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第190話:男子トリオ
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☆間宮 零人sides☆
「よし、私の声は聴こえるな?
『海竜』オズベルク・ダアトと模擬戦を開始する」
「ああ! リック、テオ!
お前らも準備はいいか?」
「おうよ!」
「もちろんだ!」
ドノヴァン村の朝を迎えた。
朝つっても、まだ日が登り始めた早朝5時。
しかも今いるここは、村ではなく外…山ん中だ。
なぜこんなクソ早く、野郎の雁首そろえて〝訓練〟なんかしてるかというと、原因はルカにある。
珍しく俺より早く目覚めたルカは、お腹が空いた猫が餌を要求するかの如く、身体を揺すって俺を起こしてきたのだ。
仕方なく眠い目を擦りながら食事処に向かうと、オズのオヤジが紅茶を啜りながらダンディに気取ってカウンターに着いていた。
どうやらおっさんは、昨日去り際に言った稽古を行なうために俺らを待っていたらしい。
当然、俺もルカも朝食前にやりたくないって言ったのに、おっさんは『今日は忙しくなるから』と、全然聞いてくれなかった!
俺たちだけ訓練するというのも面白くなかったので、リックとテオの部屋に行ってコイツらも巻き込んでやった(予想外にも二人とも乗り気で応じた)。
ちなみに昨日俺が部屋に戻った時には、既にフレイの姿がなく、ルカに話を聞くと酔っぱらったナディアさんに自室に連れてかれたらしい?
…よく分からないけど、女子たちの朝は準備が掛かることは俺も理解してる。
奴らが目覚めるまで、たまには男子のトリオで暴れてやろう。
「その形態は『同調』か…?
新しい形態を習得したと聞いていたが」
「ああ、『癒着』か?
あれは身体の主がルカに入れ替わるんだよ。
エネルギーあんま使いたくないんだ」
「ほう…」
興味深そうにおっさんは頷く。
これまで『同調』『融解』そして『癒着』の、3つの変身形態を習得した俺たちだが、この中でもっともエネルギー消費が激しい形態が『癒着』だ。
よって『癒着』の使いどころは少し難しい。
主に敵の攻撃を俺では見切れない時や、俺がヤバい怪我を負った時に使う。
下手なところで使ってガス欠なったらたまったもんじゃないからな。
「二人とも、作戦通り初手は俺に任せてくれ!
ウオオオオンッ!!!」
〝魔物化〟したテオが朝一番の咆哮をあげる。
彼が毎度行なうその力強い雄叫びは、聞いている味方をも勇気づけ鼓舞してくれている。
「貴殿がパーティーに新しく加わったマスカット家の嫡男だな。
ふふ、ようこそ。歓迎するぞ」
「ああ! だが俺は『斥候』だ。
悪いが挨拶はナイフで言わせてもらう!」
テオは自前の得物を装備する。
訓練で刃物は危険だが、おっさんは規格外の戦闘力を誇るので、彼自身から使用許可が出ている。
だから俺も『仕込み鎧手』を使える!
ガキン!
「テオ! おっさんは海竜だけど、魔法得意なくせに体術も極めてやがんだ!
油断しないでいけよ!」
「分かった!」
ドンッ!
テオは頷くと、持ち前の強靭な脚力で地を蹴りおっさんに突っ込んだ!
さすがに速いぜ!
「『瞬速霞刃』!」
ブオッ!
「なっ!?」
おっさんは余裕で上体を捻って躱した!
ちっくしょうバケモンめ!
「セリーヌ以上のスピードを誇るとは…見事。
『流水流星』」
「ぐっ!? うおおお!?」
ズザザザザザッ!!!
テオを水のエネルギーで覆って、地面を滑らせながら吹っ飛ばした!
あ、あの俊敏なテオが魔法に捕まるなんて…。
すると次鋒であるリックがいつの間にかおっさんのすぐ側まで近づいていた。
…よし、あの距離はリックの間合いだ!
「次はオレだ! 『竜式正拳突き』!」
ドゴッ!!
リックの代表技である、竜の力が乗った鉄拳がおっさんに突き刺さる!
…野郎、あの手を使う気だな?
「『流水反撃』」
「そう来ると思ったぜ!
『流水式巻き投げ』!」
「むっ」
ギュルッ!!
以前『赤の洞窟』で俺に使用してきた技だ。
わざと相手に腕を掴ませ、そのまま絡め取りながらブン投げるという離れ業。
受け身を取らなければ大ダメージ必至だ!
「成長したなリック! だがこれはこう使う!
『反・流水式巻き投げ』!」
ズドンッ!!
「ガハァッ!? ウソだろオイ!?」
あの体勢からさらに投げ返しただと!?
どんな体幹してやがんだあのオヤジ?
リックは近くの木に叩きつけられ、あんぐりと口を開けている。
「フン、彼に目に物見せてやろう零人。
こちらの戦力も以前とは違う」
「おうよ!
…ついでに昨日の不満もぶつけてやらぁ!」
ブン!
座標をおっさんのやや上に設置し、右の両刃剣を振り下ろす形で転移する。
「おらああああ!!!」
「アクア…」
ブン!
カウンターを食らう前に再度転移。
場所はおっさんの後ろだ!
剣を真っ直ぐに突き出す。
「はああっ!」
「『流水幕』」
キィンッ!
だああクソッ! バリアに弾かれた!
なんでいつもこんなに早く対応できるんだ…?
…だが、これくらいは想定内だ!
ブン!
「むっ!」
「『乱馬降刃』!」
転移で出現させたテオが、上方からおっさんめがけナイフを打ち下ろす!
奇襲を行なうなら手を二重三重に用意しとけと、カルドで教わったからな!
「『流水反撃』」
グワンッ!
ああっ、いなしやがった!
このタイミングでもダメか!?
…まだまだぁ!
「くっ!? レイト!」
「おう!」
ブン!
さらにもう一つ転移を発動させる。
リックをおっさんのこれまた後ろへ出現させた!
「ちょっと卑怯くせェがカンベンしろよ!」
ガシッ!
「『竜式反り投げ』!」
リックのムキムキの腕がおっさんの腰をがっちりとロックする。
そしてそのまま後ろにブリッジし、地面へ叩きつけられ…
「お見事。『流水跳』」
ボヨンッ!
「あァ!? なんだそりゃあァ!?」
水のクッションを落下地点に設置しただと!?
…こっ、このオヤジっ!
ムカつく技ばかり使いやがって!
クッションの衝撃でリックの拘束が剥がれてしまった。
するとおっさんは余裕しゃくしゃくで振り向き、静かに魔法名を口にする。
「『流水散射』」
ボボボボボッ!!!
「げっ!?」
「やべェ!!」
「こ、これは!?」
おっさんの右手から鉛玉みたいなエネルギーの塊がめちゃくちゃ出てきた!
あんなん避けらんねぇぞ!?
「大量の攻撃性エネルギー飛来!
零人、シールドでガードしろ!」
「りょ、了解!」
ガキャン!
右の剣を盾に切り替え、攻撃に備える。
すると…
ガシッ!!
「黒毛! オレにもそいつを貸せや!」
「レイト! 早く転移を…」
「あっ!? はっ、離せてめぇら!!
ガードできないでしょうが!」
リックとテオが俺の腕を掴んできた!
なっ、何しやがる!
こいつらどこまで俺をアテにする気…
ドドドドドドド!!!
「「「ぐああああああああ!!!!」」」
「……途中までは素晴らしかったがな。
残念だが今日は70点だ」
「よし、私の声は聴こえるな?
『海竜』オズベルク・ダアトと模擬戦を開始する」
「ああ! リック、テオ!
お前らも準備はいいか?」
「おうよ!」
「もちろんだ!」
ドノヴァン村の朝を迎えた。
朝つっても、まだ日が登り始めた早朝5時。
しかも今いるここは、村ではなく外…山ん中だ。
なぜこんなクソ早く、野郎の雁首そろえて〝訓練〟なんかしてるかというと、原因はルカにある。
珍しく俺より早く目覚めたルカは、お腹が空いた猫が餌を要求するかの如く、身体を揺すって俺を起こしてきたのだ。
仕方なく眠い目を擦りながら食事処に向かうと、オズのオヤジが紅茶を啜りながらダンディに気取ってカウンターに着いていた。
どうやらおっさんは、昨日去り際に言った稽古を行なうために俺らを待っていたらしい。
当然、俺もルカも朝食前にやりたくないって言ったのに、おっさんは『今日は忙しくなるから』と、全然聞いてくれなかった!
俺たちだけ訓練するというのも面白くなかったので、リックとテオの部屋に行ってコイツらも巻き込んでやった(予想外にも二人とも乗り気で応じた)。
ちなみに昨日俺が部屋に戻った時には、既にフレイの姿がなく、ルカに話を聞くと酔っぱらったナディアさんに自室に連れてかれたらしい?
…よく分からないけど、女子たちの朝は準備が掛かることは俺も理解してる。
奴らが目覚めるまで、たまには男子のトリオで暴れてやろう。
「その形態は『同調』か…?
新しい形態を習得したと聞いていたが」
「ああ、『癒着』か?
あれは身体の主がルカに入れ替わるんだよ。
エネルギーあんま使いたくないんだ」
「ほう…」
興味深そうにおっさんは頷く。
これまで『同調』『融解』そして『癒着』の、3つの変身形態を習得した俺たちだが、この中でもっともエネルギー消費が激しい形態が『癒着』だ。
よって『癒着』の使いどころは少し難しい。
主に敵の攻撃を俺では見切れない時や、俺がヤバい怪我を負った時に使う。
下手なところで使ってガス欠なったらたまったもんじゃないからな。
「二人とも、作戦通り初手は俺に任せてくれ!
ウオオオオンッ!!!」
〝魔物化〟したテオが朝一番の咆哮をあげる。
彼が毎度行なうその力強い雄叫びは、聞いている味方をも勇気づけ鼓舞してくれている。
「貴殿がパーティーに新しく加わったマスカット家の嫡男だな。
ふふ、ようこそ。歓迎するぞ」
「ああ! だが俺は『斥候』だ。
悪いが挨拶はナイフで言わせてもらう!」
テオは自前の得物を装備する。
訓練で刃物は危険だが、おっさんは規格外の戦闘力を誇るので、彼自身から使用許可が出ている。
だから俺も『仕込み鎧手』を使える!
ガキン!
「テオ! おっさんは海竜だけど、魔法得意なくせに体術も極めてやがんだ!
油断しないでいけよ!」
「分かった!」
ドンッ!
テオは頷くと、持ち前の強靭な脚力で地を蹴りおっさんに突っ込んだ!
さすがに速いぜ!
「『瞬速霞刃』!」
ブオッ!
「なっ!?」
おっさんは余裕で上体を捻って躱した!
ちっくしょうバケモンめ!
「セリーヌ以上のスピードを誇るとは…見事。
『流水流星』」
「ぐっ!? うおおお!?」
ズザザザザザッ!!!
テオを水のエネルギーで覆って、地面を滑らせながら吹っ飛ばした!
あ、あの俊敏なテオが魔法に捕まるなんて…。
すると次鋒であるリックがいつの間にかおっさんのすぐ側まで近づいていた。
…よし、あの距離はリックの間合いだ!
「次はオレだ! 『竜式正拳突き』!」
ドゴッ!!
リックの代表技である、竜の力が乗った鉄拳がおっさんに突き刺さる!
…野郎、あの手を使う気だな?
「『流水反撃』」
「そう来ると思ったぜ!
『流水式巻き投げ』!」
「むっ」
ギュルッ!!
以前『赤の洞窟』で俺に使用してきた技だ。
わざと相手に腕を掴ませ、そのまま絡め取りながらブン投げるという離れ業。
受け身を取らなければ大ダメージ必至だ!
「成長したなリック! だがこれはこう使う!
『反・流水式巻き投げ』!」
ズドンッ!!
「ガハァッ!? ウソだろオイ!?」
あの体勢からさらに投げ返しただと!?
どんな体幹してやがんだあのオヤジ?
リックは近くの木に叩きつけられ、あんぐりと口を開けている。
「フン、彼に目に物見せてやろう零人。
こちらの戦力も以前とは違う」
「おうよ!
…ついでに昨日の不満もぶつけてやらぁ!」
ブン!
座標をおっさんのやや上に設置し、右の両刃剣を振り下ろす形で転移する。
「おらああああ!!!」
「アクア…」
ブン!
カウンターを食らう前に再度転移。
場所はおっさんの後ろだ!
剣を真っ直ぐに突き出す。
「はああっ!」
「『流水幕』」
キィンッ!
だああクソッ! バリアに弾かれた!
なんでいつもこんなに早く対応できるんだ…?
…だが、これくらいは想定内だ!
ブン!
「むっ!」
「『乱馬降刃』!」
転移で出現させたテオが、上方からおっさんめがけナイフを打ち下ろす!
奇襲を行なうなら手を二重三重に用意しとけと、カルドで教わったからな!
「『流水反撃』」
グワンッ!
ああっ、いなしやがった!
このタイミングでもダメか!?
…まだまだぁ!
「くっ!? レイト!」
「おう!」
ブン!
さらにもう一つ転移を発動させる。
リックをおっさんのこれまた後ろへ出現させた!
「ちょっと卑怯くせェがカンベンしろよ!」
ガシッ!
「『竜式反り投げ』!」
リックのムキムキの腕がおっさんの腰をがっちりとロックする。
そしてそのまま後ろにブリッジし、地面へ叩きつけられ…
「お見事。『流水跳』」
ボヨンッ!
「あァ!? なんだそりゃあァ!?」
水のクッションを落下地点に設置しただと!?
…こっ、このオヤジっ!
ムカつく技ばかり使いやがって!
クッションの衝撃でリックの拘束が剥がれてしまった。
するとおっさんは余裕しゃくしゃくで振り向き、静かに魔法名を口にする。
「『流水散射』」
ボボボボボッ!!!
「げっ!?」
「やべェ!!」
「こ、これは!?」
おっさんの右手から鉛玉みたいなエネルギーの塊がめちゃくちゃ出てきた!
あんなん避けらんねぇぞ!?
「大量の攻撃性エネルギー飛来!
零人、シールドでガードしろ!」
「りょ、了解!」
ガキャン!
右の剣を盾に切り替え、攻撃に備える。
すると…
ガシッ!!
「黒毛! オレにもそいつを貸せや!」
「レイト! 早く転移を…」
「あっ!? はっ、離せてめぇら!!
ガードできないでしょうが!」
リックとテオが俺の腕を掴んできた!
なっ、何しやがる!
こいつらどこまで俺をアテにする気…
ドドドドドドド!!!
「「「ぐああああああああ!!!!」」」
「……途中までは素晴らしかったがな。
残念だが今日は70点だ」
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