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第伍話-支援
支援-14
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翌朝、週刊誌にとある記事が掲載された。
記事の題目は、“あの伝説の高校生探偵が女子高生をいかがわしい恰好で不法労働させている!!!”というものだった。
全くのでたらめな記事である。
只、いかがわしい恰好というのは、正しい。
何故なら、ミニスカポリスの衣装を身に纏った燐の写真が掲載されていたからだ。
燐はこの記事が世に出回った事を知り、憤慨した。
打って変わって、長四郎は平然としていた。
「あんたさ、こんな記事出されて悔しくないの?」
朝食を食べながら、長四郎に話しかける。
「そんなかっかすんなよ」
「するわよ」
「まぁまぁ、ラモちゃん。これ食べて落ち着きなさい」
夫人はそう言って、燐に自分の皿に載ったベーコンを燐の皿に載っける。
「夫人! そういう問題じゃありません!!
これじゃ、学校にも行けないよ」
「教師の金的蹴り上げるガキが、学校に行けるかよ」
長四郎は目玉焼きを口に入れる。
「ぐっ!!」
燐は反論できないので、渋い顔をする。
「安心しろ。
この生活も今日で終わりだ」
「それ、ホント?」
「ああ」
長四郎はニンマリとし、邪悪な笑みを浮かべる。
食事を終えた2人は一度、長四郎の事務所に寄ってから事件現場の屋上へと場所を移した。
「ねぇ、ここで何しようって言うの?」
燐は、ここに来た目的を尋ねる。
「もうすぐ、分かる」
長四郎は腕時計を見て時間を確認していると、一川警部と絢巡査長が源を連れて来た。
「あっ、源だ」
燐はそう言って、源を指さす。
「あの私は、忙しいんですけど」
「すいません。すぐに終わりますから」
長四郎はそう前置きし、話を続ける。
「担当直入に言います。貴方が、林野さんを殺害しましたね」
「な、何を根拠にそんな事を!!」
その理由を求める源を見て、燐は自分の推理が正しかったのだと心の中でガッツポーズを取る。
「そう直ぐに、お認めになるとは思っていないので。お話しましょう。
まず、この事件の発端はあなたの横領から始まりました」
「わ、私が横領!? あれをやっていたのは、林野だ」
「あんたが、林野さんに濡れ衣を着せたそれだけの事でしょ」燐が話に入ってきた。
「ラモちゃん。ちょっと、黙っといて」
「ごめん」
やれやれと言った感じの溜息をついた長四郎は、話を戻す。
「貴方は、どこからか林野さんの口座に全く手を付けていない事を知った。それで横領した金の送金先を林野さんの口座にし、バレても林野さんに罪を着せる事ができるから」
「私一人じゃ、そんな芸当できない。あんたの推理は、ガバガバだ」
「そうでしょうね。でも、経理の人間を抱き込んでいたら簡単ですよね?」
「あんたも知っているだろう? 林野の横領事件でうちの会社が、調査会社使って調べているのを。そんな人間の候補なんて上がって来なかったぞ?」
「だって、あの調査会社。貴方の知人が経営している会社ですよね?
忖度し放題じゃないですか」
「そ、それは気心知れているから頼んだだけで、忖度なんて・・・・・」
「そうでしょうかね? 貴方があのマスゴミ代表格の東にリークしてくれたおかげで、こちらも動きづらくて仕方ありませんでしたが、同業者の手を借りて身辺調査させてもらいました。その結果は、言わなくても分かりますよね?」
長四郎は夫人経由で別の調査会社に依頼し、源の金の流れを追っていたのだ。
調査結果として、源が提出した書類の裏付け調査だけしかしていなかった。
しかも、その調査に見合った報酬の3倍近くの額が支払われていた。
無言のまま、何も返さなくなる源。
「黙秘されるなら、それでも結構。終わらなくなるので、話を続けますね」
長四郎は、そのまま自分の推理を話し続けた。
「それでですね。林野さんは、あなたの不正の証拠を掴んでいましたよ」
源に燐が見つけてきた証拠品のコピーを渡した。
「そんな・・・・・・」
目を見開き、資料を何度も何度も見返す。
まさか、林野がここまでの証拠を持っていたことに驚きを隠せなかった。
同時に、これが世に出なくて良かったとも源は思った。
「貴方がリークした記事が出た後、林野さんに呼び出されたじゃないんですか?」
長四郎のその言葉に、源は静かに頷いた。
「その場所がここだった」
源は頷くと、話し始めた。
「事件の日、私は林野にここへ呼び出されました。用件を尋ねた所、この証拠を自分は持っていてこの件を別のマスコミにリークすると言われました」
「それで、殺したっていうの?」
「はい」源はそれだけ言って、下を向く。
「あんた、最低だよ!!」
燐は食ってかかろうとするのを、長四郎は制止する。
「ラモちゃん、落ち着けって」
「長さん、もう良かかね?」
ここで、一川警部が会話に入ってきた。
「あ、すいません。よろしくお願いします」
長四郎がそう言うと、絢巡査長は源を連行していった。
「じゃあ、長さん。明日、源の家にがさ入れするから。その時に、ここにあった下足痕の靴を押収するけん。安心しとって」
「はい、分かりました」
「じゃ」
一川警部は去って行った。
「離してよっ!!」
「あ、悪ぃ、悪ぃ」
長四郎は掴んでいた腕を離す。
その様子を物陰から覗く人物がいた。
今日の長四郎達の尾行を担当していた北西であった。
そして、北西は東に連絡する。
「東さん、実は・・・・・・」
その夜、源の部屋を訪れる人影があった。
その人影はそろりそろりと玄関の下駄箱の戸を、音を立てないよう開けそっと靴を入れた。
その時、フラッシュが焚かれた。
人影は慌てて部屋を出ようと玄関を開けると、目の前に長四郎が立っていた。
「お、お前は・・・・・・」人影は長四郎の姿を見て後ずさりする。
「どう? ラモちゃん、バッチリ?」
長四郎が玄関に入ったと同時に、部屋の照明に灯りが灯る。
「バッチグーよ」
そう言って撮影したスマホの写真を見せる燐の背後には、一川警部と絢巡査長が立っていた。
「これは、どういうことか説明して貰えますか? 東ァァァァァァァァァァァァァ!!!」
長四郎は半沢直樹風に、目の前にいる東を恫喝する。
東は真っ青な顔で、その場にへたり込むのであった。
記事の題目は、“あの伝説の高校生探偵が女子高生をいかがわしい恰好で不法労働させている!!!”というものだった。
全くのでたらめな記事である。
只、いかがわしい恰好というのは、正しい。
何故なら、ミニスカポリスの衣装を身に纏った燐の写真が掲載されていたからだ。
燐はこの記事が世に出回った事を知り、憤慨した。
打って変わって、長四郎は平然としていた。
「あんたさ、こんな記事出されて悔しくないの?」
朝食を食べながら、長四郎に話しかける。
「そんなかっかすんなよ」
「するわよ」
「まぁまぁ、ラモちゃん。これ食べて落ち着きなさい」
夫人はそう言って、燐に自分の皿に載ったベーコンを燐の皿に載っける。
「夫人! そういう問題じゃありません!!
これじゃ、学校にも行けないよ」
「教師の金的蹴り上げるガキが、学校に行けるかよ」
長四郎は目玉焼きを口に入れる。
「ぐっ!!」
燐は反論できないので、渋い顔をする。
「安心しろ。
この生活も今日で終わりだ」
「それ、ホント?」
「ああ」
長四郎はニンマリとし、邪悪な笑みを浮かべる。
食事を終えた2人は一度、長四郎の事務所に寄ってから事件現場の屋上へと場所を移した。
「ねぇ、ここで何しようって言うの?」
燐は、ここに来た目的を尋ねる。
「もうすぐ、分かる」
長四郎は腕時計を見て時間を確認していると、一川警部と絢巡査長が源を連れて来た。
「あっ、源だ」
燐はそう言って、源を指さす。
「あの私は、忙しいんですけど」
「すいません。すぐに終わりますから」
長四郎はそう前置きし、話を続ける。
「担当直入に言います。貴方が、林野さんを殺害しましたね」
「な、何を根拠にそんな事を!!」
その理由を求める源を見て、燐は自分の推理が正しかったのだと心の中でガッツポーズを取る。
「そう直ぐに、お認めになるとは思っていないので。お話しましょう。
まず、この事件の発端はあなたの横領から始まりました」
「わ、私が横領!? あれをやっていたのは、林野だ」
「あんたが、林野さんに濡れ衣を着せたそれだけの事でしょ」燐が話に入ってきた。
「ラモちゃん。ちょっと、黙っといて」
「ごめん」
やれやれと言った感じの溜息をついた長四郎は、話を戻す。
「貴方は、どこからか林野さんの口座に全く手を付けていない事を知った。それで横領した金の送金先を林野さんの口座にし、バレても林野さんに罪を着せる事ができるから」
「私一人じゃ、そんな芸当できない。あんたの推理は、ガバガバだ」
「そうでしょうね。でも、経理の人間を抱き込んでいたら簡単ですよね?」
「あんたも知っているだろう? 林野の横領事件でうちの会社が、調査会社使って調べているのを。そんな人間の候補なんて上がって来なかったぞ?」
「だって、あの調査会社。貴方の知人が経営している会社ですよね?
忖度し放題じゃないですか」
「そ、それは気心知れているから頼んだだけで、忖度なんて・・・・・」
「そうでしょうかね? 貴方があのマスゴミ代表格の東にリークしてくれたおかげで、こちらも動きづらくて仕方ありませんでしたが、同業者の手を借りて身辺調査させてもらいました。その結果は、言わなくても分かりますよね?」
長四郎は夫人経由で別の調査会社に依頼し、源の金の流れを追っていたのだ。
調査結果として、源が提出した書類の裏付け調査だけしかしていなかった。
しかも、その調査に見合った報酬の3倍近くの額が支払われていた。
無言のまま、何も返さなくなる源。
「黙秘されるなら、それでも結構。終わらなくなるので、話を続けますね」
長四郎は、そのまま自分の推理を話し続けた。
「それでですね。林野さんは、あなたの不正の証拠を掴んでいましたよ」
源に燐が見つけてきた証拠品のコピーを渡した。
「そんな・・・・・・」
目を見開き、資料を何度も何度も見返す。
まさか、林野がここまでの証拠を持っていたことに驚きを隠せなかった。
同時に、これが世に出なくて良かったとも源は思った。
「貴方がリークした記事が出た後、林野さんに呼び出されたじゃないんですか?」
長四郎のその言葉に、源は静かに頷いた。
「その場所がここだった」
源は頷くと、話し始めた。
「事件の日、私は林野にここへ呼び出されました。用件を尋ねた所、この証拠を自分は持っていてこの件を別のマスコミにリークすると言われました」
「それで、殺したっていうの?」
「はい」源はそれだけ言って、下を向く。
「あんた、最低だよ!!」
燐は食ってかかろうとするのを、長四郎は制止する。
「ラモちゃん、落ち着けって」
「長さん、もう良かかね?」
ここで、一川警部が会話に入ってきた。
「あ、すいません。よろしくお願いします」
長四郎がそう言うと、絢巡査長は源を連行していった。
「じゃあ、長さん。明日、源の家にがさ入れするから。その時に、ここにあった下足痕の靴を押収するけん。安心しとって」
「はい、分かりました」
「じゃ」
一川警部は去って行った。
「離してよっ!!」
「あ、悪ぃ、悪ぃ」
長四郎は掴んでいた腕を離す。
その様子を物陰から覗く人物がいた。
今日の長四郎達の尾行を担当していた北西であった。
そして、北西は東に連絡する。
「東さん、実は・・・・・・」
その夜、源の部屋を訪れる人影があった。
その人影はそろりそろりと玄関の下駄箱の戸を、音を立てないよう開けそっと靴を入れた。
その時、フラッシュが焚かれた。
人影は慌てて部屋を出ようと玄関を開けると、目の前に長四郎が立っていた。
「お、お前は・・・・・・」人影は長四郎の姿を見て後ずさりする。
「どう? ラモちゃん、バッチリ?」
長四郎が玄関に入ったと同時に、部屋の照明に灯りが灯る。
「バッチグーよ」
そう言って撮影したスマホの写真を見せる燐の背後には、一川警部と絢巡査長が立っていた。
「これは、どういうことか説明して貰えますか? 東ァァァァァァァァァァァァァ!!!」
長四郎は半沢直樹風に、目の前にいる東を恫喝する。
東は真っ青な顔で、その場にへたり込むのであった。
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