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第1話-出会
出会-5
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男の名前は私頭 賢人と名乗った。私頭は、チーキュ株式会社で営業をやっていると言い、被害者の飯田との関係は良き同僚であったと二人に語った。
「飯田さんとの関係は良好だったんですね」
薫の発言に「はい。だから、殺されたのが不思議で仕方ないんです」と私頭は涙ながらに答える。
「じゃあ、強盗若しくはプライベートな部分で殺された可能性が高そうですねー」
京助はチーキュ株式会社が扱っている製品パンフレットを読みながら、適当な推理を告げる。
「ちょっと! 勝手な事言わないでください!!」
「どーも、すんません」
「それで、私は何をすれば?」
捜査に協力するとは言ったものの、現時点では何もしていない私頭は薫に指示を求める。
「えーっと、私頭さんには」
「私頭さんから見た飯田さんの仕事ぶりや知っている範囲で結構なのでプライベートについて教えて頂けますか?」京助の質問に私頭は答え始めた。
「そうですね。営業成績は然程悪くはないのですが、勤務態度が」
言葉を濁す私頭に「悪いんですか?」そうストレートに質問する薫。
「平たく言えばそうなります」私頭は苦い顔をしながら、認めた。
「差し支えなければ、どの様な勤務態度だったかを教えて頂けますか?」
薫は手帳を開きメモを取る準備をする。
「まぁ、遅刻、無断欠勤が多いんです」
「顧客からクレームとかそう言った事は無かったんですか?」
京助の質問に私頭は首を横に振りながら「ありませんでした。寧ろ、お客様とは懇意にしてもらっていたみたいで」と答えた。
「懇意ですか。という事は、営業成績はかなり良かったんじゃないですか?」
「そうですね。私に次いで2位の営業成績を取っていましたから」
そう答える私頭の視線が、何も書かれていないホワイトボードに移ったのを見逃さなかった。
京助はすかさずホワイトボードの元へと向かいホワイトボードを回転させると、裏面には営業成績の結果が書かれていた棒グラフの紙が貼られていた。
「あ、先月は飯田さんが1位ですね」京助がホワイトボードを見ながらそう告げると、「え、ええ」私頭は顔を引きつらせる。
「それがどうかしたんですか?」
「どうもしないよ。薫ちゃん。すごいなぁ~と思っただけ」
「はぁ」
京助の真意が分からず薫が困惑する中、京助は一人納得したようにうんうんと頷きながらホワイトボードを見ている。
「飯田の営業成績が何か?」
「いやね。私頭さんの話から察すると、飯田さんって人は顧客の弱みを掴んで営業するそういうスタイルでやっていたんじゃないかなって」
「それはどうでしょうか」
「いやいや、私頭さん。人を殺すのには、充分な動機ですよ」
「それもそうですね」納得する私頭に対して「いや、そんな簡単に決めて良いものでしょうか?」と異論を唱える薫。
「薫ちゃん、あくまでも可能性の話だから。そんなマジにならないでよ」
薫は京助を睨み「ふざけないでくださいっ」と注意する。
「別にふざけてはいないけど。可能性があるものは調べるべきだよ」
「分かりました。確認してもらえるよう頼んできます」
「宜しくぅ~」
薫は渋々、捜査を指揮している北澤の元へと向かう。
「あのぉ~次に私は何をすれば?」
「では、飯田さんの業務日誌ありますか?」
「ありますけど」
「それを見せてください」
「分かりました。少々お待ちください」
私頭は業務日誌を取りに行くのを見送ると、京助はホワイトボードを見る。
「営業はどこも大変なんだなぁ~」と他人事のような台詞を吐くのだった。
「飯田さんとの関係は良好だったんですね」
薫の発言に「はい。だから、殺されたのが不思議で仕方ないんです」と私頭は涙ながらに答える。
「じゃあ、強盗若しくはプライベートな部分で殺された可能性が高そうですねー」
京助はチーキュ株式会社が扱っている製品パンフレットを読みながら、適当な推理を告げる。
「ちょっと! 勝手な事言わないでください!!」
「どーも、すんません」
「それで、私は何をすれば?」
捜査に協力するとは言ったものの、現時点では何もしていない私頭は薫に指示を求める。
「えーっと、私頭さんには」
「私頭さんから見た飯田さんの仕事ぶりや知っている範囲で結構なのでプライベートについて教えて頂けますか?」京助の質問に私頭は答え始めた。
「そうですね。営業成績は然程悪くはないのですが、勤務態度が」
言葉を濁す私頭に「悪いんですか?」そうストレートに質問する薫。
「平たく言えばそうなります」私頭は苦い顔をしながら、認めた。
「差し支えなければ、どの様な勤務態度だったかを教えて頂けますか?」
薫は手帳を開きメモを取る準備をする。
「まぁ、遅刻、無断欠勤が多いんです」
「顧客からクレームとかそう言った事は無かったんですか?」
京助の質問に私頭は首を横に振りながら「ありませんでした。寧ろ、お客様とは懇意にしてもらっていたみたいで」と答えた。
「懇意ですか。という事は、営業成績はかなり良かったんじゃないですか?」
「そうですね。私に次いで2位の営業成績を取っていましたから」
そう答える私頭の視線が、何も書かれていないホワイトボードに移ったのを見逃さなかった。
京助はすかさずホワイトボードの元へと向かいホワイトボードを回転させると、裏面には営業成績の結果が書かれていた棒グラフの紙が貼られていた。
「あ、先月は飯田さんが1位ですね」京助がホワイトボードを見ながらそう告げると、「え、ええ」私頭は顔を引きつらせる。
「それがどうかしたんですか?」
「どうもしないよ。薫ちゃん。すごいなぁ~と思っただけ」
「はぁ」
京助の真意が分からず薫が困惑する中、京助は一人納得したようにうんうんと頷きながらホワイトボードを見ている。
「飯田の営業成績が何か?」
「いやね。私頭さんの話から察すると、飯田さんって人は顧客の弱みを掴んで営業するそういうスタイルでやっていたんじゃないかなって」
「それはどうでしょうか」
「いやいや、私頭さん。人を殺すのには、充分な動機ですよ」
「それもそうですね」納得する私頭に対して「いや、そんな簡単に決めて良いものでしょうか?」と異論を唱える薫。
「薫ちゃん、あくまでも可能性の話だから。そんなマジにならないでよ」
薫は京助を睨み「ふざけないでくださいっ」と注意する。
「別にふざけてはいないけど。可能性があるものは調べるべきだよ」
「分かりました。確認してもらえるよう頼んできます」
「宜しくぅ~」
薫は渋々、捜査を指揮している北澤の元へと向かう。
「あのぉ~次に私は何をすれば?」
「では、飯田さんの業務日誌ありますか?」
「ありますけど」
「それを見せてください」
「分かりました。少々お待ちください」
私頭は業務日誌を取りに行くのを見送ると、京助はホワイトボードを見る。
「営業はどこも大変なんだなぁ~」と他人事のような台詞を吐くのだった。
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