63 / 104
63話
しおりを挟む
俺はアルファ達のいる天空山に来ていた。
「アルファ、テンブ老師、お久しぶりです。今日は聞きたい事があり来ました」
「それは賢者の石の事だな」
「テンブ老師、なぜそれを・・・」
「ワシらの持つ目は全てを見通す目。月影の白兎が何をしようとしているのかもお見通しじゃ。お主はこれからゲンブに会いに行くのだろう」
そこまでわかっているのか。
「ゲンブは今、産卵の時期で近づく者は容赦なく殺す。そんなゲンブに近づく方法は1つだけじゃ。ゲンブはサンゴが大好きでなぁ、特に自分の育った場所にある『南極サンゴ』が大好きなのじゃ!」
「その『南極サンゴ』はどこに?」
「この天空山よりはるか南に行けば急に寒くなる海が見えてくる。その海の中で採取できる。今のお前さんなら余裕で採取できるだろう」
「わかりました。それではさっそく行ってきます」
「採取が終わったら、またここに寄ってくれ」
「わかりました」
「気をつけてな」
「はい!ゴルゴ・ダ・フェザー」
俺は白き羽を広げて南に向かっていった。
~~~
「だいぶ寒くなってきたな・・・あっ!海が見えてきた・・・何か人影が見えるぞ。こんなところに普通に人がいるなんて思えない。1度地上に降りて近づいてみよう」
俺は地上に降り立ち、忍び足スキルを使い人影のあった方に近づいて行った。
「痛い目にあいたくないならさっさとこっちに来い!」
甲羅を背負った1人の少女が闇の縄で繋がれていた。
「あれはベルゼ・・・ベルゼに捕まっている彼女は一体何者だ・・・まぁ彼女が何者でも関係ないな。ベルゼのような悪党には容赦しないで全開でぶちかましてやるぜ」
俺はアイテム収納から『ジョナ・ゴールド・クリムゾン』ポーションを取り出し飲み、金色のオーラを纏う。
「白き爪と黒き盾を両手に宿す『ホワイトクロー』」
「白き爪と金の力、2つの力が重なり合う時、空間は切り裂かれる『空間断絶・クロープラチナ』」
金色のオーラを身に纏い、両手には具現化された白金の爪。
俺は両手に風を集め威圧をかけて圧縮していった。
「射殺し、打ち殺し、噛み殺す白金の竜巻の牙『ゴルゴ・ダ・ファング・空間断絶・風天抜刀牙』」
圧縮された風は具現化し、ドーナツ状に渦を描くように白金のドクロの牙がベルゼに襲いかかった。
「なっ!なんだ!だがこの程度なら防げるわっ!!闇魔法『ダークカーテン』」
ベルゼの目の前に闇のカーテンが広がっていく。
しかし、白金のドクロの牙は闇のカーテンを切り裂きベルゼに襲いかかり、ベルゼの右腕を切り落とした。
「トリスめ、なんて力を身につけたんだ。このままではマズいな、一度撤退する。闇魔法『ダークホール』」
ベルゼは目の前に現れた黒い穴に入って、姿を消した。
「この力なら月影の白兎相手でもやっていけそうだな・・・そうだ!さっきの少女の縄を解いてやらないと!」
俺は甲羅を背負った少女の闇の縄を白金の爪で切り裂いて、話しかけた。
「大丈夫ですか?怪我などしてないですか?」
「大丈夫です。助けていただきありがとうございました」
「いえいえ、あいつとはちょっとした因縁があって、ぶちのめしてやりたかっただけですよ。ところでなんであいつに捕まっていたんですか?」
「わかりません・・・すみませんが私は急いで戻らないといけないのでもういいですか?」
「えぇ、大丈夫ですよ。もうあんなやつには捕まらないように気をつけてください」
「助けていただき本当にありがとうございました。お礼も何もできずに申し訳ないけど私はこれで失礼します」
少女は目の前の海に飛び込んで行ってしまった。
「彼女は一体何者だったんだろうか・・・ここら辺に住んでいるなら『南極サンゴ』の事聞けばよかったかな・・・」
そんな事を考えながら俺は目の前の綺麗な海をしばらく眺めていた。
「アルファ、テンブ老師、お久しぶりです。今日は聞きたい事があり来ました」
「それは賢者の石の事だな」
「テンブ老師、なぜそれを・・・」
「ワシらの持つ目は全てを見通す目。月影の白兎が何をしようとしているのかもお見通しじゃ。お主はこれからゲンブに会いに行くのだろう」
そこまでわかっているのか。
「ゲンブは今、産卵の時期で近づく者は容赦なく殺す。そんなゲンブに近づく方法は1つだけじゃ。ゲンブはサンゴが大好きでなぁ、特に自分の育った場所にある『南極サンゴ』が大好きなのじゃ!」
「その『南極サンゴ』はどこに?」
「この天空山よりはるか南に行けば急に寒くなる海が見えてくる。その海の中で採取できる。今のお前さんなら余裕で採取できるだろう」
「わかりました。それではさっそく行ってきます」
「採取が終わったら、またここに寄ってくれ」
「わかりました」
「気をつけてな」
「はい!ゴルゴ・ダ・フェザー」
俺は白き羽を広げて南に向かっていった。
~~~
「だいぶ寒くなってきたな・・・あっ!海が見えてきた・・・何か人影が見えるぞ。こんなところに普通に人がいるなんて思えない。1度地上に降りて近づいてみよう」
俺は地上に降り立ち、忍び足スキルを使い人影のあった方に近づいて行った。
「痛い目にあいたくないならさっさとこっちに来い!」
甲羅を背負った1人の少女が闇の縄で繋がれていた。
「あれはベルゼ・・・ベルゼに捕まっている彼女は一体何者だ・・・まぁ彼女が何者でも関係ないな。ベルゼのような悪党には容赦しないで全開でぶちかましてやるぜ」
俺はアイテム収納から『ジョナ・ゴールド・クリムゾン』ポーションを取り出し飲み、金色のオーラを纏う。
「白き爪と黒き盾を両手に宿す『ホワイトクロー』」
「白き爪と金の力、2つの力が重なり合う時、空間は切り裂かれる『空間断絶・クロープラチナ』」
金色のオーラを身に纏い、両手には具現化された白金の爪。
俺は両手に風を集め威圧をかけて圧縮していった。
「射殺し、打ち殺し、噛み殺す白金の竜巻の牙『ゴルゴ・ダ・ファング・空間断絶・風天抜刀牙』」
圧縮された風は具現化し、ドーナツ状に渦を描くように白金のドクロの牙がベルゼに襲いかかった。
「なっ!なんだ!だがこの程度なら防げるわっ!!闇魔法『ダークカーテン』」
ベルゼの目の前に闇のカーテンが広がっていく。
しかし、白金のドクロの牙は闇のカーテンを切り裂きベルゼに襲いかかり、ベルゼの右腕を切り落とした。
「トリスめ、なんて力を身につけたんだ。このままではマズいな、一度撤退する。闇魔法『ダークホール』」
ベルゼは目の前に現れた黒い穴に入って、姿を消した。
「この力なら月影の白兎相手でもやっていけそうだな・・・そうだ!さっきの少女の縄を解いてやらないと!」
俺は甲羅を背負った少女の闇の縄を白金の爪で切り裂いて、話しかけた。
「大丈夫ですか?怪我などしてないですか?」
「大丈夫です。助けていただきありがとうございました」
「いえいえ、あいつとはちょっとした因縁があって、ぶちのめしてやりたかっただけですよ。ところでなんであいつに捕まっていたんですか?」
「わかりません・・・すみませんが私は急いで戻らないといけないのでもういいですか?」
「えぇ、大丈夫ですよ。もうあんなやつには捕まらないように気をつけてください」
「助けていただき本当にありがとうございました。お礼も何もできずに申し訳ないけど私はこれで失礼します」
少女は目の前の海に飛び込んで行ってしまった。
「彼女は一体何者だったんだろうか・・・ここら辺に住んでいるなら『南極サンゴ』の事聞けばよかったかな・・・」
そんな事を考えながら俺は目の前の綺麗な海をしばらく眺めていた。
0
お気に入りに追加
493
あなたにおすすめの小説
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界に行けるようになったんだが自宅に令嬢を持ち帰ってしまった件
シュミ
ファンタジー
高二である天音 旬はある日、女神によって異世界と現実世界を行き来できるようになった。
旬が異世界から現実世界に帰る直前に転びそうな少女を助けた結果、旬の自宅にその少女を持ち帰ってしまった。その少女はリーシャ・ミリセントと名乗り、王子に婚約破棄されたと話し───!?
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる