中作と七人の売人たち

中作と警察

中作は東北へは行っていませんでした。貰った数万の金を全てオナクラと地下アイドルのグッズやコンサートにあてていたのです。

一方中作のケースワーカーは彼に異変を感じていました。そして中作が違法薬物を乱用している可能性がある、と警察に相談したのです。

中作の新しい住まいにやってきた警察が部屋の中を調べていて、冷凍庫を開けるとその場に相応しくない手のひらサイズの毛玉の様なものがありました。

「あっ！忘れてた！」後ろにいた中作は毛玉を指差し声をあげます。

取り出してみると、それはハムスターでした。

「この暑さでぐったりしてるみたいやったから、冷凍庫に入れて涼ませたろ思て入れてあげててんけどそのまま忘れとったわ。」


「・・・・・・」


すぐに傍らで、中作は湯を沸かし始めました。



そして沸かした湯を、中作はシンクにのせたハムスターの死骸にかけはじめたのです。

「何を・・・何でそんな事を？」

「冷やし過ぎたから、お湯かけたら戻るかな思て」

「・・・・・・」

警察は大きなため息をつきました。勿論ハムスターが息を吹きかえす事はありませんでした。