本を読み、私は考える

『最高のアフタヌーンティーの作り方』 古内一絵・著

ホテルのラウンジ、アフタヌーンティーのお話。

この人の作品。
私は大好きです！
作中に溢れる言葉がどれも素晴らしい。

今作では冒頭から考えさせられる。

戦争孤児だった祖父が孫である主人公に放つ言葉。

『お菓子はご褒美なんだ。だから、だらしない気持ちで食べたらもったいない。』

物に溢れ、欲しいものは簡単に手に入る。
そんな今の時代にはない考え方。

私が子どもの頃は、まだ『おやつ』は特別だった気がします。
でも今は好きな時に好きなだけ食べれる手軽なものになっていますよね。

昔はなかなか食べれないものだったから、美味しいものはチビチビと食べたり、明日に取っておいたりしたものです。
それを思い出させてくれました。

あの頃は確かに『ご褒美』だったんです。

そんなお菓子の最上級とも言えるのが、この『アフタヌーンティー』じゃないでしょうか。

三段のタワーに少しづつお菓子が飾られ、サンドイッチなんかも添えられてたりしますね。
それを美味しい紅茶と共に味わう。

まさに至福のおやつ。

私も食べたいです！
食べたくなります！！

紅茶とお菓子の知識が染み渡ります。
アフタヌーンティーの由来や、お菓子の本来の食べ方、知らない事が沢山溢れる作品です。
そして最後にはじんわりと心を暖かくしてくれる。
本当に素晴らしいお話。

そして所々おじいさんの言葉に胸を打たれます。

『人が生きていくのは苦いもんだ。だからこそ甘いもんが必要なんだ。』

これからお菓子を食べる時。
私はこの言葉も一緒に噛み締めて味わいたいです。