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権力者

権力者

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短編小説「権力者」原作 献残屋藤吉郎



1)権力者

世の中で権力者と云われる人間にはいろいろな類の権力者がいる。実力者と云われる「身」も「実」も備わった人物も、、、また、、たまたま、「金力」を持ち、、空威張りな権力者も多い、、、更に、政治家になり、、その地域の権力者になったり、、少しばかりに国家権力に関わり、経験を積むにつれて、ふんぞり返る勘違いしている権力者もいるようだ。
そんな権力者が多い、、政治家たちが、、日本国家を舵取りしているのだから、碌な国では無い。。。
そして、政治家になると、、なる前は首を垂れて「お願いします、、頼みます」と、、云っていたものが、、今度は首を後ろに反るのだから不思議だ。
頼んでいたものが、、今度は「命令、、指示」を出して、、、「俺の言うことを聞け」とするから、可笑しい。
まったく、、「笑い話だよ、、、ふざけやがって」と、云いたい。
考えてみれば可笑しい、、頼まれる時には「任せてくください、、、分かりました」と、、いいながら、、当選した後には「お願いします、、先生」と、馬鹿げた話だ。
威張る、ふんぞり返る政治家や権力者には、、投票するなと言いたい、、、何度も、当選して、政治家は力を付けて、、権力者になっていくのだった。
バカでも長んでも、時間をかけて、権力者になっていく人間が多い中で、、世の中の仕組みを熟知したものは、見識人と云われる者もいるが、、大部分は「欲」に絡み、世間の「悪行」に染まっていくのだった。
人間とは弱いもので、、「金欲」「色欲」「食欲」といつの間にかどっぷりと、欲地獄に嵌っていく。。。


2)地方吟から国会議員になり、、権力の道へ


太田黒権蔵は茨城県のつくば市選出の県会議員を3期務め上げて、、その選挙地盤を固めていった、、そして、、衆議院議員に、2期当選して、自由党の政調会長に就任していた。
政治家としてよりも人脈造りに長けており、、連続5期の当選を果たして時には「自由党幹事長」に就任して、、政治的な権力も備わってきたのであった。
実弟の太田黒誠二も衆議院議員に当選して、、兄の太田黒権蔵の右腕として活躍しており、、忠実な番犬であった。
そして、兄の太田黒権蔵の力の元に「官房長官」を務めるようになった。
太田黒権蔵は幹事長になり、、党の実権を握ったが、、内閣総理大臣の椅子は狙わなかったのである、、、あくまでも、陰の権力者でいた。
人からは「闇将軍」とか「影の総理大臣」と、云われていたのである。
更に、、裏の権力者になるために、、娘たち3人を自分の意を組んだ高級官僚に嫁がせていたから、、その、悪知恵は計り知れなかった。
長女は検察庁の副検事正「鬼島一郎」に、、次女は警視庁刑事局長「福田総志」に、、そして、三女は最高裁判所判事「太田宗男」に嫁がせ、金薬を聞かせたいたのであった。
太田黒権蔵には怖いもの無しであった、、立法を司法を抑えての権力者にのしあがったのである。
更に長男の権一朗には「総合不動産開発会社」を経営させて、、あらゆる不動産関係、金融関係の甘い汁を吸い集めていた。
これらを背景に経済界に顔を聞かせていった、太田黒権蔵は、黒い悪行集団とも結びついていった。
政治家としての権力者になった、太田黒権蔵には相手から、、自然に黒い集団が寄って来たのだった。

3)怖いもの無しの権力者

権力者にのし上った太田黒権蔵には出来ないことは無いように思われた。
しかし、人間には完璧はないのだった、、、水も漏らさぬ布陣を敷き、、神風漫歩の道を歩いている筈の男にも弱点はあった。
太田黒権蔵の長男、権一郎の息子に放蕩息子がいたのである、、、慶応大学に在学して、、親も太田黒権蔵も真面目に学生生活を送っているとばかり思ったいたが、、何不自由なく育ったために我儘であり、、
何処で覚えたか、酒に始まり、麻雀と遊び仲間が増えていった。
人とは遊びを覚えると、、誰でもそうであるが、、その遊びが面白く成り、、次には女遊びまでに広がり、、自分の力ではなく、、親の七光りで、周囲からもちやほやされて、、有頂天になる馬鹿が多い。。
太田黒権蔵の孫は、そのバカに入っていたのであるから、、始末が悪い。
親もその親も孫は可愛いのであった。金を与え、、馬鹿なドラ息子を信じて、、車まで与えていたのであったから、、馬鹿息子はいい気になる筈だった。
学生同士の遊びや付き合いなら、まだしも、、街の不良にも目を付けられて、、利用され始めたのである、、、やくざまではいかなくても「反ぐれ集団」に煽てられて、、一緒に遊ぶようになっていった。
そして、反ぐれ集団で新宿の「紅グループ」に誘われるままに、女を当てがわれて、少しばかり、、「兄貴風」を吹かしていた。
それも全て「罠」とも知らずに、徐々に深みに嵌っていった。そして、、ルーレットなどの博打に誘い込まれていったのである。
いつの間にか「借金地獄」に追い込まれたが、金は親に始末を付けて貰ったが、、女遊びも度が過ぎて、、「覚せい剤」にまで染まったしまい、、抜き差しならぬところまで追い込まれた。
反ぐれもやくざと同様で、骨髄まで食い潰すのであった。
そして、、覚せい剤取り締まり違反の網に掛かり、、権一郎の息子「権太郎」も逮捕されたのであった。
その知らせを受けた太田黒権蔵は耳を疑ったが、、事実と分かると、、権力者としての力を発揮して、放蕩孫「権太郎」を救った。
それは孫の為では無く、自分の権力者としての地位を守る為の行動であった。

4)放蕩息子「権太郎」に遊ばれ、売春クラブに売り飛ばされた女の復讐

太田黒権蔵の孫、放蕩息子に遊ばれて、反ぐれ仲間に売春クラブに売り飛ばされた女が自殺をしたのだった、、、この事件も太田黒権蔵の権力者の力で、闇から闇に揉み消されてしまった。
その女「浅川美幸」の父親は不振を抱き、娘の自殺を調べたが、、警察で惚れた男に騙されて、それを苦にした自殺と処理されてしまった。
娘の父親はその説明では納得しないで、、いろいろ、興信所を使って調べたら、、意外な事実が分かり、、再び訴えたが、取り扱ってくれなかったのであった。
父親は茨城県石下市の造り酒屋の浅川太重郎といい、、地元では名士であり、、娘「美幸」を慈しみ育てたので、、調査で分かった事、、、地元選出の衆議院議員の太田黒権蔵の孫である、、権太郎が、娘を持て遊んだ男であるとまでは分かったが、、その先は権力者であるというだけで、証拠がないという事で、警察も取り上げてくれなかった。
その悔しさを晴らしてやりたいと、、思っていた時に、、
その話を聞いていた、、たまたま、取材で来ていた週刊誌の大場記者が、、浅川太重郎に話を持ち掛けて来た、、、そんな、悪道政治家に立ち向かえる、人間が居ますので紹介しますと、、、
東京王子で探偵事務所を開いている「大光寺大洋」という人なら、どんな大物政治家でも対応してくれる筈ですと、、以前にも大物政治家水野忠助を刑務所に放り込んだ実績があるので、、、
と、云う事で紹介をしてくれた。
浅川太重郎は早速、教えてもらった、、「大光寺大洋探偵事務所」を訪ねた。
三階立ての取捨なビルであり、、入り口を入ると「受付」があって、、事情を説明して、仕事の依頼で訪ねたことを告げて、事務所の中に案内された。
一人の屈強な男が机に座っていたが、、浅川太重郎が入って、挨拶をすると、、、
その男も立ち上がり挨拶してくれた。
「初めまして、、浅川と言います、、忙しいところを時間を執って頂き、ありがとうございます、、」
と、、田舎の実直な親父という、、小太りな浅川太重郎は頭を下げた。
「どうも、、私は大光寺大洋、、と申します、、、大場さんから話は聞きましたので、、どうぞ、、お座り下さい、、、」と、、挨拶を交わしているとこへ、お茶が運ばれた。
「浅川さん,,お話を聞いてから、、出来るか出来ないかは、判断しますので、、兎に角、依頼の事件をお話ください、、、」と、、言ってから。。
浅川太重郎の話を聞いた、大道寺大洋であった。
細かむ事情を聴いた大道寺大洋は、、最終的には依頼を引き受けた。
しかし、、調査の時間を貰い、、再度.会って、調査の結果を踏まえて、結論を出すことにしたのであった。。。
大光寺大洋も依然と違い、、探偵事務所といっても、調査員を10人ほど雇用しているので、、慎重に行動をしていたのである、、話を聞いた大洋は、やる気でいたのであった。
悪行権力者を許すことは,大洋の生き方に反しているために、、、久しぶりに権力者と渡り合うことに、心が燃えた。

5)大道寺大洋、、依頼仕事を引き受ける

大洋は考えた。。。今回の依頼は早い話が娘の「仇討」依頼であった。
権力で固めた一族への復讐であり、、まとまな興信所や探偵事務所では取り扱わない業務であった。
しかし、話を聞いた大洋は、権利力者に怒りさえ覚えたのである。
そこが大洋であり、、一度、浅川太重郎の住むつくば市を訪ねることにしたのであった。あくまでも目的は復讐であり、、仇討なので覚悟を確認しておきたかったのであった。
大洋は父親浅川太重郎の無念を考えたら、、何をしても、失ってもしたかった行動であると察して。墓参りを父である浅川太重郎としての帰り道,さくら
咲く参道を歩きながら、誓った。
大洋は心から、櫻吹雪を受けながら、涙する男の無念を晴らしてやろうと、、、
未だ。咲き切らない蕾で,散った娘、櫻吹雪の舞い散るお墓で、眠る、愛しい娘を思いながら、、じっと、堪える涙の父親と歩きながら、何も語らない心情をくみ取った大洋であった。
東京へ戻った大洋は、部下の一人である「大友新次郎」を呼んで、、伝言をしたのだった。
「新次郎、、暫く、俺が良いというまで、他の仕事はせずに、これからからやる、、業務を一緒にして欲しい、、、:良いかな、、」
と、、話してから、、
社員の中でも一番寡黙な、大洋が信じる新次郎に、その理由を説明した。
そして、覚悟を確認したのだった。
新次郎は独り身で、行動も機敏であったので、大洋の説明を理解して、協力することを誓ったのである。
最初は太田黒権蔵の身内関係を調べて、、その、権力範囲を徹底的に確認踏査をした。
その調査も済んで、、8月の暑い中での行動を開始したのであった。
遣るからに、失敗は許されない、、ミスは命取りになるからであった。
大洋も新次郎に「覚悟」の重みを告げた、この仕事は命がけであると、、、
勿論、大洋も水野忠助以来の権力者との闘いであった。


6)大洋、、権力者、太田黒権蔵への挑戦、闘い

大洋は太田黒権蔵の権力範囲を確認する意味でも、、彼の身辺調査を徹底的に行った。信頼できる新次郎と二人で、出来る限り、、あらゆる方面の調査をしたのだった、
そして、大洋は作戦を練り、行動に移した。
あくまでも依頼は「復讐」であり、、目的は「仇討」だった。最後まで討ち果たさないと意味がなかったのである。
そこで、放蕩息子、太田黒権蔵から見れば孫であるが、、その、孫である「権太郎」から攻めることにしたのだった。
大洋が新次郎を今回、相棒に選んだ理由としては、信頼もおけるが、新次郎が反ぐれの仲間から知られていた、「人斬り新次郎」の異名を持つ、伝説の反ぐれでもあったからであった。
今回の攻める的の独りである「権太郎」は新宿の「紅グループ反ぐれ」のリーダーに祭り上げられていたからでもある。
現在の状況を探るのには、新次郎が最も良いと思い、潜入させたのであった。
その紅反ぐれグループももう一人のリーダーである「合田三郎」と、仲間内で競い会い、反目していたので、、、新次郎は情報を聞くのに重宝だった。
更に「人斬り新次郎」を合田三郎は知っていて、、伝説的な新次郎は彼の憧れであったのであった。
それからは「新次郎」を兄貴と呼ぶようになり、、「権一郎」の悪行を話してくれた。合田三郎は女垂らしの、金持ち坊やの権太郎を嫌いだったのである。
硬派の合田三郎は「親の七光り」で、粋がっている、権太郎は反ぐれでは無いとさえ思っていた。
そんなことも有って、新次郎には合田三郎は協力してくれた。
そんな時に高級クラブで売春に絡んで事件が起きた、、、権一郎グループがやり込めた女をその売春クラブに引き渡した後で、、女が客の男をホテルで刺し殺したのであった。
殺人事件が起きたので、警察も動いた、、捜査していくうちに、売春クラブの実態が明らかになり、、売春取り締まり法違反でも、その店は摘発をされた。
そして、その売春クラブへ、引きこまれた女から、、詳細を聞き出して、、その女たちを管理しているのが「新宿反ぐれ紅グループ」であることが分かり、、リーダー格の
「太田黒権太郎」が逮捕されたのであった。


7)権力者の威光、、、

逮捕された「太田黒権太郎」は警視庁特捜班に逮捕されたが、拘留されて10日の後に「嫌疑不十分」で、、「不起訴」となり、、釈放されたのである。
ふざけた処分であり、、権力者の太田黒権蔵の根回しで、警視庁刑事局長「福田総志」の指示で行われた。
始めから分かっていた大道寺大洋は追い打ちをかけた、、売春防止法で逮捕されたが不起訴になったので、、その保釈と同時に「覚せい剤密売」容疑で告訴をしたのであった。
覚せい剤密売実行様子の写真を添えて、、更に「音声テープ」を用意しての告訴であり、、その実行犯が「権太郎グループ」に脅されての告訴であったので、権一郎は逃げられなく、再び逮捕されたのであった。
これらの罠を仕掛けたのは新次郎が、、反目する反ぐれの合田三郎からの情報であり、、事実であったために、、大道寺大洋は昔の警視庁仲間を通じて逮捕が出来たのであった。
更に。事件記者である昔馴染の協力があって、報道にも流したことも有り、、今回の握り潰しは出来なかった。
太田黒権蔵の長女の娘婿である「鬼島一郎副検事正」も法律を捻じ曲げることは出来ず、、最終的には裁判の判決で時間を稼ぎ、、刑を軽くする方法、、いわゆる「執行猶予」に持ち込む作戦を考えているようだと、大洋は思っていた。
ここで太田黒権蔵の三女の娘婿である、、「最高裁判判事、太田宗男」まで伸ばして、何としても「執行猶予」を勝ち取ろうとしているのが、見え見えで大洋には分かっていた。
そんなふざけた真似をさせるものかと、、大洋は罠を仕掛けて待っていたのである。


8)権力者、太田黒権蔵の誤算

太田黒権蔵の放蕩孫の「権太郎」は馬鹿息子を通り過ぎて、社会悪に染まっていたのである。反ぐれ仲間との付き合いや、女や酒に塗れて、、人生の歯車を狂わせていたのだった。
そして、権力者の太田黒権蔵が、それらを庇って、もみ消そうとしても、追いつかないところまで来ていた。
その為に、娘婿たちが、警察や、検事局で、裁判で守ることの出来ない領域に浸かってしまっていたのだった。
いくら権力者が、その力を駆使しても庇うことの出来ない、、「民意」による力、、報道を食い止めることは無理だった。
そして、、放蕩孫を突き放さない限り、、自分の政治生命にも陰りが生じて来たのである。
自由党の政治か仲間からも批判が出始めた、、、更に、、娘婿たちの職業地位にも、その地位確保継続が難しくなってきたのであった。
また、父親である、「権一郎」にも影響が出てきたのである。。
そこで、放蕩孫である「権太郎」についての話し合いがもたれた、、、
このまま、「権太郎」に関わっていると、、折角,築いた太田黒権蔵の権力者牙城が崩壊してしまうのではと、、気づかったのである。
哀れではあるが、、「権太郎」は見捨てることにしようと、、結論が出たのであった。
そんな話を耳にした大道寺大洋は、、、「それでは、不味い、、」と、、思い、作戦を立て直した、、、
太田黒権蔵の権力牙城を全て、潰さないと仇討は完了しないのであるから、、大洋は太田黒グループへの罠を仕掛けたのであった。


9)大洋は権太郎には痛手を負わせたが、、、

権力者太田黒権蔵の法律を無視した、捻じ曲げ政治や司法への横槍などを許せななかった。
行政の圧力により、、権蔵の弟の太田黒誠二が官房長官の力を利用して、司法を思うままに揺さぶる行為を、大洋はどうしても黙っては居られなかった。
そして、孫であろうが、、司法を馬鹿にして、自由に捻じ曲げる行為を個人の利権に使う、太田黒権蔵を葬り去ってやろうと考えていたのであった。
しかし、余りにも早く、不都合が起きると、、斬り捨てるのだった。
悪人というか、大悪人は見切るのも早かった。
そこで、大洋は少々焦ったのである。。まだまだ、抵抗して、悪あがきをして欲しかった。
そこで、孫の権太郎の件は裁判に委ねて、、その結果次第で、攻めて行けばいいと考えた。結果は見えているので「執行猶予」がどのくらいなのか、、それから、方策を考えるとして、、今、やるべきことは「保釈」が出来ないように、、追加事件を告訴していくことで、あった。
そして、、太田黒権蔵の娘婿たちの不正を暴くことであったので、、それらの扱った、ごり押しの不起訴事件や、執行猶予事件を徹底的に調べた。
今回の事件以外にもある筈と、、、大洋は新次郎と打ち合わせをすることにした。
新次郎が調べた結果によれば、、権太郎の罪は深く、、多かった。
反ぐれの反目する「合田三郎」の情報によれば、、覚せい剤密売や売春行為は数知れずで、表に出ていないことが多かった。
それらの情報で追起訴は可能であり、、権太郎を保釈は出来ないと、大洋は確信した。
そして、権太郎以外での不正行為を探したのであった。
父親「権一郎」の不動産取引でも、悪行商法をしていた事が分かって来た。
太田黒権蔵の地位を利用した,贈収賄、脱税事件で、組織暴力団絡みであった。
その贈収賄、脱事件を時間をかけて、、最終的には「執行猶予」事件にしていたのであった。
日本の法治国家では行政の大きな力で、司法を捻じ伏せて、有耶無耶というか、まやかしの誤魔化し判決で行くにだから可笑しい、、、それが「執行猶予」という刑だからふざけている、、、犯した人間や会社は、やくざ組織は世の中を大手を振って歩いているのだから不思議だ。まったく変な国だ、、
そんなことで、大洋はとことん、追究して、権力者たちを地獄へ引きずり込んでやろうと考えたいた。
そこで、まず警視庁刑事局長の福田総志を狙った。


10)大道寺大洋の狙いは高級官僚であった、、、

まず、「権太郎」の事件で便宜を図ったが、、最終的には大洋たちの追告訴で逃げられずに、、起訴はしたが、、次には検事起訴、更には裁判で、、「執行猶予」判決を狙っている、、太田黒権蔵グループの鼻を明かしてやろうと、情報や資料を集めていた大洋であった。
警視庁刑事部長が横槍を入れて、、不起訴にした「第三興行土木(株)」を、大洋は再度、調べ直した。建設省の橋梁工事で贈収賄が発覚して、、警視庁捜査二課が検挙まではしたが、
「嫌疑不十分」で不起訴になった。
「第三興行土木(株)」の下請け会社「渋谷建設(株)」の担当経理である「鈴本利一」経理係長がその事件で自殺をしていた、、、
その調査で鈴本利一経理係長の自宅を訪ねた、、その妻、冴子の話では、「夫の利一は自殺をするような人間では無く、、明るい傲慢な、小さなことに拘ることのない、、と、、」言いながら、、
「どんな苦しい時でも乗り切る性格であった、、」と、、云いながら、悔し涙を流していた。
妻、冴子は、、「会社から、、多額の見舞金を貰ったが、未だに、夫の自殺を疑っています」と、、言い切った。
しかし、警察からも自殺と結論が出たので、、黙ったのである。
大洋は元、警察官として、、仏壇に手を合わせ、、警察の軽挙さに頭を下げた。。。
そして、当時の詳しい話を聞いてるうちに、、大洋も一緒に同行した部下の「新次郎」も、疑いを持った。
大洋は丁寧に挨拶をして,、事情を聴いて、調布駅を後にした。真冬の午後の調布駅は人も少なく、寒く、コートの襟を立て、二人、電車で東京へ向かった。
大洋は同行の新次郎にぽつりと話した。
「新次郎、、調べるぞ、、鈴木利一の死をな、、もし、殺されていたなら、、話はひっくり返るからな、、、」と、、話しながら、新宿駅に着いた。
大洋は昔、良く通った、、秋提灯の居酒屋「八千代」の暖簾を潜った。
「あら、、、久しぶりね,,大洋、、、」と云われて、、、
懐かしい、八千代ママに挨拶をして、、、「旨い、煮込みを頼むよ、、」と、、云いながら。。
部下の新次郎と熱燗を呑んだ、、、外は寒い、木枯らしが吹いていた。
明日から、、忙しくなると思いながら、、しばしの休息であった。


11)警視庁刑事局長、福田総志の弱点探し。。。

警視庁刑事局長、福田総志との打ち合わせには、太田黒権蔵の実弟の太田黒誠二官房長官とが会って、依頼事を指示していた。
場所も密室で、、赤坂の料亭「久松」で行われていた、、、その料亭は太田黒権蔵の専用であった、、、噂では、太田黒権蔵の面倒を見ている、元、芸者が経営している料亭なので、、外部には情報が洩れることは無かった。頼み事は
始末が悪いと言えば、、、それまでではあるが、、大洋は考えた。
そこでの密室会談の内容を、、知りたかったにである、、
大洋の興信所の社員を使えば、、二人が会うことは、、尾行調査で分かるのであったので、、、犯罪ではあったが、、盗聴をしかけたのであった、、、、裁判などでの証拠にはならないが、、事実は掴めた。
それらの密談内容から、、大洋は警視庁刑事局長、福田総志を責めたのであった。
人とは、、男とは、、、特に出世欲にかられた男とは、、意外と女にはだらしなく、、弱いものだった、、、案の定、囲っている女がいた。。。赤坂の芸者だった。。
その芸者を調て、、男と女のスキャンダルを流した、、、警視庁刑事局長程度の給料では、一流花柳界の芸者を囲うことは出来ない筈で有り、、裏金が動いていると想像は付く、、、その浮気情事を週刊誌に流した、、写真付きで、、、更に「SNS]で拡散したから堪らない。。。
噂が、噂を呼んで、、警視庁刑事局長、福田総志は懲戒免職になった。
この事件で、、太田黒権蔵の娘婿たちは、民意の恐ろしさを知ったのである。。
検察庁の副検事正を務める、、「鬼島一郎」は太田黒誠二官房長官に連絡をして来たのであった。。「私は女はやっては居ないが、、いろいろと便宜を図ってもらっているので、、暫くは、
頼み事は勘弁してください、、、」と、、
そんな弱腰では不味いということで、、料亭「久松」で会うこにした。
太田黒権蔵の権力の一角である、、「司法の壁」が崩れ始めたのである、、、


12)大洋は警視庁刑事局長「福田総志」を葬り去った。

大洋は途中経過の報告を依頼主の「浅川太重郎」に、するために茨城県つくば市を訪れた。
報告を聞いた浅川太重郎は涙して、感謝してくれた。
そして、今後の方針も浅川太重郎に話した、、満足してくれた。
大洋は帰りの車の中で、、一緒に同行した新次郎と空風の吹く、筑波路を後にして、、来年の櫻咲くころには、浅川太重郎と共に、その娘の墓参りが出来ることを誓いながら、、世のなかの権力者に立ち向かっていったのである。。
太田黒権蔵の陣営でも、孫の「権太郎」や娘婿の「福田総志」までも陥落させられた、大道寺大洋に警戒もして、権力者の「牙」を剥き出した。
太田黒権蔵は実弟の太田黒誠二官房長官を中心に作戦を考えさせた、、、このまま、大道寺大洋の思うままに、孫「権太郎」への復讐を絡めて、、自分の権力布陣を潰されていくことに怒りを露わにしたのであった。
そして、、実弟、太田黒誠二の国家権力を駆使して、、一回の興信所風情に、その権力を脅かされたことへの報復を考えさせた。
そして、残る娘婿の「副検事正である鬼島一郎」と最高裁判官判事である「太田宗男」にもはっぱをかけたのである。。なんとしても孫の「権太郎」を執行猶予に持って行くように指示を出した。
しかし、大道寺大洋は更に、新次郎を動かし、、「権太郎」の売春や覚せい剤絡みで、自殺した女性の中に、殺された疑いがある事実を見つけ、、証拠固めをして「殺人教唆」で追起訴する準備をしていた。。。
更に警視庁刑事局長福田総志の失脚で、、警視庁二課の動きも激しくなり、、揉み消されていた「贈収賄事件も捜査が再開された」のであった。
そんなことで、太田黒権蔵は付けられた火の粉を払うことに必死であり、、実弟、太田黒誠二に
大道寺大洋の動きを止めるように厳命を下した。
そこで、下種の行動である、、「暴力」による制圧をしたのであった。
それは、大道寺大洋を甘く見たのである、、、大洋は権力者に対する反骨精神は強く、、下手な暴力で屈するような男ではなかったである。
その為に、日ごろから弱みなるなるような「家族」を持たずに、独り身であった、、新次郎も同じであり、、今回の仇討は二人で行動していた。
従がって、どんな暴力的圧力にも引き下がることはなかった。
暮れも押し迫った師走、、大洋は新次郎を連れて、久しぶりに新宿の居酒屋「八千代」を覘いた、、そして、好きな酒で熱燗を呑みながら、、八千代ママの手料理を食べ、、ほんのヒョウンノマのひと時を楽しんだ。
夜風寒い、新宿のネオン街を歩いていたら、、数人つかって来て、、走り出した。
後に大洋が蹲った、、「しまった、、やられたよ、、新次郎、、いつもの先生のところまで連れて行ってくれ、、、腹を刺された、、」
と、、言いながら新次郎に起こされた。。
「大丈夫ですか、、、しっかりしてください、、」と、、言う、、新次郎に、、
頷いた大洋であった、、
そして、大洋の友人の病院に行き、、手当をして貰った。


13)焦りだした権力者たち、、、、


大洋は新次郎と新宿の木枯らし吹く街角を歩いていて、、刺されたのであった。
余程、、大洋に追い込まれた状況を意味していたと、、思った。
警視庁刑事局長の福田総志は権力チームから外れ、、孫の権太郎も追起訴に追い込まれ、、更には息子の「権一郎」の贈収賄事件も捜査が再開されて、、不味い関係になって来たのだった。
その為に、、脅しなのか、、本当に抹殺しようとしたのかは定かではないが、、刺ことは事実であった。
そのことでも、殺人未遂事件で警視庁殺人課が動きだしたのである。。勿論、大洋は訴えを起こしていた。
この件は証拠を押さえ、「殺人教唆」で、告訴する準備もしたいた。
大洋は病院で考えた、、、
権力者、太田黒権蔵を追い詰め、引き下ろすためには、、、「今回の贈収賄及び脱税疑惑」を暴き出して、告訴に持ち込み、、そして、、孫「権太郎事件」では、覚せい剤事件、売春強要事件、、そして、、
自殺や殺人教唆などでの判決に関する、不起訴や執行猶予に絡む、不正行為や、不正判決に絡んだ、、
強要,教唆事件として、暴きだしてやろうと考えていた。
そして、権力者としての地位を悪用した、非認否人として、塀の中に放り込んでやろうと、計画を練っていた。
大洋は「権太郎」な判決を楽しみに待っていた。。まずは、、太田黒権蔵の娘婿の「副検事正、鬼島一郎」の起訴が待ち遠しかった。。不起訴は出来ず、、どの位の量刑が課せられるか、、、そして、
その結果での裁判所での判決が出るかが、大洋には楽しみであった。
太田黒権蔵の娘婿である「太田宗男」の判決が、、どう出るかも、、
その結果で、、大洋は追起訴を出していく用意をしていた。
どんなことになっても。太田黒権蔵の権力勢力を葬り去ろうと考えていた、大道寺大洋であった。
そして,最後には「殺人教唆」でとどめを刺してやろうと狙っていた。
その事件に見合う、傷を負った大洋であった。まかり間違えば死んでいたからである、、、


14)大洋の反撃、、、


新宿で暴漢に襲われ、瀕死の重傷を受けた大洋は、この事件を奥の手として利用することを考えた。痛みを報復に変えたのである。
太田黒権蔵の息子に絡んだ「贈収賄や脱税疑惑」は警視庁捜査二課の捜査で進んでいた、水面下では裏工作が練られているので、、警視庁捜査二課でも諦めない筈だだと、大洋は見ていた。
警視庁の中にも権力者による圧力を嫌う連中も多くいたのであった、、、特に捜査二課の「秋月警部]
は変わり者だった、、おまに「公安特捜」出身なので、、経済界の裏の世界や政界の人間関係を熟知していたので、今回の贈収賄、脱税疑惑には闘志を燃やしていた。
大道寺大洋とは、警視庁特捜時代に、同じ事件でやり過ぎて、、大洋が飛ばされて、警視庁を辞めたことを知っていたので、、権力者のやり方には憤りを持っていたのである。
そして、大洋が太田黒権蔵と闘っていることも聞いていたので、、彼としては援護射撃をする積りもあった。
その結果、警視庁第二課の捜査も捗り、、、検察庁特捜課の安藤検事が上層部の言うことを聞かずに、暴走を始めたのであった。そして、太田黒権蔵の息子、「権一郎」が脱税容疑で逮捕された。
太田黒権蔵の勢力の翼がもぎ取られていった。
太田黒権蔵の娘婿の「鬼島一郎副検事正」も、、今回の孫「権太郎」の起訴検事から外されたのである。。
そして、孫「権太郎」の判決の日が来た。
丸裸にされた、孫「権太郎」は哀れであった。守る人間がいなくなったので、、、
権力者と云えども、起訴された犯罪の判決を決めることは出来なかった。
そして、判決が出た、、「懲役20年、」執行猶予はつかなかった。権太郎は判決が出ると、その場に泣き崩れた。
権太郎側の弁護士から、すぐに、申し立ての上告が行われたが、、大洋は思った、、却下されるだろうと、、余りにも、罪状が多すぎて、非道過ぎるので、、、
これからは息子「権一郎の贈収賄、脱税事件」更には、、権力者、太田黒権蔵の圧力による、歪められた行政に関しての「不正事件」などがある。。。
最終的には証拠固めをして、、「殺人教唆」まで、薦める大洋の計画を知らない、、権力者は馬鹿な抵抗をして来ると思う、大洋であった。


15)大洋は攻める手を緩めなかった。。。。

権太郎の判決が決まり、、これからは再審ができるか、、の攻防戦にはいった、
権太郎への報復は裁判の結果次第で、追い打ちを掛けて、大洋は許すことはしない覚悟で裁判を待つことにした。
その間に、警視庁捜査二課も進めている、太田黒権蔵の長男の「権一郎」の贈収賄及び脱税事件の起訴に絡んだ、証拠を立証させる動きをしていた。
第三興行土木(株)に絡む贈収賄で、、下請けの渋谷建設(株)の経理担当、鈴木利一経理係長の自殺に関して、、その妻とも会い、、事情を調べたが、、、大洋には鈴木利一が自殺したことには疑惑が残り、、過去に遡って徹底的に再調査をしたのだった。
その交友関係で、渋谷建設(株)の同期の「荒谷歳三」という男から、面白い情報を得たのであった。。。
鈴木利一が自殺したとされた日の、、三日前に「荒谷歳三」は新宿の居酒屋で酒を呑んでいたという、、その話の中で、愚痴が出て、、鈴木利一は「つくづく、会社勤めが嫌になったよ、、
今の会社を辞めようと考えている、、、」と、、話していたという。。。
そんな男が仕事の責任を取って、自殺する訳がない、、、鈴木利一は細かいことに気づかうような男でも無い、とも、、言っていた。
そして、、その帰り道、やくざ風な男、数人と新宿の飲み屋街でぶつかり、、因縁を付けられたが、、然し、、柔道5段の鈴木利一は強かった、、酒を呑んでたせいもあり、、喧嘩を買い、、殴り飛ばしていた。。
そんな威勢の良い男が、、自殺することは可笑しい、、と、、荒谷歳三は言っていた。
荒谷歳三から聞いた、、やくざ風な男たちを探し出すことにした、大洋であった。
新次郎に話して、、その状況とかで、、更には「第三興行土木(株)」に関係のある、、やくざ組織や反ぐれを調て、、その連中が分かって来た。
そこで、新次郎が今回の反ぐれ暁グループの「合田三郎」関係から、割り出して、、新宿歌舞伎町での喧嘩相手が分かったのである。
やくざとサラリーマンの喧嘩なので、、新宿歌舞伎町交番が出動していたのであった、、
そこで、大洋が警視庁資料室(今は室長に就任していた)の如月室長に頼んで、、その喧嘩相手のやくざ組織がわかった。
「しばらくですね、、元気だった、、、それは良かった、、たまには声を掛けて下さい、、」と、、言いながら、調べてくれた。
その組織暴力団は「新宿原田一家」という、、博徒組織であったが、、会社ごろとなり、、「第三興行土木(株)」の闇の部分を受け持っていた。。
そこまで分かったので、、大洋は如月室長にお礼を言った、、、「ありがとう、、近いうちに食事でもしようか、、、本当にありがとうな、、、」と、、、
そして、、その後は新次郎が、、反ぐれ「暁グループ」を使い、、当時の喧嘩相手を見つけてくれた。
新次郎に、、「喧嘩相手を見つけて、、繋がりをさがしてくれ、、、」と、、頼んだのだった。
大洋は場合によっては、、締め上げてやろうと考えていた。


16)鈴木利一経理係長の喧嘩相手を見つける。。。


























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