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16話

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サイクロプスはチカクの街から行けるオールドマウンテンにいる。

オールドマウンテンを超えた先には巨人の里という場所があるらしいのだが巨人の守護者がいて、「資格のない者は立ち入る事は出来ない」と言われて行けないようになっている。

サイクロプスはそんなオールドマウンテンのフィールドボス。

1つ目の巨人で身長は5メートルほどある巨人。棍棒を持っていて動きは比較的遅いが体力がある。だけどそれだけで特殊攻撃もないためフィールドボスとしては倒しやすいボスでもある。

「準備は万端だ。オールドマウンテンに行くとしよう」

天使の翼は行った事のあるところには自由に行けるが、オールドマウンテンはまだ行った事のない場所のため天使の羽を使ってオールドマウンテンの入り口に移動する。

「ここがオールドマウンテンかぁ」

オールドマウンテン、直訳して古い山。巨人族は太古の昔からいる古代人という設定でオールドマウンテンには巨人族しかいない。

サイクロプスはフィールドボスだがオールドマウンテンにいるモンスターはサイクロプスとエリアボスのヘカトンケイルのみ。

ヘカトンケイルは100の腕を持つ巨人で大きな岩をその腕でいくつも投げつけてくるモンスター。

サイクロプスと同じくウルトラレアのドロップがあるモンスターだが、サイクロプスとは違い早く動けるので、今のボクではその大きな岩に当たって死ぬのがわかっているため倒そうとは思わない。

サイクロプスはHPが5000万あり、経験値も5000万あるモンスター。

ボクからしたらエクスペリエンスダーツで消費する経験値の量ともらえる経験値の量が一緒なので、乱獲し放題のモンスターでもある。

「あとはウルトラレアのドロップ確率がどれくらいあるのかだけが問題なんだよな」

サイクロプスの場合、通常ドロップが90%、レアドロップが9.9%、スーパーレアが0.1%の確率というデータがある。

ウルトラレアのドロップは今まで確認されていなかったからもっと低い確率だと思っていた。

だけど2級ダイヤの称号があって初めてゲット出来るモノだとわかった以上検証する必要がある。

「よし、検証開始だ」
「エクスペリエンスダーツ発動」

エクスペリエンスダーツを5000万にセットして投げつける。

エクスペリエンスダーツが当たったサイクロプスは地面に吸い込まれるように消えていくと同時にシステムメッセージとピコンという音がスマホから聞こえてくる。

「システムメッセージの方はワンハンターの称号の音だな。ピコンの音はアイテムドロップの音。一応確認してみるか」

スマホを取り出し取得アイテムを確認。

棍棒を4個新たに取得しました。

サイクロプスの通常ドロップは棍棒。レアドロップはサイクロプスの腰巻き。スーパーレアドロップはサイクロプスの1つ目になっている。

「サイクロプスは一度に4個アイテムを落とすから、まずは300体倒して1200個のアイテムドロップでウルトラレアがドロップするか検証してみるか」

「エクスペリエンスダーツ発動」

ボクは何度も何度もサイクロプスをエクスペリエンスダーツで倒していく。

途中サイクロプスのリポップが間に合わなくなって休憩を挟む事もあったが、目標の300体を撃破。

「よし、確認だ」

スマホを取り出し取得アイテムを確認。

棍棒を1100個
サイクロプスの腰巻きを98個
サイクロプスの1つ目を1個
サイクロプスの巨大棍棒を1個を新たに取得しました。

「よし、ウルトラレアをゲットだぜ。もっと検証して正確な確率を出したいところだけど、ウルトラレアのドロップ確率の検証は違う検証もしながらでもいいかな。今の感じからいったら、スーパーレアと同じくらいのドロップ率って感じかな」

「サイクロプスの巨大棍棒の詳細も確認してみるか」

サイクロプスの巨大棍棒
装備可能レベル160
両手持ち専用
物理攻撃力10000+固定ダメージ10000
自身に威圧がかかり動きが遅くなる

「固定ダメージの効果があるから使い方次第の武器って感じかな。とりあえずは攻略サイトに情報提供して、みんなの反応見てから売るかどうかを決めようかな」

「あっ、そういえば昨日は見習いダイヤの称号とか2級ダイヤの称号の事は書き込むの忘れてたな」

スマホからテロリンという音がなる。

[白鳥チヅルからメッセージが届いております]

「ちょうどいいタイミングでメッセージ来たな。じゃあチヅルさんのところに行くとするか」

ボクは天使の翼を使い、チカクの街のギルドに移動。ギルドの近くにはチヅルさんが待っていた。

「お待たせしました。ここではあれですのでギルドの中で話しましょう」

ん?アイテムを渡すくらいならここでも良さそうだけど、なんか話があるのかな?

一緒にギルドの中に入るためにはパーティーを組む必要がある。

なのでボクはチヅルさんとパーティー組んでギルドの中に入る。

「まずは新しく作れるようになったアイテムのダイヤモンドバリアを渡したいと思います」

「このアイテムはどういうアイテムですか?」

「このアイテムは1万以下のあらゆる攻撃を無効にするアイテムです。1000万ダメージ受けると壊れてしまうアイテムですが、アクセサリー扱いですのでレベル制限はなく、ハヤトさんにはピッタリのアイテムだと思い、作らせていただきました」

おー、これなら経験値消費でレベル1になったとしてもいろいろ出来そうだな。

「ありがとうございます」

ボクはスマホを取り出してチヅルさんとトレードを開始。ダイヤモンドバリアを受け取ってトレード終了。

「それとハヤトさんにお願いがあるのですが・・・」

「お願いとは?」

「実は今回新たにクランを設立する事にしました。大きなクランにするためにはお金も必要でして・・・」

「あー、じゃあまた一緒にダイヤモンドタートルの討伐に行く感じでいいのかな?」

「あっ、いえ、天使の翼があるなら私は一緒にいても何も出来る事はございませんし、私は生産に集中したいので、出来ればお金だけいただきたいのですが・・・」

あー、そういう事かぁ・・・なんか悲しいな。まぁでもダイヤモンドバリアをもらったからには今回は断りにくいよな。

「わかりました。ちなみに資金はどのくらい必要ですか?」

「10兆ほど必要です。普通であれば100人以上の人達で何十日もかかって集める金額です。大変お願いしにくいのはわかっているのですが、」

チヅルさんはそういうとボクの両手を握り、胸の近くに持ってくる。

「ハヤトさんにしか頼めない事です。お願いします」

もう少しでチヅルさんの胸に当たりそうなくらい近い距離。

「わかりました。やります」

こういう時、女の人はズルいよね。そしてこれを断れないボクはもっとズルい。何かこの先いろいろあるのかと期待しちゃうじゃん。

ボクはギルドを出て、天使の翼を使いダイヤ山の頂上付近に移動した。










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