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第一章
第十三話 『作戦会議はじまりました』
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穏やかに始まったお茶会だが、人払いをし、わたしがマティアス伯爵家で見聞きしたことを話すと、リヴィ様の表情が次第に険しくなっていった。
「まさかとは思うけれど、あの慇懃家庭教師、エセル嬢に手を出しているんじゃないだろうね」
「そんな!?」
「シャル、声が大きい」
「……っ! 申し訳ありません」
自分の口許に人差し指を立て、リヴィ様が声を潜める。わたしは慌てて口を手で覆った。
「悔しいけれど、この世界でも女子どもは標的にされやすい。伯爵令嬢といってもまだ子どもだ。しかも、先代が亡くなる前に契約した輩だという話じゃないか。今の伯爵夫妻がやつの素性を知っているのか怪しいところだな」
頬杖をついたまま深く椅子に沈み込んだリヴィ様は、思案するように宙を見つめた。
「……こんなことを言うのは、はしたないと思うのですけれど……」
前置きをして言葉を紡いだ。己で確認した話ではないから言い辛いが、話しておいた方がいいだろう。
「屋敷の使用人たちから聞いた噂話なのですが、伯爵ご夫妻は先代卿の言葉に従うばかりだったらしいのです。いつも顔色を窺い、お亡くなりになった今でさえ、その遺言を忠実に守っていると」
女中のロナたちが教えてくれたことを話す。
噂話というものは一方的なもので、客観性は薄く、真実かどうかわからない。だがその話をしているとき、トラシスさんが苦い顔をしつつも咎めなかったことから考えても、概ねあっているのではないかと思う。
「なるほどね。どこの家も厄介な人はいるものだな」
「リヴィ様のところも?」
大きな息を吐き、リヴィ様が天井を見上げた。
「うちも、お祖父様がなかなかのお人でね。父上が病弱なのをいいことに、ご自身が亡くなる直前まで家や領地のことに口を出していたよ。年代的には先代マティアス卿と同じだから、似た者同士だったんだろう。ま、簡単に言うと頑固ジジイってやつさ」
「そうでしたか……」
僅かに眉根が寄っているその表情だけで、先々代コートナー卿をどう思っているのかわかってしまう。
屋敷の玄関を潜ってすぐ、大きな廻り階段の踊り場に飾られていた肖像画を思い出した。
そこに描かれていた厳しい目つきをした老齢の男性が、リヴィ様のお祖父様なのだろう。威厳がある、といえばよく聞こえるだろうが、家族にとっては周囲を振り回す厄介なお方だったのだ。
血筋が、高い地位が、その家に生まれた人々を縛り付ける。
特権を盾に好き勝手する貴族は確かにいるのかもしれない。しかしその何倍もの人々が、血の繋がりに、家名に弄ばれているのだ。
エセルバート様もその中のひとりにすぎない。
わたしが手を出していいものなのだろうか。ただの下級男爵家の娘のわたしが。
下級男爵家は、実質、名誉爵位であるといっても過言ではない。大抵は一代、二代くらいで爵位を返上することが多い。領地を持たないため収入がなく、課せられた税が支払えなくなるからだ。
我が家はもうすぐ兄が四代目を継ぐ。それはひとえに、おば様たち商店街の人々に支えてもらっているおかげだ。
二代目である祖父は、騎士としての才能はなかったが、人に慕われる性格で頭も良かった。そのため、近所の商店街で組合を作り発展に貢献した。代わりに売上のいくらかを納めてもらい、それが現在も受け継がれている。
とはいえ家計はかつかつだ。故に我が家は、平民と変わりない生活を送っているのである。
数代続く下級男爵家は、位の中で一割にも満たない。それが、貴族年鑑が毎年発行される理由のひとつだった。
そんな家格の娘であるわたしが、伯爵の令嬢を助けるなどと、身の程知らずもいいところではないか。
でも、幼い少女が虚ろな、なにもかも冷めきった瞳でいるなど、放っておけるわけがない。
例えそれが未来の悪役令嬢かもしれなくても。
わたしはリヴィ様をしっかりと見つめ、口を開いた。
「リヴィ様、貴方を巻き込んでしまうかもしれません」
「どうしたんだい、突然」
「エセルバート様を助けたいのです。もし、今の状況が悪役令嬢として育つ布石だったとしたら、この先どう転ぶのかわかりません。ゲームと同じ世界にはならない可能性も――」
「なんだ、そんなことか」
膝の上で両手を固く握り締めたわたしの言葉に、リヴィ様はあっさりと笑って頷いた。一瞬目を瞠る。
「僕が何故マティアス家に顔を出していたかわかるかい? 君と同じことを考えていたからだよ」
「リヴィ様……!」
「エセル嬢があんな風に育つかどうかは、今はまだわからない。けれど、様子がおかしい少女を気にかけることは悪い行いではないだろう?」
軽く片目を瞑って軽薄さを醸し出しているが、リヴィ様の表情も声も真面目なものだ。
リヴィ様は、生半可な気持ちでこの件に足を踏み入れているわけではない。
「それに今更だよ。『日本』の記憶を持った僕たちがこの世界にいる、そしてエセル嬢の年齢が違う。ゲームとは違うことが、すでにいくつも起こっているんだ」
「そう……ですね」
「むしろ、君に危険が及ぶかもしれない。伯爵家内では、君の味方が圧倒的に少ないのだからね」
まるで妹にでも言い含めるように、リヴィ様はわたしの方へと身を乗り出し、膝の上で指を組んだ。どんな仕草でも優雅さが溢れている。
「わかりました。気をつけながらエセル様の様子を探ってみます。もしなにかあれば、また魔法で青い小鳥をリヴィ様の元へ飛ばします。鳥の姿ですけれど、一番早い伝達手段ですから」
「電話やメールよりは?」
「ふふ、遅いです。それだけが不便ですね」
「本当に」
ようやくお互いの顔に笑みが浮かんだ。ひとりではないことが、こんなにも頼もしく誇らしい。
リヴィ様が穏やかな瞳でわたしを見つめてくる。
「どうかしましたか?」
「いいや。――シャルティーナが君でよかったと思って」
そう言って再び笑ったリヴィ様に、以前感じた少女の姿が重なった。彼女は柔らかい笑みを浮かべている。もう膝を抱えて丸まっていないのだと、心の中だけで喜んだ。
ちょうどいい機会だ。気になっていたことを伺ってみようと、わたしは口を開いた。
「ずっと、お尋ねしたいと思っていたことがあります」
「なんだい?」
「リヴィ様は、前世の記憶をどこまで覚えていらっしゃいますか?」
わたしの言葉に、リヴィ様は一瞬だけ目を見開いたが、すぐに穏やかな表情に戻った。さすが、動揺を隠すのがうまい。
「わたしは、学生だったころまでしかよく覚えていないのです。多分そのあとも生きていたはずで、社会人になって結婚して……。でも子どもがいたのか、どのように死を迎えたのか、霞がかっていてはっきりしません。というより、他人事のように感じます」
自分のことを話すと、リヴィ様は小さく「なるほどね」と頷いた。
前世の記憶は、わたしの中の図書館に収まっている。今は一冊の本となっているが、はっきり書かれているのは幼少から高校生くらいまで。あとはほとんどの文章が消えかかっているのだ。
普通に生きていても、昔のこととなると朧げなものだ。とはいえ、シャルティーナとしての本が歳を重ねるほど分冊されていくのに、前世の記憶が一冊の本に収まっているのはどういうことなのだろう。それがずっと不思議でならなかった。
薄茶色の瞳でわたしを見つめ返すリヴィ様は、表情を変えないまま言葉を発した。
「……『わたし』は、高校生のときに交通事故で死んだよ」
なんでもないことのように紡がれた内容に、思わず肩が震える。
「正直、死ぬ直前のことはあまり覚えていない。後部座席に座っていたせいで、なにが起きたかわからなかったしね。急ブレーキ音のあと、激しい衝撃に身体が揺れたと感じたところで、記憶がぶつりと途切れている」
自然な動きで肘掛けに頬杖をつき、リヴィ様は視線を窓の外に移した。
触れられたくなかった話かもしれない。そう感じ、わたしは慌てて頭を下げる。
「申し訳ありません、不躾なことを……」
「構わないよ。曖昧なものは逆に気になってしまうだろう」
優しく微笑んでくれる顔に、どことなく影が浮かんで見えた。先程まで笑みを浮かべていたあの少女が、悲しい表情に戻っていることからみても、それは気のせいではないのだろう。
「けれど、無理に思い出さなくてもいいんじゃないかな。いい記憶ばかりとは限らないよ」
「そう……でしょうか」
わたしは心の中を後悔で一杯にしながら、情けない声で呟いた。
軽率だった。同じく前世の記憶を持つものとして、わたしが無害であるとわかって欲しいという身勝手な行いで、リヴィ様の苦しい記憶を引きずり出してしまった。なんて愚かな問いを口にしたのだろう。
「少なくとも『わたし』は、親友と、彼女が教えてくれたゲームのこと以外、あまりいい思い出はなかったな」
リヴィ様の視線が再び窓へを移される。
室内に入ってくる光を受け金色に輝くその瞳は、外にある庭よりももっと遠くを見つめているように感じた。
「まさかとは思うけれど、あの慇懃家庭教師、エセル嬢に手を出しているんじゃないだろうね」
「そんな!?」
「シャル、声が大きい」
「……っ! 申し訳ありません」
自分の口許に人差し指を立て、リヴィ様が声を潜める。わたしは慌てて口を手で覆った。
「悔しいけれど、この世界でも女子どもは標的にされやすい。伯爵令嬢といってもまだ子どもだ。しかも、先代が亡くなる前に契約した輩だという話じゃないか。今の伯爵夫妻がやつの素性を知っているのか怪しいところだな」
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噂話というものは一方的なもので、客観性は薄く、真実かどうかわからない。だがその話をしているとき、トラシスさんが苦い顔をしつつも咎めなかったことから考えても、概ねあっているのではないかと思う。
「なるほどね。どこの家も厄介な人はいるものだな」
「リヴィ様のところも?」
大きな息を吐き、リヴィ様が天井を見上げた。
「うちも、お祖父様がなかなかのお人でね。父上が病弱なのをいいことに、ご自身が亡くなる直前まで家や領地のことに口を出していたよ。年代的には先代マティアス卿と同じだから、似た者同士だったんだろう。ま、簡単に言うと頑固ジジイってやつさ」
「そうでしたか……」
僅かに眉根が寄っているその表情だけで、先々代コートナー卿をどう思っているのかわかってしまう。
屋敷の玄関を潜ってすぐ、大きな廻り階段の踊り場に飾られていた肖像画を思い出した。
そこに描かれていた厳しい目つきをした老齢の男性が、リヴィ様のお祖父様なのだろう。威厳がある、といえばよく聞こえるだろうが、家族にとっては周囲を振り回す厄介なお方だったのだ。
血筋が、高い地位が、その家に生まれた人々を縛り付ける。
特権を盾に好き勝手する貴族は確かにいるのかもしれない。しかしその何倍もの人々が、血の繋がりに、家名に弄ばれているのだ。
エセルバート様もその中のひとりにすぎない。
わたしが手を出していいものなのだろうか。ただの下級男爵家の娘のわたしが。
下級男爵家は、実質、名誉爵位であるといっても過言ではない。大抵は一代、二代くらいで爵位を返上することが多い。領地を持たないため収入がなく、課せられた税が支払えなくなるからだ。
我が家はもうすぐ兄が四代目を継ぐ。それはひとえに、おば様たち商店街の人々に支えてもらっているおかげだ。
二代目である祖父は、騎士としての才能はなかったが、人に慕われる性格で頭も良かった。そのため、近所の商店街で組合を作り発展に貢献した。代わりに売上のいくらかを納めてもらい、それが現在も受け継がれている。
とはいえ家計はかつかつだ。故に我が家は、平民と変わりない生活を送っているのである。
数代続く下級男爵家は、位の中で一割にも満たない。それが、貴族年鑑が毎年発行される理由のひとつだった。
そんな家格の娘であるわたしが、伯爵の令嬢を助けるなどと、身の程知らずもいいところではないか。
でも、幼い少女が虚ろな、なにもかも冷めきった瞳でいるなど、放っておけるわけがない。
例えそれが未来の悪役令嬢かもしれなくても。
わたしはリヴィ様をしっかりと見つめ、口を開いた。
「リヴィ様、貴方を巻き込んでしまうかもしれません」
「どうしたんだい、突然」
「エセルバート様を助けたいのです。もし、今の状況が悪役令嬢として育つ布石だったとしたら、この先どう転ぶのかわかりません。ゲームと同じ世界にはならない可能性も――」
「なんだ、そんなことか」
膝の上で両手を固く握り締めたわたしの言葉に、リヴィ様はあっさりと笑って頷いた。一瞬目を瞠る。
「僕が何故マティアス家に顔を出していたかわかるかい? 君と同じことを考えていたからだよ」
「リヴィ様……!」
「エセル嬢があんな風に育つかどうかは、今はまだわからない。けれど、様子がおかしい少女を気にかけることは悪い行いではないだろう?」
軽く片目を瞑って軽薄さを醸し出しているが、リヴィ様の表情も声も真面目なものだ。
リヴィ様は、生半可な気持ちでこの件に足を踏み入れているわけではない。
「それに今更だよ。『日本』の記憶を持った僕たちがこの世界にいる、そしてエセル嬢の年齢が違う。ゲームとは違うことが、すでにいくつも起こっているんだ」
「そう……ですね」
「むしろ、君に危険が及ぶかもしれない。伯爵家内では、君の味方が圧倒的に少ないのだからね」
まるで妹にでも言い含めるように、リヴィ様はわたしの方へと身を乗り出し、膝の上で指を組んだ。どんな仕草でも優雅さが溢れている。
「わかりました。気をつけながらエセル様の様子を探ってみます。もしなにかあれば、また魔法で青い小鳥をリヴィ様の元へ飛ばします。鳥の姿ですけれど、一番早い伝達手段ですから」
「電話やメールよりは?」
「ふふ、遅いです。それだけが不便ですね」
「本当に」
ようやくお互いの顔に笑みが浮かんだ。ひとりではないことが、こんなにも頼もしく誇らしい。
リヴィ様が穏やかな瞳でわたしを見つめてくる。
「どうかしましたか?」
「いいや。――シャルティーナが君でよかったと思って」
そう言って再び笑ったリヴィ様に、以前感じた少女の姿が重なった。彼女は柔らかい笑みを浮かべている。もう膝を抱えて丸まっていないのだと、心の中だけで喜んだ。
ちょうどいい機会だ。気になっていたことを伺ってみようと、わたしは口を開いた。
「ずっと、お尋ねしたいと思っていたことがあります」
「なんだい?」
「リヴィ様は、前世の記憶をどこまで覚えていらっしゃいますか?」
わたしの言葉に、リヴィ様は一瞬だけ目を見開いたが、すぐに穏やかな表情に戻った。さすが、動揺を隠すのがうまい。
「わたしは、学生だったころまでしかよく覚えていないのです。多分そのあとも生きていたはずで、社会人になって結婚して……。でも子どもがいたのか、どのように死を迎えたのか、霞がかっていてはっきりしません。というより、他人事のように感じます」
自分のことを話すと、リヴィ様は小さく「なるほどね」と頷いた。
前世の記憶は、わたしの中の図書館に収まっている。今は一冊の本となっているが、はっきり書かれているのは幼少から高校生くらいまで。あとはほとんどの文章が消えかかっているのだ。
普通に生きていても、昔のこととなると朧げなものだ。とはいえ、シャルティーナとしての本が歳を重ねるほど分冊されていくのに、前世の記憶が一冊の本に収まっているのはどういうことなのだろう。それがずっと不思議でならなかった。
薄茶色の瞳でわたしを見つめ返すリヴィ様は、表情を変えないまま言葉を発した。
「……『わたし』は、高校生のときに交通事故で死んだよ」
なんでもないことのように紡がれた内容に、思わず肩が震える。
「正直、死ぬ直前のことはあまり覚えていない。後部座席に座っていたせいで、なにが起きたかわからなかったしね。急ブレーキ音のあと、激しい衝撃に身体が揺れたと感じたところで、記憶がぶつりと途切れている」
自然な動きで肘掛けに頬杖をつき、リヴィ様は視線を窓の外に移した。
触れられたくなかった話かもしれない。そう感じ、わたしは慌てて頭を下げる。
「申し訳ありません、不躾なことを……」
「構わないよ。曖昧なものは逆に気になってしまうだろう」
優しく微笑んでくれる顔に、どことなく影が浮かんで見えた。先程まで笑みを浮かべていたあの少女が、悲しい表情に戻っていることからみても、それは気のせいではないのだろう。
「けれど、無理に思い出さなくてもいいんじゃないかな。いい記憶ばかりとは限らないよ」
「そう……でしょうか」
わたしは心の中を後悔で一杯にしながら、情けない声で呟いた。
軽率だった。同じく前世の記憶を持つものとして、わたしが無害であるとわかって欲しいという身勝手な行いで、リヴィ様の苦しい記憶を引きずり出してしまった。なんて愚かな問いを口にしたのだろう。
「少なくとも『わたし』は、親友と、彼女が教えてくれたゲームのこと以外、あまりいい思い出はなかったな」
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