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第弐拾伍話-対決
対決-21
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そんな切り札こと羅猛燐はというと、長四郎の事務所で眠りについていた。
「羅猛さん、羅猛さん」
芽衣に身体を揺らされ、燐は目をゆっくりと開ける。
「芽衣ちゃん。今、何時?」
「え~っと」
時間を確認しようとスマホに目を向けようとすると燐は「良い。自分で確認する」と言い毛布の中をまさぐり自分のスマホを取り出して時間を確認する。
「うわっ! 五時。芽衣ちゃん、早起きしすぎ」
「そんな事ないよ。早く探偵さんと合流しよう」
「え~ 少し早いよ」
「そ、そうかな」
「そうだよ。焦りは禁物、じゃ、朝ご飯の用意宜しく」
燐は毛布を頭まで被り再び眠りにつく。
「仕方ないか・・・・・・」
芽衣は燐の説得を諦め、朝ご飯の材料調達に近くのコンビニへと出かけた。
そして、事務所から出てきた芽衣を、フードを目深に被った男が尾行し始めるのだった。
「ありがとうございました!!」
元気なコンビニ店員だなと思いながら、店を出る芽衣。
不審なフードの男も芽衣に気づかれないように店を出て尾行を続ける。
芽衣は不審者に気づいていない。
不審者は徐々に芽衣に近づいていく。
芽衣が事務所に通じる階段を昇ろうとした時、不審者が口を開いた。
「芽衣」
聞き覚えのある声、振り返るとそこに居たのは慶次だった。
「お兄ちゃん!」
「しっ!! 大きい声を出すな」
「ごめん」
芽衣は小声で謝りながら、階段を降りて慶次に近づく。
「お兄ちゃん。説明して、どうして行方をくらましたのか」
「それはまだ言えない。だが、後でちゃんと説明する」
芽衣はドラマみたいな台詞を吐くなと思いながら、兄の言い分に耳を傾ける。
「頼まれ事をしてくれないか?」
「頼まれ事?」
「そう」
「何すれば良いの?」
「取り敢えず、キャリケースに着替えを詰めてここまで持って来てくれ」
慶次はそう言いながら、住所の書かれたメモ用紙を渡す。
「分かった。ねぇ、何かの犯罪に巻き込まれてるって事は無い」
「・・・・・・実は、そうなんだ。でも、俺は何もやっていない。寧ろ、命を狙われているんだ」
「それで、行方をくらましてたの? でも、この前は大丈夫だから心配するなって」
「あの時はな、お前も命を狙われていたから仕方なく、ああ言ったんだ」
「仕方なく」芽衣は腑に落ちない顔をする。
「ああ、そうだ。すまないが、少しの間、日本を離れる。我慢して一人で暮らしてくれるか? 勿論、生活費は入れる。安心してくれ」
慶次は先程から周囲を見回しながら、今後の説明をする。
「お兄ちゃん。まだ、狙われてるの?」
「ああ」
「分かった。じゃあ、後でここに持っていくね」
「頼む」
慶次は芽衣に頭を下げて、その場から足早に去っていった。
「今のお兄さん」
「あ、うん。って、羅猛さん!」
燐が二人の会話を立ち聞きしていたのに驚く。
「何、驚いてるの。言っとくけど、驚いているのは私の方なんだから」
「そうだよね・・・・・・」
「お兄さん、海外にでも逃げるの?」
「うん。着替えの服を持ってきて欲しいって」
「そうか。じゃ、朝ご飯食べてさっさと行動するよ」
燐はそう告げ、事務所に戻っていく。
階段を上がって行く間、急に接触してきた慶次の行動に燐は不信感を覚えるのだった。
「羅猛さん、羅猛さん」
芽衣に身体を揺らされ、燐は目をゆっくりと開ける。
「芽衣ちゃん。今、何時?」
「え~っと」
時間を確認しようとスマホに目を向けようとすると燐は「良い。自分で確認する」と言い毛布の中をまさぐり自分のスマホを取り出して時間を確認する。
「うわっ! 五時。芽衣ちゃん、早起きしすぎ」
「そんな事ないよ。早く探偵さんと合流しよう」
「え~ 少し早いよ」
「そ、そうかな」
「そうだよ。焦りは禁物、じゃ、朝ご飯の用意宜しく」
燐は毛布を頭まで被り再び眠りにつく。
「仕方ないか・・・・・・」
芽衣は燐の説得を諦め、朝ご飯の材料調達に近くのコンビニへと出かけた。
そして、事務所から出てきた芽衣を、フードを目深に被った男が尾行し始めるのだった。
「ありがとうございました!!」
元気なコンビニ店員だなと思いながら、店を出る芽衣。
不審なフードの男も芽衣に気づかれないように店を出て尾行を続ける。
芽衣は不審者に気づいていない。
不審者は徐々に芽衣に近づいていく。
芽衣が事務所に通じる階段を昇ろうとした時、不審者が口を開いた。
「芽衣」
聞き覚えのある声、振り返るとそこに居たのは慶次だった。
「お兄ちゃん!」
「しっ!! 大きい声を出すな」
「ごめん」
芽衣は小声で謝りながら、階段を降りて慶次に近づく。
「お兄ちゃん。説明して、どうして行方をくらましたのか」
「それはまだ言えない。だが、後でちゃんと説明する」
芽衣はドラマみたいな台詞を吐くなと思いながら、兄の言い分に耳を傾ける。
「頼まれ事をしてくれないか?」
「頼まれ事?」
「そう」
「何すれば良いの?」
「取り敢えず、キャリケースに着替えを詰めてここまで持って来てくれ」
慶次はそう言いながら、住所の書かれたメモ用紙を渡す。
「分かった。ねぇ、何かの犯罪に巻き込まれてるって事は無い」
「・・・・・・実は、そうなんだ。でも、俺は何もやっていない。寧ろ、命を狙われているんだ」
「それで、行方をくらましてたの? でも、この前は大丈夫だから心配するなって」
「あの時はな、お前も命を狙われていたから仕方なく、ああ言ったんだ」
「仕方なく」芽衣は腑に落ちない顔をする。
「ああ、そうだ。すまないが、少しの間、日本を離れる。我慢して一人で暮らしてくれるか? 勿論、生活費は入れる。安心してくれ」
慶次は先程から周囲を見回しながら、今後の説明をする。
「お兄ちゃん。まだ、狙われてるの?」
「ああ」
「分かった。じゃあ、後でここに持っていくね」
「頼む」
慶次は芽衣に頭を下げて、その場から足早に去っていった。
「今のお兄さん」
「あ、うん。って、羅猛さん!」
燐が二人の会話を立ち聞きしていたのに驚く。
「何、驚いてるの。言っとくけど、驚いているのは私の方なんだから」
「そうだよね・・・・・・」
「お兄さん、海外にでも逃げるの?」
「うん。着替えの服を持ってきて欲しいって」
「そうか。じゃ、朝ご飯食べてさっさと行動するよ」
燐はそう告げ、事務所に戻っていく。
階段を上がって行く間、急に接触してきた慶次の行動に燐は不信感を覚えるのだった。
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