じゃあ、行こうか」
私はサーチートを連れて、台所へと向かった。
台所には、食材がたくさんあった。
私が日頃から食べている物と良く似ているけど、ここは異世界だからなぁ。
私の知っている食材と同じ物なのかは謎である。
さぁてどうするかと黙って考え込んでいると、私の腕から飛び出したサーチートがキャベツっぽい物に近づき、かじり付いた。そして、
「オリエちゃん、これ、キャベツだよ」
と教えてくれる。
「そうなの?」
「うん、そうだよ。確認してみて」
サーチートはそう言うと、ころんとお腹を見せて転がった。
白いお腹に、またスマホが現れる。
「今かじった物のデータだよ」
サーチートのお腹のスマホ画面には、先程サーチートがかじったキャベツっぽい物の画像があった。
タップしてみると、『キャベツ』と表示される。
「オリエちゃん、ぼくはね、食べたり触ったりしたら、その対象のデータを手に入れる事ができるんだよ」
「すごいねぇ」
そう言えば、さっきアルバトスさんと話をしている時、そういう事を言っていたなぁ。
ただのスマホケースのぬいぐるみだったはずなのに、すごい能力だ。
サーチートはお腹のスマホをしまって起き上がると、ジャガイモっぽいものをかじって、ジャガイモ、人参っぽいものをかじって、それが人参である事を教えてくれた。
どうやら食材は、元の世界の物と同じ物が多いみたいだ。ありがたい!
その後もサーチートは、調味料入れにも手を突っ込んで、塩、砂糖、カレー粉、酢、とかを教えてくれる。
その他、卵や小麦粉、お米もあって、私はラッキーと手を叩いて喜んだ。
でも、肉や魚は、マブタのハム、マブタのベーコンとか、マギョの切り身とか、知らない名前の物もあった。
マブタとかマギョとか、どんな生き物なんだろうね。
でも、貯蔵庫に置いてあるのかから、全て食べられるものなのだろうと私は思った。
108
お気に入りに追加
394
あなたにおすすめの小説

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~
あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい?
とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。
犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。
テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。
それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。
やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには?
100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。
200話で完結しました。
今回はあとがきは無しです。

転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる