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第三章

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【三】

【現在】

 とまぁ、紆余曲折を経て。現在に至るわけなんだけど。
「どうしたんだレンよ? 物思いに耽って」
「綺麗なお庭だなって、黄昏てました」
 こうやって影武者研修期間を無事終え、本番であるレディアン王とのデートが始まった。
勿論、ディランとの所謂エッチフレンド関係は継続中だ。もう三か月は経つのに何故飽きないんだろうか。おかげで俺のエッチテクニックは磨かれたわけだが。まぁ、あいつの凶器が大き過ぎだからなぁ、フェラが上手くできないんだよなぁ。
「あぁそうだレンよ」
「はい」
 いかんいかん。こんな時にまでディランの、しかも性器のこと考えているなんて、とんな助平になったな俺も。
「今晩夜会をやるんだが、君を招待したくて。客間もあるし、良かったら泊まっていくといい」
「えっ」
 いきなり強引じゃね? 何だ? 熊はすぐに相手をベッドに連れ込む性急なタイプなのか。
「夜会は美味しい料理があって、野菜が苦手な君でもスイーツが豊富だよ。私のパートナーとして一曲付き合っても貰いたいしね」
 そうだった。レン様は野菜が苦手だった。この申し出を断ることはできない。くっそ~こっそり食べてやろうかな。
「分かりました、参加させて頂きます」
 ギュッと手を握られた。
「そうか! ありがとうレンよ」
 ほぼ強制やないか。
 えっと、つまり。今日は俺はディラン以外の熊人とエッチすることになるのか。つ、伝えた方がいいのかな。・・・いや、あいつだって俺以外ともしてるはずだ。じゃなきゃ、ここまで飽きずに続けられるはずがない多分。というか今気が付いた。ディランの連絡先、知らない。何処に住んでるのかも。
 いやマジでただのエッチフレンドだわ。セックスフレンドって言わない派なんだよね、エッチフレンド略してエチフレ。
「ドレスはこちらで用意しよう。夜会まで準備もあるし、気疲れするだろうから。メイドを呼びに行かせるから、それまで自由にゆっくりしているといい」
 や、優しい王様じゃん。
「お心遣い、感謝します」
 尻を揉んだことはチャラにしてあげよう。
「陛下、お時間です」
「分かった。じゃぁレンよ、また後で」
「はい陛下」
 背筋ピーン、音を立てないように紅茶を飲む。いつも微笑みを撒き散らす。
「・・・・・・」
 疲れた。部屋に戻ろ。ただの数時間のデートだと思ってたのに、まさかの一日コースだとは。
 席を立った。
「部屋に戻るわ」
 その場から離れる時は、必ずお付きのメイドに一言言わないといけないらしい。
「畏まりました」
 そういうとようやく移動許可を貰えて、部屋に行ける。
 王宮ってほんとだだっ広い。方向音痴じゃなくて良かったわほんと。俺の部屋は角の突き当りの貴賓室だ。入るとピンク、あちこちピンクの乙女使用。レン様の好みなんだろう。俺ならモダンでいいんだけど。もうこういう経験はできないだろうから、堪能しておこう。
「・・・ふぅ」
「お飲み物はどうなさいますか?」
「いえ、要らない。暫く一人にして欲しいかな。夜会は何時頃?」
「十八時開演です。準備に十七時頃に、こちらにお伺いします」
「分かった、下がっていいよ」
「畏まりました。御用の際はそちらのベルを鳴らしてください」
「分かった」
「では、失礼致します」
 メイドさんが立ち去ったのを見送った。
「はぁ~あ~疲れる~」
 髪留めも取って、靴も脱いで、衣装も脱いだ。というかいつもドレスじゃん。これより金のグレードあげるドレス着るのか。
 等身大のダイヤモンドのような宝石であしらわれた鏡が目に入る。
 俺の髪が染めたてのまっピンク! 部屋もピンク!
 髪も元々肩から少しあった程度で切ろうと思ってたけど、レン様は常に胸辺りまでのロングのなので、頑張って伸ばし続けた。
「ん~ドレスは黒か、赤な気がする」
 レン様を雑誌で見たけど、この艶髪が評判で、ディランとよくコラボしてモデルやったり化粧品のCMに出てた。化粧はしたことが無かったけど、ディランが教えてくれたしレン様と同じものを使った方がいいとプレゼントもしてくれた。
 そうか。俺がレン様の代わりって分かってるんだから、俺がレディアン王とエッチするのは目に見えてるんだよな。
 いきなりのフェラはまずいか。でもエッチにこなれてる感出したら嫌われるのでは?
「そうだ! この作戦で行こう!」
 エッチに積極的になれば、誰しも引くはずだ! そうと決まれば。
 チリン。
 ベルを鳴らした。
 コンコン。
 すぐにドアの扉をノックする音が。
「入って」
「失礼しますレン様」
「今日、陛下に宿泊を求められたんだよね」
「左様でございますか」
「これって、夜、そういうこと、だよね?」
「・・・ここで手を出さない雄は雄ではないと存じ上げます」
 このメイドさん言うねぇ。
「君、気に入ったよ。君から見てボクに似合う最強にエロい勝負下着をお願い。できるよね?」
 メイドさんは微笑んだ。
「得意分野ですのでお任せを」
 っしゃ! ってこの子何者? 得意分野て?
「お衣装ご準備と同時にご用意致します」
「うん、お願い」
「では、失礼します」
 そうして夜会時間まで残り一時間となった。
 部屋に準備された衣装と下着を見て、俺の最大級の難関だと思った。
「俺はレン、レン・クジョウ」
 深呼吸して、シースルーのレースと乳首だけの布の下着にTバックのパンツを履いた。ほぼ裸やないかい。ドレスは黒地に黒の宝石を散りばめたな、パツパツの俺の体のラインモロ分かりの、ほっそいドレス。別に自惚れてないけど、これ、絶対ディラン好きだろ。
 それに感じがレン様っていうかなんか、大人びてる気がする。レン様はもっとフワフワのキャピキャピドレスをご使用だと思うのだけれど。これじゃぁまるで、俺にあつらわせたものみたいだ。
「・・・・・・」
 もしかして、バレて、ないよな?
 衣装着たら、髪をストレートアイロンかけて、頭にダイヤなティアラを付けて完成。
「・・・とてもお似合いで、う、すいません鼻血が出そうです」
「メイドさん!? 大丈夫!?」
 しっかり鼻を押さえていた。
「ふぁい。王がお待ちです、こちらへ」
「う、うん」
 メイドさんについて程よい明るさに照らされた廊下を歩くと、パーティ会場らしき賑やかなホールの前に到着した。
「やぁやぁレンよ!」
 レディアン王がにこにこと歩み寄って来られた。
「グフッ」
 思わず吹いた。
 どうしたその服はよ!?
「いやぁ似合うね、さすがはディラン。あいつは分かってるね」
 やっぱりなぁ! このドレスはディラン作なのかね!? そうだと思ったわ。
「へ、陛下も、よ、よくお似合いで・・・」
「だろう? この真っ赤な軍服。ディランに物凄く笑われたが、カッコいいだろう?」
 笑うの堪えてます。この服のセンス皆無の人と肩を並べて歩くのか!?
 そうか! これが嫌なのかレン様は!
「さぁ、レンよ」
 腕をご準備なされたので、にっこり、笑え俺。それでその腕に手を添えて、歩くのだ。
「まぁ陛下! カッコいいお召し物ですわね!」
「さすがは陛下、ブランドを立ち上げては」
 声をかけて来る人来る人皆めっちゃ気ぃ使ってんじゃんよ! んも服が目立ちすぎて皆そっちばっか気ぃ取られるんだって!
「陛下ぁ、お写真、お願いしますぅ」
 おっとかわいこちゃん達のお出まし。こんな格好の王も王だから許される何と言う王力。
「陛下、俺人酔いしたんで外の空気吸ってますから(逃げさせて下さい)」
「そうか? また迎えに行くよ」
「(小一時間一緒にいたからもういいだろ)あ、あの、疲れたので部屋に戻ります」
「そうか、ゆっくり休むといい」
「はい、おやすみなさい」
 王がかわいこちゃんの群れに囲まれた。
 チャンスだ。 
 誰も、うん、見てはいないな?
 さっさとお皿にサラダを盛って部屋に戻ろう。お皿を手に取った時だった。
「お嬢様」
 ビクッ!
 隣にいたのは給仕のボーイさんだった。目に仮面を付けているので顔が分からない。
「わたくしが盛りつけ致します」
「え、あ」
 俺の皿を取ると、俺の食べたい野菜をほぼほぼ丁寧に取ってくれて、お皿に盛り付けてくれた。何故野菜が食べたいと分かった・・・。
 ハッ。まさか!
「これくらいで宜しいでしょうか?」
 聞き覚えのある声。
「・・・・・・ディラン・・・?」
 髪が紅い髪だし、仮面の隙間から見える瞳の色は碧。背丈もこんな感じだし。
「・・・お部屋までお持ちします」
「あ、ありがとうボ、ボーイさん」
 あり? 違ったか。って、ボーイさんの後について行くけど、何処に向かってるのか。
「あの、俺の部屋はこっちじゃなくて」
 ボーイさんは周囲を確かめ、宮殿から少し離れた別棟へ向かった。
 これ、ホテルじゃね?
「はい、これ」
「え? あ」
 俺に自分の付けてた仮面を付けさせ、俺に皿を手渡す。
「やっぱりディランじゃん!」
 ディランがまた歩き出すので慌ててついていった。
「お帰りなさいませディラン様」
 受付嬢と思しき兎人の女性が俺を見やった。
「・・・ごゆるりとお過ごし下さい」
 ディランは黒いカードキーを受け取ると、さっさとエレベーターに乗る。
「こっち」
「そ、そんなに急がなくても!」
 エレベーターに乗って、ズンズン上へ上へ行く。
「なぁ、何処まで行くんだよ」
「最上階スイート。おれが買ってる部屋」
 チーン。
 エレベータの扉が開く。
「買っ・・・」
 皿を奪われ、とっととまた歩き出す。
 正面玄関も門構えがあって、部屋というより家の広さやないかい!
 部屋に入ると、ディランはふぅとソファに腰をかける。
「何急いでたんだよ」
「あちこちに防犯カメラがある。君は一応レン・クジョウだ、分かるだろ」
「あ、あぁ、そっか」
 レンとディランが二人で何をしてるのかってマスコミが気になるか。
「まぁ、おれのテリトリーには信頼をおける奴しか置いてないし、ある程度口封じに買収してるから大丈夫だとは思うけど」
 世の中金ね。
「さ、つったってないで入ったら? サラダ、食べたいんじゃない?」
「うん、お腹空いた」
「だよねー、あぁいう所は慣れないとご飯も美味く感じなくなっちゃうから」
 そう言って、リビングのテーブルに箸を置いてくれた。
「ワイン、飲む?」
「ありがと」
 今日はやけに紳士だ。いっつも俺の部屋に入るなりエッチしよ~ばかりの盛る熊なのに。
「・・・ふぅん。これが外行用のディランってわけか」
「まぁね。忍び込むのに苦労したけど」
「イケメンオーラが隠せてないよな」
「そうなんだよね。給仕係に仮面を装着させれて良かった」
 さすが否定しない。 
「買収、したのか」
 ギッといきなり睨まれた。
「なっ、に?」
「メイドが、君が、レディアンとの初エッチに燃えてます! 勝負下着準備しましたとか報告受けたから飛んできたんだぞ!」
 おふぅ。メイドさ~ん。あれ? 味方じゃなかったんだ?
「いやそこは聞いて。初めてのエッチに積極的なレンを演じたらドン引きするかなって、嫌われることできるかもって作戦なんだ、つかあのメイドも買収!?」
 ダンッと、拳をテーブルに打ち付けた。
「逆効果だよ!? 言っただろ!? 熊人は万年発情期! 特にポーラーは性欲の塊だって! おれの性欲について来れる君なら、レディアンはすっごく気に入る。好印象になるだけだよ!」
「おふ」
 それは危ない。危なかった。
 でも部屋に戻るしかない。
「このエッチな下着脱ぐよ」
「それはダメ」
「だって逆効果だろ? 部屋には戻らないといけないし」
「戻らなくてもいい。レンは急用で家に帰ったと伝言してある」
「なっ、そんなんでいいのか!?」
「レディアンはおれと違って相手のあれこれを詮索しないタイプだ。素直に受け入れるだろうね」
「なんかそれを利用して、悪いとか思わないの?」
「思わない。だってこの日の為にドレス見立てたし、念の為下着も用意しておいて良かった」
「なっ!?」
 全てが、ディランの手の平で踊らされていたというのか!?
「というか、俺も今更だけど・・・。王様、騙して罪にならないわけないよな?」
「まぁ暗殺されるかもだね」
「ヒッ」
 箸の震えが止まらない。
「まぁ、おれが何とかするから」
「金で!?」
「そう。世の中お金だよお金」
 普通に聞くとクズだけど、的を得てるし、頼れるし安心するのこのジレンマ。
「お野菜食べたら着衣エッチね」
「ブッ、フ、何? ちゃくい? 何?」
 食べ終えたので箸を置くが、変な言葉が聞こえたので少しむせる。
「折角君の為に作ったドレスだもん。エッチで汚すためにあるし、下着も脱がないで、そのまま挿入する為にTバックだもん」
「本当にぃ! エッチのことしか頭にない熊だなおい!」
 どうせエチフレだし! 俺とどうこうなろうとは思って無いくせに!
「だって、君が可愛すぎるだもん」
 腰を引き寄せ、おれの頬にキス。
 最近のエッチの誘いはこの頬キスである。
「っ、この、か、可愛い、のはどっちだ」
「えへへ」
 ピルピル動くこの耳も可愛い。
「え、じゃぁ立って、おれに背を向けて」
 つか早速、なの!?
「? 立つ? 立つの?」
 ソファに座るディランの真ん前で、背を向けて立った。
「ちょっ、ひゃっ」
 ディランが尻フェチなのを忘れていた。ちょうど俺のディランの顔に俺のお尻が。俺の腰のラインを両手でなぞって、お尻の割れ目にドレスの上から顔をくっつける。
「ん~フンスフンス」
「ぁ、も、変態っ!」
 お尻の割れ目に鼻を差し込み、匂いを嗅ぎだすこの変態熊。気持ちいい時とか嬉しい時は耳のピルピル速度で分かる。五段階中射精してる時がマックス5だけど、今も中々4レベルまでキている。
「あっ」
 ドレススカートを捲ると、シースルーのレースが一枚あり、その上から今度は熱い舌でお尻の敏感な割れ目を這わせて来た。
 こっちは直接触って欲しいのに、じれったいのを楽しんでいる!
「次、こっち向いて」
「へっ」
 嘘、お尻放置!?
 上半身だけドレスを脱がし、例の勝負下着にうっとりとしている変態熊。また耳のピルピル度4。
「っ、んんもぅ~っ!」
 何やるのかは分かっていた。着衣プレイ。すなわち、直接肌に触れず、布の上から愛撫する、焦らしプレイっ!
「ふっ、っ、あ、やらぁ」
 下着の上から乳首を甘噛みし、唾液でべちょべちょぬ濡らす。布越しで突起しているのが自分の目でもいやらしい!
「あ、乳首立った、可愛いねぇ」
 カッチーン!
「おおお俺だって!」
 バナナでの練習の成果を見せやる!
 ディランのズボンのベルトを外・・・。
「っ!?」
 バチンッとチャックを開けた途端に顔に凶器がスクリーンヒット。
 なん、なんなんいつもこんな勃起させてるのかよ!? 睨み付けるとディランが不遜の笑みを浮かべて俺を見下ろしていた。
「無理しなくていいのに」
 キィーッ! 舐めるな! こちとら場数踏んで来たんだ・・・あんたでな!
「ふむ、んんん・・・んむぅ・・・」
 亀頭を、このクッソでかくて硬い亀頭を口に含んだ。先っぽを舌で頑張って転がししごく。
 あ、ビクビクしてきた。
 そして、そのまま幹に舌を這わせて・・・。
 けけけけけ血管が浮き出てね? こ、こんな凶器が俺の中に入ってたのか。グロイグロ過ぎる。
「んんっ、んふ、んぅ」
 でも、ディランの一部だし、可愛がってあげないと。
「っ、分かった、ストップ」
「ぷはっ、へっ!?」
 顎を掴まれた。
「下手クソだった!?」
「そのウブな覚束なさでイキそうになる。可愛過ぎ」
 対峙したまま、ディランの腰に跨って乗った。
「下手くそってことじゃん!」
「別に上手くならなくてもいいだろ」
「あっ」
 お尻の穴につぷっと簡単にディランの指が挿入された。
「もぅグズグズのトロトロじゃん。おれの舐めてさらに興奮したの?」
 睨み付けてやった。
「ふぁぁ・・・あぁ・・・んっ」
 凶器を手で添えて、俺の中に誘導した。最初がキツイけど、もうディランの形を覚えた俺の膣は、容易くすんなり受け入れた。
「んんん~・・・ふは、あぁ、ふか、い」
 ゆっくり腰を下ろして、あの凶器を全部飲みこんだ。中でドクドクと脈打つ、もう一つのディラン。
「ウゥ、あぁ、なんで、いつもこんなトロトロなのにキツキツなんだ」
 ディランが顔をしかめ、気持ちよさに唸っているのが堪らない。
「ふぁ、あ、いい、こ、れ、いいぁぁ」
「フゥゥ、ゥ、ちょっ、ヤバ、いって!」
 腰を左右に揺らし、くねらせ、上下に振り動かした。中で当たる場所が変わり気持ちがいい。
「はぁ、あ、あ、あ、あぁ、ん、あぁ」
「ッ! ヤバ、ちょ、でっ!」
 ディランが俺の腰を掴んで、抱き寄せた。
「ゥッ・・・ク」
「あぁ・・・ん・・・あ」
 中でドブッと熱いのが迸ったのを感じた。
 俺の胸に顔を埋め、グリグリとしてくる可愛い熊。耳のピルピル度マックス5。
「あむ、あむあむ」
「ファッ!?」 
 あんまり可愛かったので、耳はむをした。
「っ!?」
 するとスイッチが入ったように、中の凶器が再び硬さを増した。
「きっ、君はもぅ! エロ、い! エロ過ぎる! くそ!」
「んぁぁ、あん、あ、あ、あ、あ、あ、あ」
 ガツガツと抉るように穿たれ、その度に体が快感に震えた。 
「き、もちぃ、でぃら、あぁ、すご、あぁ」
「アァァ、とまら、ない、おさえ、られねぇ!」
「あぁっ!?」
 俺をソファの背凭れに押さえ込み、逃げ道のないソファの背に埋めるが如く、腰を打ち付ける。
「あぁ、ぃぁ、あ、あ、あ、あぁぁぁぁぁ」
「ハ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、イク」
 ディランの汗が飛び散り、俺を濡らす。
「っあぅ」
「グッ」
 一際大きくディランは腰を突き出し、背を仰け反らせると、大きく仰ぎ見た。
「グァァ・・・アァァァ・・・」
 ブシュッと強烈な吐瀉物の放射を感じ受けた。
「っ!? あ? あぅ、あ・・・?」
 視界がチカチカして、両脚がビクンビクンと跳ねた。奥に熱いものが注がれ、その熱さがじんわりと染み渡る。 
「フッ、フッ、・・・っ、ハァ・・・」
「あ、ぃ、あ、ひっ、あぁ・・・」
 腰を数回振りつけた後、熱い凶器が抜かれたのを感じた。お尻の蕾から濁流が溢れ、零れているのが分かる。
 そっとディランはティッシュで俺の蕾をふき取ると、俺を抱き上げる。
「まだまだ夜は長いからね」
 そう言うとベッドに降ろされた。
「きゅ、休憩、したい」
「ダァメ。耳はむした責任は取らないと」
「へ? 耳舐めただけじゃん!」
 ヒッ。まだディランのディランがフル勃起している。鋭利に高々と反り返っている。
「獣人の耳はむについて、勉強した方がいいねリョウ、この代償は大きい」
 ディランの瞳が、金色に、変わっていた。
 俺の顔に凶器を見せつける。
「さぁ、舐めて」
「・・・・・・」
 俺は逆らえなかった。
 ディランはエッチになると、いつものヘタレが無くなり、例えるなら王様モードになる。
「じゃぁ、次。大きく両脚を左右に割って、手で蕾を広げて」
「・・・っ」
 この羞恥には絶対慣れそうにもない。
「ぅうぅ~助平~っ」
「ふふ、ほんと、いつも可愛いね」
「それはディラ、んむ」
 濃厚なキスで、何なら愛撫とキスだけでイかされることも増えて、俺の体は益々エッチに改良された。
 そうして何度も何度も。狂気じみた肉棒で激しく突かれて。
「ふぁ、あ、きちゃ、ああ、あ、ああんっ!あっくっ! ぁああああ」
 絶頂へイかされ。
「おれはまだだよ」
「ぁ、あ、ぁ、ぁぁぁぁぁぁ」
 イってる最中に遠慮なく穿たれ続けて。
「アァァァァ、イク、イク、だすだす」
「ひぃあぁぁぁぁぁぁ」
 腰を引っ張られ、快感に力の入らない上半身は置いてけぼり。
「グアァッ、アァァァァ・・・」
「っ! っ、ぁ、ぁぅ、ぁ・・・ん」
 絶頂に身が勝手に捩れる。上半身が仰け反り、逆ブリッジになる。熱い、きもちぃ、もっと、欲しい、精子、欲しい。
「ぁふ、あぁ、あんっ、あぁ・・・あぁ」
 ディランの余韻射精の腰振りに負けじと、俺は腰を振っていた、勝手に、無意識に、だ。
 凶器が抜かれ、お腹が精液で満たされる。
「・・・おなか、いっぱい・・・」
 満足感で睡魔に襲われた。


 翌朝、正確にはお昼だけど、ディランに送られていつもの別荘に帰った。
「お帰りなさいませリョウ様・・・いえ、レン様」
「?」
 メイド長のレベッカさんがそう言い直すと、俺に一枚の手紙を差し出した。
「御通達です。本日より、貴方様はレン・クジョウとしての本格的な活動の許可が降りました」
 手紙を見てみる。

 可愛い私の影武者リョウちゃんへ

 貴方の熱心な活動により、本日からレン・クジョウを名乗る許可を出します。
 なぁに? ディランを射止めちゃったの? ディランがこんなにヒト族一人に固執してるの初めてよ? 報告の電話で貴方との惚気話ばかり聞かされるわ。
 こっちも仕込みは順調だし、この仕事が終わったらディランとツガウのもいいかもね、応援してるわ。

          愛の旅路のレンより

「なんて書いてるの?」
 ディランが覗こうとしたので直に閉じた。
「表向き。ディランと活動してもいいって。それって、外出許可出たってこと? ご飯とかショッピング、出来るんだよね?」
 ぱぁっとディランが笑顔になり、気のせいか、背後にお花畑が見える。
「やったぁ、デート、できるねぇ」
 デートってあんた。
「いや、一応ボクはレディアン王の許婚なんだけど」
「許婚だけど婚約はしてないだろ。もう散々君にマーキングしてるから、レディアンも察してると思うし」
「・・・・・・は?」
「うんうん、いい牽制が出来た」
「牽制って、はぁっ!? いやボク、ドロドロの三角関係嫌だからね!」
「雄たるもの、いい雌は奪うのが本能だよね。おれ、リョウのこと好きだし」
 持っていた鞄が落ちた、落とした。
 今、なんて言った?
「待って、今なんて」
「え? だから、リョウが好き、大好き。だから結婚したい」
「・・・・・・」
 んんんんんっ!?
「まぁまぁまぁオホホホホ。じゃ、わたくしは荷物をまとめて本家へ行く準備を、では。オホホホホ」 
 喜ぶなレベッカ!
「ディラン、気持ちは嬉しい。でも俺はレンじゃない、しかも忌み子なんだ」
 ディランは目を真ん丸にする。
「だから?」
「だから、忌み子は不幸の象徴なんだ。俺は俺のせいでディランの未来が不幸になるのは嫌だ」
「・・・リョウ」
「飽きたら離れるって言ったくせに、ぜんっぜん離れないし。どんどんディランが可愛く思えて来るし!」
 この気持ちは伝えられないと思ってた。
 俺はディラが好きだ。飽きるまでって言ったのに。付き合いだけ長くなって、エチフレで体だけじゃなくて、心までディラに興味を持って惹かれた。
「エチフレのままの方がいい。俺、孤児院に来る前の記憶が無いんだ。何処の馬の骨とも分からない奴なんだ、だから・・・」
 そっと手を握られた。
「君の今までの生き方や思考を今更変えるのは難しいと思う。だけどそう思い込むから、思考が本当に具現化してしまうこともある。思いの力ってやつ。おれは最初から君に一目惚れしてた、おれは自分の直感を信じるし、君といて、不幸になるとは思って無い」
 色欲に飲まれてないディランはなんとしっかりしてて、カッコいいんだろう。そのギャップに心が奪われそうだ。
「・・・取り合えず、お付き合いしよ?」
「お付き合い・・・」
「うん。リョウはおれのこと絶対好きだからね」
「なっ!? 何処からくんのその自信!」
「えー? エッチの時しょっちゅう好き好き言ってるくせに」
「・・・・・・え?」
 え、いや、待て待て待て。・・・嘘だろ。
「え? その反応・・・、え? まさか、無自覚なの!?」
 ボッ、ボボボボボボッ。
 顔に火が付いたように熱い。
「うっわぁ、真っ赤っかぁ。可愛いねぇ」
 頭を撫でて来るディランの手を跳ね除けた。
「いいいいい言ってない! から!」
 その場から逃げた。
 俺は断じてそんなこと、言ってない! 
 認めない!
 キィーッ!
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