王族なんてお断りです!!

紗砂

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本編

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さて、思わず屋敷を飛び出してしまったものの、私はアルがどこにいるか、など知りません。


「エリス様、アルス殿下のもとまでご案内致します」

「お願いします、ハーネス」


なぜ、ハーネスがそれを知っているのかについては今は良しとしましょう。

そして、私達はアルを見つけると、声をかけ、個室のあるカフェへと移動しました。


「どうかしたのか?」

「えぇ、まぁ……」


歯切れが悪くなってしまうのは少なからず迷いがあるからでしょう。
それに、どこから話せばいいのかが分からないということもあるかもしれません。


「エリス様、私が説明致しましょうか?」

「いえ、大丈夫です。
これは、私から言わねばならないことですから」

「出過ぎた真似を致しました」


ハーネスは私に一礼してから再び1歩下がりました。


「王都はこれから少々騒ぎが起こります。
私や公爵家、フィーリン商会が原因で。
ですから、アルは……」

「断る。
どうせ、逃げろなどと言うつもりだろう?
私の大切なものに害が及ぶというのに一人だけ安全なところにいるなどと出来るはずがない」


やはり、アルは逃げてはくれないようです。
あの方のバックに教会がついている以上、巻き込みたくはなかったのですが……仕方ありませんね。
ここで何を言ったとしてもアルは来るでしょうから。


「エリス、俺は?」

「ラルフはルアンを手伝ってあげてください。
ルアン一人では酷でしょうから」

「おう、分かった!
で、ルアンはどこにいるんだ?」

「フォーリア公爵家に居るはずです」


私がルアンの居場所を教えると、ラルフはそのままフォーリア公爵家の方向へと走っていきました。

……護衛はどうするつもりなのでしょうか?
いくら幼馴染とはいえ、さすがに頭が痛くなってきますね。
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