294 / 544
第拾捌話-美味
美味-3
しおりを挟む
「ねぇ、あんたが毒を盛ったんでしょ!」
燐はストレートな物言いで、空岡に問いかけた。
「え? 俺が?」寝耳に水と言った感じの空岡に燐は続ける。
「そうよ。谷原さんを殺そうとして、毒を盛ったんでしょ!!」
ビシッと立てた人差し指を空岡に向ける。
「君なぁ~」
空岡はどう対処して良いのか、分からず困っていると「どぉ~も、すいません。ぶしつけな事を言ってしまって」長四郎がすかさずフォローに入る。
「ちょっと! 邪魔しないでよ!!」
「別に邪魔してないし。ラモちゃんが失礼な事言うからでしょ」
「何を~」
長四郎と燐がバチバチに睨み合う。
「ははっははは! 喜朗。お前がこの私を殺そうとしたらしいな」
空岡にそう声を掛けてきた谷原。
「そうだな。殺しそびれたのが残念だよ」
「何!?」
「ま、何とか命拾いできて良かったな」
「ぐぬぬぬぬ」谷原は苦い顔をして空岡を睨む。
「あの、喧嘩なさっている所申し訳ないですけど。お2人は何故、そんなにいがみ合っていらっしゃるのですか?」
絢巡査長が質問すると「ふんっ」と鼻を鳴らしてどこかへと去っていった谷原。
「あん人、大丈夫なんやろうか? 検査断った見たやけど」
去っていく谷原を心配そうに見送る一川警部。
「大丈夫だと思いますよ。毒ごときで死ぬような魂じゃないですから」
「どうして、そうお思いで?」燐と睨み合いながら長四郎は空岡に質問した。
「嫌な話ですが、昔からの馴染みなので」
「馴染みですか・・・・・・」
「長さん、ラモちゃん。いつまで睨み合っとうと。絢ちゃん」一川警部が言うと、「はい」と返事をして2人を引きはがして連れ出した。
少し離れた所で4人は簡易捜査会議を始めた。
「長さん、ラモちゃんの言う通りで空岡が犯人なんじゃないでしょうか?」
絢巡査長がそう話を切り出した。
「う~ん。言いたい事は分かる。分かるんだけど、なぁ~んかなぁ~」
「なぁ~んかなぁ~って。私の推理が当たっているから悔しいだけでしょ」
「はいはい。そげん話は置いといて、無差別かもしれないって言うとったよね?」
「まぁ、可能性の一つってことですからね。なにせ、確証が持てない。勿論、全ての可能性に置いてですが」
「じゃあ、その確証を得られるためにはどうすれば?」絢巡査長は、自分たちが出来る範囲での協力を申し出る。
「取り敢えず、現場を見せてもらえる? 俺はまだ見ていないから」
「分かりました。良いですよね? 一川さん」
「良かよ」
こうして、事件現場へと移動した4人。
「じゃあさ、ラモちゃん。体現しながらどういった状況だったのかを教えて」
長四郎がそう言うと「分かった」とだけ返事をし、そこから渾身の身振り手振りで事件時の状況を燐は説明した。
「分かった?」一連の説明を終えた燐が長四郎を見ると、長四郎はスマホを操作しており燐の説明を聞いていなかった。
「聞いてないし」
「あ、ごめん。もう一回やって」
燐は今すぐ殴りかかろうとするのを絢巡査長に止められ、仕方なく再度、身振り手振り体を使い長四郎に説明した。
「はぁはぁ、分かった?」息を切らしながら燐が尋ねると「ありがとう」の一言だけ返す長四郎であった。
燐はストレートな物言いで、空岡に問いかけた。
「え? 俺が?」寝耳に水と言った感じの空岡に燐は続ける。
「そうよ。谷原さんを殺そうとして、毒を盛ったんでしょ!!」
ビシッと立てた人差し指を空岡に向ける。
「君なぁ~」
空岡はどう対処して良いのか、分からず困っていると「どぉ~も、すいません。ぶしつけな事を言ってしまって」長四郎がすかさずフォローに入る。
「ちょっと! 邪魔しないでよ!!」
「別に邪魔してないし。ラモちゃんが失礼な事言うからでしょ」
「何を~」
長四郎と燐がバチバチに睨み合う。
「ははっははは! 喜朗。お前がこの私を殺そうとしたらしいな」
空岡にそう声を掛けてきた谷原。
「そうだな。殺しそびれたのが残念だよ」
「何!?」
「ま、何とか命拾いできて良かったな」
「ぐぬぬぬぬ」谷原は苦い顔をして空岡を睨む。
「あの、喧嘩なさっている所申し訳ないですけど。お2人は何故、そんなにいがみ合っていらっしゃるのですか?」
絢巡査長が質問すると「ふんっ」と鼻を鳴らしてどこかへと去っていった谷原。
「あん人、大丈夫なんやろうか? 検査断った見たやけど」
去っていく谷原を心配そうに見送る一川警部。
「大丈夫だと思いますよ。毒ごときで死ぬような魂じゃないですから」
「どうして、そうお思いで?」燐と睨み合いながら長四郎は空岡に質問した。
「嫌な話ですが、昔からの馴染みなので」
「馴染みですか・・・・・・」
「長さん、ラモちゃん。いつまで睨み合っとうと。絢ちゃん」一川警部が言うと、「はい」と返事をして2人を引きはがして連れ出した。
少し離れた所で4人は簡易捜査会議を始めた。
「長さん、ラモちゃんの言う通りで空岡が犯人なんじゃないでしょうか?」
絢巡査長がそう話を切り出した。
「う~ん。言いたい事は分かる。分かるんだけど、なぁ~んかなぁ~」
「なぁ~んかなぁ~って。私の推理が当たっているから悔しいだけでしょ」
「はいはい。そげん話は置いといて、無差別かもしれないって言うとったよね?」
「まぁ、可能性の一つってことですからね。なにせ、確証が持てない。勿論、全ての可能性に置いてですが」
「じゃあ、その確証を得られるためにはどうすれば?」絢巡査長は、自分たちが出来る範囲での協力を申し出る。
「取り敢えず、現場を見せてもらえる? 俺はまだ見ていないから」
「分かりました。良いですよね? 一川さん」
「良かよ」
こうして、事件現場へと移動した4人。
「じゃあさ、ラモちゃん。体現しながらどういった状況だったのかを教えて」
長四郎がそう言うと「分かった」とだけ返事をし、そこから渾身の身振り手振りで事件時の状況を燐は説明した。
「分かった?」一連の説明を終えた燐が長四郎を見ると、長四郎はスマホを操作しており燐の説明を聞いていなかった。
「聞いてないし」
「あ、ごめん。もう一回やって」
燐は今すぐ殴りかかろうとするのを絢巡査長に止められ、仕方なく再度、身振り手振り体を使い長四郎に説明した。
「はぁはぁ、分かった?」息を切らしながら燐が尋ねると「ありがとう」の一言だけ返す長四郎であった。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる