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第2章 愛を取り戻せ
37話 夢幻の館
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マイハウスで作業を始めたボク。アイテム変化の錬金作業は1つずつしか出来ないため、終わる頃には4時間経っていて、時刻はお昼過ぎ。
クランハウスに戻ると、3人はすっかり仲良くなった様子ですごく良い雰囲気。
「お待たせしました」
「もー、遅いよ。リュウイチ様をいつまで待たせるつもりよ」
リュウイチさんももう来てたんだ。
「すみません」
「それじゃあみんな応接室に集合」
何故か仕切り始めるアイナさん。こういう感じは今までなかったから、ボクとしては新鮮な感じ。
応接室に入るとリュウイチさんは目を閉じて瞑想中。
「遅くなってしまって、すみません」
「いやいや、俺は全然待ってないよ。むしろここで落ち着いて、これからの段取りを整理出来たから良かったよ。自分のクランハウスだとここまでゆっくりする事出来ないからね」
「そ、そうですか」
「という事で早速、羊の館に行こうぜ。こんなところで話してても無駄な時間だ」
「わ、わかりました」
メリーさんの分のアイテムはないので、クランハウスでお留守番。ボク達4人は西の王国エリアにある羊の館に到着。
すると羊の館から誰か出てきた。出て来たのは2人。レッドタイガーのリーダー、赤井コジロウさんとパラジウム採取の時に会った亀白シロウさん。
「おー、コジロウと亀ジロウじゃねぇか。って、もしかしてもう夢幻の館に行ってきたのか?」
「あぁ、そうだよ。第2章のファーストクリア者は誰にも譲るつもりはないからね。やる事もあるし、僕はこれで失礼するよ」
夢幻の館から出てきて、まだやる事があるって事はまだ逆転出来る可能性はあるんだな。ボクはマリナさんとアイナさんにファーストクリア者になってもらいたい。
2人がいなくなったところで、リュウイチさんが取り仕切り、羊の館の中へ。
「羊の館へ、ようこそ」
「夢幻の風羽を持っているんだが、夢幻の館まで案内お願いしてもいいかい?」
「かしこまりした。夢幻の館は非常に迷いやすい場所でもございますので、私が案内いたします」
「よろしく」
モーニングと言われる燕尾服を着た羊の執事が左側の扉を開けて中に入っていくので、ボク達もそのあとに付いていく。
先頭はリュウイチさん。その後ろはレディーファーストでマリナさんとアイナさん。最後尾はボク。
扉の中に入ると中は鏡だらけで、どこが通路なのかもわからない。そう思っていたら突然扉が閉まる。閉まった扉も鏡で出来ているので、出入り口の扉がどこにあるのかもわからなくなってしまった。
「はぐれないで下さいね。ここは夢幻の館。はぐれたら永久に出れなくなります。それと注意事項があります。鏡に触れますと死の門が開く事になります。後始末が大変ですのでご注意下さい」
後始末が大変って死の門が開いたら一体どうなるんだろう……っていうかこれだけ鏡だらけで通路もわかりにくいから、うっかり触りそうで怖いな。
「ちょっとリュウイチ、気をつけて歩きなさいよ。さっきから鏡に触れそうで、見てるこっちがハラハラするよ」
「おー、わりぃ、わりぃ」
「気をつけてくださいね。後始末が大変なんですから」
羊の執事さんに怒られるリュウイチさん。
「あっ、リュウイチ」
どうやらリュウイチさんがちょっと鏡に触れてしまったようだ。
「あれほど気をつけてくださいと言いましたよね。まぁこの程度ならちょっと拭けば大丈夫でしょう」
あっ、この感じ!死の門っていうか指紋つけられるのをイヤがっている感じだ。
それからは特にハプニングもなく、館の奥と思われる場所に到着。
「この扉の先に、死獣・陽炎の夢羊がおります。お気をつけてお入りください」
「ありがとう」
リュウイチさんが扉を開けると、中からは目も開けられないほどの眩しい光。リュウイチさんを先頭にその光の中に次々と入っていく。
最後尾のボクも眩しい光の中に飛び込んだ。眩しい光もなくなり目を開けるとそこは羊の館の外の景色。
えっ、どういう事?
「ハッハッハッ、どうやら俺たちは夢か幻を見せられていたようだな。とりあえずもう一回入ってみるか」
羊の館の中に再び入る。
「羊の館へ、ようこそ」
「夢幻の館まで案内してくれ」
「かしこまりした。夢幻の館は非常に迷いやすい場所でもございますので、私が案内いたします」
「よろしく」
モーニングと言われる燕尾服を着た羊の執事が左側の扉を開けて中に入っていくので、ボク達もそのあとに付いていく。
見えてきた光景は先程と同じ鏡だらけの景色。
「はぐれないで下さいね。ここは夢幻の館。はぐれたら永久に出れなくなります。それと注意事項があります。鏡に触れますと死の門が開く事になります。後始末が大変ですのでご注意下さい」
先程と同じ注意事項。その後は特に何もなく、館の奥と思われる場所に到着。
「この扉の先に、死獣・陽炎の夢羊がおります。お気をつけてお入りください」
ここまではさっきと同じ展開。この扉を開いて中に入るとおそらく羊の館の外に出るだろう。
「リュウイチ、どうするつもり?」
「んー、どうしようかな?いろいろ案はあるけど、俺はハヤトくんの意見も聞いてみたいな」
えっ、ボクの意見を聞きたいってどういう事?でもこう言われた以上、何か答えないといけないよね。
きっとボク達は何かを見落としているから、死獣の元にたどり着けないんだろう。
ボク達は何を見落としているんだ?
考えろ、考えろ、考えろ
何かヒントがあるはずなんだ。
ボク達は今、羊の執事さんに夢か幻を見せられているって事なんだよな……夢を見ている……普通、夢は夜に見るものだ。
羊の執事さんが着ているのは燕尾服。モーニングを着ているんだ。
「ボク、わかりました!羊の執事さん、その服を脱いでもらってもいいですか?!執事さんが着ている服はモーニング。その服を脱ぐと陽炎の夢羊になるんですよね?」
「服を脱がなくても私が陽炎の夢羊ですよ。服を脱げば第2形態になるだけです。私に何かご用でしょうか?」
「アテナの頭蓋骨を盗んだのはアナタですか?」
「私ではありませんよ。夢か幻を見たとおっしゃる方がいたのかもしれませんが、その方は本当に盗んだ方を見たのでしょうか?もし何も見ていないのならアテナの頭蓋骨を盗んだのは月影の白兎かもしれません」
月影の白兎。次はそこに行くんだな。でもどうやって?
「月影の白兎は死獣でもありますが、不思議の国の導き手でもあります。月影の白兎は見習い級の実力がなければ見る事は出来ません。本来なら女神アテナが実力を認めた人だけに与える称号ですが、今回は私が実力を判断して見習い級の称号を与えたいと思います。私に付いてきてください」
羊の執事さんは扉の左側にある鏡に手を触れると、そこにあったのはドアノブ。ガチャリと開けると中には人の大きさくらいの水晶が見える。
あっ、これが夢幻水晶ってやつだな。
「この水晶を一撃で壊す事が出来たら、見習い級の実力があると判断いたします。それでは準備はよろしいですか?」
「じゃあまずは俺から。まぁ俺が破壊出来るわけねぇーけどな」
「強身スキル・オールアップ・発動」
「暗黒スキル・ダークアタック、マックスアップ、ディフェンスダウン・発動」
リュウイチさんの身体は光り輝き、闇のエフェクトが全身を包み込む。
「強身スキル・アタックアップ・発動」
「強身スキル・ディフェンスアップ・発動」
「強身スキル・スピードアップ・発動」
リュウイチさんの身体全身が黄金色に輝き出す。
「まぁそれでも全力でやるけどな」
リュウイチさんはボクがプレゼントしたアダマンデスソードを水晶に向かって、全力で振り下ろす。
ガンッ
リュウイチさんの渾身の一撃でも水晶は壊れる様子はなかった。
「まぁこんなもんだよな」
「次は私が行くわ」
次に手を挙げたのはマリナさん。
「一点集中スキル・オン」
「火魔法・レーザーファイア・発動」
マリナさんのレーザーファイアを受けた水晶はガラガラと音を立てて粉々に砕けた。
そして壊れた水晶は再び元の姿へ戻る。これが夢幻水晶ってヤツなんだな。
「私が持ってる武器考えたら当然よね。問題はアイナの持ってる武器で壊せるかどうかなんだよね」
アイナさんの持ってる武器はマリナさんの持ってる武器よりもツーランクくらい下の武器。もしこれでアイナさんが水晶を壊せなかったら、ボクの段取りが悪かった事でもある。
「一点集中スキル・オン」
「火魔法・レーザーファイア・発動」
アイナさんのレーザーファイアを受けた水晶はガラガラと音を立てて粉々に砕けた。
あー、良かった。思った以上に魔法耐性が低い水晶だったんだな。
壊れた水晶は再び元の姿に。
「じゃあ次はボクが…」
「えっ、ハヤトくんはもう見習い級だからやる必要ないんじゃないの?」
「この水晶って採取出来るみたいなんですよ」
「へー、そうなんだ」
「一点集中スキル・オン」
「切削加工・開始」
夢幻水晶から輝く点が見えてきた。ボクはミスリルのハンマーとポンチを使って採取。
『夢幻水晶のカケラを手に入れました』
これをアイテム変化したら何になるんだろ?アイテム変化のレシピにもなかったから早く変化させたいところだけど、今はストーリーを進めるのが先だ。
「みなさんの実力はわかりました。2人をハートの見習い級と認定いたしますが、私が出来るのは(仮)の見習い級となります。これで月影の白兎の姿が見えるようになります。ウサギの丘にある木の根元の穴に不死のリンゴ、又は1級ポーションを投げ入れれば、木は不死の木になり、不思議の国に行けるようになります」
「わかりました。ありがとうございました」
「よし、じゃあ俺はここで陽炎の夢羊と戦っていくから、お前らとはここで一旦お別れだ」
「わかりました。幸いな事にボクの手元には不死のリンゴがありますので、このままウサギの丘に行きましょう」
「おっ、ハヤトくんは段取りがいいねぇ。これならストーリーもテンポ良く進みそうだな。頑張ってくれ」
「はい。それじゃあボク達はもう行きましょう」
リュウイチさんを残してボクとマリナさんとアイナさんは羊の館を出て、ウサギの丘に向かった。
クランハウスに戻ると、3人はすっかり仲良くなった様子ですごく良い雰囲気。
「お待たせしました」
「もー、遅いよ。リュウイチ様をいつまで待たせるつもりよ」
リュウイチさんももう来てたんだ。
「すみません」
「それじゃあみんな応接室に集合」
何故か仕切り始めるアイナさん。こういう感じは今までなかったから、ボクとしては新鮮な感じ。
応接室に入るとリュウイチさんは目を閉じて瞑想中。
「遅くなってしまって、すみません」
「いやいや、俺は全然待ってないよ。むしろここで落ち着いて、これからの段取りを整理出来たから良かったよ。自分のクランハウスだとここまでゆっくりする事出来ないからね」
「そ、そうですか」
「という事で早速、羊の館に行こうぜ。こんなところで話してても無駄な時間だ」
「わ、わかりました」
メリーさんの分のアイテムはないので、クランハウスでお留守番。ボク達4人は西の王国エリアにある羊の館に到着。
すると羊の館から誰か出てきた。出て来たのは2人。レッドタイガーのリーダー、赤井コジロウさんとパラジウム採取の時に会った亀白シロウさん。
「おー、コジロウと亀ジロウじゃねぇか。って、もしかしてもう夢幻の館に行ってきたのか?」
「あぁ、そうだよ。第2章のファーストクリア者は誰にも譲るつもりはないからね。やる事もあるし、僕はこれで失礼するよ」
夢幻の館から出てきて、まだやる事があるって事はまだ逆転出来る可能性はあるんだな。ボクはマリナさんとアイナさんにファーストクリア者になってもらいたい。
2人がいなくなったところで、リュウイチさんが取り仕切り、羊の館の中へ。
「羊の館へ、ようこそ」
「夢幻の風羽を持っているんだが、夢幻の館まで案内お願いしてもいいかい?」
「かしこまりした。夢幻の館は非常に迷いやすい場所でもございますので、私が案内いたします」
「よろしく」
モーニングと言われる燕尾服を着た羊の執事が左側の扉を開けて中に入っていくので、ボク達もそのあとに付いていく。
先頭はリュウイチさん。その後ろはレディーファーストでマリナさんとアイナさん。最後尾はボク。
扉の中に入ると中は鏡だらけで、どこが通路なのかもわからない。そう思っていたら突然扉が閉まる。閉まった扉も鏡で出来ているので、出入り口の扉がどこにあるのかもわからなくなってしまった。
「はぐれないで下さいね。ここは夢幻の館。はぐれたら永久に出れなくなります。それと注意事項があります。鏡に触れますと死の門が開く事になります。後始末が大変ですのでご注意下さい」
後始末が大変って死の門が開いたら一体どうなるんだろう……っていうかこれだけ鏡だらけで通路もわかりにくいから、うっかり触りそうで怖いな。
「ちょっとリュウイチ、気をつけて歩きなさいよ。さっきから鏡に触れそうで、見てるこっちがハラハラするよ」
「おー、わりぃ、わりぃ」
「気をつけてくださいね。後始末が大変なんですから」
羊の執事さんに怒られるリュウイチさん。
「あっ、リュウイチ」
どうやらリュウイチさんがちょっと鏡に触れてしまったようだ。
「あれほど気をつけてくださいと言いましたよね。まぁこの程度ならちょっと拭けば大丈夫でしょう」
あっ、この感じ!死の門っていうか指紋つけられるのをイヤがっている感じだ。
それからは特にハプニングもなく、館の奥と思われる場所に到着。
「この扉の先に、死獣・陽炎の夢羊がおります。お気をつけてお入りください」
「ありがとう」
リュウイチさんが扉を開けると、中からは目も開けられないほどの眩しい光。リュウイチさんを先頭にその光の中に次々と入っていく。
最後尾のボクも眩しい光の中に飛び込んだ。眩しい光もなくなり目を開けるとそこは羊の館の外の景色。
えっ、どういう事?
「ハッハッハッ、どうやら俺たちは夢か幻を見せられていたようだな。とりあえずもう一回入ってみるか」
羊の館の中に再び入る。
「羊の館へ、ようこそ」
「夢幻の館まで案内してくれ」
「かしこまりした。夢幻の館は非常に迷いやすい場所でもございますので、私が案内いたします」
「よろしく」
モーニングと言われる燕尾服を着た羊の執事が左側の扉を開けて中に入っていくので、ボク達もそのあとに付いていく。
見えてきた光景は先程と同じ鏡だらけの景色。
「はぐれないで下さいね。ここは夢幻の館。はぐれたら永久に出れなくなります。それと注意事項があります。鏡に触れますと死の門が開く事になります。後始末が大変ですのでご注意下さい」
先程と同じ注意事項。その後は特に何もなく、館の奥と思われる場所に到着。
「この扉の先に、死獣・陽炎の夢羊がおります。お気をつけてお入りください」
ここまではさっきと同じ展開。この扉を開いて中に入るとおそらく羊の館の外に出るだろう。
「リュウイチ、どうするつもり?」
「んー、どうしようかな?いろいろ案はあるけど、俺はハヤトくんの意見も聞いてみたいな」
えっ、ボクの意見を聞きたいってどういう事?でもこう言われた以上、何か答えないといけないよね。
きっとボク達は何かを見落としているから、死獣の元にたどり着けないんだろう。
ボク達は何を見落としているんだ?
考えろ、考えろ、考えろ
何かヒントがあるはずなんだ。
ボク達は今、羊の執事さんに夢か幻を見せられているって事なんだよな……夢を見ている……普通、夢は夜に見るものだ。
羊の執事さんが着ているのは燕尾服。モーニングを着ているんだ。
「ボク、わかりました!羊の執事さん、その服を脱いでもらってもいいですか?!執事さんが着ている服はモーニング。その服を脱ぐと陽炎の夢羊になるんですよね?」
「服を脱がなくても私が陽炎の夢羊ですよ。服を脱げば第2形態になるだけです。私に何かご用でしょうか?」
「アテナの頭蓋骨を盗んだのはアナタですか?」
「私ではありませんよ。夢か幻を見たとおっしゃる方がいたのかもしれませんが、その方は本当に盗んだ方を見たのでしょうか?もし何も見ていないのならアテナの頭蓋骨を盗んだのは月影の白兎かもしれません」
月影の白兎。次はそこに行くんだな。でもどうやって?
「月影の白兎は死獣でもありますが、不思議の国の導き手でもあります。月影の白兎は見習い級の実力がなければ見る事は出来ません。本来なら女神アテナが実力を認めた人だけに与える称号ですが、今回は私が実力を判断して見習い級の称号を与えたいと思います。私に付いてきてください」
羊の執事さんは扉の左側にある鏡に手を触れると、そこにあったのはドアノブ。ガチャリと開けると中には人の大きさくらいの水晶が見える。
あっ、これが夢幻水晶ってやつだな。
「この水晶を一撃で壊す事が出来たら、見習い級の実力があると判断いたします。それでは準備はよろしいですか?」
「じゃあまずは俺から。まぁ俺が破壊出来るわけねぇーけどな」
「強身スキル・オールアップ・発動」
「暗黒スキル・ダークアタック、マックスアップ、ディフェンスダウン・発動」
リュウイチさんの身体は光り輝き、闇のエフェクトが全身を包み込む。
「強身スキル・アタックアップ・発動」
「強身スキル・ディフェンスアップ・発動」
「強身スキル・スピードアップ・発動」
リュウイチさんの身体全身が黄金色に輝き出す。
「まぁそれでも全力でやるけどな」
リュウイチさんはボクがプレゼントしたアダマンデスソードを水晶に向かって、全力で振り下ろす。
ガンッ
リュウイチさんの渾身の一撃でも水晶は壊れる様子はなかった。
「まぁこんなもんだよな」
「次は私が行くわ」
次に手を挙げたのはマリナさん。
「一点集中スキル・オン」
「火魔法・レーザーファイア・発動」
マリナさんのレーザーファイアを受けた水晶はガラガラと音を立てて粉々に砕けた。
そして壊れた水晶は再び元の姿へ戻る。これが夢幻水晶ってヤツなんだな。
「私が持ってる武器考えたら当然よね。問題はアイナの持ってる武器で壊せるかどうかなんだよね」
アイナさんの持ってる武器はマリナさんの持ってる武器よりもツーランクくらい下の武器。もしこれでアイナさんが水晶を壊せなかったら、ボクの段取りが悪かった事でもある。
「一点集中スキル・オン」
「火魔法・レーザーファイア・発動」
アイナさんのレーザーファイアを受けた水晶はガラガラと音を立てて粉々に砕けた。
あー、良かった。思った以上に魔法耐性が低い水晶だったんだな。
壊れた水晶は再び元の姿に。
「じゃあ次はボクが…」
「えっ、ハヤトくんはもう見習い級だからやる必要ないんじゃないの?」
「この水晶って採取出来るみたいなんですよ」
「へー、そうなんだ」
「一点集中スキル・オン」
「切削加工・開始」
夢幻水晶から輝く点が見えてきた。ボクはミスリルのハンマーとポンチを使って採取。
『夢幻水晶のカケラを手に入れました』
これをアイテム変化したら何になるんだろ?アイテム変化のレシピにもなかったから早く変化させたいところだけど、今はストーリーを進めるのが先だ。
「みなさんの実力はわかりました。2人をハートの見習い級と認定いたしますが、私が出来るのは(仮)の見習い級となります。これで月影の白兎の姿が見えるようになります。ウサギの丘にある木の根元の穴に不死のリンゴ、又は1級ポーションを投げ入れれば、木は不死の木になり、不思議の国に行けるようになります」
「わかりました。ありがとうございました」
「よし、じゃあ俺はここで陽炎の夢羊と戦っていくから、お前らとはここで一旦お別れだ」
「わかりました。幸いな事にボクの手元には不死のリンゴがありますので、このままウサギの丘に行きましょう」
「おっ、ハヤトくんは段取りがいいねぇ。これならストーリーもテンポ良く進みそうだな。頑張ってくれ」
「はい。それじゃあボク達はもう行きましょう」
リュウイチさんを残してボクとマリナさんとアイナさんは羊の館を出て、ウサギの丘に向かった。
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