本を読み、私は考える

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『タカラモノ』 和田裕美・著

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ちょっと変わった『ママ』と『娘』の人生を描く物語。

このちょっと変わった『ママ』。
一言で言えば、とにかくぶっ飛んでます。

結婚してるのに彼氏は入れ代わり立ち代わり出来るわ、時々帰ってこなくなるわ、娘ほったらかしで男をとるわ…。

それでも娘はそんなママが大好きで、周りの人たちも大好きで、人に愛されるママ。

何でだろう。と、読み進めていくほどにその魅力に引き込まれていくんです。

同じ子を持つ親として、あり得ない行動のオンパレードなのに憎めない。

自分の気持ちに正直で、その生き方を貫く姿に一切の迷いも後悔もない人。

一見子育てを放置しているように見えるのに、強い絆をしっかりと作っていくママ。
一緒にいる時間も短い中でどうして絆を作ることができるのか。

それはママが全力で娘と向き合っているから。
そこには世間一般的な正解なんて関係なくて、ただ愛しいタカラモノだから自然にできること。

作中でママが娘に言うセリフは大人になった私でも胸に響きます。

『誰に何を言われてもママは幸せ。だって自分で選んで生きてるから。明日死んでも悔いはない。幸せになりたいなら誰かのせいにしちゃいけない、誰かに頼んでもいけない。』

『自分の人生は自分だけのもの。世間とか常識はまったく及ばないこと。』

良い事言うんですよね。

得てして魅力を持つ人というのは、自分に限りなく素直な人なのかと思います。
そして人に求めず、自分で行き先を選び納得する、ある意味で自己中な人。
そんな人ほど愛され上手だったりするのもしれません。
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