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第7章 4人の悪魔
83話
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太陽の塔の頂上で新たなパーティーを組んだボクは3人の女の子達に新たな装備をプレゼント。
魔法剣士の烏丸ウサギさんにはブループラチナメタルを多めに使って水耐性を高くした重鎧と雷属性の錬金を付与したゴールドスリーソード。
属性弓の鳩村スズメさんには水耐性を高くした軽鎧と虹の木の枝から作った弓と属性矢。
神聖魔法使いの鷲尾ツバメさんには水耐性を高くした魔装服と物質入魂のスキルを使って作ったセフィロトの樹の杖。
普通の人なら今のこの状況で物質入魂のスキルを使った武器を持っているのはおかしい事だが、たまたま素材をマーケットで手に入れる事が出来たという事にしてツバメさんにはプレゼントを受け取ってもらった。
太陽の塔の攻略の先を見据えた時、このセフィロトの樹の杖がどうしても必要だった。
太陽の塔の攻略が終われば4人のアリス達に会い、新たなスキルを手に入れて4人の悪魔を倒しに行く。
この時、セフィロトの樹の杖があれば時間の国にいるサタンを簡単に倒す事が出来る。そして、このセフィロトの樹の杖はさらにその先のイベントアイテムを入手する際に必要なアイテムだという事もアイテム核融合のレシピを見てわかっている。
だから場違いな装備だという事はわかっていてもセフィロトの樹の杖は必要だった。でも本当はマリナさんにこの杖を使ってもらいたかったな。
「ほ、本当にこんな高額な装備もらってもいいいんですか?」
「あっ、それは気にしないで下さい。先行投資しなければ段取り良く進む事が出来ない事もあるんで本当に気にしないで下さい」
「わ、わかりました。」
ツバメさんはもらったセフィロトの樹の杖をマジマジと見つめながら微笑み始めた。
「ツバメ、やったじゃん。この装備なら絶対太陽の塔攻略出来るよ」
「そ、そうですね」
「よーし、これで準備も出来た事だし、早速攻略開始だ」
「あっ、スズメさん、ちょっと待ってもらっていいですか?」
「…なんだよ?」
ボクが止めると属性弓を扱うスズメさんの機嫌が悪くなり始めた。
「このパーティーだと守りの要になる人がいないんですよ。スズメさんにはそれをやってもらいたいんですが、どうですかね?」
「いや、ちょっと何言ってるかよくわかんないだけど。アタシ達のパーティーには守りの要は不要だよ」
パーティーバランスを見た場合、魔法剣士と属性弓と神聖魔法使いの3人のこのパーティーは攻めに重きを置いたパーティー。だから守りの要は不要に見える。でも先の事を見据えると守りの要が必要な場面も出てくる。
メリーさんを意識している魔法剣士のウサギさんにタンカーをやってもらうのは中々難しい事。近距離攻撃主体の魔法剣士に急にタンカーのような立ち回りをさせようとしても無駄な動きがどうしても出てしまい邪魔になるだけ。
神聖魔法使いのツバメさんの持つセフィロトの樹の杖は太陽の塔の攻略にしてはオーバースペックの武器。
オーバースペックだからこそ、サポートで補助に回ってもらいたいと考えると、守りの要になるのは属性弓を持つスズメさんになってしまう。
属性弓は遠距離攻撃で周りを良く見ながら立ち回りをするのでタンカーとしての立ち回り方もある程度はわかっているはず。
「太陽の塔の攻略が終わった後は時間の国から攻略を始めたらいいかなってボクは思ってます。時間の国のモンスターは硬いモンスターが多いので攻め主体のパーティーでは攻略出来ません。幸いな事にボクは銃の武器を持っているので危ない時は遠距離攻撃でサポートいたします」
「ねぇ、スズメ。ハヤトさんの段取りって良さそうな感じだから、とりあえずはこの作戦でやってみようよ」
「そ、そうですよ。ウサギの言う通り、私達だとここまで段取り良く出来ないと思うからハヤトさんの言う通りにやってみようよ」
「2人がそう言うならやってやるよ」
スズメさんの不機嫌な感じは良くならなかったものの、なんとか太陽の塔の攻略を始める事となった。
ボクの思った通り、この女の子達3人の動きは素晴らしいもので攻略は順調に進んでいく。
4人パーティー用の入り口から入ったという事もあり、あっという間にラストの階層まで辿り着く。
「この階層のボスを倒せば太陽の塔の攻略も終わりですね。ハヤトさんが作ってくれた良い装備のおかげで苦労する事なくここまで来る事が出来ました」
「ボクの作った装備だけじゃないですよ。みなさんのしっかりとした実力もあったからですよ。特にスズメさんの動きは素晴らしいものがあります。慣れていないタンカーの立ち回りも実に見事なものです」
「フンっ、私の実力があればこんなの簡単なものよ」
みんなの動き方を見れば魔法剣士が攻めの主体となり動く定番な立ち回りをしていた。だからみんなの実力が良く見えてきた。
このパーティーで属性弓を扱いながらタンカーの立ち回りも出来るスズメさんはこのパーティーの軸になる人だという事。
それならばボクがこれからやる事はスズメさんの装備を特化させてオンリーワンにさせる事。
「最後のボスはイヒヒヒという水属性のモンスターですので、スズメさんはこの武器を使って下さい」
ボクがアイテム袋から取り出したのはサンダームートンの雷角をアイテム進化させて作った黄金の羊の雷角の弓。
「お前、こんな装備を準備してるってどんだけ段取りいいんだよ」
「たまたま持ってた雷属性の武器が弓だったっていうだけですよ」
「そ、そうか。じゃあ遠慮なく使わせてもらうぜ」
実は弓だけじゃなくて剣も杖も雷属性の武器は準備万端で用意してたのは内緒にしておこう。
…………
「太陽の塔を攻略出来なくてずっと足踏み状態だったけど、これで終わりだーーー!!!」
スズメさんが放った雷属性に特化した矢はイヒヒヒの身体を貫き、苦労する事なくラストの階層を突破。
「そういえばなんだけど、この黄金の羊の雷角の弓って太陽の塔を攻略した後で使えるようになるアイテム進化のスキルが必要な武器じゃなかったっけ?」
「スズメ、何言ってるの?太陽の塔の攻略をした人が再び太陽の塔に来るわけないじゃないですか」
「たしかにそれもそうだな。なんか勘違いしてたみたいだ」
「イヒヒヒも倒した事だし、太陽の金猿のところに行くわよ」
「おう」
ボクとした事がうっかりやらかしてしまっていたようだ。4人のアリス達から授かる事が出来るスキルの事ばかりに気を取られていて、太陽の塔攻略が終わった後で使えるようになるアイテム進化のスキルの事を忘れてしまっていた。
先を行く3人の後を追うようにボクは太陽の金猿・孫悟空の元へ辿り着くとムービー開始。
ボク達4人に話しかける孫悟空の姿が映し出されると場面変化し、4つの国が映し出される。
「不思議の国と今際の国には金の懐中時計が必要だ。時間の国と鏡の国には月読の目が必要だ。4つの国にいる聖なる子供達に会いに行け」
ムービーが終わると太陽の金猿・孫悟空が話かけてきた。
「月の銀狼・フェンリルに一撃でも与える事が出来れば、月読の目は作れるようになるぞ」
「わかりました」
「帰る時はこちらの扉から出れば外に出れるぞ」
太陽の金猿・孫悟空に指差す方向に扉が現れた。
「よし、このままフェンリルのところ向かうよーー!!」
「ちょっとスズメ。このパーティーのリーダーはハヤトさんになったんだからリーダーの意見もちゃんと聞かないとダメよ」
「ちっ、わかったよ。このままフェンリルのところに向かう感じでい・い・ん・で・す・よ・ね?」
「あっ、はい。大丈夫です」
「ほら、聞かなくても同じだろ」
「スズメはいつもそんな感じで行動するから私達いつも段取り悪くなるんだからね。ちゃんとリーダーのハヤトさんの意見も聞かないとダメだよ」
「あー、わかった。わかったってばよ」
太陽の塔を攻略を終えて、ボク達4人は月の銀狼・フェンリルのところに向かい始めた。
──────────
体調不良や不幸事などがあり中々執筆活動するのが大変でしたが、この作品をきちんと完結まで執筆しようと思い、1年ぶりの更新です。
まだ完結まで執筆出来ていませんが、毎日投稿しますので、応援のほどよろしくお願いします。
魔法剣士の烏丸ウサギさんにはブループラチナメタルを多めに使って水耐性を高くした重鎧と雷属性の錬金を付与したゴールドスリーソード。
属性弓の鳩村スズメさんには水耐性を高くした軽鎧と虹の木の枝から作った弓と属性矢。
神聖魔法使いの鷲尾ツバメさんには水耐性を高くした魔装服と物質入魂のスキルを使って作ったセフィロトの樹の杖。
普通の人なら今のこの状況で物質入魂のスキルを使った武器を持っているのはおかしい事だが、たまたま素材をマーケットで手に入れる事が出来たという事にしてツバメさんにはプレゼントを受け取ってもらった。
太陽の塔の攻略の先を見据えた時、このセフィロトの樹の杖がどうしても必要だった。
太陽の塔の攻略が終われば4人のアリス達に会い、新たなスキルを手に入れて4人の悪魔を倒しに行く。
この時、セフィロトの樹の杖があれば時間の国にいるサタンを簡単に倒す事が出来る。そして、このセフィロトの樹の杖はさらにその先のイベントアイテムを入手する際に必要なアイテムだという事もアイテム核融合のレシピを見てわかっている。
だから場違いな装備だという事はわかっていてもセフィロトの樹の杖は必要だった。でも本当はマリナさんにこの杖を使ってもらいたかったな。
「ほ、本当にこんな高額な装備もらってもいいいんですか?」
「あっ、それは気にしないで下さい。先行投資しなければ段取り良く進む事が出来ない事もあるんで本当に気にしないで下さい」
「わ、わかりました。」
ツバメさんはもらったセフィロトの樹の杖をマジマジと見つめながら微笑み始めた。
「ツバメ、やったじゃん。この装備なら絶対太陽の塔攻略出来るよ」
「そ、そうですね」
「よーし、これで準備も出来た事だし、早速攻略開始だ」
「あっ、スズメさん、ちょっと待ってもらっていいですか?」
「…なんだよ?」
ボクが止めると属性弓を扱うスズメさんの機嫌が悪くなり始めた。
「このパーティーだと守りの要になる人がいないんですよ。スズメさんにはそれをやってもらいたいんですが、どうですかね?」
「いや、ちょっと何言ってるかよくわかんないだけど。アタシ達のパーティーには守りの要は不要だよ」
パーティーバランスを見た場合、魔法剣士と属性弓と神聖魔法使いの3人のこのパーティーは攻めに重きを置いたパーティー。だから守りの要は不要に見える。でも先の事を見据えると守りの要が必要な場面も出てくる。
メリーさんを意識している魔法剣士のウサギさんにタンカーをやってもらうのは中々難しい事。近距離攻撃主体の魔法剣士に急にタンカーのような立ち回りをさせようとしても無駄な動きがどうしても出てしまい邪魔になるだけ。
神聖魔法使いのツバメさんの持つセフィロトの樹の杖は太陽の塔の攻略にしてはオーバースペックの武器。
オーバースペックだからこそ、サポートで補助に回ってもらいたいと考えると、守りの要になるのは属性弓を持つスズメさんになってしまう。
属性弓は遠距離攻撃で周りを良く見ながら立ち回りをするのでタンカーとしての立ち回り方もある程度はわかっているはず。
「太陽の塔の攻略が終わった後は時間の国から攻略を始めたらいいかなってボクは思ってます。時間の国のモンスターは硬いモンスターが多いので攻め主体のパーティーでは攻略出来ません。幸いな事にボクは銃の武器を持っているので危ない時は遠距離攻撃でサポートいたします」
「ねぇ、スズメ。ハヤトさんの段取りって良さそうな感じだから、とりあえずはこの作戦でやってみようよ」
「そ、そうですよ。ウサギの言う通り、私達だとここまで段取り良く出来ないと思うからハヤトさんの言う通りにやってみようよ」
「2人がそう言うならやってやるよ」
スズメさんの不機嫌な感じは良くならなかったものの、なんとか太陽の塔の攻略を始める事となった。
ボクの思った通り、この女の子達3人の動きは素晴らしいもので攻略は順調に進んでいく。
4人パーティー用の入り口から入ったという事もあり、あっという間にラストの階層まで辿り着く。
「この階層のボスを倒せば太陽の塔の攻略も終わりですね。ハヤトさんが作ってくれた良い装備のおかげで苦労する事なくここまで来る事が出来ました」
「ボクの作った装備だけじゃないですよ。みなさんのしっかりとした実力もあったからですよ。特にスズメさんの動きは素晴らしいものがあります。慣れていないタンカーの立ち回りも実に見事なものです」
「フンっ、私の実力があればこんなの簡単なものよ」
みんなの動き方を見れば魔法剣士が攻めの主体となり動く定番な立ち回りをしていた。だからみんなの実力が良く見えてきた。
このパーティーで属性弓を扱いながらタンカーの立ち回りも出来るスズメさんはこのパーティーの軸になる人だという事。
それならばボクがこれからやる事はスズメさんの装備を特化させてオンリーワンにさせる事。
「最後のボスはイヒヒヒという水属性のモンスターですので、スズメさんはこの武器を使って下さい」
ボクがアイテム袋から取り出したのはサンダームートンの雷角をアイテム進化させて作った黄金の羊の雷角の弓。
「お前、こんな装備を準備してるってどんだけ段取りいいんだよ」
「たまたま持ってた雷属性の武器が弓だったっていうだけですよ」
「そ、そうか。じゃあ遠慮なく使わせてもらうぜ」
実は弓だけじゃなくて剣も杖も雷属性の武器は準備万端で用意してたのは内緒にしておこう。
…………
「太陽の塔を攻略出来なくてずっと足踏み状態だったけど、これで終わりだーーー!!!」
スズメさんが放った雷属性に特化した矢はイヒヒヒの身体を貫き、苦労する事なくラストの階層を突破。
「そういえばなんだけど、この黄金の羊の雷角の弓って太陽の塔を攻略した後で使えるようになるアイテム進化のスキルが必要な武器じゃなかったっけ?」
「スズメ、何言ってるの?太陽の塔の攻略をした人が再び太陽の塔に来るわけないじゃないですか」
「たしかにそれもそうだな。なんか勘違いしてたみたいだ」
「イヒヒヒも倒した事だし、太陽の金猿のところに行くわよ」
「おう」
ボクとした事がうっかりやらかしてしまっていたようだ。4人のアリス達から授かる事が出来るスキルの事ばかりに気を取られていて、太陽の塔攻略が終わった後で使えるようになるアイテム進化のスキルの事を忘れてしまっていた。
先を行く3人の後を追うようにボクは太陽の金猿・孫悟空の元へ辿り着くとムービー開始。
ボク達4人に話しかける孫悟空の姿が映し出されると場面変化し、4つの国が映し出される。
「不思議の国と今際の国には金の懐中時計が必要だ。時間の国と鏡の国には月読の目が必要だ。4つの国にいる聖なる子供達に会いに行け」
ムービーが終わると太陽の金猿・孫悟空が話かけてきた。
「月の銀狼・フェンリルに一撃でも与える事が出来れば、月読の目は作れるようになるぞ」
「わかりました」
「帰る時はこちらの扉から出れば外に出れるぞ」
太陽の金猿・孫悟空に指差す方向に扉が現れた。
「よし、このままフェンリルのところ向かうよーー!!」
「ちょっとスズメ。このパーティーのリーダーはハヤトさんになったんだからリーダーの意見もちゃんと聞かないとダメよ」
「ちっ、わかったよ。このままフェンリルのところに向かう感じでい・い・ん・で・す・よ・ね?」
「あっ、はい。大丈夫です」
「ほら、聞かなくても同じだろ」
「スズメはいつもそんな感じで行動するから私達いつも段取り悪くなるんだからね。ちゃんとリーダーのハヤトさんの意見も聞かないとダメだよ」
「あー、わかった。わかったってばよ」
太陽の塔を攻略を終えて、ボク達4人は月の銀狼・フェンリルのところに向かい始めた。
──────────
体調不良や不幸事などがあり中々執筆活動するのが大変でしたが、この作品をきちんと完結まで執筆しようと思い、1年ぶりの更新です。
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