142 / 243
第139話:ヘルベルク・キャッスル
しおりを挟む
ブン!
「『融解』を解除する。
さあ、急ぐぞ!」
「ああ!…って、やば!?
検問所混んできてるよ!
これ割り込みして怒られないか?」
「大丈夫でしょう。
謁見は坊っちゃまの組…ジオン・オットー一行として登録されていますので、特に問題ありません」
なんとか『理の指輪』を外すことに成功した俺たちは、再び『亜人の国』へと戻った。
しかし、30分ほど時間を掛けてしまったせいで、検問所の前には行列が形成されていた。
ここにいる全員が城に用があるわけではなく、王族が暮らすエリアには大貴族も住んでいるため、そちらに来訪する目的の人達がほとんどだろう。
俺らは小走りで人だかりをかき分けていく。
ルカは再び宝石形態となり、俺の頭の上に乗っかっている。
「うわっ!?な、なんだ君は!?」
「いたっ!?何あなた、割り込まないでよ!」
「スンマセン!通してください!!」
ぶつかる人達に謝罪をしながら先頭を目指すと、ジオン達が検問所の前で衛兵と話している…ちょうど順番回ってきてたのか!
危ねーなんとか間に合った!!
「ジオン!シルヴィア!待たせた!」
「レイトさん!
良かった…間に合ってくれましたね」
「レイト殿!やっと来てくれたか!
衛兵殿、彼らが僕の連れ人なのです!」
「おお、そうなのか。とにかく急いで向かおう。
まもなく、貴殿らの謁見の時間が近づいてい…」
ジオンは俺を紹介するべく前へ押し出した。
すると、衛兵さんは俺を見るとなぜか固まってしまった。
…まさか、人族はダメとか言わないよね?
「黒い頭髪に蒼い宝石…?
もしや貴殿が…噂の『蒼の英雄』なのか?」
「うえっ!?え、えっと…」
まさか国の兵隊にも俺の噂が流れてたのか!?
インターネットも無いのになんでこんな情報早いんだよ!
答えあぐねいていると、代わりにザベっさんが回答した。
「こちらの青年こそ、昨今、王都の地下で蔓延っている『裏賭博場』の壊滅を成し遂げた、マミヤ・レイトでございます」
おいいいい!?
なに物騒な紹介してくれてんだ!
警戒されたらどうすんだ馬鹿!
「あ、あのっ!衛兵さん!これは…」
「カジノ…やはりそうか!!
私の友を助けてくれたのは貴殿なのだな!
簡潔で恐縮ではあるが礼を言わせてくれ!」
「ええっ!?」
衛兵さんは俺の手を握って頭を下げてきた!
なんと、またしてもあの闘技場の被害者に縁がある人だったようだ!
これは…あの闘いは結果として俺の評判が悪くなくなったと捉えて良いのだろうか?
でも、昨日酔っ払いと喧嘩することもあったし、この反応をしてくれるのはノルンに住む全員が全員ではないと釘を刺しとくべきだ。
「さあ、国王様が待っておられる。
是非ともその話を我が王にも伝えてもらえまいか」
「あ、あはは…まあ、善処します…」
☆☆☆
ヘルベルク・キャッスル。
『亜人の国』の王都ノルンの中心にそびえ立つ、国家機関を象徴する建物だ。
ゼクス・キャッスルとはまた違うデザインのお城で、古くからの名残なのか石材で造られた城壁が高く厚く築かれている。
そして城壁以上に目立つ存在を放っているのが本館…つまりこれから俺たちが入場する場所だ。
この建物に、『亜人の国』の王様がいる。
「オットー卿。
これより城へ入るに当たって、貴殿らの身体検査を実施する。
武具の類や暗器など、殺傷力がある全ての持ち物はここで預けてもらうが、構わないかな?」
「もちろんだ。
我々は闘いに来たわけではないからな」
城門の傍にまた検問所が設置されてある。
どうやら城に用事のある人物は、2回も身分証明と来訪目的の提示をしなければならないようだ。
ずいぶん警戒してるねぇ。
持ち物検査に限っては過去ににナディアさんからスマホを押収されそうになったので、宿屋に置いてきた。
武器は言わずもがな、きっと大丈夫だろ。
ジオンが検問所の検査員から、身体チェックを受けているのをボケっと眺めてると、シルヴィアがおもむろに肩を叩いてきた。
「あの…レイトさん。
王様ってどんな感じなんですか?」
「え?いや、知らないよ。
つーか、これから会うんだろ?」
「いえ、そうではなくてですね…。
私、王族と…というか、国王様とお話することなんて今までなかったので…。
けど、レイトさんとルカさんは理の国で経験済みなんですよね?」
ああ、そういうことか。
要は緊張してるって言いたいんだな。
前にフレイもこんな反応してたかも。
「気負う必要はないぞゴードン。
王とはいえ、相手は君と同じ人間なのだから。
リラックスして臨むんだ」
「ルカさん…」
自分の名前が出てきたからか、ルカも会話に参加してきた。
彼女は自分に注目されると恥ずかしがり屋さんになるけど、偉い人と話すことに関しては特に気にならない性格だ。
「次は侍女殿だ。
もし武器があれば先に申告してくれ」
ジオンはすぐ終わったようだ。
続けてザベっさんが検査員の人の前へ立つ。
「かしこまりました。ではこちらを…」
彼女は懐からさっき指を落とそうとしたポケットナイフと、彼女の愛用武器である変形する武器を差し出した。
今の形はスタッフ形状だ。
「これは…まさか『可変武器』!?
すごい武器を持っているな…」
「恐れ入ります」
検査員さんはどうやらハルートの事を知っているみたいだ。
まあ、あんな濃い車屋を覚えんなって方が難しいけど…。
俺も早く武器受け取りたいなー。
「問題なし。よし、次は…」
☆☆☆
「開門!」
全員の検査が終わり、やっと城門を通れる許可がもらえた。
ズズズ…と、頑丈そうな二対の門が開かれていく。
人が押してないってことは、これも魔道具なのだろうか?
すごい技術だよなぁ。
「それではこの先は私に代わって、王国騎士団である彼が貴殿らを案内する。
謁見の際はくれぐれも失礼のないようにな」
「ああ、色々とありがとう。衛兵殿」
気のいい衛兵さんに挨拶をすると、門が閉まるまで笑顔で手を振って見送ってくれた。
最後まで爽やかな兵士さんだな。
そして、ここから代わりに案内を担当するという人物が甲冑を着込んでいる亜人さん…。
左腕には大盾が装備されてあり、その盾には巨人が剣を掲げている紋章が刻まれている。
ちなみにちょっと怖い顔つきの男の人だ。
「……謁見の間へ案内する。ついてこい」
短く言うと、くるりと反転して歩き出した。
まあ!なんて無愛想なオッサンなのかしら!
…そんな余計なことは言わずに黙ってついて行くけど。
道すがらは美しい花と緑で彩られた中庭になっており、自然の香りが鼻を癒してくれた。
頭に乗っかりぱなしのルカがその場で横回転を始めた。
あ、ちょ…痛いって。
「クンクン…良い香りだな零人。
あの花壇に植えられている花は、君がいつも付けている香水の材料じゃないか?」
「『ルミル花』だね。
あ、そういえば俺の虫除けそろそろ無くなりかけてたんだった…。
なあ、シルヴィアあれ摘んできてもいいかな?」
「ダメに決まっているでしょう!?
馬鹿なこと言わないでください!」
バシッとシルヴィアからはたかれてしまった。
まだ緊張してるみたいだから軽いジョーク言っただけなのになぁ。
すると、ジオンと一緒に前を歩いていたザベっさんが歩行スピードを落として俺の隣へ来た。
「レイト様のお身体の匂いはルミル花が原因…。
なるほど、覚えておきましょう」
「んなもん覚えてどうすんだよ…。
…ってコラ!
どさくさに紛れて匂い嗅いでんじゃねぇ!」
ザベっさんが俺の首元に顔を近づけてスンスンしてきた!
やめなさいよ子供じゃないんだから!
「……静かにしろ、人族の小僧」
「うっ、スミマセン…」
ほらー怒られたじゃん!
ザベっさんを睨みつけるとプイッと再び前へ移動して行った。
…何がしたかったんだあのエルフは?
「うふっ、ふふふふ…!」
さっきのやり取りを見ていたシルヴィアが口元を抑えている。
緊張が解けてなによりですねー。
俺は若干不貞腐れながら、中庭の先にある本館を目指して歩き続けた。
「『融解』を解除する。
さあ、急ぐぞ!」
「ああ!…って、やば!?
検問所混んできてるよ!
これ割り込みして怒られないか?」
「大丈夫でしょう。
謁見は坊っちゃまの組…ジオン・オットー一行として登録されていますので、特に問題ありません」
なんとか『理の指輪』を外すことに成功した俺たちは、再び『亜人の国』へと戻った。
しかし、30分ほど時間を掛けてしまったせいで、検問所の前には行列が形成されていた。
ここにいる全員が城に用があるわけではなく、王族が暮らすエリアには大貴族も住んでいるため、そちらに来訪する目的の人達がほとんどだろう。
俺らは小走りで人だかりをかき分けていく。
ルカは再び宝石形態となり、俺の頭の上に乗っかっている。
「うわっ!?な、なんだ君は!?」
「いたっ!?何あなた、割り込まないでよ!」
「スンマセン!通してください!!」
ぶつかる人達に謝罪をしながら先頭を目指すと、ジオン達が検問所の前で衛兵と話している…ちょうど順番回ってきてたのか!
危ねーなんとか間に合った!!
「ジオン!シルヴィア!待たせた!」
「レイトさん!
良かった…間に合ってくれましたね」
「レイト殿!やっと来てくれたか!
衛兵殿、彼らが僕の連れ人なのです!」
「おお、そうなのか。とにかく急いで向かおう。
まもなく、貴殿らの謁見の時間が近づいてい…」
ジオンは俺を紹介するべく前へ押し出した。
すると、衛兵さんは俺を見るとなぜか固まってしまった。
…まさか、人族はダメとか言わないよね?
「黒い頭髪に蒼い宝石…?
もしや貴殿が…噂の『蒼の英雄』なのか?」
「うえっ!?え、えっと…」
まさか国の兵隊にも俺の噂が流れてたのか!?
インターネットも無いのになんでこんな情報早いんだよ!
答えあぐねいていると、代わりにザベっさんが回答した。
「こちらの青年こそ、昨今、王都の地下で蔓延っている『裏賭博場』の壊滅を成し遂げた、マミヤ・レイトでございます」
おいいいい!?
なに物騒な紹介してくれてんだ!
警戒されたらどうすんだ馬鹿!
「あ、あのっ!衛兵さん!これは…」
「カジノ…やはりそうか!!
私の友を助けてくれたのは貴殿なのだな!
簡潔で恐縮ではあるが礼を言わせてくれ!」
「ええっ!?」
衛兵さんは俺の手を握って頭を下げてきた!
なんと、またしてもあの闘技場の被害者に縁がある人だったようだ!
これは…あの闘いは結果として俺の評判が悪くなくなったと捉えて良いのだろうか?
でも、昨日酔っ払いと喧嘩することもあったし、この反応をしてくれるのはノルンに住む全員が全員ではないと釘を刺しとくべきだ。
「さあ、国王様が待っておられる。
是非ともその話を我が王にも伝えてもらえまいか」
「あ、あはは…まあ、善処します…」
☆☆☆
ヘルベルク・キャッスル。
『亜人の国』の王都ノルンの中心にそびえ立つ、国家機関を象徴する建物だ。
ゼクス・キャッスルとはまた違うデザインのお城で、古くからの名残なのか石材で造られた城壁が高く厚く築かれている。
そして城壁以上に目立つ存在を放っているのが本館…つまりこれから俺たちが入場する場所だ。
この建物に、『亜人の国』の王様がいる。
「オットー卿。
これより城へ入るに当たって、貴殿らの身体検査を実施する。
武具の類や暗器など、殺傷力がある全ての持ち物はここで預けてもらうが、構わないかな?」
「もちろんだ。
我々は闘いに来たわけではないからな」
城門の傍にまた検問所が設置されてある。
どうやら城に用事のある人物は、2回も身分証明と来訪目的の提示をしなければならないようだ。
ずいぶん警戒してるねぇ。
持ち物検査に限っては過去ににナディアさんからスマホを押収されそうになったので、宿屋に置いてきた。
武器は言わずもがな、きっと大丈夫だろ。
ジオンが検問所の検査員から、身体チェックを受けているのをボケっと眺めてると、シルヴィアがおもむろに肩を叩いてきた。
「あの…レイトさん。
王様ってどんな感じなんですか?」
「え?いや、知らないよ。
つーか、これから会うんだろ?」
「いえ、そうではなくてですね…。
私、王族と…というか、国王様とお話することなんて今までなかったので…。
けど、レイトさんとルカさんは理の国で経験済みなんですよね?」
ああ、そういうことか。
要は緊張してるって言いたいんだな。
前にフレイもこんな反応してたかも。
「気負う必要はないぞゴードン。
王とはいえ、相手は君と同じ人間なのだから。
リラックスして臨むんだ」
「ルカさん…」
自分の名前が出てきたからか、ルカも会話に参加してきた。
彼女は自分に注目されると恥ずかしがり屋さんになるけど、偉い人と話すことに関しては特に気にならない性格だ。
「次は侍女殿だ。
もし武器があれば先に申告してくれ」
ジオンはすぐ終わったようだ。
続けてザベっさんが検査員の人の前へ立つ。
「かしこまりました。ではこちらを…」
彼女は懐からさっき指を落とそうとしたポケットナイフと、彼女の愛用武器である変形する武器を差し出した。
今の形はスタッフ形状だ。
「これは…まさか『可変武器』!?
すごい武器を持っているな…」
「恐れ入ります」
検査員さんはどうやらハルートの事を知っているみたいだ。
まあ、あんな濃い車屋を覚えんなって方が難しいけど…。
俺も早く武器受け取りたいなー。
「問題なし。よし、次は…」
☆☆☆
「開門!」
全員の検査が終わり、やっと城門を通れる許可がもらえた。
ズズズ…と、頑丈そうな二対の門が開かれていく。
人が押してないってことは、これも魔道具なのだろうか?
すごい技術だよなぁ。
「それではこの先は私に代わって、王国騎士団である彼が貴殿らを案内する。
謁見の際はくれぐれも失礼のないようにな」
「ああ、色々とありがとう。衛兵殿」
気のいい衛兵さんに挨拶をすると、門が閉まるまで笑顔で手を振って見送ってくれた。
最後まで爽やかな兵士さんだな。
そして、ここから代わりに案内を担当するという人物が甲冑を着込んでいる亜人さん…。
左腕には大盾が装備されてあり、その盾には巨人が剣を掲げている紋章が刻まれている。
ちなみにちょっと怖い顔つきの男の人だ。
「……謁見の間へ案内する。ついてこい」
短く言うと、くるりと反転して歩き出した。
まあ!なんて無愛想なオッサンなのかしら!
…そんな余計なことは言わずに黙ってついて行くけど。
道すがらは美しい花と緑で彩られた中庭になっており、自然の香りが鼻を癒してくれた。
頭に乗っかりぱなしのルカがその場で横回転を始めた。
あ、ちょ…痛いって。
「クンクン…良い香りだな零人。
あの花壇に植えられている花は、君がいつも付けている香水の材料じゃないか?」
「『ルミル花』だね。
あ、そういえば俺の虫除けそろそろ無くなりかけてたんだった…。
なあ、シルヴィアあれ摘んできてもいいかな?」
「ダメに決まっているでしょう!?
馬鹿なこと言わないでください!」
バシッとシルヴィアからはたかれてしまった。
まだ緊張してるみたいだから軽いジョーク言っただけなのになぁ。
すると、ジオンと一緒に前を歩いていたザベっさんが歩行スピードを落として俺の隣へ来た。
「レイト様のお身体の匂いはルミル花が原因…。
なるほど、覚えておきましょう」
「んなもん覚えてどうすんだよ…。
…ってコラ!
どさくさに紛れて匂い嗅いでんじゃねぇ!」
ザベっさんが俺の首元に顔を近づけてスンスンしてきた!
やめなさいよ子供じゃないんだから!
「……静かにしろ、人族の小僧」
「うっ、スミマセン…」
ほらー怒られたじゃん!
ザベっさんを睨みつけるとプイッと再び前へ移動して行った。
…何がしたかったんだあのエルフは?
「うふっ、ふふふふ…!」
さっきのやり取りを見ていたシルヴィアが口元を抑えている。
緊張が解けてなによりですねー。
俺は若干不貞腐れながら、中庭の先にある本館を目指して歩き続けた。
1
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
W職業持ちの異世界スローライフ
Nowel
ファンタジー
仕事の帰り道、トラックに轢かれた鈴木健一。
目が覚めるとそこは魂の世界だった。
橋の神様に異世界に転生か転移することを選ばせてもらい、転移することに。
転移先は森の中、神様に貰った力を使いこの森の中でスローライフを目指す。
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
旦那様に勝手にがっかりされて隣国に追放された結果、なぜか死ぬほど溺愛されています
新野乃花(大舟)
恋愛
17歳の少女カレンは、6つほど年上であるグレムリー伯爵から婚約関係を持ち掛けられ、関係を結んでいた。しかしカレンは貴族でなく平民の生まれであったため、彼女の事を見る周囲の目は冷たく、そんな時間が繰り返されるうちに伯爵自身も彼女に冷たく当たり始める。そしてある日、ついに伯爵はカレンに対して婚約破棄を告げてしまう。カレンは屋敷からの追放を命じられ、さらにそのまま隣国へと送られることとなり、しかし伯爵に逆らうこともできず、言われた通りその姿を消すことしかできなかった…。しかし、彼女の生まれにはある秘密があり、向かった先の隣国でこの上ないほどの溺愛を受けることとなるのだった。後からその事に気づいた伯爵であったものの、もはやその時にはすべてが手遅れであり、後悔してもしきれない思いを感じさせられることとなるのであった…。
西谷夫妻の新婚事情~元教え子は元担任教師に溺愛される~
雪宮凛
恋愛
結婚し、西谷明人の姓を名乗り始めて三か月。舞香は今日も、新妻としての役目を果たそうと必死になる。
元高校の担任教師×元不良女子高生の、とある新婚生活の一幕。
※ムーンライトノベルズ様にも、同じ作品を転載しています。
悪意か、善意か、破滅か
野村にれ
恋愛
婚約者が別の令嬢に恋をして、婚約を破棄されたエルム・フォンターナ伯爵令嬢。
婚約者とその想い人が自殺を図ったことで、美談とされて、
悪意に晒されたエルムと、家族も一緒に爵位を返上してアジェル王国を去った。
その後、アジェル王国では、徐々に異変が起こり始める。
裏切られたあなたにもう二度と恋はしない
たろ
恋愛
優しい王子様。あなたに恋をした。
あなたに相応しくあろうと努力をした。
あなたの婚約者に選ばれてわたしは幸せでした。
なのにあなたは美しい聖女様に恋をした。
そして聖女様はわたしを嵌めた。
わたしは地下牢に入れられて殿下の命令で騎士達に犯されて死んでしまう。
大好きだったお父様にも見捨てられ、愛する殿下にも嫌われ酷い仕打ちを受けて身と心もボロボロになり死んでいった。
その時の記憶を忘れてわたしは生まれ変わった。
知らずにわたしはまた王子様に恋をする。
悪魔だと呼ばれる強面騎士団長様に勢いで結婚を申し込んでしまった私の結婚生活
束原ミヤコ
恋愛
ラーチェル・クリスタニアは、男運がない。
初恋の幼馴染みは、もう一人の幼馴染みと結婚をしてしまい、傷心のまま婚約をした相手は、結婚間近に浮気が発覚して破談になってしまった。
ある日の舞踏会で、ラーチェルは幼馴染みのナターシャに小馬鹿にされて、酒を飲み、ふらついてぶつかった相手に、勢いで結婚を申し込んだ。
それは悪魔の騎士団長と呼ばれる、オルフェレウス・レノクスだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる