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第壱話-結成
結成-15
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その頃、燐は普段通りの学校生活を送れたわけではなかった。
盗まれた教科書は帰ってきたまでは良かったのだが、切り刻まれていたり罵詈雑言の嵐の落書きが書かれていたりと使えないような物になっていた。
それだけに止まらず、ジャージや上履きにも同様の事がなされていた。
だが、燐はそれに驚くことはなく昨日と同じく写真撮影をし、長四郎に写真と共に、メッセージを送る。
相も変わらず、クラスメイトは燐を嘲笑し続ける。
「人殺しがよく学校に来れるよな」
やんちゃ系男子が燐や周りのクラスメイトに聞こえるように喋る。
「ホント、ホント」「マジ、それな」とかやんちゃ系男子の取り巻きが賛同する。
その一言で、より燐に厳しい目が向けられる。
流石に燐自身も分が悪いと思い、教室を出た。
「おっ! 殺人犯が逃亡か?」
やんちゃ系男子のこの言葉で教室内がどっと笑いに包まれる。
それから1時間後、突如として教室に燐と一川警部に連れられた鑑識捜査員が入って来た。
ラッキーなことに休み時間だったので教師に邪魔されることはなかった。
「羅猛さん、この教科書が紛失したのはいつからですか?」
「昨日です。証拠もあります」
ラモちゃん呼びではないのかと思いながら一川警部の質問に答えていると、やんちゃ系男子が口を開く。
「刑事さん、そいつ殺人犯ですから逮捕してあげてください」
涙ぐむようなジェスチャーするやんちゃ系男子。
「彼女が殺人犯。それって誰の?」
「赤山君です。刑事だったら分かるでしょ。無能ですか?」
やんちゃ系男子の挑発にクラス内が色めき立す。
「確証あると?
あるんやったらこんなところじゃなくて、警視庁でお話を聞くばい」
「それは・・・・・・・・」
返答に困るやんちゃ系男子。
「取り敢えず、この場に居る全員の指紋採取をしたいので、ご協力願います。
自分が犯人ではない事を証明する為にも宜しく」
一川警部の元に次々と生徒が寄ってくる。
「ああ、ごめん、ごめん。おじさんやなくてこっちの人に。さぁ、一列に並んで」
一川警部は寄ってきた生徒達を一列に並ばせて鑑識捜査員が指紋を採取していく。
遂に、やんちゃ系男子とその取り巻きの番が来た。
「お前がやれよ」「いや、お前が」みたいなノリで中々、採取に応じない。
すると、田中山校長,菅刑事が教室に駆け込んできた。
「な、何をやっているんだ!!」
田中山校長が一川警部をまくし立てる。
「何って鑑識作業ですけど」
「事件と関係があるのか」
ここで菅刑事が割って入ってくる。
「羅猛 燐さんが被害届を出されたのでその事件の捜査ですが」
一川警部は淡々と答え、田中山校長はどうにかできないのかという顔で菅刑事を見るが、菅刑事は首を横に振り、手の打ちようがない事を伝える。
「何故、学校に相談しないんだ!!!」
田中山校長は、燐を怒鳴りつける。
「信用できないんで」
「何だと!?」
燐に掴みかかろうとする田中山校長を投げ飛ばす一川警部。
「手を出したらいかんばい。で、君たちは採取させてくれると?」
一川警部は、やんちゃ系男子達に尋ねる。
「おい、それは脅迫だぞ!!」
菅刑事が一川警部に食らいつく。
「事件解決の為やけん」
「事件解決の為だったら何してもいいのか!?」
「それをあんたが言うかね。
これは任意やし、彼らが犯人と決まったわけではない」
「それはそうだが。
たかが、いじめごときで警察を使うというのはどうなんだ?」
「いじめごときやと?」
一川警部は固く握った拳を燐の机に叩きつける。
周囲の人間は固まり萎縮する。
「これを見てまだそげなこと言えるとか!!」
一川警部はボロボロになった教科書を菅刑事に叩きつけると、教科書が開いた状態で床に落ちる。
そこには「死ね」「犯罪者」「生きてるんじゃねぇ!」「死刑」等の罵詈雑言がページ一面に色んな筆跡で書かれていた。
「こんなこと書かれて平気な奴でもおる言うんか!!!
おらんやろ!! それにこの子は、クラスの同級生から犯罪者って言われとる。
羅猛さんが犯罪を犯した言っていう事実でもあるんか! ないやろ!!
ありもしない噓を鵜吞みにして、犯罪者相手なら何をやっても良いから無視するのか!
菅さんよ!!!」
激昂する一川警部に、菅刑事はタジタジになる。
「それは学校が解決することでだな」
「何を言っとるんだ!! きさん!!!!4年も立て続けに自殺事件を起こしている学校のどこを信用しろって言うんだ?
こんな悪質ないじめを隠蔽してきたツケが回ってきた。
それを理解しろっ!!!」
俯いたままの菅刑事,田中山校長。
「声を荒げてしまってすいません。あたしはこんな卑怯な真似をする奴を許しません。
君達も子供じゃないから犯罪行為をしているのはどっちか理解できるやろ。
後は、君らの善意にお任せします」
やんちゃ系男子,その取り巻き達に一川警部は頭を下げる。
何を思うたのかやんちゃ系男子が率先して採取に協力し始めた。
「お、おい! 協力することはないんだぞ!」
田中山校長は止めようとするが菅刑事は諦めたといった顔で生徒が協力するのを黙って見ているしかなかった。
盗まれた教科書は帰ってきたまでは良かったのだが、切り刻まれていたり罵詈雑言の嵐の落書きが書かれていたりと使えないような物になっていた。
それだけに止まらず、ジャージや上履きにも同様の事がなされていた。
だが、燐はそれに驚くことはなく昨日と同じく写真撮影をし、長四郎に写真と共に、メッセージを送る。
相も変わらず、クラスメイトは燐を嘲笑し続ける。
「人殺しがよく学校に来れるよな」
やんちゃ系男子が燐や周りのクラスメイトに聞こえるように喋る。
「ホント、ホント」「マジ、それな」とかやんちゃ系男子の取り巻きが賛同する。
その一言で、より燐に厳しい目が向けられる。
流石に燐自身も分が悪いと思い、教室を出た。
「おっ! 殺人犯が逃亡か?」
やんちゃ系男子のこの言葉で教室内がどっと笑いに包まれる。
それから1時間後、突如として教室に燐と一川警部に連れられた鑑識捜査員が入って来た。
ラッキーなことに休み時間だったので教師に邪魔されることはなかった。
「羅猛さん、この教科書が紛失したのはいつからですか?」
「昨日です。証拠もあります」
ラモちゃん呼びではないのかと思いながら一川警部の質問に答えていると、やんちゃ系男子が口を開く。
「刑事さん、そいつ殺人犯ですから逮捕してあげてください」
涙ぐむようなジェスチャーするやんちゃ系男子。
「彼女が殺人犯。それって誰の?」
「赤山君です。刑事だったら分かるでしょ。無能ですか?」
やんちゃ系男子の挑発にクラス内が色めき立す。
「確証あると?
あるんやったらこんなところじゃなくて、警視庁でお話を聞くばい」
「それは・・・・・・・・」
返答に困るやんちゃ系男子。
「取り敢えず、この場に居る全員の指紋採取をしたいので、ご協力願います。
自分が犯人ではない事を証明する為にも宜しく」
一川警部の元に次々と生徒が寄ってくる。
「ああ、ごめん、ごめん。おじさんやなくてこっちの人に。さぁ、一列に並んで」
一川警部は寄ってきた生徒達を一列に並ばせて鑑識捜査員が指紋を採取していく。
遂に、やんちゃ系男子とその取り巻きの番が来た。
「お前がやれよ」「いや、お前が」みたいなノリで中々、採取に応じない。
すると、田中山校長,菅刑事が教室に駆け込んできた。
「な、何をやっているんだ!!」
田中山校長が一川警部をまくし立てる。
「何って鑑識作業ですけど」
「事件と関係があるのか」
ここで菅刑事が割って入ってくる。
「羅猛 燐さんが被害届を出されたのでその事件の捜査ですが」
一川警部は淡々と答え、田中山校長はどうにかできないのかという顔で菅刑事を見るが、菅刑事は首を横に振り、手の打ちようがない事を伝える。
「何故、学校に相談しないんだ!!!」
田中山校長は、燐を怒鳴りつける。
「信用できないんで」
「何だと!?」
燐に掴みかかろうとする田中山校長を投げ飛ばす一川警部。
「手を出したらいかんばい。で、君たちは採取させてくれると?」
一川警部は、やんちゃ系男子達に尋ねる。
「おい、それは脅迫だぞ!!」
菅刑事が一川警部に食らいつく。
「事件解決の為やけん」
「事件解決の為だったら何してもいいのか!?」
「それをあんたが言うかね。
これは任意やし、彼らが犯人と決まったわけではない」
「それはそうだが。
たかが、いじめごときで警察を使うというのはどうなんだ?」
「いじめごときやと?」
一川警部は固く握った拳を燐の机に叩きつける。
周囲の人間は固まり萎縮する。
「これを見てまだそげなこと言えるとか!!」
一川警部はボロボロになった教科書を菅刑事に叩きつけると、教科書が開いた状態で床に落ちる。
そこには「死ね」「犯罪者」「生きてるんじゃねぇ!」「死刑」等の罵詈雑言がページ一面に色んな筆跡で書かれていた。
「こんなこと書かれて平気な奴でもおる言うんか!!!
おらんやろ!! それにこの子は、クラスの同級生から犯罪者って言われとる。
羅猛さんが犯罪を犯した言っていう事実でもあるんか! ないやろ!!
ありもしない噓を鵜吞みにして、犯罪者相手なら何をやっても良いから無視するのか!
菅さんよ!!!」
激昂する一川警部に、菅刑事はタジタジになる。
「それは学校が解決することでだな」
「何を言っとるんだ!! きさん!!!!4年も立て続けに自殺事件を起こしている学校のどこを信用しろって言うんだ?
こんな悪質ないじめを隠蔽してきたツケが回ってきた。
それを理解しろっ!!!」
俯いたままの菅刑事,田中山校長。
「声を荒げてしまってすいません。あたしはこんな卑怯な真似をする奴を許しません。
君達も子供じゃないから犯罪行為をしているのはどっちか理解できるやろ。
後は、君らの善意にお任せします」
やんちゃ系男子,その取り巻き達に一川警部は頭を下げる。
何を思うたのかやんちゃ系男子が率先して採取に協力し始めた。
「お、おい! 協力することはないんだぞ!」
田中山校長は止めようとするが菅刑事は諦めたといった顔で生徒が協力するのを黙って見ているしかなかった。
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