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第拾肆話-希望
希望-12
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第1ターミナルの大会議室に急遽、設立された会議室に赴いた長四郎、燐、絢巡査長の3人。
「お前達、帰ったんじゃないのか!!」
長四郎と燐を見るや否やしかり付ける森林管理官。
「怒っちゃやーよ」長四郎は気にしないといった感じで森林管理官に近づいていく。
「な、何だ!?」
「何だって言われてもな。犯人があんたらの中にいるって事が分かったから、教えに来たのに」
その言葉を聞いた捜査員一同、目を丸くする。
「本当か!」
「こんな時に噓をついても仕方ないでしょ。と言っても、犯人が誰かまでは分からないですけどねぇ~」
長四郎はそう言うと一川警部を見てウインクし、一川警部もまたウインクし返す。
「ちょっと、待ってくれ」言葉を発したのは、公安の捜査員の高倉であった。
「あんたの言い分だと、警察の中にサクル・オリオ・クラウの一味が居るという話に聞こえるんだか、そんな事は絶対にない。断言できる」
「そう言いたくなるのは分かりますけどね。第2ターミナルでさっき捕まえた男がゲロったんだよ。指令塔のCaptainが自分達の状況を逐一確認して指示をくれている。ってな」
「そんな訳あるか!」
「そんな怒らなくても・・・・・・」
「俺達は、この15年も奴らの動向を追っていたんだ! だから、裏切り者が居ればすぐに分かる!!」
「分っかりました。ここで議論しても仕方ないので、話進めましょう」
長四郎が仕切り直そうとした時、旭が戻ってきた。
「奴の名前とサクル・オリオ・クラウの目的、SUITOの隠し場所が判りました」
旭からもたらされた吉報に、捜査員達はどよめく。
「詳しく聞かせてくれっ!」
「はい」
そこから、旭は男から聞き出したことを語り始めた。
「奴の名前は、天走 新太。29歳。職業は清掃作業員です」
捜査員は旭の報告を聞きながらメモを取り、長四郎と燐は黙ったまま聞き耳を立てる。
「奴らはSUITOを使い、バイオテロを起こそうとしています」
「あいつの言ってた通りだね」
燐は長四郎に小声で話しかけると、何も答えず頷くだけの返事をする。
「そして、SUITOの隠し場所ですが」
プロジェクターから映し出される第1ターミナル、第2ターミナル、第3ターミナルの地図にレーザーポインターでSUITOの在処を捜査員たちに伝えていく。
それと並行してパソコンを操作する警察官が、レーザーポインターで指示されたところにマークを打っていく。
「以上が、天走から聞き出せた情報です」
「分かった。良いか、今からこのマークを打った場所に急行し、SUITOを回収せよ!」
『はいっ!!』
その場に居る捜査員全員が声を揃えて返事をして、一斉に大会議室を出て行く。
勿論、命捜班の2人もである。
「行っちゃった・・・・・・」
長四郎はそうぽつりと呟く。
「行っちゃったじゃないでしょ。私たちも行こうよ」
そう言う燐に長四郎は手を挙げて制止し、報告を終え一息つく旭の元へと駆け寄る。
「先程はどうも」
そう声を掛けると、居るはずのない長四郎に驚く旭。
「どうして、ここに?」
「いや~色々とありましてね。そんな中で、第2ターミナルのこことここのSUITOは見つけたんですよ」
長四郎はそう言いながら、推理で見つけたトイレとハンバーガーショップを指差す。
「そうですか」旭は素っ気ない返事をしながら、スマホを操作する。
長四郎がさり気なく覗くと、誰かにメッセージを送っているようだった。
だが、同僚の高倉はここに居てこれからの捜査方針を森林管理官と打ち合わせをしている。
そんな事を気にしながら、話を続けていく。
「そう言えば、天走の姿が見えませんね」
「奴は同僚が本部へと連行されました」
「その事は、あのおっさんも知っているんですか?」燐が会話に入ってくる。
「まだ、報告していません」
「それって、報告しないといけない事なんじゃないですか?」
「時期を見て言います」
「ラモちゃん、そう言う事は言ってはダメよ。人には人のタイミングってものがあるんだから」
「それはそうだけど」
「貴方達、サクル・オリオ・クラウの一味が監視しているかもしれないので早く立ち去った方が良いですよ」
「それもそうね。行こうか。長四郎」
「嫌だ。ここに残る」
「良いから、行くんだよ!」
燐に首根っこを掴まれた長四郎は引きずられながら大会議室から出されるのだった。
「お前達、帰ったんじゃないのか!!」
長四郎と燐を見るや否やしかり付ける森林管理官。
「怒っちゃやーよ」長四郎は気にしないといった感じで森林管理官に近づいていく。
「な、何だ!?」
「何だって言われてもな。犯人があんたらの中にいるって事が分かったから、教えに来たのに」
その言葉を聞いた捜査員一同、目を丸くする。
「本当か!」
「こんな時に噓をついても仕方ないでしょ。と言っても、犯人が誰かまでは分からないですけどねぇ~」
長四郎はそう言うと一川警部を見てウインクし、一川警部もまたウインクし返す。
「ちょっと、待ってくれ」言葉を発したのは、公安の捜査員の高倉であった。
「あんたの言い分だと、警察の中にサクル・オリオ・クラウの一味が居るという話に聞こえるんだか、そんな事は絶対にない。断言できる」
「そう言いたくなるのは分かりますけどね。第2ターミナルでさっき捕まえた男がゲロったんだよ。指令塔のCaptainが自分達の状況を逐一確認して指示をくれている。ってな」
「そんな訳あるか!」
「そんな怒らなくても・・・・・・」
「俺達は、この15年も奴らの動向を追っていたんだ! だから、裏切り者が居ればすぐに分かる!!」
「分っかりました。ここで議論しても仕方ないので、話進めましょう」
長四郎が仕切り直そうとした時、旭が戻ってきた。
「奴の名前とサクル・オリオ・クラウの目的、SUITOの隠し場所が判りました」
旭からもたらされた吉報に、捜査員達はどよめく。
「詳しく聞かせてくれっ!」
「はい」
そこから、旭は男から聞き出したことを語り始めた。
「奴の名前は、天走 新太。29歳。職業は清掃作業員です」
捜査員は旭の報告を聞きながらメモを取り、長四郎と燐は黙ったまま聞き耳を立てる。
「奴らはSUITOを使い、バイオテロを起こそうとしています」
「あいつの言ってた通りだね」
燐は長四郎に小声で話しかけると、何も答えず頷くだけの返事をする。
「そして、SUITOの隠し場所ですが」
プロジェクターから映し出される第1ターミナル、第2ターミナル、第3ターミナルの地図にレーザーポインターでSUITOの在処を捜査員たちに伝えていく。
それと並行してパソコンを操作する警察官が、レーザーポインターで指示されたところにマークを打っていく。
「以上が、天走から聞き出せた情報です」
「分かった。良いか、今からこのマークを打った場所に急行し、SUITOを回収せよ!」
『はいっ!!』
その場に居る捜査員全員が声を揃えて返事をして、一斉に大会議室を出て行く。
勿論、命捜班の2人もである。
「行っちゃった・・・・・・」
長四郎はそうぽつりと呟く。
「行っちゃったじゃないでしょ。私たちも行こうよ」
そう言う燐に長四郎は手を挙げて制止し、報告を終え一息つく旭の元へと駆け寄る。
「先程はどうも」
そう声を掛けると、居るはずのない長四郎に驚く旭。
「どうして、ここに?」
「いや~色々とありましてね。そんな中で、第2ターミナルのこことここのSUITOは見つけたんですよ」
長四郎はそう言いながら、推理で見つけたトイレとハンバーガーショップを指差す。
「そうですか」旭は素っ気ない返事をしながら、スマホを操作する。
長四郎がさり気なく覗くと、誰かにメッセージを送っているようだった。
だが、同僚の高倉はここに居てこれからの捜査方針を森林管理官と打ち合わせをしている。
そんな事を気にしながら、話を続けていく。
「そう言えば、天走の姿が見えませんね」
「奴は同僚が本部へと連行されました」
「その事は、あのおっさんも知っているんですか?」燐が会話に入ってくる。
「まだ、報告していません」
「それって、報告しないといけない事なんじゃないですか?」
「時期を見て言います」
「ラモちゃん、そう言う事は言ってはダメよ。人には人のタイミングってものがあるんだから」
「それはそうだけど」
「貴方達、サクル・オリオ・クラウの一味が監視しているかもしれないので早く立ち去った方が良いですよ」
「それもそうね。行こうか。長四郎」
「嫌だ。ここに残る」
「良いから、行くんだよ!」
燐に首根っこを掴まれた長四郎は引きずられながら大会議室から出されるのだった。
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