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愛を交わす2人と傍観者
しおりを挟むご家族全員と対面し、表面には感情を出さないがかなり冷や汗をかいているアデラールは周りを見渡す。
少しでも状況を把握しようとするがマシューは頭を抱え、主人は自分の世界に入り込んでいる様だ。
奥様は微笑んでいるが、あれは意識を遠くに飛ばしている。
マリエナはアデラールを見つめて極上の微笑みを浮かべた。
何があったのか?考えられるのは昨夜の出来事をマリエナが話した、くらいだろうか。
ごくりと生唾を飲むと叱咤されるのを覚悟して項垂れたままのご主人に声をかける。
「サーラスティ様」
ぴくっとご主人が動いた。
「この度は、順番が逆になり申し訳」
「アデラールぅぅうううーーー!!!」
いきなりアデラールに駆け寄りぎゅーーーーっと力強く抱きしめられた。
おっさんに。
!!??!!?????!!!?!
感情があるのかと使用人仲間の噂になる程の、冷静で知られているアデラールはかつてないほどに動揺した。
「マリエナが、マリエナが!!!」
ぐじゅぐじゅに泣いている厳格な主人に完全に固まるアデラール。
「お父様、大の男が泣くなんてみっともないです」
腕を組み、ふん!とマリエナが鼻で笑う。
だって、だって……とメソメソなく主人の背中を撫でて慰める。
「私はこれから神の道に進むことにしましたの」
何をどうしたらその様な発想になるのか。
腰に手を当て、踏ん反り返りながら偉そうにマリエナが続ける。
「私、エクトル様に限らず、誰とも結婚しませんの。でも未婚の妹がいつまでも家に住んでいたらお兄様のお嫁さんに負担がかかるでしょう?だから、私ひとりで生きて行くことにしましたの」
まだ居もしない義姉のことを思い、そう言い切る彼女は足元に小さな鞄を置いていた。
「だから、最後のご挨拶をしていたのよ」
にこにこと笑う彼女はこちらに歩み寄って、最後の握手と言わんばかりにアデラールへと手を差し出してきた。
「へぇ」
何がおかしいのか薄く笑いながら片方の眉を動かし、アデラールは抱き付いてくる主人をぺい、と隣に追いやる。(主人なのに!)
そしてマリエナと最後の握手を…………
そのままマリエナを抱き寄せると腰を掴んで顎を上げさせて濃厚なキスを落とす。
目をまんまるにしたマリエナははじめは体を強張らせていたが、やがてアデラールに全てを委ねて力を抜いた。
ん、ん、と受け入れるマリエナは恍惚としている。
あわわわわわと手を食べているのは兄、マシュー。
目がきらっきらに恋する乙女になっている奥様。
この世の終わりにいるのは主人。
ちゅ、と音を立てて離れるふたりの唇。
「お嬢様、俺と結婚しましょう」
潤んだ瞳が驚愕し、涙が流れる。
「……はいっ!」
そのままアデラールの首元へ抱きつくマリエナ。
抱き付いた勢いでマリエナを抱っこしたままくるくる、と回ると熱く視線を交わす。
そして見つめ合うふたりはそのまま唇を寄せ合……。
「ストーーーーーーーーーーーーーーップ!!!!!」
ぶちゅ、とアデラールとマリエナは父親の手の平と甲にそれぞれ口付けた。2人の顔の間に手を出し、顔を真っ赤にして今にも血管がブチ切れそうなお父様。
これからふたりは家族に必死になって説明をするのだった……。
「は?マリエナが俺以外と結婚するだと?」
怒りに震えるのはほんの昨日までマリエナの婚約者だったエクトルだった。
父親に呼び出されて一方的にその件を伝えられ、自室に戻ってから怒りが爆発していた。
がしゃんがしゃん物に当たり散らかしてから、少しだけスッキリして冷静になる。
あんなに俺に惚れていたマリエナが急に結婚するだなんておかしいだろ、何があったに違いない。
昨日急に家に先方から連絡があり、自分の父親が勝手に同意し、婚約解消してしまったそうだ。
それに対して自分が少し別の女に手を出した程度で覆る婚約では無いと過信していたエクトルは自分勝手ながら怒っていた。
まだ、俺はマリエナにいれてないんだぞ。
あのきめの細かい、甘く白く美しい肌を思い出し憤る。
アリスというメイドに手を出したが、水仕事で荒れた手や日に焼けた皮膚は到底マリエナには及ばない。
ハッと気付く。
マリエナは俺と婚約しているにも関わらず浮気相手と関係を築いていたのか!
それとも、何者かがエクトル以外の嫁に行きたく無いと泣くマリエナを無理矢理モノにしたのか……!!
どちらにせよマリエナを救い出してやらなければ!
そう思い立ったエクトルは勝手知ったるマリエナの家へ夜中忍び込んだ。
マリエナの部屋へ隣の木を伝いバルコニーから侵入する。
不用心に鍵のかかっていないガラスの窓を開けると音もなく動いた。
ぴちゃ、ぴちゃ……
雲で月が隠れているため、室内は暗闇に包まれている。
不思議な音はマリエナのベットの方からしていた。
眉を顰めたエクトルは音を立てないように近づいていく。
「ほら、入りましたよ、マリエナ」
「や……みないで……んっ!頭がおかしくなっちゃう」
神の悪戯か、その時月を隠していた雲が途切れ、薄明かりが照らし出す。
マリエナの白くまだ発達しきれていない、輝かんばかりの裸体がそこにはあった。
エクトルから見えるのは後ろから、それも天蓋の薄布越しだった。
それでも十分、薄く月明かりに照らされたマリエナは夢幻のようだった。
金のふわふわの髪の毛から見える肩が小さく震えていて、すごく艶かしい。
アレは俺のものだ。
ごくり
エクトルは生唾を飲み込む。
手を伸ばそうとした時、男の声がした。
「動きますよ」
「あっ!やっ!んっ!凄いの、あっ!!」
裸体が下から突き上げられて動いている。
マリエナが仰け反り、少しだけ角度が変わり慎ましい胸が無骨な男の手によって形が変わっているのが見えた。
「はぁ、軽すぎて、ほら、飛んでしまい、そう、です」
浅ましくもマリエナは大柄な男の上に裸で跨り快楽に溺れている。
己の胸を揉む逞しい男の腕に縋りつき、きもちいい、きもちいいと啜り泣きしている。
きゅう、と乳首を強く摘まれ、一際高い声で鳴いた。
「や、アデラール、遠いの、キスして」
横になっていた男が起き上がる。
「マリエナ……」
マリエナの瞳に浮かんでいた涙を舐め取り、そのまま深いキスを落とした。
抱き合う2人の腰が妖しく動いていて、キスをしながら快楽を求め合う。
ぬち、ぬちと緩やかな動く音にエクトルは腰が抜けてしまい、音もなく座り込む。
エクトルは愕然とした。
そして大分歳上に見えるおじさんに組み敷かれるマリエナに絶望した。
それなのに、自身がかつてないほどに硬くなるのを感じた。
いやいや、とマリエナが頭を振ると美しい金の髪がふわり、ふわりと動く。
「アデラール、アディ、もっと、とんとん、もっとして」
その言葉を引き金に男は唸り声をあげるとマリエナを押し倒し激しく動き出した。マリエナはひどくいやらしい声を上げる。
鍛え上げられた肉体を持った男の腕の中でマリエナは喜びに狂っていく。
「凄いっ!凄いの!や、あっ!!」
剛直でマリエナの良いところを上から、下から角度を変えて円を描くように動くアデラールに追い込まれていく。
「きちゃう、きちゃうの!」
快楽でアデラールを包み込むマリエナの膣が痙攣しそうになると、ひたりと動きを止められた。
「んー!!!」
後ほんのひとさしで快楽を登り詰められたマリエナは怒って顔の横にあったアデラールの腕に甘噛みした。
いててと、嬉しそうにアデラールは笑っている。
そのまま顎を取られちゅ、ちゅ、と熱いキスを交わすとアデラールは悪い笑みを浮かべた。
「どうして欲しいのか、きちんと言わないとわからないですよ」
マリエナは顔を真っ赤にしてアデラールを睨みつけた。
「さっき言ったもの」
ほう?と楽しそうにアデラールはマリエナの両乳首を摘み上げ、人差し指でくりくり、と弄り出した。
決して痛みを伴わないその刺激はマリエナの腰を無意識に動かせた。
拙い動きはへこへこと刺さったままのアデラールを緩やかに刺激する。
ずくり
アデラールのそれは質量を増して、ピクピクと動いた。
「あっ、アディの、動かせるの?」
楽しそうに笑うマリエナはそれが射精しそうな事を知らない。
出したくて、出したくて、マリエナを孕ませたくて。
そんなことを露知らず、マリエナは無邪気に喜んで笑う。
「マリィの?」
「マリィの」
「おまんこに」
「おまんこに」
「アディの、性液を」
「アディの性液を」
「出して下さい?」
「出して下さい」
キスの合間合間に言葉を教えられるマリエナ。
ぬこぬこと緩やかな動きに感じながらも健気に最初から言わされる。
エクトルは情けなくなり、悲しくなった。
気がつくと自分のモノを取り出して、ベットの脇に落ちていたマリエナのパンティを握りしめて嗅ぎながら捌いていた。
音もなく涙が出る。
「マリィのおまんこに、アディの熱くて濃ゆい、せーえきをぴゅっぴゅしてください」
マリエナに余裕があったのはそこまでだった。
更に硬度を増したアデラールは狂ったようにマリエナを攻める。
ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん
喘ぐマリエナの声が心地よく、エクトルも共に登り詰めていく。
「いっちゃう、いっちゃうの!ああっ!!」
一際彼女の中が蠢き、搾り取るように締め付ける。
ぐるぅ、と唸り声をあげるとアデラールは二度、三度と孕め、孕めと言いながら腰を強く打ちつける。その度に熱くて濃ゆい精子がマリエナの胎内の壁へ撃ち込まれていく。
エクトルも嗅いでいたマリエナのパンティを己に当てがい、その中に目的もなく精子を出していた。
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