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第112話:二心同体
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☆間宮 零人sides☆
目が覚めたら、なんと血だらけの俺が真下にいました
ココ最近、色んな修羅場を潜ってきたし、大抵の出来事には動じない自信があったけど…
さすがにこれは予想外が過ぎますわ
「どうだ?少しは落ち着いたか?ルカ」
「グスッ…、ああ、すまない」
そしてルカは、俺の胸でずっとシクシクと泣き続けている
そっと抱き締めながら、俺はルカが攫われてからの経緯を少しだけ伝えた
つか、ルカが泣いている顔を見るの初めてだ
…貴重な姿だし、もっとよく見ておこうかな…
ジー…
「れ、零人…?なんで凝視をしてくるんだ?」
「え…えーと、お前の顔が可愛くて…?」
泣いてる顔珍しいからガン見してるよ!
…なんて言ったら、当然怒られるに決まってる
「…我ながら改めて単純過ぎると呆れるよ…
そんなありきたりな言葉でも、震えるほど嬉しくなってしまうんだ」
ギュッ!
ルカは背中に手を回して俺を抱き締めた!
あ…ヤバい!
こんなことされたら俺だってルカのことを…
…ってバカ!
今はそんなイチャついてる場合じゃねぇだろが!
このまま俺も抱き締めたい欲をなんとか我慢して、彼女を遠ざける
「ル、ルカ。それよりこの状況どう思う?
やっぱ俺死んだからこんな幽体離脱なってんのかな?」
「…いや、君はまだ死んではいない。
どういう原理かは分からんが、よく見ろ。
辺りの時の流れが止まっている」
言われるがまま辺りを見渡すと、人質たちが居るのは見えてるのに、気配は全然感じない
たしかにこれは静か過ぎるな…
……あれ?
この時間の流れがおかしい環境、ついさっきも経験したばかりじゃなかったか?
「ルカ。俺、そういえばさっきこれと同じ状況になったよ」
「なに!?どういうことだ?」
「えっと、あの時は………あ」
「なんだ!?早くその状況を言え!」
思い出した…
あーマジかー…
あの胸糞悪いシチュエーションをルカに言うのか…
すごくイヤだけど仕方ないか
「その…ジョナサンの野郎が抱えたお前に…」
「…わ、私に?」
「…キ、キスしようとしたんだ。
そしたら、今と同じ感じになって…」
「なんだと!?
お、おい…まさか、私はその男と…?」
「い、いや!
急いでなけなしのエネルギー使って、アイツをぶっ飛ばしたんだ。
だから、間に合ったはずだ!…多分…」
「…………」
全部説明すると、ルカは明らかに嫌悪感を抱いた顔になった
手を口に当てて、透明色でも分かるくらい青くなってる
「……だが、その時の零人はまだ快調の状態…
それでは今回のは…?」
「ルカ?」
「いや、そもそも発動の条件が不明だ…
零人の危機がトリガーではない…?」
今度はブツブツと独り言を繰り返し始めた
シンキングモードのルカを見るのは久しぶりだ
宝石形態だとクルクル回ってたなぁ
「…そうか!そういうことか!
分かったぞ零人!!」
「おっ!?」
やがて答えにたどり着いたのか、いきなり俺の肩を掴んできた!
後ろのキッと睨んでいるルカと比べて、こっちのルカはものすごく爽やかな顔だ
「宝石の知識を思い出したんだ!
力を合わせればこの状況を打破できる!」
「マジで!?
つーか久しぶりに記憶戻ったな!」
「ああ!君のおかげだ!!」
ギュッ!
おおう…!
力強い、熱いハグだ…
よっぽど嬉しかったんだな
「まず、透明の身体についてだが…
これは幽体離脱ではない」
「え!そうなの?」
「ああ。
この身体はもう1人の自分…
『意識体』と呼ぶ」
『アニムス』?
これまた難しい言葉を…
頭にはてなマークを浮かべている俺に彼女は説明を続けた
「いつも私達はエネルギーを扱っているだろう?
エネルギーに〝受肉〟したものが意識体だ」
あー!なんか分かるかも。
これ同調とか融解の時と感覚似てる
さらにルカは喋り続ける
「『宝石』と契約者は、現実以外に干渉できる〝世界〟がもう1つある」
「せ、世界?それって…?」
「それが私たちが今いる、時が止まったように感じているこの空間…『星界』だ」
「ねびゅら…」
「ああ、『星界』。
まだ記憶がごく薄いが、私たち宝石は、元々この世界に住んでいた。
そして、いつからか、多次元空間を飛び越え、零人やシュバルツァー達の暮らす〝現実〟へとやってきたわけだ」
な、なるほど…?
ちょっと専門用語が複雑で何言ってるか分からんけど…
まさか、これがルカの実家だったとは…
「星界では、現実と時の流れが違う。
だから、時間の影響を受けない意識体のみが干渉できる」
意識体のみ…か
ん?でも俺、最初たしか…
「次になぜ私たちは、意識体となり、どうやって星界へアクセスしたかだが…
おそらくそれは私の精神状態に起因している」
「ルカの精神?」
「そうだ。
最初にこの星界に干渉したのは零人だったな?」
「うん」
「その際、ジョナサンが私に口付けをしようとした…
私は無意識の内に、〝拒否〟したのだ」
そりゃあ、あんな野郎から唇奪われそうになったら、誰でも拒否するだろうよ!
でも、ルカの言ってる〝拒否〟はもっと深い意味なのか?
「拒否とは目の前の〝現実〟の拒否。
現実を拒否すれば、宝石に残された世界は星界のみ。
結果、契約者である君は、私の精神に呼応する形で、生身の状態ながら『星界』へと入ることができた」
「生身…って、もしかして俺、ヤバかった?」
「ああ、普通ならありえん事象だ。
一歩間違えれば、そのまま時の牢獄へ囚われていたかもな」
そうか、だからあんなゆっくりに…
俺、とんでもないことになってたんだな
「そして2回目。
今度は星界へのアクセスだけではなく、私たちの身体が意識体と化した」
今の話の流れからすると…
「またルカは現実を〝拒否〟したってことか?」
「正解だが、少し違う。
今回、私は…君が死んでしまう現実を拒否…
それに加え、君を助けたい一心でエネルギーをこれでもかと言うほど君に送り込んだ」
「なんでエネルギーを?」
「宝石の持つエネルギーは、多少なりとも肉体を保護する効果があることは君も分かるだろう?」
言われてみれば確かに…
イザベラと戦った時、アイツの魔法を少しだけとはいえ防いでくれたな
「その結果がこれだ。
死にゆく身体に私のエネルギーが再度循環し、君の意識はエネルギーに深く溶け込んだ」
「そんで透明に…意識体ったのね」
「ああ」
「ちなみになんでルカまで意識体に?」
「宝石は契約者とエネルギーで結ばれる以上、私の意識も君の状態に依存する。
つまりは君と私は『二心同体』というわけだな」
二心同体…
融解なんかはまさにそれに当てはまってるな
「どうやって元の現実と身体に戻れるの?」
「意識体は肉体に入ればすぐ戻れる。
星界も同様に現実を望めば戻れるが、こっちは制限時間付きでな。
だいたい10分くらいで強制的に弾かれてしまうはずだ」
そ、そうだったのか
ん?10分だとそろそろじゃないか?
それになんでまだ身体に戻らないんだろ?
「だが、今の状態で戻っても零人は死にかけ…
そこでだ。
不死身であるこの私に、君の身体を一時的に預けてくれないか?」
「預けるって…どうやって?」
「私を信じて、身を委ねてくれ。
今の意識体の感覚を、私に溶け込ませるイメージをするだけでいい。
いつもの合体とは違い、身体の行動権は私が支配することになるが…
私と1つになっている間ならば、君の怪我の進行具合は緩やかになるはずだ。
上にいる敵を全て排除したのち、ゴードンにでも治療してもらおう」
つまり、今回俺はルカがいつもしてくれてるように、彼女のサポートをすればいいわけだな!
「なるほど…分かった!
そんならとっとと、ケリ付けて帰んべ!」
「ああ!」
ピィン…
ん?人の気配を感じるようになった…
あ、上から音も聞こえる
「どうやら、現実へ戻されたようだな。
零人。身体に戻る前にいくつか戦闘支援に関する指南をしよう」
「あいよ」
☆☆☆
軽くルカから話を聞いていると、予想外のことが起こった
魔物たちが空けてくれた穴から何者かが侵入してきたのである
「ここが秘密部屋…
まさかアリーナの真下にこんな空間があったなんてね。
情報を伝えてくれたアシュリーに感謝しましょう」
「……私はまだそこまでの気持ちを抱くには困難でございます。
レイト様達とはぐれる原因になりましたので…」
「ふふっ、アンタも最近、正直な感情をむき出すようになってきたじゃない。
いったい誰の影響かしら?」
「…お戯れを」
あ、フレイとザベっさんだ!
もしかしてアイツら無事に合流できたのかな?
良かったー!
彼女達の元へ行き声を掛ける
「2人とも!無事で……アレ?」
スッ…
素通り!?
え…無視された…?
「零人。
この状態では現実世界の者は、我々を視認できん。
早く元の身体に戻ろう」
「ああ、そっか。
そういえば俺ら透明なってるんだったな」
じゃあ戻りましょ…と言おうとした瞬間、『絶叫』が部屋中に響いた
「いやあぁぁぁぁぁ!!!!!!
レイトぉ!!!ルカぁ!!!」
「そ…んな……!」
なんだぁ!?
あ、やべ…!
俺、背中刺されて血まみれだった!
それ見られたんだ!
急いでフレイ達の所へ向かうと、フレイもザベっさんも地面に膝を着いていた
その目の前には、倒れた俺の上に、俺の血を浴びたルカが被さっている
…これパッと見2人とも死んでるな…
「いや…いやぁぁ!!
なんでよ…なんでぇ…!!」
「……私…は……何の為に……?」
も、戻りづれぇぇぇ!!!
どうしよう!?
目が覚めたら、なんと血だらけの俺が真下にいました
ココ最近、色んな修羅場を潜ってきたし、大抵の出来事には動じない自信があったけど…
さすがにこれは予想外が過ぎますわ
「どうだ?少しは落ち着いたか?ルカ」
「グスッ…、ああ、すまない」
そしてルカは、俺の胸でずっとシクシクと泣き続けている
そっと抱き締めながら、俺はルカが攫われてからの経緯を少しだけ伝えた
つか、ルカが泣いている顔を見るの初めてだ
…貴重な姿だし、もっとよく見ておこうかな…
ジー…
「れ、零人…?なんで凝視をしてくるんだ?」
「え…えーと、お前の顔が可愛くて…?」
泣いてる顔珍しいからガン見してるよ!
…なんて言ったら、当然怒られるに決まってる
「…我ながら改めて単純過ぎると呆れるよ…
そんなありきたりな言葉でも、震えるほど嬉しくなってしまうんだ」
ギュッ!
ルカは背中に手を回して俺を抱き締めた!
あ…ヤバい!
こんなことされたら俺だってルカのことを…
…ってバカ!
今はそんなイチャついてる場合じゃねぇだろが!
このまま俺も抱き締めたい欲をなんとか我慢して、彼女を遠ざける
「ル、ルカ。それよりこの状況どう思う?
やっぱ俺死んだからこんな幽体離脱なってんのかな?」
「…いや、君はまだ死んではいない。
どういう原理かは分からんが、よく見ろ。
辺りの時の流れが止まっている」
言われるがまま辺りを見渡すと、人質たちが居るのは見えてるのに、気配は全然感じない
たしかにこれは静か過ぎるな…
……あれ?
この時間の流れがおかしい環境、ついさっきも経験したばかりじゃなかったか?
「ルカ。俺、そういえばさっきこれと同じ状況になったよ」
「なに!?どういうことだ?」
「えっと、あの時は………あ」
「なんだ!?早くその状況を言え!」
思い出した…
あーマジかー…
あの胸糞悪いシチュエーションをルカに言うのか…
すごくイヤだけど仕方ないか
「その…ジョナサンの野郎が抱えたお前に…」
「…わ、私に?」
「…キ、キスしようとしたんだ。
そしたら、今と同じ感じになって…」
「なんだと!?
お、おい…まさか、私はその男と…?」
「い、いや!
急いでなけなしのエネルギー使って、アイツをぶっ飛ばしたんだ。
だから、間に合ったはずだ!…多分…」
「…………」
全部説明すると、ルカは明らかに嫌悪感を抱いた顔になった
手を口に当てて、透明色でも分かるくらい青くなってる
「……だが、その時の零人はまだ快調の状態…
それでは今回のは…?」
「ルカ?」
「いや、そもそも発動の条件が不明だ…
零人の危機がトリガーではない…?」
今度はブツブツと独り言を繰り返し始めた
シンキングモードのルカを見るのは久しぶりだ
宝石形態だとクルクル回ってたなぁ
「…そうか!そういうことか!
分かったぞ零人!!」
「おっ!?」
やがて答えにたどり着いたのか、いきなり俺の肩を掴んできた!
後ろのキッと睨んでいるルカと比べて、こっちのルカはものすごく爽やかな顔だ
「宝石の知識を思い出したんだ!
力を合わせればこの状況を打破できる!」
「マジで!?
つーか久しぶりに記憶戻ったな!」
「ああ!君のおかげだ!!」
ギュッ!
おおう…!
力強い、熱いハグだ…
よっぽど嬉しかったんだな
「まず、透明の身体についてだが…
これは幽体離脱ではない」
「え!そうなの?」
「ああ。
この身体はもう1人の自分…
『意識体』と呼ぶ」
『アニムス』?
これまた難しい言葉を…
頭にはてなマークを浮かべている俺に彼女は説明を続けた
「いつも私達はエネルギーを扱っているだろう?
エネルギーに〝受肉〟したものが意識体だ」
あー!なんか分かるかも。
これ同調とか融解の時と感覚似てる
さらにルカは喋り続ける
「『宝石』と契約者は、現実以外に干渉できる〝世界〟がもう1つある」
「せ、世界?それって…?」
「それが私たちが今いる、時が止まったように感じているこの空間…『星界』だ」
「ねびゅら…」
「ああ、『星界』。
まだ記憶がごく薄いが、私たち宝石は、元々この世界に住んでいた。
そして、いつからか、多次元空間を飛び越え、零人やシュバルツァー達の暮らす〝現実〟へとやってきたわけだ」
な、なるほど…?
ちょっと専門用語が複雑で何言ってるか分からんけど…
まさか、これがルカの実家だったとは…
「星界では、現実と時の流れが違う。
だから、時間の影響を受けない意識体のみが干渉できる」
意識体のみ…か
ん?でも俺、最初たしか…
「次になぜ私たちは、意識体となり、どうやって星界へアクセスしたかだが…
おそらくそれは私の精神状態に起因している」
「ルカの精神?」
「そうだ。
最初にこの星界に干渉したのは零人だったな?」
「うん」
「その際、ジョナサンが私に口付けをしようとした…
私は無意識の内に、〝拒否〟したのだ」
そりゃあ、あんな野郎から唇奪われそうになったら、誰でも拒否するだろうよ!
でも、ルカの言ってる〝拒否〟はもっと深い意味なのか?
「拒否とは目の前の〝現実〟の拒否。
現実を拒否すれば、宝石に残された世界は星界のみ。
結果、契約者である君は、私の精神に呼応する形で、生身の状態ながら『星界』へと入ることができた」
「生身…って、もしかして俺、ヤバかった?」
「ああ、普通ならありえん事象だ。
一歩間違えれば、そのまま時の牢獄へ囚われていたかもな」
そうか、だからあんなゆっくりに…
俺、とんでもないことになってたんだな
「そして2回目。
今度は星界へのアクセスだけではなく、私たちの身体が意識体と化した」
今の話の流れからすると…
「またルカは現実を〝拒否〟したってことか?」
「正解だが、少し違う。
今回、私は…君が死んでしまう現実を拒否…
それに加え、君を助けたい一心でエネルギーをこれでもかと言うほど君に送り込んだ」
「なんでエネルギーを?」
「宝石の持つエネルギーは、多少なりとも肉体を保護する効果があることは君も分かるだろう?」
言われてみれば確かに…
イザベラと戦った時、アイツの魔法を少しだけとはいえ防いでくれたな
「その結果がこれだ。
死にゆく身体に私のエネルギーが再度循環し、君の意識はエネルギーに深く溶け込んだ」
「そんで透明に…意識体ったのね」
「ああ」
「ちなみになんでルカまで意識体に?」
「宝石は契約者とエネルギーで結ばれる以上、私の意識も君の状態に依存する。
つまりは君と私は『二心同体』というわけだな」
二心同体…
融解なんかはまさにそれに当てはまってるな
「どうやって元の現実と身体に戻れるの?」
「意識体は肉体に入ればすぐ戻れる。
星界も同様に現実を望めば戻れるが、こっちは制限時間付きでな。
だいたい10分くらいで強制的に弾かれてしまうはずだ」
そ、そうだったのか
ん?10分だとそろそろじゃないか?
それになんでまだ身体に戻らないんだろ?
「だが、今の状態で戻っても零人は死にかけ…
そこでだ。
不死身であるこの私に、君の身体を一時的に預けてくれないか?」
「預けるって…どうやって?」
「私を信じて、身を委ねてくれ。
今の意識体の感覚を、私に溶け込ませるイメージをするだけでいい。
いつもの合体とは違い、身体の行動権は私が支配することになるが…
私と1つになっている間ならば、君の怪我の進行具合は緩やかになるはずだ。
上にいる敵を全て排除したのち、ゴードンにでも治療してもらおう」
つまり、今回俺はルカがいつもしてくれてるように、彼女のサポートをすればいいわけだな!
「なるほど…分かった!
そんならとっとと、ケリ付けて帰んべ!」
「ああ!」
ピィン…
ん?人の気配を感じるようになった…
あ、上から音も聞こえる
「どうやら、現実へ戻されたようだな。
零人。身体に戻る前にいくつか戦闘支援に関する指南をしよう」
「あいよ」
☆☆☆
軽くルカから話を聞いていると、予想外のことが起こった
魔物たちが空けてくれた穴から何者かが侵入してきたのである
「ここが秘密部屋…
まさかアリーナの真下にこんな空間があったなんてね。
情報を伝えてくれたアシュリーに感謝しましょう」
「……私はまだそこまでの気持ちを抱くには困難でございます。
レイト様達とはぐれる原因になりましたので…」
「ふふっ、アンタも最近、正直な感情をむき出すようになってきたじゃない。
いったい誰の影響かしら?」
「…お戯れを」
あ、フレイとザベっさんだ!
もしかしてアイツら無事に合流できたのかな?
良かったー!
彼女達の元へ行き声を掛ける
「2人とも!無事で……アレ?」
スッ…
素通り!?
え…無視された…?
「零人。
この状態では現実世界の者は、我々を視認できん。
早く元の身体に戻ろう」
「ああ、そっか。
そういえば俺ら透明なってるんだったな」
じゃあ戻りましょ…と言おうとした瞬間、『絶叫』が部屋中に響いた
「いやあぁぁぁぁぁ!!!!!!
レイトぉ!!!ルカぁ!!!」
「そ…んな……!」
なんだぁ!?
あ、やべ…!
俺、背中刺されて血まみれだった!
それ見られたんだ!
急いでフレイ達の所へ向かうと、フレイもザベっさんも地面に膝を着いていた
その目の前には、倒れた俺の上に、俺の血を浴びたルカが被さっている
…これパッと見2人とも死んでるな…
「いや…いやぁぁ!!
なんでよ…なんでぇ…!!」
「……私…は……何の為に……?」
も、戻りづれぇぇぇ!!!
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