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第弐拾弐話-結社

結社-14

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 翌朝、長四郎が自室から事務所に出てくると、事務所のソファーで眠る燐の姿があった。
 どうやら、明け方まで自分のノートパソコンを使って何かを調べていたことが少し暖かいコーヒーが入ったマグカップから伺えた。
「ったく。ラモちゃんの親から通報されたら、俺は一発で逮捕だな」
 長四郎はそう言いながら、自室から毛布を持って来て眠っている燐に毛布をかける。
 そして、燐が何を調べていたのかを確認する。
 燐が調べていたのは、桑子のSNSアカウント、そのアカウントをフォローもしくはフォロワーの調査をしていたらしい。
「これは、これは」
 燐の調査結果を見ながら長四郎は目を見張り、燐を起こさないようにそぉ~っと事務所から出て行った。
 一方、警視庁本部では難波塚児殺人事件の捜査会議が開かれていた。
 難波塚児の事件が例の麻薬組織と関わっているとのことから、重大事件として所轄署から捜査本部が移されたのだ。
「一体、どうなっているんだ!!」捜査会議に参加している刑事達を怒鳴り散らす村内刑事部長。
「すいません。ですが、村内刑事部長。組織に繋がる人物には着実に近づいています。勿論、難波塚児さん殺害した犯人にも」
 室井室長は怒り心頭の村内刑事部長に発言する。
「本当なのか?」
「はい」
 そんな二人の会話を聞きながら、一川警部と絢巡査長は噓つけと思う。
「それで、重要参考人の・・・・・・・浮渡布里子はどう組織と繋がっているんだ」
 村内刑事部長は捜査資料に目を通しながら、室井室長に質問する。
「その件につきましては、現在、取り調べで聞き出しています」
「そうか」時間がかかり過ぎだと思う村内刑事部長は、これ以上の発言をすると会議が進まないので発言を控えた。
「では、これからの捜査方針を伝えます」
 室井室長が席から立ち上がり、スクリーンの前に移動し方針を伝え始める。
「浮渡布里子は、難波塚児殺害の実行犯ではない。実行犯は彼女と繋がっている人物。それを君たちに炙り出して欲しい。我々、組織犯罪対策室は組織の実態を追う。頼むぞ」
 室井室長の号令に捜査員一同「はい!!」と返事する。
 命捜班の二人は返事をせずに、しれっと会議室から出ていった。
「一川さん。麻取の話と全然違いますね」
「そうやね。あたしは、麻取の方に話を聞きにいくけん。絢ちゃんは長さんの手伝いに行って。組織が襲ってくる可能性があるけん」
「分かりました」
「あ、ちょっと、待って」
 長四郎の元に向かおうとする絢巡査長を呼び止める一川警部。
「一応、拳銃を持っていき」
「はい。気を引き締めて行ってきます」
「いってらっしゃい」
 一川警部と絢巡査長は二手に別れ各々行動を開始するのだった。
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