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55話

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見渡す限り真っ白な空間に飛ばされたボクを待ち受けていたのは白いヒゲをした神様だった。

「おめでとう、三上ハヤトくん」

「あ、ありがとうございます」

とっさに返事をしたものの何か違和感を感じる。

なんだろ、どこかで見た事あるような気がする。でも一体どこで見たんだろう。

「君のおかげで女神アテナは甦る事が出来た。君には青の錬金術師の称号を与えよう」

「あ、ありがとうございます」

違和感の正体がわかった。この人は・・・

・・・元総理大臣だ。

なぜここにいて神様をやっているんだろう。そもそも亡くなったはず。

でも都市伝説では生きてる説もあったはず。もしかしてこのゲームの中で生きているのか・・・

「どうやら私の正体に気づいたようだね。このゲームを作るように指示したのは私だよ。私は潰瘍性大腸炎という病気にかかって以来、好きな物を食べる事が出来ない身体になってしまった。何かを食べてはお腹を壊して下痢になる。食べる事が好きな私にとっては現実世界は地獄のような世界だった」

それでこのゲームはウンコネタが多かったんだ。

「ゲームの中では好きな物を食べ放題。ゲームの中で暴飲暴食しても、現実世界の身体には栄養ゼリーが流し込まれて健康は維持できる。そんな仮想世界を作り、同じ病気で苦しむ人を私は救いたかっただけだった。本当にただそれだけだったんだ。だが私のその思惑は支配者層の人間に利用された」

えっ、どういう事?

「その事に気づいた私は身の危険を感じて死んだふりをして、仮想世界で神様として身を隠す事にした。現実世界と仮想世界、2つの世界を救ってくれる者が現れる事を信じて」

えっ、これはこういうストーリー展開なのかな。それとも本当に・・・

「第2章が始まると次は高齢者がこのゲームをやり始める事になる。高齢者の感覚のままだと大変だから、感覚の若返りと見た目の若返りも特典として付ける。そうやって全ての国民をこのゲームの中に入れるのが支配者層が考えている事」

たしかにその特典だと高齢者もこのゲームをやり始めるだろう。今思うと女性プレイヤーが増えた時もそうだった。突然ダイエットに効果あるとSNSでバズった結果、多くの女性がこのゲームをやるようになった。

ボクがこのゲームをやる時もそうだった。このゲームを楽しんでいれば働かなくてお金を稼げて一生暮らせるという謳い文句に惹かれてボクはこのゲームをやり始めた。

今考えるとこんな事は国が絡んでいないと出来ない事だ。イヤ、国よりももっと上の支配者層といわれる人達が絡んでいないと出来ない事だ。

だけど、何故支配者層の人達は全ての人を仮想世界に入れようとしているんだろうか。

「支配者層は自分達が神様になる事を望んでいる。現実世界で出来ない事でも仮想世界ならそれが可能となる。支配者層の人間は強制的に人を仮想世界に来させるのではなく、自分の意志で仮想世界に来るようにさせている。人をまるで操り人形のように扱うその姿はまさに悪魔そのもの」

こ、これはやっぱりこういうストーリー展開なんだよね。ねぇ、誰かこういうストーリー展開だって言ってよ。

「ドラゴンセンスを覚醒させてアテナの骨を作れた者なら悪魔からみんなを守る事が出来るだろう。ドラゴンセンスのさらに先にある感覚を覚醒できた時、君は2つの世界を制する事が出来る。頑張ってくれ」

「は、はい」

なんか流されるままに勝手に話が進んでいってしまう。でもボクにはどうする事も出来ないし、この話がウソかホントかわからない。信じるか信じないかは貴方次第ですって言う話にも聞こえる。

正直な話、ボクにとってはどうでもいい事にしか聞こえない。だからボクは普通にゲームを楽しむ事にする。

これからも普通にオウルブルーアテナを楽しむだけ。

ドラゴンセンスに覚醒してワクワクする事が増えた。

これからボクがやる事はモノ作りじゃない。みんながワクワクするような未来を創る事だ。

ボクの冒険はこれからだ!!!



第1章 ~完~



★★★★★★★★

第1章完結までお付き合い頂きありがとうございます。

今回この作品を通して自分の実力不足を痛感いたしました。

時間がかかると思いますが実力をつけて大型アップデートして、第2章を書いていきたいと思いますのでここで一度完結にいたします。









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