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黒い鳥シリーズ
黒い鳥シリーズ
しおりを挟むハードボイルド物語「黒い鳥」シリーズ原作者献残屋藤吉郎
シリーズ「ナンバー1」「乗っ取り屋」
黒鳥飛鳥の詐欺的な乗っ取り物語。。。黒鳥飛鳥は生まれも育ちも「神田の生まれ」であった。
神田の博徒一家「明神組の二代目」として、この世に生を受けて、親譲りの威勢だけが取り柄の男だった。彼が生き生きするのは夏祭り「神田明神の時」だけだった。
そんな「神田組」も、父親の黒鳥長兵衛が無くなってからは、二代目飛鳥は由緒ある明神一家を解散して、浮世旅に出た。
世間の風に吹かれて、意気な啖呵を切るよりは「八百長札」を斬ることが旨くなった飛鳥であった。
九州福岡で黒鳥飛鳥は「手形割引専門」の金融業社で会社経営や、会社経理面を学んだ。
「博多手形融資株式会社」の大前田社長から金融の手ほどきを受けて、黒鳥の才能は伸びた。
彼の天才的な、、手形扱いが「詐欺に近い模様を呈していた」ことを大前田社長は見抜いていた。
学んで覚えることではなく、持って生まれた才覚かも知れない。
株式会社の仕組み、法律的な、、商業的な、、抜け道まで熟知したのであった。
会社買収の手段や、株式譲渡方法の手段などを巧みに行い、、株式を奪う方法までを覚えた。
法律的な手段で経営すれば、会社運営には問題が無いが、、資金困難な会社や、、闇金融などからの借り入れを行う時には用心しなと、、気が付けば、株式が人手に渡り、、会社は倒産か、吸収されているから、慎重に資金繰りをしないと、、、
そこには恐ろしい「落とし穴」が「罠」が仕掛けられているのだった。
黒鳥飛鳥は覚えたのであった、味方にも敵に慣れる「乗っ取り屋」に、、味方にした場合は強い「援軍」であった。
2)飛鳥、飛び立つ。。
飛鳥は関東が恋しくなって、世話に成った大前田社長に別れを告げた。
関東に戻る新幹線の中で、、久しぶりに戻る神田を懐かしく思いながら、車窓から見える雪景色を眺めていた。真っ白く染まった山や川が綺麗に見えた。。穢れの無い真綿のようだった。
飛鳥は出来ることなら、真っすぐに歩いてみたかったのである。
東京駅に降り立った飛鳥は思った、、この人ごみの中で,いつか雑踏に踏み潰されてしまうのではと、、
そう思っただけで寒気が走った。
精々、飛鳥は踏みつぶされないように、飛び続けててやろうと振るいたったのである。
雑踏を潜る抜けた飛鳥は「神田明神」へ行っていた。
子供の頃から遊んだ神田明神の境内を歩いて、、縛らく思い出にふけった。
懐かしい境内の銀杏の大木が懐かしい,、木に登り、怒られた幼き頃の腕白時代、、まだ、「明神一家」があって、、「ボン、、ぼん」と、云われていた時代が昨日のことのように蘇ってきた。
神田明神の境内を独り歩き、参拝をしていた。
「あら、、ボンじゃないの、、ボンだよね、」と、声を掛けて来た和服姿の女性がいた。
一瞬、飛鳥は分からなかった。
近付いてきた和服姿の女性は、、「私よ、、、小料理屋の鈴子よ、、」と言われて、わかったのである。
彼女は親父が通っていた小料理屋の娘、鈴子であった。
「随分,暫くぶりね、、元気だった、、」と言われて、、飛鳥は慌てて挨拶をしたのであった。
「しばらくぶりですね、、今日,九州から、帰ったばかりですよ、、それで懐かしく、お参りに来たんだよ、、」と、、挨拶をした。
「ところで、ボンはこれから、何か予定有るの、、、なかったら、うちへ来て、お茶でも飲まい、、」と、誘ってくれた。
予定の無い飛鳥は付いていった。そして、、懐かしい人達にあったのである。
鈴子の母親が懐かしく、「ボン、、ボン、」と言ってはなさなかった。
同級生だった鈴子の家族はみんな元気で歓迎してくれたのであった。
話が弾み、時間の経つのも忘れて過ごした。そして、夕食を一緒にすることになった。
「ボンは住むところは決まったの、、、」と、聞かれて、、
「いえ、、暫くはホテル住まいで、探すところです、、」と、、飛鳥が応えると、、
「ボン、うちの離れが空いているから使えば、、賄い付きでさぁ、、」と、鈴子が言ってくれたので、話はどんどん進んだ、江戸っ子は気が短い、、あつという間に決まって飛鳥としては助かった、賄付き、風呂もあり、、洗濯までしてくれるという、ことで、、その日に決めたのであった。
住むところの心配はなく、、仕事が出来るので飛鳥にして見れば、、云うことなしの話であった。
3)黒鳥飛鳥、神田に帰る。。
飛鳥は幼馴染の鈴子、その家の離れを借りることになった、これで、明日からは昔の知り合いを訪ね歩いて見ようかと考えていた。
鈴子のお袋の用意してくれた朝飯を食べて,、ゆっくりと江戸前のお茶を飲んでいた。
そこへ、、飛び込んで来た男がいた、、、
「兄貴、、、お帰りなさい、、待っていました、、お元気でよかったですよ、、、」と、、明神一家の時の弟分の龍二が大声で飛び込んで来たのだった。
「俺ね、、ここの安兵衛茶屋にいれば、兄貴にきっと会えると待っていたんですよ、、親父さんの居場所だったからね、、本当によく、もどってくれました、、嬉しいですよ。。。」と、男涙を流していた。
「ほかの連中は皆、暴力団に入って、今どきの金貸しやその取り立てをしてますよ、、」
「ああ、、それからね、、兄貴と兄弟分だった誠二さんは、神田須田町で小料理屋をやっていますよ、、」
「いろは」と、、云う小料理屋で「深川で芸者をしていた、いろはねえさんと、、」
「後で案内しますね、、、喜びますよ。。」と、、隆二は言ってくれた、、いい話はそれくらいと、、、
それでも飛鳥は楽しみにしていた。
「ところで、、兄貴が何をしても、、俺は付いていきますからね、、宜しくお願いしましすよ、、もう、:別々はいやですから、、、」と、、龍二は今から、どこへでも付いていく覚悟を見せた。
4)黒鳥飛鳥、、手形割引を始める
弟分の龍二はその日の内に、飛鳥の部屋に転がり込んできた。用事がある時には飛鳥に付いていくけど、普段は「安兵衛茶屋」で板前をすることにしていた。
飛鳥たちが話しているところに、「安兵衛茶屋」の娘の鈴子が入って来て、、
「良かったね、、ボン、、龍二が来てくれて、、ああ、、それからな、、龍二はボンの手伝いを優先にしていい、、て、お父ちゃんが言ってたよ、、」
と、、云いながら、、
「早速だけどな、
うちのお客さんで困っている人がいるのよ、、なんかな、、手形をパクられたとか、、手形詐欺に有ったとか言ってたわ、、、相談のってやれないか、、、」
その話を聞いた飛鳥は話を聞くことにした。
そして、、鈴子のお客で手形詐欺に有った人間と会った、小橋貞夫という、、町金融の親父だった。話を聞いて、飛鳥は仕事始めの小手試しに丁度いいと思った。
手形詐欺に有った手形の金額は「500万円」だったのである、、飛鳥が九州で扱っていた金額にしたら、、「お飯事の子供だまし」であった。
飛鳥は話を聞いて、割引をすると言って、、、早い話が「パクられた」のである、、騙されたのであった。
その結果、飛鳥は騙された町金融の権田一郎を連れて、、手形割引をするという金融業者を訪ねた。そして、街金融の権田一郎に紹介されて、手形割引を依頼した。
一流企業の約束手形であった。誰が見ても、、どっから見ても一流建設会社の約束手形であった。
「調べてくれてもいいですよ、、調査をかけてください、、」と、念を押した。
事務所の奥に引き下がった、真垣支配人は10分ほど待たして出て来た。
「1000万の約束手形ですね」と言って、「分かりました、、おわずかりします」と、、了解をしてくれた、
「ところで相談なのですが、、先に割引を依頼した権田社長の手形500万円を、その1000万円手形と交換してくれませんか、、、割引利息を値引きしますので、、、信用の有る一流手形の方が価値が有るでしょう、、
理由は500万の約束手形は不渡りになるみたいなので、権田社長の金融会社を助けて欲しいのです、、、」
飛鳥は力説したのであった、
倒産した後の面倒な手続きよりは、安全に儲かった方がいいのではないかと、、
先方の会社の真垣支配人は納得して、割引に頼んだ500万円の約束手形を引き上げて来た。
そして、割引を頼んだ「1000万円の約束手形の一流会社」は倒産をしたが。
飛鳥は値引いて割り引いてもらった現金500万円を奪ったのであった。
詐欺師の上を行く天才詐欺師「黒鳥飛鳥」であった。
この世は欲が深い奴が騙されるのである、、罠に嵌ってしまうのであった。禁欲亡者の蟻地獄ならぬ「金地獄に」、、、
ほどほどに、、欲を貼らないと、、、、
5)天才詐欺師「黒鳥飛鳥」、、東京の舞台で、、、
今回の手形詐欺事件の件で。。話を聞いた「小橋貞夫」から、町金融の権田社長を通して連絡が入った。是非に聞いて欲しいと依頼があったのである。
小橋貞夫の娘婿の会社が集団詐欺の罠に嵌り、、会社が乗っ取られれる寸前なのでなんとかなりませんかと、、「助けて欲しい、、」と、頼まれた。
そこで黒鳥飛鳥は尋ねた、,,弟分の龍二も付いていった。どこに行くのにも付いていくと決めた
龍二であった。何があっても、今度は離れないと決めていたので、、、
小橋貞夫と共に、渋谷建設工業株式会社の本社ビルを訪ねた。
渋谷建設工業(株)の応接室で、小橋貞夫と同社の専務取締役小橋正二郎に会い、、事情を聴いた。
資金繰りに苦しんでいた同社は、、銀座総合金融株式会社に2億円の手形割引を依頼したのであった。形は約束手形を担保にした「融資」であった。
渋谷建設工業(株)は資本金1億円の中堅処の建設会社であり、、年間受注額も「10億円程度」の売り上げで、最近は入札するにも「経費」が嵩みすぎて、赤字経営だった。
会社としても経費節約のための「人員削減」や「設備投資」も控え、、、更には「営業経費も削減」してきたが、、不景気の波に押され気味であった。
「経営陣」も刷新して若返りを計ったりしてきたのであるが、、積み重ねて来た「会社方針」をなかなか、、変えることができなかった。
そんな中で、大手企業の「第一土木株式会社」との吸収合併の話も持ち上がってきたが、、旨くまとまらず、、今回の手形割引という事態になったのであった。
融資条件は厳しかった、、、期日に決済が出来なかった場合の条件が、、、
渋谷建設工業(株)の株式を役員たちで保有する「株式の55%」を譲渡することを書面で合意したのであった。
渋谷建設工業(株)の大きな利権は「特殊な建設工法特許」にあった。
しかし、今回の融資は絶対に受け入れて、、次回の入札に期待を掛けたのであった。
そんな会社事情を聴き、、最悪の場合、、会社を守れるかどうかを、指南して欲しかったのであった。
黒鳥飛鳥は話を聞き、簡単な資料を受け取り、、考える時間をもらった。
聞いていた龍二はちんぷんかんぷんだった、、兄貴は凄いな、、と、、思いながらため息交じりに唸ったのである。
6)今回の相談は無理があった。
黒鳥飛鳥は考えた。今回の手形割引の取引には欠点は無く、、全て、合法的であった。
話を聞いた飛鳥は悩んだ、、何としても、手形割引で得た金は期日には返済する義務があり、返済が出来なければ「株式55%」は譲渡しなければならない。
しかし、渋谷建設工業(株)には恨みがあったのであった。
渋谷建設工業(株)にとっては、過去に於いて、渋谷社長を始め、役員一同、創始者家族にとって、屈辱的な遺恨があり、その傷は深かったのである。
一度だけ資金危機があって、親会社と下請け会社の関係で同じ仕事をしていた時に、知らん顔をされて、、不渡りを出したことがあった。
渋谷社長は平身低頭に頼み込んだが「資金手当が出来なければ、、勝手に倒産すれば、、うちではあんたら下請けの会社を面倒見るいわれはない、、、」と、、冷たく突き放されたのだった。
しかし、、「建設工法に於ける特許」を取得した会社ならと、、爪を伸ばしてきたのである。
渋谷社長たちは腸が煮えくり返っていたが、、今の時代、資金が無ければ弱いものだった。
それならばと、、「手形割引」で一矢報いたくて、不渡り覚悟で、少々の資金を取ってやろうと考えたのであったが、、、その先に進まなかった。
そこで、今回、助けた小橋貞夫の従弟にあたる、、「渋谷建設工業(株)の小橋正二郎専務取締役」を紹介されて、、事情を聴いた。
悪い相談だが、、割り引いて、その資金を「ねこばば」する話であった。
犯罪にならずに、、騙した相手からも追及されずに、「2億円の手形割引き」をした「現金」を詐取することだった。
その話を聞いた飛鳥は、返事をしたのだった、、「出来ることは出来るが、、あなた方の信用はなくなる、、、」それでも恨みを晴らしたいのかを確認した。
そして、飛鳥は渋谷建設工業(株)の渋谷社長にも会い、、再確認をして、、更に念を押した。
黒鳥飛鳥はその確認をして、、引き受けた。
割引をした約束手形は「第一土木株式会社」振り出しの手形であることも確認した。
飛鳥は渋谷社長や小橋専務取締役の前ではっきりといった。
「これは詐欺の一種ですからね、、、上手に扱えば、犯罪にはならないが、、すれすれですから、、内容を細かく知っている者は少ない方がいい、、口の堅い人でないとできないですよ、、」
飛鳥は念を押した、、、「この計画に加わる人は、出来るだけ少ない方がいい、、いいですか」
と、、、そして、この計画に参加するものは、、「渋谷社長と小橋専務と誰か経理責任者を選んでください、、それから、計画を話しますから、、」
と、、飛鳥は言いながら、、
会社の回答を待った。
7)不渡りにした約束手形の処理
黒鳥飛鳥は渋谷建設工業(株)の返事をまった、、そして、、翌日に返事が来て、飛鳥は一人で出向いたのであった。
そして、念には念を入れて、、用心して、会社とは別の場所を選んで、渋谷社長の選んだ3人と出かけた、、、飛鳥は3人を連れて「安兵衛茶屋」を選んだのであった。
そして、一番安全な飛鳥が借りている部屋で話をすることにしたのである、、
飛鳥は弟分の龍二に「いいか、、誰も近づけるなよ、、いいな、、龍二」と言って、3人を連れて部屋にはいった、
飛鳥は渋谷社長他2名に厳命した、、今回の行動は内密に、、ことが成就するまでは誰にも知られてはまずいですからね、、、いいですか、、、約束できますか、、、」と、念を押して話始めた。
そして、3人は飛鳥の話通りに行動したのであった。
黒鳥飛鳥の説明を聞いた時に、、「凄いな、、、本当の詐欺師はこうするんだ」と、、感心したのであった。
話が済んだ後は、、全て、相談報告は小橋専務が、飛鳥の元を訪ねてすることにした、、
あらゆることが外に漏れないように、秘密裏するためには電話連絡は小橋専務が「会う日時」を決めるだけにして、話合いはあってからということにした。
そして、飛鳥が指示した実務の行動は田嶋経理部長が動き。
飛鳥が指示してから約1か月で計画通りに出来上がり、、約束手形決済の1か月前に準備は終了したのだった。
渋谷建設工業(株)内部では誰ひとり気づかずに、、「渋谷工業建設株式会社」が東京都内の現在の渋谷建設工業(株)の所在地を別の行政区に設立したのであった。
代表取締役を現在の渋谷建設工業(株)には全く関係のない人間が就任していた。
資本金も「1億5千万」で、、更に「運転資金も5千万円」を準備して、銀行口座も新しくしていたのであった。
そして、現在200名の社員の中から。優秀な社員だけを選び、、約80名に縮小していたのであった。
手形割引をした手形を不渡りにするまで、、残した社員で業務をしていたのであるから、、悪質な計画倒産であった。しかし、、そうは見せない資金ショートによる、倒産劇に見せた飛鳥の詐欺師的倒産はみごとだった。
不渡りを出した場合は、「返済は考えずに」「株式の55%を譲渡する」という契約だったので、渋谷建設工業(株)の発行した手形は不渡りになったが、、割り引いた「第一土木株式会社」の約束手形は履行されたのだから、金融取引では問題がなかった。
その保障として渡した「渋谷建設工業(株)」の約束手形が不渡りになっただけであり、、その責任は株式譲渡で済んでいるので問題なしだった。
その後の後始末問題は残ったが、両社で話合いで無事済んだ。
「建設工法の特許」が手にはいったのであるから、、「第一土木株式会社」としては、結果的には買収したと思えば安かったようなことであった。
また、渋谷社長にしてみれば念願の恨みが晴らせたのであるから、、、万々歳であった。
「建設工法の特許」などは、作った側には何でもないことであった。
8)黒鳥飛鳥は天才詐欺師であった。
今回の渋谷建設工業(株)の救済と恨み事を含んだ「手形割引事件」の話を聞いた,「安兵衛茶屋」の娘、鈴子は飛鳥を見直したのであった。昔の威勢のいい「神田の兄さん」だった遊び人がどんな形であろうと人助けをしたのだから、ビックリ魚天だったのである。
飛鳥は今回の事件で少々疲れたので、弟分の龍二を連れて、神田明神を訪れた。秋も深まり、境内の大きな銀杏が黄色い葉っぱを風に飛ばしていた、、境内いっぱいに、まるで、黄色い絨毯を敷き詰めたように綺麗だった。
今年も残り少なくなってきて、、もうすぐ「初詣」か、、神田の正月が懐かしかった。
そんな感傷に慕っていたところに、安兵衛茶屋の鈴子がやって来て、、
「ボン、、今年ももうすぐで終わりだね、、来年の正月は初詣が一緒に出来るな、、何年振りかな、、、嬉しいよ、、連れてってよ、、」と、、笑みを浮かべて、飛鳥が座っているベンチに腰を下ろした。
「龍二、、来年こそは一緒に餅つきをしたいから、、忘れるなよ、、」と、、早いもんで話は正月に飛んでいた。
「ボン、、今夜はね、、うちのお母さんが一緒にご飯を食べようって、言ってたよ。。」
と、、飛鳥は鈴子に誘われた。
久しぶりに、家族ではないが、、一家団欒の食卓を囲みたくなっていた。
神田明神から安兵衛茶屋までは、洒落た銀杏並みかが続いていた、、飛鳥たち3人は秋の終わりを楽しみながら、久しぶりの休みをゆっくりした。
夕食は安兵衛茶も休みだったので、鈴子の母親の鍋料理を楽しんで、美味しくご馳走になったのであった。
平穏な江戸下町の風情が漂う茶屋で食べる、ドジョウ鍋に舌鼓を打った飛鳥であった。
「いいな、、静かな平穏は、、家庭の中に笑顔が溢れている、、幸せだ、、」と、飛鳥は痛感したのであった。
9)渋谷社長から連絡が、、、
今回の手形割引きの件をみて、、渋谷社長から連絡が入り、是非に会いたいというので、、黒鳥飛鳥は龍二を連れて新しく設立した、会社を訪問した。
年も明けて、新年の10日だった。
東京の正月の冬景色はまだ、、着物姿の見られる街並みがあった。
そんな下町の浅草は何とも言えない正月情緒が見られた。。。
黒鳥飛鳥が新規会社の「渋谷工業建設(株)」の新社屋に入って行った。
飛鳥の指示通りに古びた下町の裏通り、目立たないところにその本社ビルはあった。
周囲のビルも古く、、中には木造造りの倉庫風な社屋もあり、、誰が見ても将来性のある会社にはみえなかった。
飛鳥が行くと、、三階の応接室に通され、そこには渋谷社長、小橋専務と田嶋経理部長の三人が待っていた。
そして、「よく来てくれましたね、、、、先日はありがとうございました、、、お話というのは、うちの小橋専務から話しますので、宜しくお願いします。。」
と、、挨拶をしてくれた。
その話というのは、、手形割引の仕事のことであった。
世の中には大手企業の業務の一つに「手形割引」という仕事があった、、、それは大きな収益になっていた。
そこで、大手企業に利益を吸い上げられて、倒産したり、吸収されたりする中小企業や個人企業が多いのだった。
そこで、それらを救済する会社をつくりたのですが、、力を貸して欲しいと言われたので。詐欺師黒鳥飛鳥は、快く承諾した。
自分の詐欺的な天才才能を人助けに仕えるならと、、、強気を挫き弱気を助ける鞍馬天狗のような、、スーパーマンのような事をして生きるのも、また。人生かと思えたのである。
今の世のなか、、どっちかと言えば、、強気を助けて、弱気を挫く、、変なご時世だ。。
悪人と言われるよりは「正義の味方」も良いかもしれないと。。。
「神田一家」の極道の血を引いた、男一匹なのかもしれないと思った。
神田明神の男祭りのように、燃え切ってやろうと覚悟した飛鳥であった。
10)天才詐欺師が救済仕事師になる。。。
黒鳥飛鳥は今回の話が有った時に思ったのであった、天才詐欺師と言われながら悪行に身を置くよりは、人助けの道を行くことが、、先祖代続いた「男家業」を売る「神田一家」にもいいと思われた、、また、飛鳥を兄貴と思いついてくる龍二の為にもと、、、飛鳥は渋谷社長たちの話にのったのである。
今回は依頼者からの手形割引や「金融取引の話」があってから、その内容を検討して、飛鳥が決定をした物件だけを引きうけるということで話はまとまった。
今回の事で一番大事なこと、、それは大儀名分であった。
あくまでも救済事業であること、、出なければ「詐欺事件」になってしまうので、、、終局的には「詐欺行為」には変わりはないが、あくまでも救済であり、、相手側から告訴をされないことが必要条件であった。
そこが黒鳥飛鳥の腕の見せ所だと自負していた。
いうなれば「義賊」なのだ、、、、強気を挫き弱気を助ける義賊団なのだった。
大きな利益を得て、暴利を貪るようなことをしてはならないのである。
正当な救済利益を得なければならないことであり、悪人退治というか懲らしめなのだった。一つ間違えば犯罪になるからだ、、、
それらの条件で、渋谷社長から相談が持ち込まれた。
仕事仲間の中堅処の建設会社から頼みというか助けを求められたのだった。
国土計画の一端の造成工事に絡む収賄で、、大手企業「大日本土木株式会社」の下請け工事であるが、総利益の15%を横取りされる形の仕事であった。
勿論、談合で有るから利益の上乗せはしてはあるが、、土木工事で有るので、蛇が出るかどうかの分からない造成工事であった。
危険すぎる土木工事であったが引き受けたら最後、仕上げなくてはならなかったのである。
入札に大物政治家が絡み、、欲の皮を張っていたので、初めから甘い汁は吸われているのであった。
そして、絶対に安全な談合贈収賄は無いのであるから。
大規模な工事になればなるほど、、競争相手はいるので、、探り合いが多く、刺されることも有った、悪徳政治家も絡んでおり、、大企業までもが談合に絡んでいるのであるから、、
一重にも二重にも予防線を張っている筈であった。
最悪の場合は全てを下請け業者の責任で逃げるのであるので、、談合贈収賄は恐ろしい仕組みであった。
その犠牲というか、餌食なったら、中堅処の建設会社は一たまりもなく潰されてしまうであるので、、、渋谷社長に相談が来たのであった。
黒鳥飛鳥は考えた、、悪人というものは凄いなと思い。
話を聞いて、まともと言われる企業の恐ろしさを知らされたのである。
11)始めから贈収賄を計画する企業、、、
黒鳥飛鳥は恐ろしさを覚えた、、始めから計画して、狙った会社を食い物にして、潰す相手だから、それに対抗するためには、かなり高尚な罠を張らなければならなかった。
そのためには二重三重な謀略をかんがえなければならなかったのである。
相手が気が付いた時には、敵を「蟻地獄」へ片足を誘い込んでおかなければならなかったので。
まずは甘い罠を仕掛けるところからの計画であった。
先方の騙し集団の中の誰かを、「甘い汁」で誘い込む必要があるのだ。
欲張りが一番いい、、、欲の深い奴は罠にかかりやすいので、、、
黒鳥飛鳥は調べた、、今回の談合贈収賄で一番得をする奴は誰だと、、すると、一番儲かるやつは、、大物政治家「悪党と言われる自民党の三宅宗児幹事長」であった。
次が「大日本土木株式会社」の大場東洋代表取締役が今回の贈収賄の主人公であった。
従がって、会社とこの二人が一番儲かる奴である。。
その他には経理担当の、「大江田史郎取締役」がいた。
その中で、今一番「金が欲しい奴」を調べて探した、、、家を新築したばかりで、株式投資で損をして居る奴がいた。
経理担当の大江田史郎取締役だった。担当経理でもあり、、飛鳥を狙いを定めた。
そして、計画を立てた。。更に、大江田取締役の素行調査もした。。。彼には盲点がいくつかあった、、「女好きで、、酒が好きで、、会社の交際費で、、結構、遊んでいたのである。」
その割には持てない遊びであったので、、好きいる所を見つけて、、抜き差しならぬ「罠」に嵌めてやれと、思った飛鳥であった。
大江田経理取り締まりが通う、銀座のクラブ「ガラスの泉」に張り込んでいる女が居るので、、飛鳥は近付き口説いた、、、飛鳥は女には持てたので。
やがて、銀座のクラブ「ガラスの泉」のホステス鏡花と、外で食事をするようなり。時間はかかったが男と女にもなり、、頼みごとをしていた。
そして、悪には悪を講じて、騙したのである。。
その罠にかかった「大江田取締役」は、抜き差しならない、男と女のスキャンダルになるような写真を撮られたのだった。
それ以後は、飛鳥の罠に大江田経理取締役は、云うことを聞かざるを得なくなり、、最終的には手形詐欺に関わったのであった。
予定取りに談合が行われて、、入札は大物政治家「自民党三宅宗児幹事長」の指示通りに落札さえた。。。そして、、リベートとして落札価格の15%が自民党三宅幹事長へ支払われた。
その談合贈収賄疑惑がある一部の人間から、指されて、国会で問題になったので。
国税庁も動いたのである、、、当初は噂話でもみ消されていたが、、黒鳥飛鳥が動いたのであった。
落札した工事はまだ、、始まっていなかったので、、大日本土木株式会社の関連企業から、手数料15%を自民党幹事長三宅宗児に約束手形で支払われていたのであった。
闇の存在する「闇金融」で現金化されていたのであるが。
その約束手形を飛鳥は、大江田取締役から「写し」と状況写真でもらっていたのであった。
そして、、黒鳥飛鳥は「大日本土木株式会社」に乗り込み、、同会社の大場東洋社長との話し合いの結果、、犠牲になるべき会社は命拾いをしたのであった。
全ての損害金は、事件を明るみしない約束で秘密裏に行われた。
見事な結果に渋谷社長たちは安堵もして、、その手腕に驚いたのである。
天才詐欺師、、さすが、黒鳥飛鳥であった。
街並みには桜が満開に咲いていた、、靖国神社の花見客は昼も夜も溢れたいた。
飛鳥は神田明神の桜を龍二と見ながら「安兵衛茶屋」に急いだのであった、今夜は家族同様の仲間内での花見の宴が待っていたので。
12)安兵衛茶屋で花見の宴。。。
飛鳥と龍二は安兵衛茶屋の花見の宴に招待されて、、久しぶりにゆっくり、花より団子を楽しんだ。飛鳥はありがたいと感謝していた。。もとは「神田一家」の博徒の息子を、今でも、何の隔たりもなく、付き合ってくれる、鈴子の家族には、何といって、お礼を言えばよかったか分からなかったが。ただ、感謝するだけだった。
安兵衛茶屋の庭に咲いている夜桜が、飛鳥には眩しかった。
「ありがとう、、おじさん、おばさん、、鈴子ありがとうな、、うれしいよ、、」と、、云いながら酒を呑み、旨い酒だった。
そして、、安兵衛茶屋の夜はふけ、、、楽しい宴だった。
飛鳥の日課であり、、朝は6時に起きて、神田明神へお参りに行き、、その境内で朝の体操をすることだった。朝の早い、神田明神の境内は人もいなく、、飛鳥にとっては気持よく過ごせる場所だったのである。
それで、、安兵衛茶屋での朝飯は旨かったようだ。
天才詐欺師、黒鳥飛鳥の一日が始まるのだった。
午前10時までに連絡が無ければ、、飛鳥の特別な仕事はないので、、その日は休日であった。
「龍二、、久しぶりに新宿の街に出てみるか、、お前もなんか、同じものばかり着てるから、洋服でも買おうか、、、」と、龍二を誘った。
「本当ですか、、いいですね、、欲しいジンーズがあるんですよ、、いいですか、、」はしゃいで見せた。
二人は出かけた、そして、龍二の気に入ったジンーズの上下を買って、早速に着替えた、、背が高い龍二は似合っていた、ついでに
ジンーズにあった「ブーツ」も買い、、上機嫌であった。
「龍二、、悪かったな、、今日までタダ働きでな、、これは少ないが、、取っておいてくれ、、」
と、、云って飛鳥は龍二に「20万円」を渡した。
「いいんですか、、こんなに貰って、、、ありがとうございます、、何もしないで、兄貴について歩いてばかりですません、、、」
と、、龍二は頭を下げた、、
「馬鹿野郎、、本当はな、もっとしてやりたいんだが、、事務所も出さないといけないのでな、、もうしばらく、辛抱してくれ、、」と、、飛鳥は謝ったのである。
「龍二、お前も大変だと思う、、妹さんのことを考えるとな、、今日はこれから、行って来いよ、、」
と、、飛鳥は知っていたのであった。不治の病にかかり、入院していることを、、
「いいか、、龍二、、これからは休みを取って、必ず、妹さん処へ言って来いよ、、それは俺との約束だ。。。いいな、、」
と、、言ってくれた飛鳥の思いやりに、龍二は目頭が熱くなった。
「わかりました、、行ってきます、、」と言いながら、新しいブーツとジンーズ姿で飛んでいった。
龍二を見送った飛鳥はひとり、新宿のビル街を歩きながら,ふと、目に留まったお洒落なカフィに入っていった。
13)新宿の雑踏な中で飛鳥が襲われる、、
久しぶりに飛鳥は龍二を送ってから、一人、新宿の街並みを歩いた、、飛鳥は20代の血潮滾るころに肩をいかって歩いていた頃が懐かしく、紀伊国屋書店の中を本を買う訳でもなく、何となく、、かっこつけていたあの頃の空っぽ飛鳥が恥ずかしかった。
飛鳥は一人、昔の思い出にしたりながら歩いていると、、ドーンとぶつかって来た男が居た。
その男が通り過ぎた後に、飛鳥は「じーーん」と、熱いものを感じて。
痛みはなかったが、、触れてみて、、自分の手が真っ赤だった。
「しまった、、、やられたな、、」と、思いながら倒れて、、痛みが全身を走った。
「きゃあ、、」という悲鳴が聞こえたのであった。
誰かが救急車を呼んでくれた、、、飛鳥は気が付いたら病室のベットの上だったのである。
飛鳥は事の重大さに気が付いて、、恨みを買っていたんだと、、、、
そして、飛鳥の周りには警察関係者も来ていたが、、何を聞かれても分からなかった。
何処で聞いたかは知らないが、、龍二が来ていた。
「兄貴、、すいません、、俺がいればよかった、、本当にすません、、」と、頭を下げて謝ったいた。
飛鳥も龍二が来た頃には手当ても終わり、話ができるようになっていて。
「龍二、、お前が謝らなくてもいいよ、、余計な心配かけたな、、すまん、すまん、、」
と、飛鳥は気遣いをしたのだった。
その頃には飛鳥の身分証明書から警察が住所を調べて、、安兵衛茶屋の鈴子も来てくれていた。。「大丈夫、、ボン、、刺されたと聞いた時はビックリしたよ、、でも、元気でよかった、、」
今度は回帰祝いをしなくちゃならないね、、と、笑みを浮かべて無事を喜んでくれたのである。
「兄貴、、外へ出る時は、いつも俺が傍ににいるからな、、兄貴は大事な体なんだから、、本当に気を付けてよ、、」と、、云いながら龍二は自分に言い聞かせた。
飛鳥の腹の傷は深く、運よく急所を外れていたので、今回は命っ拾いしたのであるが。
新宿総合病院の特別室に移り、、半月ほど入院した。
その間に渋谷社長たちもお見舞いに来てくれた、、、
これからの仕事は出来るだけ、秘密裏に行動して、飛鳥は表面には出ない、「影の人」になる必要があると考えた飛鳥であり、、周りの関係者も「影の知恵者」であることがいいとしたのであった。
14)計画的な談合屋グループには目障りな黒鳥飛鳥であった。
世の中の悪行を計る「談合屋グループ」の中でも、黒鳥飛鳥の存在は知られるようになり、邪魔な男と噂をされるようになった。
そして、計画的に国家プロジェクトによる談合を仕切るグループにとって、黒鳥飛鳥が目障りな存在になってきた。
計画的な談合により、:落札した工事物件の利益が阻害され始めた、厄介な邪魔者になりつつあったので、早めに目を積んで於こうとしたようだ。
その情報を得たので、飛鳥に伝えようとした矢先の事件であった。
「飛鳥さん、、談合グループが貴方を狙っている様だ、、」と、、小橋専務が知らせて来た時が、飛鳥が刺されて、入院した時で。
「遅かったか、、すいませんでした、、これからは気を付けて下さい、、談合屋グループもかなり、、焦ってるようですね、、」と、、心配したのである。
「分かりました、、気を付けましょう、、今回の傷は大丈夫ですよ、、多分、脅しですね、、」と言いながら笑いとばした。
傍にいた龍二が、、「二度と、兄貴には近づけませんよ、、俺が身を張って守りますから、、大丈夫ですよ、、」と、、言うと、、
「お願いしますよ、、飛鳥さんは大事なひとですからね、、」小橋専務が念を押すように言った。
「飛鳥さん、情報は早く入れますから、、本当に気を付けて下さい」と、、云って帰って行き、
「兄貴、外へ行く時には防弾チョッキをつけてください、、用意しますので、、」と、、龍二は心配してくれた。
春も桜も脚早に過ぎて、暑い夏がやって来た、、飛鳥も退院して、安兵衛茶で快気祝いをしてくれた、、夏の夕暮れの日暮らしが、安兵衛茶屋の庭に有る銀杏の木で、奏でていた、、、いつ聞いても日暮らしの鳴き声はいいと思った飛鳥であった。
その日暮らしの奏でる中で、、夕涼みをしながら、鈴子の作ってくれた「氷入りそうめん」は冷たく美味しかった。
15)談合屋グループとの闘い
黒鳥飛鳥は怪我の療養中に考えた。自分を潰そうと狙った談合屋グループの喉元を食いちぎってやろうと、、作戦を試行錯誤したのだ。
今の談合で絡んでくるのは、常に自民党幹事長「三宅宗児」が中心になって、大手企業が贈収賄の舞台に参画して来る仕組みを呈している。
その談合贈収賄を段取りする、グループが形成されているようだった。そのグループの構成人脈や系列会社を調べることを優先として、飛鳥は動き出した。
その結果、入札条件のより大きな物件を選び出し、、あらゆる国家関連の事業に的を絞って、情報を集めさせるのだった。
そして、情報を集める専門家たちを、自民党三宅宗児幹事長は束ねていた。
更に、裏方として暴力団「関東連合辰巳会」の辰巳隆三会長を抱き込んで、その暴力的威圧を利用していたのである。
飛鳥の踏査で分かったことは、三宅宗児幹事長の直属の司令塔ともいうべき、組織は「三宅政治研究会」という政治結社であった。
その仕組みの絆を壊すことから、飛鳥は行動を開始したのであった。
しかし、そのつながりは固く、容易に崩せないような気がしたが、、人間の心とは分からないものだった。
見つければ、必ず、どこかに綻びはできる筈だ、、、それを見つけること、、探し出すことが今回の鍵のような気がした。
まずは三宅宗児政治研究会のメンバーを調べた、飛鳥であった。
集団であるから、その中には必ず、何かしらの欠点や汚点を持つものが居る筈だと、、狙いを定めて、一人のメンバーに目を付けた。
三宅宗児政治研究会の副理事長をしている「毒島三郎」という男だった。
その毒島三郎の素行調査を、龍二にやらせて、、徹底的に調べたら、、女好きで、大酒飲みだったのである。その結果、新宿歌舞伎町のスナック「ぼんぼり」の康代ママで有ることを突き止めた。早い話がスポンサーをしていたのである。
男と女が絡めば、大きい小さいはあっても金は動く、必ずと言っていいほど、裏金も動くので、その辺の秘密を掴めば脅しは聞く筈だ、、
そのために飛鳥は、龍二をその店のバアテンダーでもうぐり込ませたのであった。
そして、龍二から連絡が入った、、「兄貴、ぼんぼりのバアテンダーで入り込みましたよ、、何かあったら連絡します、、」と、、
飛鳥は指示を出した、「いいか、龍二、毒島三郎の動きに注意してな、、しかし、無理は擦るなよ、、関東連合会辰巳会が絡んでるから、、気を付けてな。。」
龍二は「大丈夫ですよ、、心配しないでください。。」と、返事をくれた。
一方、飛鳥は小橋専務に連絡を取り、、自民党三宅宗児幹事長の動静を調てもらっていた。
そして、飛鳥は関東連合会辰巳会の動きを監視していた。
それらの動きで、飛鳥は談合屋グループの分裂を計ろうと考えていたのである。
飛鳥が新宿で刺されて、入院生活も長かったので、そろそろ、秋も深まり秋風が涼しいというよりは肌寒く感じるようになってきた。
今年中にはめどをつけて、来年の春には勝負をかけてやろうと考えたいた飛鳥であった。
16)龍二が探偵を、、
新宿歌舞伎町のスナック「ぼんぼり」にバーテンダーとして潜り込んだのである。
そして、そのスナックのスポンサーである毒島三郎を見張らせた、、毒島三郎は「三宅政治研究会」の副理事長をした居たので、関東連合会辰巳会とも連絡を取るだろうと睨んでの飛鳥かの作戦であった。
毒島三郎副理事長は女が絡んでいるので、金銭的に必ずと言っていいほど不正はある筈だから、、その辺を探る様に伝えたおいたのである。
龍二のバーテンだは板に付いていた。
いかにもオーナーでございと言うような顔をした男ががやって来て、、、
「あんたが、新しいバーテンダーか、、どの位の経験があるんだ、、ところで名前は、、、」と聞いてきたので、、
「田中龍二と言います、、宜しくお願いします、、」と、、挨拶をしておいた
「ああ、、頑張れや、、俺のことは憶えておけよ、、」と、、言って、いつも飲む酒を教えてくれた。「酒は俺専用で置いてある日本酒で冷でな、、」と、、、言いながら、ボックスの席に移ったのである、、客が来たらしいので、、
龍二は腹でせせら笑った、、何が日本酒で冷だよ、、、と、、そして「今に見てろよ、、」
と、デブの毒島三郎を見て、、「女なんかに持てる奴じゃないよ、、お前なんか」と、思いながら、毒島三郎が座った席に酒を運んだ。
毒島三郎が接待した客は、どう見てもやくざにしかみえなかった。龍二はそれとなく、、お店の女に聞いてみたら、、「関東連合会辰巳会の嶋田副若頭ということだった、
17)龍二の活躍
龍二が歌舞伎町のスナック「ぼんぼり」に潜入してから、毒島三朗に関する情報が飛鳥の元に届いた。その点は龍二のお手柄だったのである。今までに知らなかった、三宅政治研究会の人間関係や、関東連合辰巳会の事も分かる様になってきたのであった。
龍二の仕事ぶりをみて、康代ママにも信用されるようになり、、度々、康代ママの自宅マンションにも行くようになったのである。
そこで龍二は飛鳥に教えてどもらった手順で、マンションの登記簿謄本を取ってみたが、、名義は毒島三郎になっていた、龍二は「馬鹿だね、、、けちけちして、女をつくるならマンション位はプレゼントしろよ、、」と、、言いたかった。
その報告は飛鳥に告げた、、そして、、今度は毒島三郎の確固たる悪事というか、資金流用の事実を掴んでやろうと考えたのであった。
その為に龍二は仕事は必死に手抜きせずにやり、、康代ママにも毒島三郎にも気にいられたのである。
時には毒島三郎に臨時の運転手を頼まれることも有った。そして、三宅政治研究会のメンバーの送り迎いを時もあり、龍二はしっかり「メモ」を取っていた。
そんなことで、飛鳥は龍二からの報告で、調査をして、三宅政治研究会と関東連合会詳しく、知ることが出来たのである。
そして、龍二は康子ママの部屋に盗聴器を仕掛けることが出来て、毒島三郎の秘密を暴けたのであった。
毒島は何でも康代ママに話していたのである、、、大事な秘密までも、、、
飛鳥の狙った通り、毒島のアキレス健は康子ママであった。そして、三宅政治研究会の泣きどころは毒島三郎だったのである。
龍二のお陰で、三宅宗児グループの実態が摘めてきたのだった、今一息かな、喧嘩を始めるのは、、と、、思う飛鳥であった。
18)毒島三郎の陥落、、、
龍二の働きで、毒島三郎の隠された秘密がわかった。三宅宗児政治研究会の運営費を管理する立場にいた毒島三郎が流用していたのである。
小者の商いではあるが、その運営費で闇金融を入ていた、それを担当していたのがスナック「ぼんぼり」の康代ママで、貸付先は水商売のホステスたちであった。
高い金利で貸していたので、スナック「ぼんぼり」と、毒島三郎の小遣い稼ぎにはなっていたのだった。
その秘密と,康代ママの為に購入したマンションだけで、飛鳥は十分だと思った。更に,龍二が集めた情報の人脈関係だけで、三宅宗児幹事長を頂点にした「談合屋グループ」と闘う準備が出来たので、飛鳥は龍二を引き揚げさせたのである。
喧嘩相手の秘密探索の為に、探偵をしてくれた龍二に飛鳥は礼を尽くし、久しぶりに戻った龍二と食事をした。
その晩は、「「神田一家」で兄弟分だった「荒川誠二」の店に顔を出した、そして、久しぶりに飛鳥と誠二は、龍二を挟んで酒を呑んだ。誠二の恋女房の昔の源氏名は「いろは」だった、沙織も交えて、深川の誠二たちの小料理屋「いろは」で暮れの寒い晩ではあったが、誠二の作ってくれた「鍋料理」で、心が温まった。
「飛鳥、、本当に暫くぶりだな、、何の音さたもなかったので、心配してたよ、、元気で何よりだ、、」と、、誠二が昔を懐かしんで,恋女房の三味線に合わせて、洒落た長唄を聞かせてくれた。「誠二も元気で何よりだ、、然し、いつ聞いてもいい声だな、、それと、沙織さんと一緒だったのでよかったよ、、、龍二から話は聞いてはいたけどな、、、」
と、、二人の話は尽きなかった。
「飛鳥さんも元気で、本当に良かったわ、、東京へ戻ってきたのなら、顔を出してください、、いつでも歓迎しますから、、」と、、笑みを浮かべて話してくれた。
龍二も嬉しかった、、二人が揃うと昔の「神田一家」を思い出し、、楽しかった夏祭りが懐かしかった。「よかった、、二人が会えて、、本当に良かった、」と、、涙が込み上げてきた。
威勢のいい兄弟分で、ことあるごとに、二人で吹っ飛んでいく男気を思い出していたのである。
深川の川風は空っ風が吹いて、震えるほど寒かった。
遅くまで親交を温めあった、二人であったが、冷たい夜風の中に飛鳥と龍二は消えていった。
19)飛鳥の闘い、、
黒鳥飛鳥の、談合グループへの闘いの挑戦は始まった。三宅宗児政治研究会の城攻めを毒島三郎から崩すと決めた飛鳥であった、まずは三宅宗児政治研究合に行き、毒島三郎は政治研究会の副理事長をしていたので面会を求めた、
用向きは「ある談合に関する情報を売り込み」にいったのである。先方は飛鳥を知ったうえで会うことにしたのであった。
毒島三郎は、いつも、「談合」の邪魔して来る渋谷工業建設(株)の一派であり、暗殺に駆けた、黒鳥飛鳥と知っていたのである。
談合グループとしては好都合であった、、、暗殺したい奴がやってきたのであるから、、毒島三郎は手配をしたのだった。
一人でのこのこやって来た厄介者を片付けるのに丁度いいと考えたのであった。黒鳥飛鳥も甘く見られたものだったのである。
飛鳥もその辺のところは察していたので、別に慌てなかった。
そして、、本題に入った飛鳥である。
「毒島さん、この録音を聞いてください、、これは貴方の声ですよね、、」と、、言いながら、スナック「ぼんぼり」の康代ママとの会話を聞かせた。そして、康代ママの住んでいるマンションの写真と登記簿謄本を見せたのであった。
毒島は震えた、、、「これでも、やりますか、、俺を、、あんたも命取りになるよ」と言いながら、車に待たせて置いた龍二を呼んだ。そして、、「毒島さん、あんた、この男を覚えているでしょう、、これでも、俺をやりますか。。」と、、脅したのであった。
毒島は話す言葉もしどろもどろになり、、飲むお茶の手が震えていた、、、「ちょっと、、待ってください、、話合いましょう」と、下でに出て来たのであった。
「毒島さんよ、、俺たちを甘く見てもらっては困るんだけどな、、」と、、立場が逆転した。
「毒島さんよ、、今のままでいたかったら、これからは情報を少しだけ流して貰いますから、、お願いしますね、、」と、、言って引き上げていった飛鳥たちであった。
20)毒島、情報を
飛鳥も「談合屋グループ」を少々、軽く考えていた。毒島も食えたものではなかったのである。
毒島も伊達や推挙で「三宅宗児政治研究会〉の副理事長はしてはいなかった。自民党の三宅幹事長が見込んだ男である。海千山千の悪党であった。
飛鳥が引き上げた後で、毒島は「関東連合会辰巳会」の嶋田副若頭と会っていたのである。
毒島と辰巳会の嶋田副若頭は、同じ穴のむじなだった、相談をしていた。
今回の脅しの内容が、表沙汰に成れば毒島も副若頭嶋田も、やっていることは裏切りなので、二人とも抹殺されると考えていたのである。そこで「偽情報」を流し、そこで飛鳥たちを暗殺するという計画をたてた。
彼ら二人とも、命がけであった。
飛鳥の元に流された情報を、、そのまま信じるほど「間抜けな、、軟ではなかった」飛鳥は裏付けを取るために、調べた。
飛鳥も天才的な詐欺師と言われる男である毒島から流された情報を「はい、、そうですか、、」ト、、鵜吞みには出来なかった。
案の状、偽情報だと分かった飛鳥は毒島に連絡を入れたのである。
「毒島さん、、あんた、ふざけた真似をしてくれたね、、そこまで言えば、分かると思うけどな、、覚悟して、あんた、首でも洗って、待ってなよ」と言って飛鳥は電話を切った。
それから、毒島三郎から何度か電話があったが、飛鳥は出なかったのである。
毒島に脅しではないことを思い知らせてやろうと、考えていた飛鳥であった。
そして、しつこい程に電話が入っったが飛鳥はほっておいた。
21)罠を仕掛けた飛鳥。。。
飛鳥は毒島三郎から先に仕掛けられた罠を、今度は罠で返したのであった。
甘い美味しい餌を巻いたのである。。資金繰りに困っているという前振りで、餌になる中堅会社を紹介したのであった。
話に乗った、毒島三郎は「三宅宗児政治研究会」で、、その会社「芝浦土木工業株式会社」に、、訪問したのである。。。
話は早かった、、、誰でも「自由党三宅宗児幹事長」から、紹介されたというと信用して話を聞いてくれたのであった。ましてや、打ち合わせ済のことであり、罠にかける側の会社なので、当たり前で合った。
話はトントン拍子で進み、資金に困っている振りでの「手形割引」での話を含んだ談合でもあったのである。
建設省発注の高速道路の修復工事であった。総額「30億円の契約」で、、その準備金として資金不足なので「5億円の手形割引き」をからめたのである。
欲深な人間は「欲に目がくらみ」時には先行きが見えなくなるのであった、儲けの計算ばかりして、めくらになるらしい。
毒島三郎を通して、元請け会社も決まり、入札工事も落札して、、下請け会社との契約もすんだのであった。元受け会社の契約先は「東名高速道路公団」であり、元受け会社は「中央土木株式会社」だったので、飛鳥は上手く嵌ったと思った。
「今に見てろよ、、、毒島さんよ、、三宅宗児政治研究会ともども、、蟻地獄に落としてやるからな、、待ってろ、、」と、、叫びたかった。
今回は仕事は仕事でやって、少しの利益を出し、、「5億円」を全額、パクってやろうという計画である。
その日の夕方、毒島がやって来た、、「黒鳥さん、、すいません、、騙すつもりは、まったくありません、、勘弁してください」と、、床に頭をこすり付けて謝った。
しかし、飛鳥は言った、、「あんたらの世界で、二度とは無い筈だ、、許されないよな、、」
と、、強く言い跳ねた。
「分かっています、、何でもしますから、、助けてください」と、平身低頭、必死にたのんできたのである。
「毒島さんよ、、その誠意はどう示すにかな、、、」と、、飛鳥が尋ねると、、、
龍二が脇から口を出してきた「こいつらに、二度は無いね、、三宅幹事長に全部、ばらして、始末をつけてもらった方がいいじゃあないかな、、」と、、言うので、、
飛鳥も「そうするか、、信用できるものが何もないものな、、」と、、言葉を返した。
毒島は必死だった、、何とかしてほしいと頼むのだった。
「毒島さん、、最後に一度だけ信用するから、、今から、俺が言う誓書をかいて貰おうかな、、」と、、言って毒島に誓約書を書いてもらった。
署名捺印(母印)で、、そして、明日中に康代ママの住んでいるマンションの権利書と、スナック「ぼんぼり」の契約書を持ってくるように指示をした。
そして、明日の午後3時までと決めた。遅れた時は覚悟するようにと。。
飛鳥は毒島を雁字搦めに、束縛して味方につけた、、その信用度合はこれからの動きで判断することにしたんだった。
22)談合屋グループとの騙しあい戦争、、、
今回の談合屋グループとの騙試合は真剣勝負であり、、大掛かりな罠を仕掛けたのであった。
渋谷社長や小橋専務の力も借りて、段取りをしたのである。
渋谷社長の仲間のビルを用意して、見せかけの社員は渋谷社長の会社の社員を仕立てて、
「芝浦土木工業株式会社」の、土木部門として分社したのであった。
そして、芝浦土木工業(株)の本社部門の分社として会社登記をしたのである。。本社との業務提携契約書は、「偽契約書」であったが、巧妙に仕組んであるので、そう簡単には見破れるものではなかった。
とにかく、元受けは「中央土木株式会社」が談合で決めて、入札を決められた価格で落札する訳だから、契約受注は間違いがなかったのである。
その後の下請け企業との解約が問題であった。飛鳥は初めから、毒島三郎たち「三宅宗児政治研究会」を罠に嵌める訳であるから、、用意周到に動いた。
用意した「偽芝浦土木工業株式会社」で、下請け工事契約を結んだのである。そして、約束のリベート分の「4億5千万分の約束手形」を振り出したのである、、勿論「偽芝浦土木工業株式会社」名義であった。
そして、中央土木株式会社の約束手形「5億円」を受け取り、、更に、受注工事代金の契約金の30%「9億円」を中央土木株式会社から半金半手で受け取ったのである。
下請け契約がすんだ後に、、大手金融業者2社で「5億円」と「4億5千万円」の割引を済ませた。
その後で、偽会社も賃貸のビルも、、登記簿謄本も抹消したのであった、更に見せかけの施設、資材置き場も消滅させ、見せかけの社員も消えたのであった。
飛鳥は金だけを巻き上げて、龍二と二人でしばらく旅に出ることにして、東京を離れた。
命を狙われた仕返しをして、、毒島たちの後始末を聞いていたのである。
下請けに出した工事は赤字覚悟の上で「中央土木株式会社」が責任を取った。
毒島たちは飛鳥たちを告訴もできなかったのである、、始めからの談合であり、、贈収賄が絡んでいるので、泣き寝入りしかなかった。
余りにも大きい痛手であった、、三宅宗児幹事長が黙ってはいなかったのである。
更に政治研究会の運営費の流用もバレたのであった。
「毒島、、お前、どうやって、この始末をつけるんだ、、よく考えて返事をしろよ、、、殺しても殺しても飽き足らないな、、ええ、、どうする気だ」
と、、攻められていたのである。
そして、関東連合会辰巳会の副若頭の嶋田と尾川会長まで、三宅宗児幹事長に呼びつけられて、叱責された、、というより罵倒されたのであった。
毒島、今回の事は控訴も出来ないのだから、お前らで始末をつけて、けじめをつけろよ迄云われた、、出来ないなら「お前は死ねや、、、保険でも掛けたな、、いいか、わかったか」
とまで言われたのである。
「なにがなんでも、あの黒鳥飛鳥を始末して来い、、」と厳命をされて、それまで出入り禁止だ、、帰ってこなくていいと、、、
そして、島田若頭も尾川会長から言い渡されたのであった。
毒島と嶋田若頭は飛鳥たちを追うことになったのである。
23)飛鳥と龍二は旅の空、、、
飛鳥と龍二は、、談合グループの本丸である「三宅宗児政治研究会」を手玉に取り、罠を仕掛けて、見事に詐欺をしたのであった。
その報復は考えていた飛鳥であり、、渋谷社長たちとも打ち合わせはして置いての逃亡である。
談合グループからの今回の「手形パクり」や「契約金詐取」の合計は約10億円であった。
渋谷社長たちと折半にして、、「約5億円」を手中に納めての詐欺である。
勿論、談合グループの追及は覚悟しての行動であった、関東連合会辰巳会の総力を挙げての追い打ちであるから、飛鳥たちももたもたはしていられなかった。
談合グループとの騙し会いで「合計で30億円」ぐらいは、飛鳥たちは「詐欺」していた、、
三宅宗児政治研究会としては、自分たちが談合贈収賄をして、更に脱税をしているのであるから、告訴は出来なかったのである。
残る手段は報復だけである、、何が何でも、地の果てまでも追いかけて、飛鳥たちを捕まえるか、抹殺したかったのであった。
それを知っている飛鳥は、掴まる訳にはいかなかった。
三宅宗児幹事長の権力を駆使して、更に関東連合辰巳会のやくざ組織の情報網から逃げることは至難の業であることを知っていた飛鳥は龍二を連れて、海外移住を考えたのである。
渋谷社長たちもすべてを整理して、逃げていた。
飛鳥はとりあえずは香港に隠れた、、、そして、、シンガポールでの新規商いを考えていたのである。
日本を出る前に、安兵衛茶屋の鈴子たちには礼を尽くして別れて来た。
「鈴子、、すまん、、本当に世話に成った、、いずれは連絡するがすまない、、」と、、言って、その家族にも別れを告げて、別れて来たのであつた。
来た時にも突然でつむじ風のように現れて、消える時にもあっという間に竜巻のように、、、
飛鳥は龍二を連れて、安兵衛茶屋を去ったのである。
神田明神に飛鳥は参拝して、境内の銀杏の大木に別れを告げた。
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