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大団円
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あれから公爵家に戻り、ゆったりとした時間を二人で過ごしていた。
「陛下とのお話はなんでしたの?」
「前から言ってはあったんだが、正式に退団の許可を頂いたのだ」
「そうなのですか? ノックス団長はお若いのに大丈夫なのでしょうか。ルイス様の支えがないと大変なのでは」
「あいつは若く見えるが二十七だぞ」
それは驚いた。てっきり同い年くらいかと思っていたのだ。
「アメリアは若い男の方がいいのか? 二十五では駄目なのか?」
いじけたルイス様も可愛い!じゃなくて。
「私はルイス様だから大好きなのですわ。年齢は関係ありません」
どうやらご機嫌が戻ったようだ。
「それで続きだが、そろそろ公爵の業務に集中しようと思ってね。いつまでも父に頼っていては申し訳ないし、それに」
「それに、何です?」
「アメリアの近くにいたい」
ルイス様がそれだけ私のことを想っていてくださるのが嬉しい。
「わたくしは何をすればいいのでしょうか」
「何もしなくていい。私の傍にいてくれればそれでいい」
温かい言葉が心に染みてくる。私はルイス様のためにいて、ルイス様は私のためにいる。私にとって大事なのは何があってもルイス様で、今ここにある幸せを絶対に守り続ける。
「ルイス様。人生の一部にわたくしを加えてくださってありがとうございます。二人で幸せになりましょう。愛しておりますわ」
ルイス様は私を抱き寄せ、「私も愛している」と囁いて、唇にそっとキスを落としてくれた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
※わたちゃん視点
「ふむ。こちらはこれでハッピーエンドかな」
後ろから可愛らしい声がした。
「わた様、いかがされましたか?」
元アメリアである。
「……何だかんだであなた達は似ていますね」
「何がでしょう?」
首が取れるんじゃないかと思うくらい首を傾げている。
「おほん。アメリアさんが貰った宝石はグランディディエライトと言いまして、石言葉には『新たなる冒険』という意味もあるそうですよ。アメリアさんにピッタリですね」
「わたくしですか?」
「いえ、そうではありません。いや、あなたもそうですね。じゃなくて、そろそろ仕上げにかかりましょうか」
山田絵実の記憶は複雑ではないが、アメリアが過ごしやすいように手を加える必要があった。
そのため、入力がまだ完全ではないのだ。しかし、それももうすぐ終わる。
「アメリアは大丈夫なようですよ。あなたも絵実として幸せになってください」
「はい。ありがとうございます」
絵実の彼氏はそんなに褒められた男ではない。だが驚くことに今度結婚すると、嬉しそうに報告してくれた。元アメリアはとことん尽くすタイプのようで、意外とウマが合っているようだ。外見はいい男でありタイプのようなので、アメリアが良ければそれでいい。
私に言わせれば、どちらも男の趣味が悪いのには違いないけれど。
完
お読み頂き、ありがとうございました。
「陛下とのお話はなんでしたの?」
「前から言ってはあったんだが、正式に退団の許可を頂いたのだ」
「そうなのですか? ノックス団長はお若いのに大丈夫なのでしょうか。ルイス様の支えがないと大変なのでは」
「あいつは若く見えるが二十七だぞ」
それは驚いた。てっきり同い年くらいかと思っていたのだ。
「アメリアは若い男の方がいいのか? 二十五では駄目なのか?」
いじけたルイス様も可愛い!じゃなくて。
「私はルイス様だから大好きなのですわ。年齢は関係ありません」
どうやらご機嫌が戻ったようだ。
「それで続きだが、そろそろ公爵の業務に集中しようと思ってね。いつまでも父に頼っていては申し訳ないし、それに」
「それに、何です?」
「アメリアの近くにいたい」
ルイス様がそれだけ私のことを想っていてくださるのが嬉しい。
「わたくしは何をすればいいのでしょうか」
「何もしなくていい。私の傍にいてくれればそれでいい」
温かい言葉が心に染みてくる。私はルイス様のためにいて、ルイス様は私のためにいる。私にとって大事なのは何があってもルイス様で、今ここにある幸せを絶対に守り続ける。
「ルイス様。人生の一部にわたくしを加えてくださってありがとうございます。二人で幸せになりましょう。愛しておりますわ」
ルイス様は私を抱き寄せ、「私も愛している」と囁いて、唇にそっとキスを落としてくれた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
※わたちゃん視点
「ふむ。こちらはこれでハッピーエンドかな」
後ろから可愛らしい声がした。
「わた様、いかがされましたか?」
元アメリアである。
「……何だかんだであなた達は似ていますね」
「何がでしょう?」
首が取れるんじゃないかと思うくらい首を傾げている。
「おほん。アメリアさんが貰った宝石はグランディディエライトと言いまして、石言葉には『新たなる冒険』という意味もあるそうですよ。アメリアさんにピッタリですね」
「わたくしですか?」
「いえ、そうではありません。いや、あなたもそうですね。じゃなくて、そろそろ仕上げにかかりましょうか」
山田絵実の記憶は複雑ではないが、アメリアが過ごしやすいように手を加える必要があった。
そのため、入力がまだ完全ではないのだ。しかし、それももうすぐ終わる。
「アメリアは大丈夫なようですよ。あなたも絵実として幸せになってください」
「はい。ありがとうございます」
絵実の彼氏はそんなに褒められた男ではない。だが驚くことに今度結婚すると、嬉しそうに報告してくれた。元アメリアはとことん尽くすタイプのようで、意外とウマが合っているようだ。外見はいい男でありタイプのようなので、アメリアが良ければそれでいい。
私に言わせれば、どちらも男の趣味が悪いのには違いないけれど。
完
お読み頂き、ありがとうございました。
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