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第1章 アテナ復活

23話 サンダーラム

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北の王国の海エリアに到着。このエリアで採取するモノ。麦わらイチゴとアクアマリン水晶。

麦わらイチゴは海エリアを潜るために必要な潜水スーツの素材でもあるが、錬金の時にゴムコーティングする際の素材でもある。

アクアマリン水晶は錬金で水属性の付与が出来る。

始めに採取するのはアクアマリン水晶。

マーケットでストローハットベリーの潜水スーツを検索。開始直後と違って、潜水スーツも多く出回っているので、即購入。

潜水スーツを身にまとい、海エリアの海に潜り始める。

海エリアの海は穏やかで人も多く、ゲーム攻略だけじゃなく、ゆっくりしたいだけの人も多いし、カップルも多いし。

そんな中でボッチのボクは行動開始。海底500メートル付近まで来るとアクアマリン水晶は採取できる。と言っても採取スキルを使う事もなく、拾い上げれば最高品質で採取する事が出来る。

無事にアクアマリン水晶の採取も終わったので、次の麦わらイチゴの採取を始める。

麦わらイチゴはマーケットにも多く出回っているが、アダマンタイトのナイフを使わないと最高品質では採取出来ない素材。

北の王国にある海エリアの近くにはイチゴ畑があるので、そこに移動。

このイチゴ畑には麦わらイチゴの他にベリーブルーという名の青イチゴもあるし、ベリーベリーベリーという名のとてもとても美味しいイチゴもある。

このイチゴ畑も人気スポットで多くの人がイチゴ狩りを楽しんでいる。そんな中でボッチのボクは行動開始。

麦わらイチゴはベリーベリーベリーがあるエリアより奥にあるので、人混みをかき分けながら進み、ようやく到着。

「一点集中スキル・オン」
「剥ぎ取り採取作業・開始」

麦わらイチゴのヘタの部分より少し上のところに輝く点が見える。アダマンタイトのナイフを輝く点に突き刺し、茎から外すと今度はヘタの少し下の部分に輝く点が見える。

イチゴはヘタの部分に栄養が集中するのでナイフを使うと栄養のある部分も切り取る事になる。なので、素手でヘタを軽く捻るようにして取り外す。

「剥ぎ取り採取作業・終了」
「一点集中スキル・オフ」

麦わらイチゴ、99%の最高品質。

「上手く採取出来てよかった。ヘタの部分の除去を失敗していたら品質が下がるところだったよ」

これで錬金の準備は完了。ボクはマイハウスに戻り、急いで作業開始。

「一点集中スキル・オン」
「錬金作業・開始」

カンッ、カンッ、カンッ

ミスリルのハンマーを持ち、アクアマリン水晶を砕いていく。

カンッ、カンッ、カンッ

しばらく叩いていると音が変わってきた。

ゴリゴリ、ゴリゴリ、ゴリゴリ

「そろそろいいかな」

アクアマリン水晶の微粉末、99%の最高品質。

「今回は丁寧な作業を心掛けたから99%の最高品質。ここで気を抜かないで次の作業に取り掛かる」

神の錬金鍋にミスリルのインゴットを入れて、神品質の魔力水を製作。その魔力水をボールに移しアクアマリン水晶の微粉末と麦わらイチゴの果汁を入れてよくかき混ぜる。

出来上がった液体を剣の型に入れて、そこにゴールドスリーソードを入れて1時間ほど浸けておく。

「錬金作業・終了」
「一点集中スキル・オフ」

「さてどんな能力が付いたかな」

液体の入った剣の型からゴールドスリーソードを取り出し、詳細確認。

ゴールドスリーソード
近距離攻撃力2500
MP+1500
最高品質、攻撃力アップ1.5倍

錬金効果
水属性攻撃500
攻撃力アップ15%
ゴムコーティング付き(24時間限定)

「錬金付与は可もなく不可もないって感じだな」

これで明日の準備は完璧だ。ボクは超フカフカのベッドに行き、就寝。

~~~

久しぶりに長い時間寝た事もあって、ゆっくり疲れは取れた感じ。

ピコン

スマホに通知音。メリーさんからメッセージだ。

『クランハウスの準備が出来ました。ご都合の良い時間にお越しください』

準備を整えて、クランハウスに移動。

3000万リンのクランハウスは6畳の応接室と12畳の会議室、6畳のフリールームが6つあるタイプ。

フリールームの2つを使い、生産設備を設置。1つはボク用のフリースペースで、1つはメリーさん用のフリースペース。残りの2つのフリールームは特に何も決めていない完全フリースペース。クランハウスというよりマイハウスに近いクランハウスに仕上がっている。

「とても素晴らしいクランハウスです。ありがとうございます」

「いえ、私も常駐する場所ですのでこだわりを持って対応させていただきました」

ちなみにボクはクランリーダーとはいえ、メリーさんの部屋には出入禁止。マイハウスに近いクランハウスだからこそのルール。

「それではこれから打ち合わせをしたいのですが、会議室だと広いから応接室でいいですかね?」

「はい、大丈夫です。ではこれから打ち合わせは応接室という事で」

ボクとメリーさんは応接室に移動。

「今日はこれからサンダーラムの討伐に行くんですが、まずこちらをメリーさんにプレゼントです」

ボクはアイテム袋からゴールドスリーソードを取り出した。

「サンダーラムの討伐程度で武器を貰う事は出来ません。何をお考えなんですか?」

「実はサンダーラムだけじゃなく、サンダームートンの討伐も考えています」

「サンダームートンの討伐ですか?でも私はサンダームートンの討伐準備はしてきていませんよ」

「そこは大丈夫です。武器の詳細を見てもらえますか?」

「詳細ですか?わかりました…………ってこれじゃあ私の準備が無駄じゃないですか!!」

急に大声出したもんだからボクもビックリ。

「ご、ごめんなさい」

「でもまぁ、この武器なら……さっきプレゼントって言ったからこの武器貰っていいんですよね?」

「はい。そのために作った武器です」

ちょっと怒った表情を見せていたメリーさんだったが、だいぶ表情が優しくなってきた。

「あとこれも使ってください。段取り良く効率的に行きたいのでお願いします」

ボクはアイテム袋からポーションとMPポーションを取り出した。

「ガブ飲みスタイルで行ってもいいって事ですか?やったー、ガブ飲みスタイルで行けるならサンダームートンなんて楽勝です」

「そうですか、それではそろそろ行くとしましょう」

ボクとメリーさんは西の王国の羊の館エリアへ移動。

サンダーラムは雷の子羊とも言われ、召喚魔法でも呼び出す事が出来るモンスター。メェーという鳴き声とともに雷を身にまとい回転攻撃する姿がかわいいモンスター。

サンダーラムはトップクラスの人なら1人で余裕に倒せるモンスター。だがサンダーラムが成長したサンダームートンは恐ろしいモンスター。

サンダーラムの雷攻撃は状態異常がいやらしい攻撃。でもサンダームートンの雷攻撃は対策をきちんとしていなければ即死の攻撃。

このサンダームートンから採取出来る雷角は錬金で雷属性を付与出来るアイテム。ちなみにサンダーラムの方にはこの角がないため採取は出来ないので皮だけの採取。

「それでは羊の館の中に入ります」

羊の館に入ると、出迎えてくれたのはモーニングと言われる燕尾服を着た羊の執事。このモンスターはノンアクティブで館を案内してくれるモンスター。

「羊の館へ、ようこそ」

「サンダーラムのいるエリアに行きたいのですが」

「かしこまりした。右手側にある扉へお入りになるとサンダーラムのいるエリアに到着いたします」

「ありがとうございます」

案内された扉の中に入ると、小高い丘が広がり、辺りをうろついているサンダーラムやサンダームートンの姿。

「サンダーラムの皮の部分には傷付けないようにお願いします。それじゃあボクは見ていますので、頑張ってください」

ボクとメリーさんはパーティーを組んでいない。パーティーを組んでいるとボクも一緒に狙われてしまうから。

「了解。じゃあサンダーラムは速攻で行くよ」

メリーさんは魔法剣士。魔法剣士は強身スキルと魔法スキルのバフ魔法を使って倒すのがスタンダード。

「強身スキル・オールアップ・発動」
「魔法スキル・ウォーターアップ・発動」

メリーさんの身体は光り輝き、水のエフェクトが全身を包み込む。

「行くよ!」

ハァッ

ゴールドスリーソードの一撃は首の部分へ。サンダーラムは何もする事も出来ずに、その一撃で動かなくなり、倒れ込んだ。

「戦闘モード・終了」

「お見事です」

「ありがとう。じゃあ私もハヤトくんのお仕事の採取作業をちょっと見ててもいいかしら?こういうのちゃんと見た事ないんだよね」

ボクは人に見られてるとめちゃくちゃ緊張するタイプ。でもこの流れで断れないよな。

「あっ、はい」

パーティーを組んでいないから、ボクに採取権はないが、時間経過で採取権はフリーになる。

この特性を利用して、クランの人達は討伐班と採取班に分かれて活動している。採取権がフリーになるからハイエナする人達もいるが、普通であれば討伐班はクランの旗を立てていくので、ハイエナする人は採取残りの素材をハイエナして生活している。

少し時間が経って、採取権がフリーになったのでサンダーラムの採取開始。

「一点集中スキル・オン」
「剥ぎ取り採取作業・開始」

サンダーラムの身体に並んだ輝く点が見えてきた。

その点に沿ってアダマンタイトのナイフを入れていき、皮を剥いでいく。

「剥ぎ取り採取作業・終了」
「一点集中スキル・オフ」

サンダーラムの毛皮、99%の最高品質。

「よし、完璧だ」

「すごい、すごい!リュウイチ様が褒めていただけの事はあるわー」

集中しすぎててメリーさんの事をすっかり忘れてた。でも褒められるのはなんだか嬉しいな。

次はサンダームートンの討伐だ。







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