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第5章 太陽と月の力

65話 太陽の塔攻略準備2日目②

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メリーさんの件が片付いたボクは北の王国エリアのネズミエリアに移動。待ち合わせ場所に来るとカリナさんはすでに来ていた。

「お待たせしました」

「私もさっき来たところです」

「そうですか、それでは遅くならない内に素材採取して帰りましょう」

「はい、よろしくお願いします」

狙うモンスターは大死黒天ネズミ。七福の虹鼠の次に強いと言われているモンスター。

7日ネズミとも言われる七福の虹鼠。以前倒した七福の虹鼠は3日目の七福の虹鼠で大死黒天ネズミよりも弱いモンスター。

大死黒天ネズミは破壊神の異名を持つ人型のネズミモンスター。大きな木槌と大きな袋を持つパワー系モンスター。北の王国エリアは近距離攻撃と相性がいいモンスターが多いので遠距離攻撃や魔法攻撃とは相性が悪い。

「このモンスターは人型ですので太陽の塔にも出てくる可能性があるモンスターです。遠距離攻撃と魔法攻撃ばかりの合同クランでは苦戦するかもしれないモンスターですので、ここで慣れておけば出てきた時スムーズに突破出来ると思います」

「わかりました」

カリナさんには出てくるかもしれないと言ったが、ボクの見立てではこのモンスターは出てくると思っている。

太陽の塔は全18階層で構成されている。その半分を過ぎた10層目で超アクティブモンスターが出てきて、氷の攻撃でボクは死んだ。

あのモンスターは氷ゴリラというモンスター。火属性に弱いモンスターで溶岩真珠の攻撃には特に弱い。

一度遭遇した事のあるモンスターは情報屋から情報を聞く事が出来るため、この情報を仕入れる事が出来た。

溶岩真珠といえば、アテナの骨を作る時にナノ粉末にした時の苦労が思い出される。あの時はもう二度とやりたくない、コリゴリラって思ったもんだ。

太陽の塔の1層目はキャンサーモンキーという超アクティブモンスターで生産者殺しモンスター。10層目に出てくる氷ゴリラも超アクティブモンスターで生産者殺しモンスター。

と考えると11層は遠距離殺しモンスターが出る事が予想出来る。2層目に出てきたカラーモンキー。地形的な事情もあって至近距離での攻撃を強いられたカリナさんはこのモンスターにやられてしまった。

大死黒天ネズミも遠距離殺しのモンスター。このモンスターは10メートルの範囲外からの攻撃を無効にするモンスター。それでいて魔法攻撃を半減する特性もあるため、近距離物理攻撃以外では大変なモンスター。

カリナさんは至近距離での戦いが苦手なのか倒すのにずいぶんと時間がかかっている。

「すみません、少し休憩してもいいでしょうか?」

「時間はまだたっぷりありますから大丈夫ですよ。こういう事を込みで段取り組んでますから、ゆっくりと時間をかけてモンスターに慣れていってください」

「わかりました…………アイツがこう動いたら、私はこう動いて攻撃して、イヤ、ここはフェイントをかけた方がいいか……」

カリナさんはブツブツと言いながら、どうしたらいいか考えながら休憩しているようだ。でもまだ本質を捉えてないみたい。ちょっとアドバイスしてみるか。

「ずいぶん悩んでるみたいですね。もっとシンプルに考えたらどうでしょう。大死黒天ネズミは近距離攻撃と相性のいいモンスターです。だから至近距離で戦えばいいんですよ」

「……たしかにそう言われるとそうですね」

「カリナさんならもう一歩、いや、もう二歩踏み込んで超至近距離で戦えば、すぐに倒せますよ」

「わかりました。頑張ってみます」

アドバイスをした後はあっという間に大死黒天ネズミを撃破。今日はパーティーを組んでいないため、採取権がフリーになったところで採取開始。

『大死黒天ネズミの袋を採取しました』

これでアイナさんの防具の素材は揃った。大死黒天ネズミが持っていた袋と金白金鉱石で作る大死黒天ゴールドアーマー。暗黒属性を高める効果と高い防御力を持つ軽鎧。

「今日は遅くなったので、ここら辺で終わりましょう。明日もよろしくお願いします。お疲れ様でした」

「…お疲れ様でした」

ボクはカリナさんと別れてマイハウスに移動。

「よし、アイナさんの防具と属性重視の人の弓を作るか」

属性重視の人の弓は虹の木の枝を使うシンプルな武器。この武器を使う人の好みやクセは知らないから、サクッと成形作業で弓の形にして終了。

続けてアイナさんの防具生産に取り掛かる。先程手に入れた大死黒天ネズミの袋と金白金鉱石を9つ使い、大死黒天ゴールドアーマーの完成。

「明日はマリナさんの防具生産だ。だから夢幻水晶を金白金鉱石から切り替えるとするか」

スマホを取り出し夢幻水晶の画面を開き、金白金鉱石から青白金鉱石へ変更。

「よし、これで準備完了。今日はもう寝るとするか。って思ったけど、ちょっと気になるところがあるんだよな」

ボクが気になった部分。それは氷ゴリラの存在。溶岩真珠のナノ粉末を思い出させたのには意味があるはず。

だけど今のボクは溶岩真珠のナノ粉末を作っている余裕はないため、金眼の現場猫に製作依頼。

「ナノ粉末を作る作業は大変な作業だニャー。この作業はボク達の不満を溜める作業だから気をつけた方がいいニャー。溶岩真珠のナノ粉末の件は了解ニャー」

金眼の現場猫は作業を開始。

「溶岩真珠のナノ粉末は第1章のキーアイテムでもあるから、都合良く何度も作れないって事か。おそらく不満を溜めていけばボイコットされて作業をしなくなるはず。気をつけた方がいいな」

気になっていた部分も解消したため、ボクは超フカフカのベッドに横になり、眠りについた。







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