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4話

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ギルドを出たボクは経験値スライムでもあるプラチナメタルスライム討伐のために準備をする事にした。

プラチナメタルスライムのいるエリアの近くに移動するための転移アイテムの天使の羽の購入。

アイテムの売買はスマホのマーケットから出来るようになっている。ちなみにだがマーケットを使えるのは街の中にいる時だけ。

「アイテム名検索で天使の羽っと・・・あった、あった」

スマホを操作してすぐに天使の羽が見つかった。

「1番安いやつで100リンかぁ。とりあえず今は2つ購入でいいかな」

このゲームでのお金の単位はリン。円を少し意識しているからリンという単位になっているみたいだ。

今のボクはスライム100万匹倒した分のお金1000万リンを持っているから200リンくらいの出費であればなんとも思わないが、武器や防具の購入ともなれば一気に桁が違ってくる。

「今は武器も防具も必要ないから買い物はこのくらいかな。早速行ってみるか」

プラチナメタルスライムがいる場所はプラチナ鉱石が採取できるプラチナ鉱山にいる。

天使の羽で行けるのはプラチナ鉱山の入り口まで。プラチナメタルスライムがいるのはプラチナ鉱山の山頂付近。

道中は何もしなくても襲ってくるアクティブモンスターがいて、避ける事が出来ない。だからボクは道中で死ぬ事になるが、このゲームではデスペナを伴ってその場で生き返る事が出来る。

復活方法は2つあり、経験値を5%ロストでその場復活。経験値を2%ロストで街で復活の2パターン。

その場復活すると無敵時間がある仕様のため、ボクはその仕様を利用してプラチナメタルスライムのいる頂上を目指す。

「よし、出発だ」

ボクはスマホを操作してアイテムボックスの画面から天使の羽を使用。

プラチナ鉱山を移動先に指定して移動した。

プラチナ鉱山の入り口に到着すると、ちょうどタイミングが被ったのか、男4人と女の子1人の5人組のパーティーがこれからプラチナ鉱山を登り始めるところだった。

「今日の採取で素材集めは終わる事が出来そうだな。誰かさんがいなかったらもっと早く終わってたんだけどな」

「すみません」

「こんな鈍臭いやつをなんでうちのクランに入れたんだよ」

「文句を言うのは後にしろ。素材採取に行くぞ」

リーダーと思われる人が怒ってる人をなだめながら足早に山を登っていく。登り始めてすぐなのに怒られていた女の子はすでに遅れているのがすぐにわかってしまう。

「あの子も苦労してるんだな。ボクも人の事言えないくらい鈍臭いから大変な気持ちは痛いほどよくわかる。ってボッーとしてないでボクも登るか」

プラチナ鉱石の採取出来る場所まで歩いて30分程かかる。道中でモンスターも出るため、相手をしながらだとプラチナ鉱石を採取出来る場所までは1時間程かかる道のり。

ボクの場合はレベル1で、ここのモンスター相手だと即死だからそこまで時間はかからないで登る事が出来る。

そんな感じで死んで生き返ってを繰り返しながら登り、半分くらいまで来た頃に先に登っていた鈍臭い女の子の姿が見える。

ボクも鈍臭い方だから先に登っていたパーティーに追いつく事はないと思っていたが、女の子に追いついてしまった。

どうしようかな。本当なら追い越したくないけど、追い越さないように行くとなるとかなり時間がかかりそうな気がする。

うーん、変に気にしないで追い越すとするか。

女の子のすぐ側まで来ると女の子は苦しそうな表情で登っている。

「大丈夫ですか?」

「ハァハァ、だ、大丈夫です。ハァハァ」

「無理しない方が少し休んだ方がいいですよ」

「ハァハァ、大丈夫です。昔からこうなんで気にしないでください」

「お気をつけて」

ボクは女の子を追い越して、プラチナ鉱石を採取出来る場所まで来ると、先に登っていたパーティーが岩場の方を向いてプラチナ鉱石の採取を始めていた。

「ったくなんでお前はこんなにトロいんだよ。休んでる暇はないぞ。早く採取を始めろ」

さっき怒っていた人は女の子と間違えたのかボクに向かって話かけてきた。

「あ、あ、」

ボクが話出そうとすると違和感を感じたのか怒っている人はこっちを振り返った。

「あー、誰だおめぇ」

その言葉と共にボクの事を舐め回すように見てくる。

「って、ここは初期装備のボクちゃんが来るところじゃねぇぞ」

その言葉に反応したリーダーっぽい人もこちらを振り向いた。

「知らない人に絡んでないで採取しろ。すまないな、気にしないでくれ」

「失礼します」

あー、良かった。なんか面倒くさい事に巻き込まれるかと思ったけど、リーダーっぽい人がいい人で良かった。

ここから先はモンスターも出ないので頂上までは10分くらいで行ける。

歩き始めるとすぐに女の子が採取場所まで来たのか怒鳴り声が聞こえてきた。

「ったく、なんでこんなヤツと報酬が一緒なんだよ。やってらんねぇな」

その声が聞こえてきたので振り返るとリーダーっぽい人が怒っている人に何かを話ながらなだめていた。

「気を取り直して行くか」

頂上まで着くとプラチナメタルスライムが何匹もいてプニプニしながらウロウロしている。

「これがプラチナメタルスライムか」

プラチナメタルスライムはこちらが攻撃をしても攻撃を一切してこない。だけど死ぬようなダメージを与えようとすると必ず逃げるようになっている。

「だけど今のボクにはプラチナ称号で得たスライム威圧があるから倒せるはずだ」

プラチナメタルスライムのHPは33。今のボクは固定ダメージ1が3つ付いたショートソードを装備しているので11回攻撃を与えると倒せる計算。

「くらいやがれ」

ボクはショートソードを振りかぶりプラチナメタルスライムに一撃を与える。一撃を与えたといってもプニプニした感触でダメージを与えている感じはしない。

攻撃を受けたプラチナメタルスライムのHPゲージは僅かに減少。

「この調子なら行ける。っていうかプニプニしてほとんど動かないからスライム威圧の実感がわからないな」

そんな事を思いながらも何度も何度もショートソードを振りかぶり攻撃。ちなみにだが固定ダメージを与えるためには20kgの衝撃が必要なため、力の入っていないツンツン攻撃で固定ダメージを与えようしてもダメージを与える事は出来ないようになってたりする。

そんなこんなで残り一撃で倒せるところまでHPゲージは減ってきた。

するとプラチナメタルスライムはプニプニ状態から鉄のように固まり、逃げる素振りを見せる。が、スライム威圧がかかっているためその動きは遅くなっていた。

「これでトドメだー」

ショートソードを思いっきり振りかぶりプラチナメタルスライムに一撃を与える。先程までのプニプニ感はなく鉄の塊に一撃を与えた感じで、思いっきり振りかぶったボクはあまりの衝撃で持っていたショートソードを落としてしまった。

「いってーー」

あまりの痛さにうずくまっているとスマホからシステムメッセージが届いた音がする。

衝撃でまだ痺れている手でスマホを手に取り確認。

[総獲得経験値が1兆を超えたため、ワンエクスペリエンスのブロンズ称号を獲得しました]








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