西園寺家の末娘

明衣令央

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第3章:四家と妖滅

6・各班の役割

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「じゃあ、まずは小花が心配するから、真中家の方々をどうやって守っているかっていうのを、説明するね!」

 亘先生は黒板に向かうと、A班、B班、C班、と板書する。
 そして、さっきもちょっと説明したけど、と言って、A班の下に「戦闘班」、B班とC班の下に、「サポート班」と書いた。

「このサポートってのがね、直接的サポートと、間接的サポートに分かれている。A班の戦闘を直接サポートするのが、B班。武器の手配や移動手段の確保など、A班が動きやすい状況を整えるのが役目。C班は、妖気を集めたり妖魔を捕らえるための術式の展開や、結界の展開、強化をサポートしているんだ」

 亘先生はここまで説明すると、私の顔を見つめ、

「小花、わかる?」

 と聞いてきた。だけど、私は首を横に振った。説明されても、上手く頭が回らなくて理解できなかったのだ。

「じゃあ、小花が知りたいところだけを、ものすごーく簡単に言うと、真中様たちの行動範囲内は、C班の卒業した生徒たちによって、強い結界が張られているんだ。だから、良くないモノは真中様たちに近づけないと思ってくれていいよ。外出される時も必ず誰かが近くで守っているから大丈夫だ」

「そう、なの?」

「あぁ、そうだよ。だから、安心してくれていいよ」

「うん、わかった……」

 亘先生の今の説明で、私が理解できた事――それは、おじいちゃんたちは常に誰かに守られていて、良くないモノに襲われる事はない、という事だけだったけれど、私は少し落ち着く事ができた。
 そして、おじいちゃんたちが無事なら、私は自分にできる事を精一杯すればいいのだと、気持ちを切り替える。

「あの、この特別授業で、班ごとにやる事って、違うんだよね?」

「あぁ、そうだよ」

 私の質問に、亘先生は頷いた。

「B班とC班は、それぞれのサポート訓練。そして俺たちA班は、妖気の浄化と、妖魔を倒すための戦闘訓練を行うわけ。ものすごーく簡単に言うと、ここに居るメンバーには、どんどん強くなってもらうって事だね」

「うん、わかった」

 強くなろう、と思った。
 妖気の浄化とか妖魔を倒すとか、まだピンとこないけれど、その力が私にあって、それでおじいちゃんたちを守れるっていうのなら、絶対に強くならなければって思う。

「よし! じゃあ、今回の特別授業は、ここまで。次からは、実戦的な事をしていくから、ジャージに着替えて体育館に集合するように!」

 亘先生がそう言ったところで、タイミング良くチャイムが鳴った。
 じゃあね、と手をひらひら振りながら、亘先生が教室を出て行く。
 私はそれを見送った後、なんとなくものすごく疲れて、机に突っ伏した。
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