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第弐拾伍話-対決
対決-8
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長四郎と勇仁は命捜班の刑事二人と合流し、エグザグラムの足取りを追っていた。
捜査会議で公安から提供された捜査資料を片手に四人は、公安がマークしていたエグザグラムと取引があるとされている企業・金星創業へと来ていた。
「社長は只今、外出しております」
受付の社員がそう四人に告げる。
「そうですか。いつお戻りなるとか分かりますか?」
絢巡査長がそう聞くと、「分かりかねます」とだけ答える社員。
「OK. 分かりました。戻ってこられるまで、ここで待たせてもらいます」
長四郎はそう言って、応接用のソファーに腰掛ける。
「ちょっ、困ります!」受付の社員が長四郎に向かってそう怒鳴りつけると「じゃ、社長の居場所だけでも教えて頂けます?」と勇仁が問いかける。
「分かりました。少々、お待ちください」
社員は内線を掛け、社長の居場所を問い合わせる。
「はい、ありがとうございます。社長は、海外に出張中です」
「海外? どこですか?」
「さぁ、そこまでは」
絢巡査長の問いかけに、社員は首を傾げながら答える。
「仕方ない。出直すか」
「そうしましょうか」
勇仁の提案に賛同する一川警部。
長四郎もやれやれと言った感じで、ソファーから立ち上がり金星創業を出ていく。
「嘘っ、なんで。ここに居るの?」
電柱に身を隠しながら、金星創業から出ていく長四郎達を見つめる燐。
「知り合い?」芽衣にそう聞かれ「うん、まぁ」とだけ答える。
燐は心の中で、ラッキーと思うのだった。
「よしっ、行こうか」
四人が居なくなったタイミングで、金星創業に乗り込んでいく。
「あのぉ~」
燐は控えめな感じで、先程まで長四郎達の相手をしていた受付の社員に話しかける。
「はい。どうされました」
「あの、財前慶次さんはいらっしゃいますでしょうか?」
「あの、財前にどのようなご用件で?」
制服姿の女子高生が会社を訪ねてきたので、内心、財前という社員がパパ活で揉めたのかと思いながら用件聞く。
「彼女のお兄さんに忘れ物を届けに来ただけなんです」
燐はそう答えながら、後ろに立っている芽衣を見る。
「はぁ、少々お待ちください」
内線を掛けて、指示を受ける社員は「忘れ物はこちらで預かりますので」と言うので「ほらっ、渡して」燐は芽衣に持って来たものを渡すよう促す。
「お願いします」
芽衣はそう言いながら、持ってきたポッキーの箱を渡す。
「確かに。渡しておきますね」
社員は、変な忘れ物だと思いながら受け取る。
「では、失礼します」
燐と芽衣は一礼し、金星創業を出ていく。
「ほんとに大丈夫かな?」
「大丈夫。大丈夫。名探偵の羅猛燐に任せなさい」
心配する芽衣を励ます燐は、長四郎達とどうやって合流しようか頭の中で思案していた。
捜査会議で公安から提供された捜査資料を片手に四人は、公安がマークしていたエグザグラムと取引があるとされている企業・金星創業へと来ていた。
「社長は只今、外出しております」
受付の社員がそう四人に告げる。
「そうですか。いつお戻りなるとか分かりますか?」
絢巡査長がそう聞くと、「分かりかねます」とだけ答える社員。
「OK. 分かりました。戻ってこられるまで、ここで待たせてもらいます」
長四郎はそう言って、応接用のソファーに腰掛ける。
「ちょっ、困ります!」受付の社員が長四郎に向かってそう怒鳴りつけると「じゃ、社長の居場所だけでも教えて頂けます?」と勇仁が問いかける。
「分かりました。少々、お待ちください」
社員は内線を掛け、社長の居場所を問い合わせる。
「はい、ありがとうございます。社長は、海外に出張中です」
「海外? どこですか?」
「さぁ、そこまでは」
絢巡査長の問いかけに、社員は首を傾げながら答える。
「仕方ない。出直すか」
「そうしましょうか」
勇仁の提案に賛同する一川警部。
長四郎もやれやれと言った感じで、ソファーから立ち上がり金星創業を出ていく。
「嘘っ、なんで。ここに居るの?」
電柱に身を隠しながら、金星創業から出ていく長四郎達を見つめる燐。
「知り合い?」芽衣にそう聞かれ「うん、まぁ」とだけ答える。
燐は心の中で、ラッキーと思うのだった。
「よしっ、行こうか」
四人が居なくなったタイミングで、金星創業に乗り込んでいく。
「あのぉ~」
燐は控えめな感じで、先程まで長四郎達の相手をしていた受付の社員に話しかける。
「はい。どうされました」
「あの、財前慶次さんはいらっしゃいますでしょうか?」
「あの、財前にどのようなご用件で?」
制服姿の女子高生が会社を訪ねてきたので、内心、財前という社員がパパ活で揉めたのかと思いながら用件聞く。
「彼女のお兄さんに忘れ物を届けに来ただけなんです」
燐はそう答えながら、後ろに立っている芽衣を見る。
「はぁ、少々お待ちください」
内線を掛けて、指示を受ける社員は「忘れ物はこちらで預かりますので」と言うので「ほらっ、渡して」燐は芽衣に持って来たものを渡すよう促す。
「お願いします」
芽衣はそう言いながら、持ってきたポッキーの箱を渡す。
「確かに。渡しておきますね」
社員は、変な忘れ物だと思いながら受け取る。
「では、失礼します」
燐と芽衣は一礼し、金星創業を出ていく。
「ほんとに大丈夫かな?」
「大丈夫。大丈夫。名探偵の羅猛燐に任せなさい」
心配する芽衣を励ます燐は、長四郎達とどうやって合流しようか頭の中で思案していた。
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