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52話

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テウスとの手合わせ。

「テウス、さっそくいくぜ!」

俺は背中に風の魔力を集めた。

「射殺し、打ち殺し、切り裂く風の羽『ゴルゴ・ダ・フェザー』」

背中に白く大きな羽を具現化した。

「白き爪と黒き盾を両手に宿す『ホワイトクロー』」

俺の両手には黒虎の小手が具現化され、先端には白き爪が具現化された。

「トリス兄ちゃんの風はカッコいいね!」

「Sランクならこのくらい受け止めろよ。風の羽よ!切り裂け!」

無数の具現化された羽がテウスに襲いかかる。

「ファイヤーカーテン!」

テウスの目の前に火の壁ができ、具現化された羽は燃え尽きた。

「さすがにこのくらいは防げるよな。じゃあ接近戦はどうだ!」

テウスの目の前に降り立ち、激しいラッシュを打ち込んだが、全て躱される。

「まだまだだね!じゃあこちらからも行くよ。『炎と水のハーモニー』」

炎と水の波が襲いかかってきた。

「黒虎の守り全開!」
シールドを大きくして防ぐ。

「やるね!トリス兄ちゃんの全力の攻撃見せてよ。僕が防いであげる!」

「わかった」

全力といってもさすがに炎風凍土のゴルゴ・ダ・ファングはマズイだろう。

俺は両手に風を集め威圧をかけて圧縮していった。

「射殺し、打ち殺し、噛み殺す風の牙『ゴルゴ・ダ・ファング』」

圧縮された風は具現化し、ドクロの牙がテウスに襲いかかった。

「光のカーテン!」

テウスに襲いかかったドクロの牙は一瞬の内に消え去った。

強いと思っていたが、この攻撃はテウスには通用しないんだな。

「トリス兄ちゃんも強くなったね。とりあえず今日はこのくらいにしておこうか」

「俺よりはるか上の強さだな!こんなにも強いとは思ってなかったよ」

「これでも勇者だからね。トリス兄ちゃんの強さなら岩イノシシを倒せるよ。倒せたらお願いがあるんだけど、五色鳥の調査手伝ってもらえるかな?」

「あぁ、いいぜ!」

「ありがとう。1人だとなかなか難しい調査もあって困っていたんだ。」

「じゃあいいタイミングで来たみたいだな。さっそく岩イノシシを倒しに行くぜ」

「気をつけてね」

「おぅ!」

俺は大きな羽を広げて、岩イノシシのいる不死の山に向かった。
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