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第28話:海竜《リヴァイアサン》の目的

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 ド、ドラゴンが喋った……?
 いや、別に初めてじゃないんだけども…!
 あんぐりとしていると、再び海竜リヴァイアサンが口を開いた。


「フム、ヤハリチカラハコノ世界二非ズ…。
 ソシテ、貴殿ハ蒼ノ宝石ト契リヲ交ワシテイルノダナ?」

「え!? な、何でそれを!?」


 どういう事だ!?
 ドラゴンが何故俺たちの事を知っている??
 それに『先程の力』って…転移のことか?


「…どうやら貴様はあの『黒竜ブラック・ドラゴン』とは違い、まともに話ができるようだな。
 どこからその情報を得た?」


 すうっと、俺の身体からルカが出ていき、『融解メルトロ』を解除した。
 トン、と足が地面に着く。


「ソレヲ教エル前ニ、『占術士フォーチュナー』ノ娘ヲココへ呼ブノダ。
 然レバ、理解スルコトガ容易イダロウ」

「モネのことか?
 ん? あ、ちょうどあいつらこっち来てるな」


 海竜リヴァイアサンと呑気に話してる俺たちの所へ向かって、モネがスタスタと迷いを見せずに歩いてくる。
 彼女とは対照的に、フレイとナディアさんは相当警戒しているみたいだ。


「モネ待って!
 あいつ、まだ生きてるわ! 危険よ!」

「ああ! 奴が何をしてくるか分からんぞ!?」

「だいじょーぶだって。
 もうは終わったみたいだしね」

「は? テスト?」


 モネは俺の傍に来ると、ポンと肩を叩いてきた。


「やっ! ナイスファイトだったぜマミヤ君!」

「お、おう? あ、コレ返すよ。ありがとな」

「あ、いいよそのままキミが持ってて。
この先、その仮面が必ず必要になると思うから」

「そう? それなら受け取っとくけど…。
でも俺、『仮面遊戯ペルソナ』だっけ?
あんなスゴい魔法使えないし、持ってても意味ないんじゃ…」


 俺が仮面を両手に持って、マジマジと見つめていると、フレイとナディアさんは驚愕の表情を浮かべた。


「ま、待て!
 その仮面はルカ殿の能力では無かったのか!?
 私の召喚魔法と似ている…」

「『ぺるそな』ですって?
 そんな魔法聞いたことないわ…」

「は? え、えぇ!? ど、どゆこと??」


 てっきりまた究極魔法の類かと思ったんだけど…。
 言われてみれば、ガルドの授業の魔法学でもそんな名前は出てこなかったかもしれない。

 というか、な、何がなにやら…??
 いきなり謎がいっぱい出てきてしまったぞ!?

 俺を含めて3人は困惑してしまっているが、ルカは顎に手をやり冷静に情報を整理しているようだ。


「ふむ…もしや…? ラミレス。
 君も零人と同じく、こことは違う星…『異世界』からやって来たのではないか?」

「「「!!!」」」


 はあ!?
 異世界だって!?
 仰天してモネの方を見ると、パチパチと拍手をしてきた。


「おお~ルカ君、イイ線いってるねー!
 半分正解だよ!」

「半分? どういう事だ?」

「正確にはボクのご先祖さまが異世界からやって来たんだ。
 ボクはその血を受け継いでいる末裔…ってワケさ」

「…なるほど。
 察するに、君の占いと仮面の能力は、その血所以ゆえんわざということだな」

「今度は大正解~!」


 ルカはスラスラと解を述べているが、俺たちはついていけずにいた。


「待って…ドラゴンが大人しく会話していることも異常だけど、モネが異世界人の末裔?
 冗談でしょ…」

「全くだ…。
 この話は我が王ですら知らないのではないだろうか」

「…俺、そろそろ帰って休みたくなってきたんだけど」


 俺らが半分愚痴を零しているのを尻目に、ルカは次の質問へ入った。


「そして、それがどう海竜リヴァイアサンと関係する?
 兄を救う上で必要な闘いと、君は言っていたが…」

「うん、その話はドラゴン君と一緒にしてもらおうかな。
 キミ、人化魔法は使える?」

「ウム、イイダロウ。暫シ待テ」

パァァ!

 海竜リヴァイアサンは光に包まれ、少しずつ巨大な身体が縮んでいった。
 やがて、光の輪郭は人型になり、徐々にその姿が露わになってきた。

 この魔法はセリーヌと同じやつだ…。

 光が解けると、見た目は俺らとそこまで変わらなさそうな、若い見た目の男が姿を現す。

 髪の色はオーシャンブルー系の青い色。
 人族と違う点は頭に生えたツノと、リックのように後ろから伸びている尻尾だろうか。

 それにしても、ずいぶん爽やかなイケメンだこと…。


「ふぅ…人の身になるのは随分と久しぶりだ。
 これで話し易かろう」


 おお!?
 いきなり口調が流暢になった!
 あんなカタコトみたいな口調だったのは、ドラゴンの形態だったからか?

 オホンと咳をひとつ打つと、俺の方を向いて説明を始めた。


「さて、貴殿らと一戦を交えた理由だが…。
 確認するが、紅の魔王の事は知っているな?」

「う、うん。
 もうすぐ復活しようとしている魔族の王だろ?
 めっちゃ強いってウワサの…」

「そうだ。
 我輩の一族も奴には散々煮え湯を飲まされた。
 奴は自らの国以外の全てを、手中に収める野望を抱いている」


 その辺りの話は、今まで出会った人から散々聞いている。
 俺が知りたいのは…


「私たちはそいつを打ち倒すためにこの国を巡っている。
 …貴様はなぜ私たちにちょっかいを出した?」


 ルカは若干警戒しながら海竜リヴァイアサンに訊いた。
 まぁ、さっきまで死闘を演じていたし当然だよな。


「蒼の宝石よ、そう話を急かすものではない。
 物事の説明には順序というものがある。
 まずはこれを見たまえ」

ポウゥ…

 片手に魔力マナを集中し始めた!?
 何のつもりだ!?


「「「!!」」」


 モネ以外の全員が得物に手を掛ける。
 こいつ、何をする気だ!?


「アハハ、皆ビビりすぎだよ~」

「そ、そんなこと言ったって…」


 ケラケラと笑うモネ。
 緊張感欠落してんのかこの天パは?


「『千里眼ボヤンス』」

「「「!!!」」」

 
 その魔法は聞き覚えがある!
 たしか…


「ちょっと…それ、究極魔法じゃないの!?」

「あ、やっぱり!?」

「ああ…『交信エンボワ』と並ぶ、超高等魔法だ。
 よもや、この目で見ることができるとは…」


 海竜リヴァイアサンは集めたエネルギーを空中に放り投げる。
 すると、その飛散したエネルギーはみるみるうちに収束し、ホログラムのような劇場を創りだした!

 マ、マジかよ…。


「す、すげぇ…。
 魔法ってこんな事もできんのか…」

「しっ。何か始まるぞ」


 ルカが口に人差し指を立てて注意し、その『映像』に集中するよう促してきた。


☆☆☆


「あの冒険者どもめぇ!!
 よくも…よくも我を!!」

「イザベラ様! どうか落ち着いて下さい!」

「ただいま全力を以て、黒い髪の人間を捜索しています!
 なにとぞ…なにとぞお待ちください!」

「黙れぇっ!! この役ただずどもが!!
 貴様らはいつもそうだ!
 肝心な時には必ず逃げ、嵐が去った後に蛆虫の如く湧く!」

「ヒッ!? い、イザベラ様!?」

「せめて貴様には、復活した我の空腹を満たす役目をこなしてもらわねばな…」

「ううっ!? ぎゃあああああ!!!」


☆☆☆


 その映像には衝撃の人物が映っていた。
 以前セリーヌ達とパーティーを組んで、総掛かりでやっと倒した魔族…!

吸血鬼ヴァンパイア』イザベラだ…!


「そ、そんな…!
 なんでイザベラが生きてんのよ!」

「あいつ…。
 リックがシルヴィアの光魔法にブチ当ててやっつけたよな…」

「ああ!
 痕跡はもちろん、エネルギー反応も完全に消えていたはずだ!」


 イザベラの姿は以前のような歪な異形ではなく、ヒトの形に戻っていた。
 どういうわけか、右腕も元に戻ってやがる。

 その他にも映像にはアンデッドではない、イザベラの配下と思われる魔族も映っていた。
 あろうことか、部下の一人を生きたままかぶりつき、『捕食』しやがった…!

 ぐ、グロい…。

 屋敷のダンジョン化が解けなかったのは、こういうことか…!

しかし、なぜだ?

 あの時、地下室には俺たちとイザベラしか居なかったはずだ。
 他に誰か居たらルカが気付くはずだからな。

 いったいこの映像はどんなカラクリで撮ったんだ…?

 ……まさか!


「なぁ、おっさん!
 この映像ってライブ映像なのか?」

「お、おっさ…?
 まぁ、我輩を何と呼ぼうが構わないがな…。
 『らいぶ』とはなんだ?」

「今現在の生中継って意味」

「そういう事か。
 いや、この映像は過去の物だ。
 時期にすると、貴殿らが屋敷を去った翌日だ」


 なんだと!?
 それじゃあ、ルカにも察知されずにあの部屋に居た…?
 え、こわ!!!

 後ずさった俺の反応の理由を察したのか、海竜リヴァイアサンは魔法の説明を始めた。


「この『千里眼ボヤンス』は古今東西あらゆる所に、『眼』が存在する。
 我輩はその『眼』を通して魔族どもの動向を探っているのだ。
 我輩の記憶に残っている限り、このように映像として再生可能だ」

「ふむ、私たちの情報を知っていたのはそれが理由か。
 …個人のプライベートを覗くのはあまり感心しないが?」


 ジロっと、ルカは持ち前の眼力で海竜リヴァイアサンを睨みつけた。
 そのキツい視線を受けて、おっさんは少し慌て始める。


「む…誤解しないでほしい。
 我輩が興味を持つのは、世界の行く末に関わる事柄だ。
 貴殿らの事を調べたのは紅の魔王に対抗できる、唯一の存在だからな。
 勝手ながら『宝石スフィア』について調べさせてもらった」

「!」


 あれ、これは…?


「ルカ、もしかして記憶の手がかりがあるんじゃないか?」

「ああ、私も同じ考えだ。
 私たちについて、何か分かったことはあるのか?」

「あるともないとも言えるだろう。
 我輩が調べて分かったことは、少なくともには蒼の貴殿と、紅の宝石だけが居るということだ」

「……! なるほど、情報に感謝する」


 えっ?
 ルカとルカの兄ちゃんが居る??
 それって、ほとんど今持ってる情報と変わらないんじゃない?


「ルカ、そんなこととっくに分かってる情報じゃないの?」


 フレイも同様の感想のようで、ルカに訊いた。
 しかし、ルカは首を横に振る。


「そうではない。
 『この世界』……ラミレス風に言うなら、『この星』には私とあかしか居ない。
 つまり他の兄弟達は、ここではない別の世界…『別の星』に居るということだ。
  私と零人が『地球』から来たようにな」


 ははぁ! なるほどな!


「そういう事か! 合点がいったぜ!」

「す、すまないが、私には理解が追いつかないのだが…」

「右に同じよ…。
 ちょっと話のスケールが違いすぎるわね…」


俺は地球から渡ってきたからピンと来たけど、フレイとナディアさんはイマイチ分からないようだ。


「さて、少々脱線してしまったな。
 話を続けさせてもらうぞ。
 このように、我輩は古来より人類と魔族の闘いを見届けてきた。
 …世界の調和を乱す存在を秘密裏に排除しながら、な」


 おっさんは俺とルカを交互に目配せをして視線を送る。
 え、なに…?


「ちょっと!
 まさかあんた、レイトとルカを殺すつもり!?」


 バッと、フレイが俺たちを庇うように前に出た。
 するとおっさんはなぜかため息をつく。


「まったく…。
 最近の若者はひとの話を聞かんな。
 それに、早とちりが過ぎる傾向があるようだ。
 少しは理論的に考える思考を養いたまえ、レティの娘よ」

「なんですって!
 私は……待って、今なんて…!?」


 おいおいおい…!
 まさか!


「レティ・ブルックリン…。
 いや、結婚したそうだな。
 今はシュバルツァーという姓だったか?」

「あなたママを知ってるの!?」

「知っているも何もレティは我輩の弟子だ。
 彼女の顛末は知っている。
 あれほど『封印ジーゲル』を使用してはならんと言ったのだがな…
 …惜しい魔法使いを亡くした」

「…………」


 おっさんは少し悲しげな表情になり、上を見上げた。

 なんてこった!

 ここでその名前を聞くことになるとは…!
 フレイは驚いた顔から徐々に目を伏せ始めていく。


「フレイ…」

「いいの、大丈夫よ。それよりも聞かせて。
 レイトとルカに接触した理由は何なの?」

「うむ。先ほど我輩は、世界の調和を乱す存在を排除すると言ったが、直接手を下すのは我輩ではない。
 レティのように弟子をとり、育てあげ、その者に役目を与えるのだ」


 ……ということは俺たちに絡んできたのは…!


「そう、紅の魔王に対抗できる者を我輩は捜していた。
 鍛え上げ、戦略を駆使し、今度こそ魔王に確実に勝利するためにな。
 どうやらそこの『占術士フォーチュナー』の娘は、我輩の動きに気づいていたようだがな」

「もっちろん! これもまた星の導きでーす!」

「「…………」」


 なるほど…。
 ようやく、海竜リヴァイアサンのおっさんが、闘ったのに友好的に接してきた理由が分かったぜ…。

 だけど、俺たちの目的は魔王に勝つことだけじゃない。


「おっさん。
 俺たちをかってくれるのは嬉しいんだけど、目的はもう一個あるんだ」

「ほう? それはなんだ?」

「兄の紅の宝石…『撃の宝石パワー・スフィア』を取り戻す。
 それには新たに、宝石スフィアと契約が可能な人物が必要不可欠なのだ」

「なるほど…。
 ならば、そちらの探し人も我輩が協力しよう。
 代わりに、貴殿らには我輩の修業をこなしてもらうぞ?」

「協力はありがたいが…。
 そもそも何故、自分で魔王に挑まないのだ?
 戦闘力は折り紙付きだと思うが」


 あ、そういえばそだな。
 自分で戦うのはめんどくさいとかか?

 ルカの疑問におっさんは少し渋い表情になった。


「我輩の身はのだ。
 『自分以外の全ての生物を殺すことができない』という内容のな。
 おかげで狩りもままならん始末だ。
 …まぁ、その話はまた今度にしよう」


 『呪い』だって?
 あっ…俺もそんなの食らったなイザベラに…。
 あんまり思い出したくないな…。


「そうか、話は分かった。零人、どうする?
 このドラゴンの提案を受け入れるか?」

「俺的には正直、ドラゴンと取引なんてしたくないけど、あの『千里眼ボヤンス』はたしかに強力なんだよなぁ…
 候補者探しも捗りそうだし」

「そうだな、悩ましいところだ」


 俺とルカがうーんと考えていると、モネがポコっと頭を叩いてきた。


「ちょっとちょっとー?
 何のためにボクがこんな所まで連れて来たかまだ分からないのー?
 取引ならボクともしたでしょ!」

「なにを…あっ!
 まさか候補者を占ってくれてたのか!?」

「そうだよ~!
 そしたら、星はここにマミヤ君達を連れてくるようにって導いてくれたからね。
 ボクと星に感謝しなさいっ」


 えっへんと慎ましい胸を張るモネ。

 えええー…。なんか思ってたんと違う…。
 普通に候補者の住んでる場所とか教えてくれると思ってた。


「あ、でも、仕事はこれで終わりじゃないからね!
 キミに『仮面遊戯ペルソナ』の使い方も教えなきゃだし、まだまだボクに付き合ってもらうから!」


モネはニパッと笑って俺の腕に抱きついてきた。

 はぁ…ドラゴンの修業といい、コイツといい、なんだかこれからとんでもない事になりそうだ。

 …あれ、フレイの眉間にシワが寄ってきてる!


「そういう事ならば受けるしかあるまい。
 よろしく頼むぞ、『海竜リヴァイアサン』」

「…だな。よろしくな、おっさん」

「そうこなくてはな。
 我輩の名は『オズベルク・ダアト』だ。
 その選択、後悔はさせんよ」


 こうして俺たちは、海竜リヴァイアサンに弟子入りする羽目になってしまった。

 ……いい加減、ドラゴンに関係するイベントはやめて欲しい。

 マジで。






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