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第弐拾弐話-結社

結社-7

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「ども」
 長四郎は一川警部と絢巡査長にそう挨拶しながら、コーヒーを飲む。
「長さん、来とったと?」
「はい。ラモちゃんが良い情報をくれましてね」
 隣に座る燐を横目に見る長四郎。そして、燐は気まずそうな顔をしながら絢巡査長に会釈する。
「ああ、あの件ね。長さんがアメリカで事件解決しとうとは思っとらんかったばい」
「誰かさんが、勝手に依頼を受けて巻き込まれたのでね」
「悪かったわね。依頼を受けて」
「ま、ケンカしないで。長さん、私達に組織について知っている事を教えてください」
「ええ~ ラモちゃんから聞いてないのぉ~」絢巡査長に文句を言う長四郎。
「答えなさい!」
 燐は思いっきり、長四郎の踵を踏みつける。
「痛っ!! 答えますよぉ~」
 長四郎はミシェルから依頼を受けた時のことから、アメリカで解決した事件の話をした。
「おお、アメリカでそげな事が」一川警部は感心するのに対して絢巡査長は「一川さん。感心している場合じゃないですよ。アメリカでも手こずるとなれば、日本で太刀打ちできるかどうか」と不安めいたことを言う。
「絢ちゃん、気にしても仕方ないよ。まぁ、ホライゾン以外の通販サイトもよく監視していた方が良いと思うけど」
「そうですね。長さん、ありがとうございます。今すぐ、監視するよう手配します」
 絢巡査長は内線で今回の事案に関わる部署へと連絡する。
「被害者は薬をばら撒いていたっていうのは、本当ですか?」
「う~ん。なんて言えば良いんやろうか」
 長四郎の問いに、一川警部は顎をトントンと叩きながら考え始める。
「ラモちゃん、確信持ってないみたいじゃん」燐に耳打ちをする長四郎。
「でも、絢さんは組織に繋がっているって言っていたよ」
「大した情報も得られないし、もう、帰らない?」
「帰らない」
「長さん、コソコソ話はそこまでにして。被害者の難波さんが組織に繋がっとうって言いだしたのは、組織犯罪対策室室長の室井って人ばい」
「はぁ」
「それでね。FBIから組織が日本へ進出して来たっていう情報が入ってきてね。そこで、組織犯罪対策室が駆り出されたと。あたしらは、その応援でね」
「へぇ~」燐は興味津々な様子で一川警部の話に耳を傾ける。
「で、その組織犯罪対策室が調べた結果が難波さんにぶちあったったと」
「でも、マークしていたわけですよね? なんで、殺されたんすか?」
「そこは突っつかんといて欲しいな」
 一川警部は苦々しい顔で光り輝く頭をペチペチと叩く。
「そうですか。どうしようかなぁ~」
 長四郎は天井を見上げ、こう呟いた。
「よし、殺害現場に行こう」と。
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