本を読み、私は考える

『海辺の金魚』 小川紗良・著

児童養護施設に暮らす子どもたちのお話。

理由があって家に住めなくなった子どもたちが様々な葛藤、不安を抱えながらも懸命に生きていく姿に心を揺さぶられる。

表現がとにかく美しいと。
内容は重たいはずなのに、そう感じさせない文章。
凄いです。

物語の中で『かわいそうは無関心で無責任』という少女の気持ちが書かれているのですが、まさにその通り。
見事に人の感情の的を得ているな、と思いました。

恵まれない境遇を『かわいそう』と言える。
それは自分が恵まれた境遇だから。
余裕がある証拠。
自分はそうじゃない事への優越の感情が裏に隠されているように感じます。

そういった他者の言葉に傷付きながらも、上手く付き合っていこうとする少女の心の強さはたくましい。

親は親。
自分は自分。
だから自分の人生を生きる。

教訓になります。