待ちロ旅

献残屋藤吉郎

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構成した後の「迷探偵柳生幸次郎」

構成した後の「迷探偵柳生幸次郎」

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  長編小説「野望の後の復讐」 献残屋藤吉郎


1)迷探偵・柳生幸次郎登場

警視庁特捜部の鬼刑事と言われた「柳生幸次郎」が桜田門一家から破門されたのであった。
数々の事件を解決してきた敏腕刑事であったが、、組織の中での生き方ができなかったのである、、常にはみ出して、一人捜査をしていたのであった。。そのために、上級幹部の指示通りに動くことはなかった。
ある談合、贈収賄事件で大物政治家を追いかけて,権力者からの横槍が入り、、政治的な圧力が入ったにも関わらずに、猪突猛進してしまい、、検挙してしまったのである、、、報道関係でも大騒ぎになったが、柳生幸次郎は一向に気にしていなかったのだ、、、そして、北海道警察署に転勤を命じらてたのであった。
階級も警部から警部補に格下げになったことをきっかけで、警視庁を退職して、、野に下り「探偵事務所」を開いたのであった。
柳生幸次郎は大学時代の同級生で蒲生重里という実業家の二代目が東京都渋谷区宮増坂にマンションを所有していたのでそのマンションの一部屋を借りたのであった。。
2DKの間取りなので住まい兼事務所で私立探偵事務所を始めた。
柳生幸次郎には強い情報網の友人がいた、その名前は警視庁記者クラブの井伊三郎という男で,呑み仲間であった。
私立探偵事務所の広告はインターネッとを使い、柳生幸次郎は仕事は当分ないだろうと、、広告を何度も出して待った、、
警視庁記者クラブの井伊三郎たちが屯している雀荘で時間を潰していた。
ぶらぶら麻雀をしながら時を過ごしていた時に携帯電話が鳴ったので、、柳生幸次郎が出た。
「助けて、、、」と叫びながら、、何度も「助けてください、、」と電話口で女の悲鳴ともいえる声がした、、、。
柳生幸次郎がよくよく話を聞いてら、、亭主に殺されるといって叫んでいたのであった。
電話口の女に住所を聞き出し、、尋ねることにした。
世田谷区成城の住宅街に住む、、「城之内洋子宅」を訪問したのであった。


2)柳生幸次郎、謎めいた不思議な事件に突き当たる、

柳生幸次郎は尋ねてみてビックリした。
玄関口に出て来た城之内洋子は、、、「助けてください、、私、命を狙われているんです、、、私を殺したい人間たちは
夫の弟夫婦や妹たちなのです、、お願いします、、」と言いながら、柳生幸次郎をなかに招いた。
「分かりました、、お話を聞かせてください、、、落ち着いて、順を追ってお願いします。」と、、話をしながら挨拶をしたのであった。
「改めまして、、私がお電話を頂いた、柳生幸次郎と申します、、それではゆっくり話してください、、」
柳生幸次郎は話を進めた。
やっと落ち着いた城之内洋子は事の仔細を話し始めた。
「実は、夫の城之内安太郎が病気で、医者から宣告を受けており、、残り時間が半年と言われています、、」と、、
そして、、夫が残した遺産が数十億と言われているということを話した、、自分たちには子供が一人だけで、遺産分けを要求してきたのであった。
そんな環境の中で噂がたち、、誰ということは無いが、、「私が死ねばいいのに、、」という話まで出てきたのであった。
その話を聞いた城之内洋子は恐ろしくなったのである、、もともと、付き合いの少ない弟夫婦や妹たちだったので、急に遺産相続の話で現れたので嫌な予感がしたのであった。
ほとんど、尋ねてくることも無く、、泊まるなどということは無かった。
夫の見舞いと称して訪ねて来たことが不思議だったのである、、明らかな「遺産相続狙い」だった。
そして、「私が恐ろしく成り、、助けてー」と電話口で叫んだのは、、、
夫の命はあと半年は大丈夫と言われていた、、しかし、彼らが泊まった夜に、、「昨夜、、突然に、、」
亡くなったのである、、、それを見て、怖く成り、突然に叫んであなたに電話をしたのであったというのであった。
どこに助けを求める訳でもなく、、携帯を開き、あなたの広告が目に入り、、叫んでしまったという。
偶然の「助け声」だったのである。
「分かりました、、、それでは呼ばれたついでと言っては変ですが、、ガードと真相究明について、引き受けますよ、、」
ということになり、柳生幸次郎が請け負ったのであった。


3)城之内安太郎が死んだ、、、

柳生幸次郎が警護と調査を請け負った夜に、城之内安太郎が死んだのだった。
城之内洋子から挨拶をということで、、、夫の安太郎の部屋に案内された迷探偵柳生は驚いた。
一目見た時に「おかしい、、安太郎の様子が変だと、、」と、、気が付いてベットに近付いた。。。
警視庁特捜部のやり手刑事だったので、、特に「殺し」のプロといわれた鬼警部はすぐに分かった、、死んでいると。
そのことを城之内洋子に伝えた、、、「えーーそんな馬鹿な、、今朝、おはようの挨拶をしたばかりなのに、、
変だわ、、、」と、、首を傾げた。
今朝は誰も来ていない筈なのに、、と、、「どうしてなの、、、」
「こんなことがあると、、もしかしたら、、私しかいないのに疑われるわ、、殺したのは私なの、、」
洋子は迷探偵柳生に助けを求めた。
「迷探偵さん、、殺したのは私でないことを証明して頂戴い、、お願いよ、、参ったな、、」と、半べそをかいていた。
「兎に角、警察へ連絡しましょう、、話はそれから、、、警察に事情を話して調査をして貰わないと、と、、柳生幸次郎は管轄の成城警察へ連絡をした。
やがて、、成城警察の担当刑事が二人来たのだった。成城警察刑事課の原田警部補と嶋田刑事部長が部屋に入ってきた。「あれ、、柳生警部ではないですか、、、どうしたんですか、、、」
「おう、、しばらくだね、、今は探偵事務所をやっている、、その関係で、城之内洋子さんの警備をしているんだよ、、、偶然、この現場に居合わせたので、、俺が連絡をした、、宜しく頼むな、、」
と、、現場事情を説明した。
そして、、、自殺なのか他殺なのか調べて欲しいことを伝えた。

4)城之内安太郎の謎の死、、、

成城警察が来て、、担当の原田警部補が安太郎の死が不自然だったので「鑑識課」を呼んだ。
そして、やって来た原田警部補が「なんとも妙な死に方なので、解剖をします、、」と、、言って救急車を手配した。
安太郎の妻は不安と心配で、、迷探偵柳生に尋ねた、、「柳生さん、、私、心配だわ、、大丈夫ですか。。」と、、、迷探偵柳生に近寄ってきた。
「ねえ、、病気が悪化して亡くなったんじゃないの、、可笑しいよ、、解剖だなんて、、」
怪訝な顔をして、半べそをかきながら、、やっと声を出して、、、
「まるで、、私が殺したみたいだわ、、誰も主人の傍には来てないので、柳生さん、、助けて。。」
と、、哀願してきた。
「取り合えず、、解剖の結果を待ちましょう、、警察の事情聴取が有るので、知っていること、聞かれたことを正直に話してくだい、、、私も発見者の一人ですから、、一緒にいますので安心してください、、、柳生は、、知り合いであった原田警部補に頼んだのだった。
城之内洋子は心配と緊張から、震えていたようだった。
城之内の家には妻の洋子と、、住み込みの家政家事全般の手伝いの
阿部夫妻が居ただけでと、、説明をした。
そして、迷探偵柳生が来て、、確かに、妻洋子に紹介された時は
城之内安太郎は笑顔を見せて、軽く会釈をしていたのであった。
そこまでの説明に嘘はなかった。
そして、、成城警察署の原田警部補と嶋田刑事部長は鑑識に調べさせた、、何か物的遺留品がないかどうかと、、、
また、、住み込みの阿部老夫婦にも事情聴取をして、、「解剖の結果を見てから、、捜査方針を決めてから連絡しますと、、引き揚げていった。
「柳生さん、、心配です、、、これからもよろしくおねがいします、、」と、、頼まれた迷探偵柳生は難しい事件ではあるが引き受けた。

5)殺人事件として

城之内家の人々が集まった。。安太郎が亡くなったという知らせは洋子が城之内家の顧問弁護士の大久保慎太郎事務所に依頼したので事務的なことはやってくれた。
城之内家の人々は「遺産相続の件」が一番大事であったので、、、
大久保慎太郎弁護士の通知で集まった、、安太郎の長女夫婦「大谷正美と夫の一郎」、、次女夫婦の「大沢安見と夫の光一」、、、三女の「安子、、独身で商売をしている」。。長男の安治路が居るが今日の集まりには間に合わなかった、、アメリカ在住であるので、、2,3日遅れてくることになった。
そして、、安太郎の女「内縁の妻」登記されているので、、、
相続権利者が顧問弁護士の大久保慎太郎から説明があった。
「現在、成城警察署で解剖検査が行われているので、、その結果が出てから城之内安太郎の「遺書」によって、話し合いをしょう、」と、、言うことになった。
「ところで、待つ時間はどのくらいかな、、、」と、、三女の安子が聞いた。
「警察のやることで、、殺人の疑いがあるので、いつまでとは言えないが、、連絡があり次第に通知を出しますので、、、」と、、説明があった。

調査と警護の依頼を受けた迷探偵柳生は今回の事件のことを考えた、
城之内安太が亡くなった、その朝には迷探偵柳生も城之内家にいて、妻洋子とも一緒だった、、、そして、、安太郎にも会い、挨拶をしているのだった。
その後、、お昼の薬の時間に妻洋子が異変を感じて、、迷探偵柳生が、、「安太郎の死」を確認したのである、、生きていることを見ている迷探偵柳生は、、「何が起きたのだろう、、わずかな4時間の間に、、」
と、、考えた。
今までの刑事時代の経験では想定外であり、、不思議に思った、、、しかし、現実には起きたのであった。
安太郎が亡くなったという事実が。。。。
その間の城之内家の環境の変化と言えば、、住み込みの阿部老夫婦が午前6時に起きた事実だけであった。しかし、、阿部老夫婦の話では、安太郎の死を聞くまでは一度も、二人の住む離れ家屋からは近づかなった。


6)成城警察署から原田警部補と嶋田巡査部長がやってきた。

「解剖の結果が出ましたので、その報告に伺いました、」と、、原田警部補から報告がされた。
城之内家の顧問弁護士の大久保慎太郎と、、城之内洋子の警護をしている柳生幸次郎が立ち合いのもとで行われた。
「解剖の結果は薬物による毒殺です、、、これからは殺人事件として捜査するので、、ご協力をお願いします、、、」と、、と言われて、今日から殺人事件として捜査本部を立ち上げて、捜査を開始したことも告げたのだった。
大久保弁護士は尋ねた、「そうですか、、、毒殺ですか、、それでは殺人事件では、、事件が解決するまでは
遺産相続は保留にした方がいいですね」と、、、
「そうか、、殺しか、、厄介だな、、なあ、、原田さん」と、、迷探偵柳生は問掛ける口調で話した。
原田警部補は特に大久保弁護士に云った。
「今回は殺された城之内保太郎には莫大な遺産が残っているので、、まずは遺産相続に絡んだ疑いも考えられる。。そして、経営している会社の人事継承なども絡んでいるので、、捜査に時間がかかりそうなので、、」
と、、説明がされた。。
迷探偵柳生も今までの経験で、、「遺産相続」「会社人事継承と株式保有問題」で、、かなり、人間模様に支障が生じて来るはずであると思われた。
人間の欲望、、金や会社的な地位に絡んだ争いが一番醜い、、「人の争い」であり、、「肉親いがみあい」であった。
見てはいけない「人の欲望絵図」をこれから覗いていかないと思うと「ぞっと、、」したのであった。


7)迷探偵柳生幸次郎、、、城之内家の家族を調べる。

城之内安太郎の子供たちの家族構成を、、迷探偵柳生幸次郎は知ったうえで、、経営している会社内容や役員構成を調べた。殺人事件なので成城警察署が全てを捜査するのであろうが、、一応は元警視庁の捜査一課の鬼警部であったので、、自分なりに調べて、、城之内安太郎の人間関係を調べて、、迷探偵柳生は驚いた。
娘たちもその夫の経営する会社や事業所は資金困難に陥っていた。。
アメリカへ行っている長男の事は情報が入ってこないのでわかなかったが、、「遺産」が欲しい状態であった。
この状態では、、全ての家族が疑われても可笑しくなかったので、、
成城警察としては疑い、、関係している人間のアリバイを徹底して調べる筈である、、、
迷探偵柳生幸次郎であっても、、捜査の鉄則から成城警察署の原田警部補たちと同じ捜査をするだろう、、と、思いながら状況を眺めていた。
迷探偵柳生幸次郎は、、城之内安太郎の妻洋子を最初から見ているので、、凡その想像はついていた。。。
しかし、、あくまで、、それは迷探偵柳生の想像なので、、確たる証拠もなく、、犯人を決めつけることも出来なかった。
その後の成城警察署の原田警部補と嶋田刑事の二人は捜査が行き詰っていた。成城警察署では他の刑事も駆り出されて、疑わしい関係者のアリバイを当たっていたが、、全て、アリバイが成立して,、犯人逮捕に繋がらずに困っていた。
原田警部補たちは城之内家に訪ねて来て、、柳生幸次郎が居た時に
「先輩、参ったよ、、柳生鬼警部補、手伝ってくださいな、、警備をして居るので、、何かわかったら、、教えてよ、、、」
と、、ほとほと、、壁にぶち当たって、困っていた。
「いや、、、俺も分からん、、犯人はどうやって、安太郎を毒殺したのか全く分からん、、密室の殺人だな、、」
と、、嘯いた。
迷探偵柳生が知りたかったのは、、長男の安治路のことである。
帰国が楽しみであった。


8)家族会議

城之内安太郎の遺産を巡っての家族の集まりがあった。
今回は長女大谷正美からの申し入れで、、顧問弁護士大久保慎太郎が招集したであった。
長女の申し入れは、、安太郎の死に関する成城警察署の中間報告を知りたいということで、、その説明を安太郎の子供たちと夫に知らせることであった。
長男の安治路もアメリカから帰国していたので、遺産相続の話と一緒にすることにしたのであった。
今回も迷探偵柳生は安太郎の妻、洋子のたっての願いで、、大久保弁護士が許可しての立ち合いであった。
全員が城之内家にある「会議室(普段は会社関係の会議に使われている)」で行われた。
20人から30人は参加できる豪華な会議用のテーブルが置かれていた、、、
住み込みの雑務係りの阿部執事が妻春江と共に入ってきて、、お茶を配膳してから、、大久保弁護士の話が始まった。
時間は午後1時であった。
「顧問弁護士の大久保です、、、本日はご苦労様です、、
故人安太郎の事件結果について、まだ、報告が出ていません、、只、途中報告としては毒物による殺人というだけで、、今、しばらく待ってくださいとの」、、報告でした。
「皆さまも取り調べを受けたと思いますが,、未だに警察としては犯人が分からずにいるとのことで、、困ってるとの話です。そして、故人安太郎の遺産相続は事件が解決するまで延期して欲しいと要望がありました」
と、、、、
その報告を受けた家族は仕方がないかというような顔をして、頷いていた。
特に長男の安治路は付け足したのでした、、、
「慌てても仕方がないでしょうが、、、親父の遺産が亡くなるわけじゃないのだから、、警察の結果を待ちましょうや、、、多分警察では家族の中に犯人が居ると考えてるかもしれない、、
嫌だな、、、遺産相続という奴は、、」と、、言いながらにやにやと薄笑いを浮かべて、、みんなを見回していた。
しかし、、、正直者で信用されていた長女の夫、一郎は困っていた、、不動産会社を始めとするグループの経理責任者を担当していて、、常に安太郎会長の指示に従い、、
資金の手当てをしていたのであった、、、
安太郎会長が亡くなる寸前まで行われていた資金繰りが出来なくなってしまったのである、、、非常に困っていた。
亡くなる前日まで安太郎会長に会っていたので、、今回も一番疑われて、、警察の取り調べのきつかったのであった。
もともと「小心者」だったので、、今回の警察の取り調べではげっそり痩せてしまった。
家族までもが、、親族が疑いの目で眺めているような気がしていたのであった。

9)家族会議は続いた

長女の夫「大谷一郎」は困っていた、、会社の資金が現在、凍結されているので、、非常に困っているのだった。
そこで大久保弁護士に依頼したのであった、、「何か法的な処置で、制限があってもいいのですが、、支払い関係だけでもできないか、、考えてくれませんか、、」と、、
大久保弁護士は「分かりました、、成城警察と話あってみます、、出来ないことは無いと思いますので、、、」
その答えを聞いた大谷一郎は安心した。
三女の安子が、、、「先生、、、何とか早く、遺産相続が進むようにしてくださいよ、、、お願いします、、」
金融業会社の常務取締役をしている次女の夫「大沢光一」が、、、「大谷常務、、、借り入れの住一銀行への返済期日が来ますので、、宜しくお願いしますよ、、、期日に遅れるとまずいですから、、」
と、、それぞれが自分の都合ばかりを云い始めた。
それを聞いていて、迷探偵柳生は呆れた、、、
腹の中で叫んだ、、、「馬鹿野郎、、ほざいてろ」と、、、
城之内安太郎に死なれた、、妻、洋子への気遣いは微塵も見られなかった。
救われたのは長男の安治路が言った言葉だった。
「お兄さんたちも、、ねえさんたちも。。少しは考えてくださいよ、、
親父が死んで時間もたっていなし、、犯人も見つかっていない、、、そんな時に。。少しは洋子さんのことも気づかって欲しいな、、、」
と、、優しい長男の言葉だった。
夫婦とは不思議なものだ。。長女の正美も、次女の安見も、、援護射撃をした。、
「安治路はアメリカなどに行っていて、、気楽なもんだわ、、」と、、皮肉めいた言葉を吐いていた。
そんな矢先に、、訃報が飛び込んできた。
安太郎と洋子の子供、長男が大阪事業所で亡くなったと云う。。。
「なんで、、、どうしてだ、、、こんな時に、、、」
その場にいた家族は驚いた、、、原因は大阪事務所に「爆弾」が投げ込まれたというのであった。事件が起きたのである。
城之内家の大事件であった、妻洋子はその知らせを聞いた時にその場に倒れた。
大阪事業所は「金融業」が主な業務で、、城之内グループの稼ぎ頭であった、、そのために、安太郎は自分の片腕とも、、懐刀と云われたいる、「榊原豪太郎」を長男の「安一郎」につけて、大阪事業所で金融の修行をさせたいたのであった。
将来の城之内グループの事業展開を考えてのことだった。
その一人が亡くなったという、、、何という不幸か、、
迷探偵柳生を洋子は別室に呼んで頼んだのだった。
「こんな時で、すまないけど、、柳生さん、、あなた大阪まで行って頂戴、、、」と、、依頼された、、、妻、洋子がいうのには「今は誰も信用できない。。あなたなら安心して頼めるの、、お願いね、、」と、、迷探偵柳生は大阪にむかった。


10)爆破事件

城之内グループの中で「金融業部門」で、、大きく資金が動いていたのは大阪事業所であった。
会社の構えは大きくはなかったが、、城之内グループの中の「闇」の事業運営方法があった。
城之内安太郎は大阪市住吉の生まれで、、大阪時代はあまり知られていなかった。
大阪では極道だったとか、、やくざ一家を持っていたとか、、いろいろな噂が出ていたが、、城之内グループでも、安太郎の過去を知っているものは、、現在では阪事業所の最高顧問をしている「榊原豪太郎」だけとなった。
城之内安太郎は大阪で金貸しをして「財」を築き、、今の会社組織をつくりあげたのであった。
大阪時代にはあくどい金貸しをしていたようであった。
特に、、金を動かすようになってからは「裏社会」への資金手当てが多く成り、、ほとんどが「闇金融」だった。
銀行へ預ける金は少なく、、大部分が「金庫預金」であった。
いわゆるすべてが「脱税」だ、、、そんな訳で目立つような会社運営はできなかったのである。
城之内グループでも秘密部隊を編成して、、「榊原豪太郎」の監理の元に、、やくざ企業への融資が主体であった。
しかし、、安太郎が表舞台に出なくなってから、、やくざ金融に陰りが出てきたのであった。
そして、城之内安太郎の長男「安一郎」が一人相撲を始め、、番頭役の榊原豪太郎の意見や窘めを効かなくなり、、今までの「やくざ企業」とは別の利益や条件のいい取引先に変えていったのであった。
そんな不満や苦情が、、番頭役の榊原豪太郎に文句が入ってきたので、、彼は心配していた。
そんな矢先の「爆破事件」であった。
ヤクザ絡みの事件なので大阪府警の捜査が入った。

迷探偵柳生が城之内グループの大阪事業所に着いた時には、、大阪府警が来ていた。。
取り込んでいたので、、大阪府警の担当刑事の矢野警部が部下を連れて、、現場検証をしていた。すると、、、「すいません、、関係者以外は出てください、、」と、、、
云われた迷探偵柳生は挨拶をして、、名刺を差し出して了解を求めた。
「亡くなった城之内安一郎の身内から依頼を受けてきましたので、、宜しくお願いします」と、、、説明をしていたら、、、
「あれ、、柳生さんじゃアないですか、、田島ですよ、、」と、、声を掛けたきた警察官が居た。
迷探偵柳生を「鬼警部」と知っていた、、もと警視庁捜査一課にいた田島勉警部補が近づて来た、、、「どうしたんですか、、柳生さん、、」
「おお、、、懐かしいな、、田島警部補、、」と、、言葉を返したら。。
「柳生さん、、私も今は警部ですよ。。先輩の良き指導の賜物ですよ。。ありがとうございました、、」
「丁度よかった、、今回の爆破で亡くなった安一郎の母親からの依頼で調査にきたんだよ、、」と、、事件内容について聞くことが出来た。
話を聞いた、迷探偵柳生は唸った。
今回の爆破事件の捜査で、、城之内グループの「暗黒部分」が表沙汰になり、、場合によっては会社そのもが偉いことになるような、、、
早い話が「遺産相続」ではなくなるような事件であった。


11)大阪事業所の脱税疑惑

大阪事業所の爆破事件は脱税疑惑に発展した。城之内安一郎の死亡、、、そして、全てを把握している番頭の榊原豪太郎の怪我で闇の会社経営の実態が分からなくなっていた。
更に事務所爆破により。。経理管理の帳簿が破壊されてしまい、、、金融状況、、貸出先の状況が消失して閉まっていた。
捜査にはいった大阪府警も、残った社員3人から聞き出すより仕方がなかった
事業所が爆破された時には3人の社員は外出をしており、、事務所には城之内安一郎と番頭の榊原豪太郎しかいなかったのであった。
大阪府警の捜査では僅かに残った書類から、、貸出先は個人名が多く、、その住所に基づいて調査したが、全てがでたらめであった。
すなわち、捜査のしようがなかった、、、そして、外出していた3人の社員は全て、、走り使いで、詳細については分かっていなかった。
捜査すればするほど「闇の世界」であった。
三人の社員は指示通りに「現金を運び」指定先のホテルのロビーなどで、指定された受取人に渡していただけであった。
そして、、受取人から会社に電話をして確認をするだけのことだった。
三人の社員は運ぶ現金がいくらだとかもしらされていなかった。
捜査の結果では「段ボールまたは袋の包」で届けるだけであったという。
従がって、取引金額や取引先も不明であり、、、巧妙な金融取引が行われていた。
大阪府警の話では重症で入院した番頭の「榊原豪太郎」から聞き出す以外に実態の解明は出来ないことがわかった。
その話を聞いた迷探偵柳生も唸った、、「凄い、、安太郎という人間は、、」と、思った、、全てを自分の死と共に「闇」に持って行ってしまったのである。
もしかして、、安太郎は自分の死を覚悟した時に、すでに考えていたのではないのか、、この「爆破」を、、、迷探偵柳生は「ぞっと、、」するほど背筋が寒くなった。
迷探偵柳生幸次郎は大阪府警の話を聞いて、、番頭榊原豪太郎が入院した大阪府立総合病院へ行き、、事情を話して、境原豪太郎の様態を聞いた、、、
担当医師の説明によると助かるのは「五分五分」とのことであった。
仮に命を取り留めても彼は何も話さないと確信した。。
それらの確認をしてから迷探偵柳生は東京へもどった。


12)大阪事業所の消滅

迷探偵柳生幸次郎は帰りの新幹線の中で、、今回の一連の出来事を思い出していた、、考えてみれば考えるほど、、城之内安太郎という人間が恐ろしく成った。。自分は感心したのであった。彼が想像しているような段取りをしていた事への驚嘆であった。
多分、、これからも起こるであろう出来事全てが、、城之内安太郎の計算上での事実である筈だ。。
迷探偵柳生は安太郎の考えを追っていくことにした。
なんか、安太郎の「闇の世界」が見えて来たようだった。大阪府警が、、成城警察が今までの考え方で捜査をすすめたのでは永久に犯人逮捕は出来ないはずだ。
警視庁捜査一課時代に「鬼警部」と言われて、、人並み外れた捜査力を持っていた迷探偵柳生だからこそ、、奇想天外の考え方ができたのであった。
今回の「城之内安太郎殺人事件」も「大阪事業所爆破事件」も安太郎の緻密な計画の一つであると、迷探偵柳生は考えた、、そして、自分なりに結論を導き出したのである。
そんなことを考えているうちに新幹線は東京駅に着いた。
その足で城之内家に向かった。
着いた時に、今日は城之内洋子だけがいたのであった。
家族会議も思うように進まずに、次回は明日開くことになっていた。
迷探偵柳生は大阪事業所の報告を済ませ、、帰ろうとしていたら、、城之内洋子が話しかけてきた。
「柳生さん、、お疲れさまでした、、息子の安一郎の遺体は昨日送られて来ました。そして、夫の遺体も成城警察から送られてきましたので、、、葬儀を行いたいと思います、、
警察の許可も下りましたので、、明日の家族会議で取り決めをしたいと思いますので、、宜しくお願いします、、」と、、告げられた。


13)家族会議三回目

成城警察署からも大阪府警からも城之内安太郎と、、城之内安一郎「後妻洋子との間の子供」の二人の遺体引き取りが許可に成り、、葬儀の許可も下りた。そこで二人の葬儀を一緒に行うことに成り、その打ち合わせをすることになった。
そこで会社関係のこともあり、、前回の家族での会議を開くことになったのであった。
今回の家族会議には、、会社役員も呼ばれていた、、更に内縁関係の島津涼子も呼ばれていたのであった。
大久保弁護士から話があった。
「成城警察署と大阪府警からも許しが出たので、、、城之内安太郎の遺言書を皆様の前で開けて、読み上げます、、、それでは聞いてください、、」
読み上げた。
そして「後ほど、、各自には文書で差し上げますので、、よろしいですね」と、、、念を押して遺言書を読みあげた。
「会社と個人資産がありますので、、それぞれに分けて相続しますので、、、」と、、、
「故人が住んでいた成城の住宅は土地建物のすべてを妻洋子に、、更に、成城及び渋谷の個人名義のマンションはやはり、、妻洋子に相続します、、、
そして、会社名義の不動産は全て、、それぞれの株式保有数により、、分割して所有することとする、、、
要するに、城之内安太郎が死んだら、「会社は清算して、終わりにするということであった」
親族会社の様なものであるので、、安太郎が居なくなれば会社の運営は難しくなるだろうとする思っていたのであった。
大阪事業所は爆破事件ですべてが消滅したので、、整理がしやすかった。
東京関係の会社も不動産が多く、、借りれもさほどになかったので整理が簡単であったので、、、安太郎は無くなる前に準備をしていた。。
不動産の売却や社員整理もしていた。
その整理に当たっていたのが「長男の安治路」であった。
城之内安太郎は分かっていたのだった、、現在のスタッフでは無理だと、、、
それで自由に動ける安治路を密かに読んで、不動産関係を整理していたのであった。
城之内安太郎が一番嫌っていたのが「倒産」であった。
更に「闇金融」の世界でのやくざ組織との取引が難しいと困難とみて、、早めに整理をしたようだった。
それは番頭の榊原豪太郎との打ち合わせ、計画だったのではと、、、
迷探偵柳生は思っていた。
東京関係の会社についても、、城之内安太郎が仕組んだ、、綿密な計画清算のようだった。
家族会議に臨んだ安太郎の子供たちは少々、、当てが外れたのであるが、、
それでも多額の遺産が転がり込んできたのであった。
しかし、、不動産の遺産相続の代わりに「所得税」が掛かった。
安太郎の不動産整理も見事だった。
そして、、売却した「ゴルフ場やホテル更にはスキー場などの施設」の利益などはこれからであった。
それらの売却に携わったのが「長男の安治路」であった。
故人安太郎が一番信頼していたのが安治路だったのである。。。家族会議の出席した家族以外の役員にはそれぞれの役員報酬やその他の収益を分配した。

14)城之内安太郎の計算

城之内安太郎は自分が経営している時には出来たことが、、自分が居なくなった時には企業その物が持続することは不可能とみて、、自分が死んだときには消滅することを計ったように見えたのであった。
そんな推理をしたのは迷探偵柳生だけだったかも知れない。。そのことは誰にも話してはいなかったのだった。
確認するには長男の安治路に聞くよりは道はなかった、、しかし、彼は話さないであろうと、、
迷探偵柳生は思った。
計画をした安太郎が居ないのだから、、「闇の中」なのだ。
安治路は大久保弁護士から「遺産相続」が、、報告された時から、見事に順次、手際よく事務的に処理をしていったのである。
安太郎が一番信頼していたのは安治路であった、、、若いころから家を飛び出し、、裸一貫でやり遂げた安治路に白羽の矢を立てて、、早くから彼を呼び寄せて、、準備をした居たのであった。
全ての整理が終わり、、城之内安太郎が築き上げた一人城が無くなった。
それから2日後に安治路はアメリカに旅立った。
迷探偵は感心したのであった、、余りに見事な人世の後始末であることに、、、
成城警察署も大阪府警も殺人事件の犯人も、大阪事務所に爆破事件の犯人も検挙出来ないままの幕引きであった。
真実を究明できたのは「迷探偵柳生幸次郎」だけであった。


15)迷探偵柳生幸次郎は再び。。

城之内安太郎の遺産相続の問題が一段楽したことで、、長男の安治路はアメリカに帰って行った。
その後、、安太郎の三女の安子が交通事故で死亡したのであった、独身で独り身だったので、、安太郎から受け継いだ遺産が宙に浮いてしまったので
また、、欲深な姉たちが大久保弁護士に迫った、、、三女の安子の遺産を巡って欲がぶつかりあったのである。
そして、、故人安太郎の妻、洋子はその遺産相続の件については放棄したのであった、、しかし、、余りにも醜い争いなので、、仲介を頼もうと思い、、迷探偵柳生に来てもらったのであった。
故人安太郎の妻、洋子は遺産相続で争う姉たちやその夫たちが目障りであり、、うるさかったのである、、一日も早く自分の前から消えて欲しかったのであった。
そこで、、迷探偵柳生の今回の行動を見て、、頼みガイがあるとみたのであった、そして、口が堅く安心して頼めるのだった。名探偵柳生を使うのには、城之内洋子にはある計算が働いていた。。しかし、、の真意は迷探偵柳生は知らなかったのである、
そして、、、迷探偵柳生と大久保弁護士の取り計らいで、、亡くなった三女安子の遺産は二人の姉に当分に分割して遺産手続きが行われた。。
アメリカに戻った安治路も今回は放棄した。
阿呆な姉二人は喜んだ、、、高い不動産取得税を払って、、、財産を持てば、、増やせるということは無かったのである、、、毎年掛かる「固定資産税」があることを知らずに。。。
城之内安太郎の会社整理は終わったが、、後始末は少々残った。
、、その後始末は株式の配分により、、それぞれに長女の夫「一郎」と次女の夫「光一」が受け持って処理にあたったのである。
その仕事を受け持った長女「正美」と次女「安見」はその整理を反対していたのだが、、、どちらかというとお人好しの二人は後始末をすることにしたのであった。

16)計算違いの逆襲

大阪事業所関係で、、貸し付けが主な仕事であったが、逆に融資を受けていたのであった。後妻の洋子の長男が事業拡大を狙って、やくざ金融から多額の借り入れをしていた。
「闇の金融」部分が残っていたのであった。
表に出ない、、「遺産相続」とは関係ないとこに落とし穴があったのである。。
「遺産相続」で一段楽した会社に、、大阪の「関西連合桜会」の若槻若頭がやって来た。3人の幹部やくざを連れて、威圧的な態度で訪れたのであった。
この時の後処理をしていたのは、、本社では経理担当の常務取締役の城之内一郎であったので対応した。
気の弱い「一郎」はびくびくしながら、話を聞いた。
「初めまして、、私は関西連合会桜会の若槻といいます。大阪事業所に絡んだ、、金銭借用書の件で来ました。
その件でお話できますか、、もし、出来なかったら、誰かできる人とお会いしたいのですが、、、」と言われた
城之内一郎常務取り締まり役は自分一人では不味いと思い、、
一日だけ時間を貰った
何しろ、金額が「10億円」という多額であったので、、残った身内で相談をすることにしたのであった。
参った、とんでもない話が舞い込んできたのである。。
関西連合会桜会の若槻若頭には引き取ってもらった。
城之内一郎は次女の夫の光一や、、城之内洋子に相談をしたのであった。
長男の安治路はアメリカに帰り、、話は出来なかったので、、大久保弁護士に相談して集まってもらうことにした。
故人安太郎の妻洋子は迷探偵柳生幸次郎を呼んだ。
急ぎの事なので、その夜に洋子の家に集まったのである。。
大久保弁護士に、、一郎がコピーしてきた「金銭借用書」を見せたが、、結論は支払うより仕方がないということになった。
妻洋子は遺産相続も終わり、、「私には関係がない、、」いうのであった。
「遺産相続」で、、長女の正美と次女の安見は二人で、、株式や不動産で20億は相続していたのであった。。
大久保弁護士の話で今回の「10億」は払わないと不味いということになった。
二人とも不平不満「ぶーぶー」だったが仕方がなかった。
その話合いは迷探偵柳生が委任状を持って、、「関西連合会桜会」若槻頭と交渉することになった。
遺産相続側の正美、安見にしてみれば大きな損失であった。
正直言って、、遺産相続は終わったが、、二人の夫である「一郎」と「光一」は何が出てくるか分からないので「おどおど」していたのであった。


17)遺産相続を受け継いだ正代や安見に災難が、、、

しばらく「遺産相続」の話が出なくなったある日、、故人安太郎の長女正代夫妻が、洋子の元を訪ねて来た。そして、、借財の頼みをして来たのであった。
「今日、、突然来たのは、洋子さんに助けてもらいたいくて、、お願いに来ました。
お願いだからお金を貸して欲しいの、、、3億円、、遺産相続の分から貸してもらえないかな。。」
と、、云われて洋子は薄笑いを浮かべて答えた。
「いいけど、、返済の充てはあるの。。。」と、、問い返した。
長女の正代と夫の一郎は頭を下げた、、「おねがいします、、頼むところがないので、、」と、、必死にしゃべった。
洋子は聞いた「どうして、、そんなに、、お金が、必要なの、、、、、
二人は訳を話し始めた。
必要な理由は、二人の一人息子が、、投資に失敗しての債権取り立てと、、クラブの女に手を出して、、
やくざが出て来て「脅しまい」と言って取り立てをされているのであった。
金を用意できなければ、息子の命の保証はないと、、東京連合会睦会に監禁されているのだと。。
親ばかではあるが助けたいので、、なんとかならないのかといってきたのであった。
そして、洋子の問いかけに応えてと迫った。
「分かった、、貸してもいいけど返済の充てはどうするの、、、その答えは。。」
と、、聞かれた二人は「なんとか返済をしますが、、分割で出来ませんか、、、」
そんな答えに満足する洋子ではなかった。
遺産相続が終わったからの洋子はかわったのである、、、
「なんとか返すでは貸せないわ、、、担保を用意してくれない、、、遺産相続で受け取ったマンションと、、いくつかの不動産を担保に入れてくれたら、、すぐに現金で用意するわ、、」
そして,長女夫妻は仕方がなかった、、、抵当権設定の担保借りれをした。
今回の債権取り立てと「女問題」で東京連合会睦会への支払いは「5億円」」となり、、長女夫妻は裸同然となった。
故人安太郎の妻には次女が受け継いだ遺産以外は妻洋子のものとなった。


18)次女「安子」」にも降りかかる災難

解決しない城之内安太郎の「殺人事件」で、未だに不信を持っている刑事が一人いたのであった、、原田警部補だった、、、
城之内安太郎の大阪事業所の爆破事件でも不自然であり、、余りにも偶然だったのである。
そして、、三女の突然の事故死と、、偶然が重なり過ぎていた。
原田警部補は仮説をたててみたのである、、
今回の「殺人事件」「爆破事件」「三女の交通事故」で、誰が一番得をしたかと、、考えた。
そして、、後から知ったが「長女夫妻の降りかかった災難で現実には5億円の損失」があったので、、、「遺産相続」で誰が一番多くの財産を手に入れたかを、、、
その結果は妻洋子と、、次女夫妻であった。
長男の安治路は財産放棄をしていたので、、原田警部補は妻洋子と、、次女安見夫妻を調べ始めた。
何か、、、捜査過程でミスはなかったか、、、
今までの捜査では浮かばなかった、、隠された事実はなかっかと、、、
それから2か月も立たないうちに、、次女の安見夫妻に不幸が訪れた。
安見夫妻が温泉旅行の途中で、交通事故に合い、、死亡したのである。。
原田警部補はこれまた、疑った。。「おかしい、、偶然過ぎる、、」と、、
しかし、何の証拠もない。
地元警察の判断で「交通事故」で処理された。
その次女安見夫妻の遺産は子供「康夫」に相続されるはずだったが、、その子供は若年痴呆症を患っていたので、、後見人となった、、洋子が管理することになった。
原田警部補は確信は持ったのであるが,,何一つ証拠はなかった。
見つからないのだ、、、、地団駄を踏んだ、、間違いなく、全ての黒幕だとおもった。し、完全犯罪だ、、何一つ証拠を残していない。
なにかあるはずだと 考えたが分からなかった。
原田警部補は大阪府警を訪ねた、、、大阪事業所の爆破事件から再調査をすることにしたのであった。


19)大阪事業と所の爆破事件の謎

当時の捜査課長であ「矢野警部」が在籍したいたのであった。
当時の話が聞くことが出来た。会社事務所は状況が分からないほどに爆破していた。まるで消滅させるための爆破だったような。まるで解体したような状態で、、何一つ識別できないほど粉々であった。
矢野警部は今でも、あの爆破は意図的にやったと思って、、鑑識を連れてまで調査をし
しかし、、物的な証拠になるようなものは出てこなかった。
今でもあの爆破事件の事は不振に思い、、疑惑が捨てられなかった。
「そうですか、、一度、田島刑事と一緒に捜査をさせてくれませんか,,どうですか、、お願いできますか」
と、、頼んでみた原田警部補だっ
矢野警部は承諾してくれた、、、原田警部補は歩けるところは歩いてみようと考えていた。
その日は矢野警部には聞けるだけ聞いた。
何せ、、参ったのは取引先の住所が全て「でたらめ」だったことや、、3人いる社員が何も聞かされていない「使い走り」だったとであったのだ、
全てが秘密主義であり、、「謎の商い」をしていた。
それは大阪府警の調べで分かっていた、、、巧妙な仕組まれた「闇商売」であった、
勿論「脱税」はしていた、、、その儲けた金を「東京へ」運び、運用していたのであるから、資金用達は故人安太郎がやっていたのであった。
その大阪事業所の資金管理帳簿がなかったから、、「闇商法」なのだった。
そして、、大阪事業所の仕組みを知っていた、後妻洋子の長男「安一郎」が一番知っていたのであるが、爆破事件で死亡していたので分からくなっていた。
番頭の「榊原豪太郎」は爆破事件で入院して、そんまま、、痴呆症になり、、真相を知るものが居なくなってしまったのだった。
更に一番知ってる「城之内安太郎」は殺されて亡くなっており、、、全てが「闇のなかに」消えてしまったのである。。
大阪府警でも困り、、暗礁に乗り上げていた。
そんな訳で、、今は矢野警部と田嶋刑事で、、他の事件の合間に捜査をしている

20)榊原豪太郎を訪ねる

原田警部補は爆破事件の真相は掴めずに、、全てが消滅したことを知った。
「藁を摘むような思いで」で、、大阪府警の田嶋刑事と、榊原豪太郎が入院している総合病院を訪ねた。
本人は寝たたきり状態であり、、話もできなかった、、、、その日は孫娘の「朱美」が見舞いに来ていた。、、原田警部補は挨拶をして、、「大変ですね、、、榊原さんはまだ、話はできないのですか、、」聞いたら、、
「そうですか、、、大事に看病してください、、」と、、原田警部補も状態を見ては何も言えなかった。顔中の包帯姿は痛々しかった、酷い爆破だったと想像が出来るのだった。
原田警部補たちが帰る時に、孫娘の朱美から、焼け切った手帳を渡された。
「すいません、、最近、少しだけ口がきけたときに、爺ちゃんから渡されてたのでが、、忘れていました、、私が信用できると思った人に渡せと、、」と、云われていました。。
それで、話を聞いて,原田警部補に渡すと決めたのであった。
原田警部補は、その焼ききれた手帳を見て驚き共に絶句したのであった。

21)榊原豪太郎からの焼きただれた手帳

原田警部補は渡された焼き爛れた手帳を見て、驚いた。
焼けたり、破れたりはしていたが、、金の貸し借りが走り書きのメモのように記されているので、、原田警部補は小躍りした。
なんの手がかりもなかった、大阪爆破事故の証拠の一部が出てきたのであった。
大阪府警に戻った原田警部補と田嶋刑事は矢野警部に報告をして、、その焼き爛れた手帳を鑑識に回して、調べてもらう事にした。
3人は楽しみにした、、、何が出るのか、、足がかりが出来ればいいのだが、、と、、結果を待った。
大至急で頼んだので、依頼してから3時間ほどで出来上がってきた。
その再生手帳を見て、、矢部警部が笑みを浮かべ、原田警備補にも見せて、田島刑事が喜んで歓声をあげた。
大阪事業所の裏帳簿にも似た、金銭の貸し借りが克明に記載されていたのだ。
全て、今まで分からなかった「組織やくざへの融資内容だった」
「原田さん、、これで摘発が出来るぞ、、脱税の全ても、、凄い収穫だよ、、大阪爆破事件の真相が解明できる、、、やったな、、凄いよ、、」
矢野警部は喜んで、、まずは「関西連合桜会」の家宅捜索だ、、京都連合橘会」のがさ入れだ、、と、、これから忙しくなることの気合が感じられた。
「原田さん、今回の事は貴方のお手柄だ、、一緒に参加してください、、何か東京の殺人事件の糸口が見つかるかもしれませんよ、、」
話をしながら、、大阪府警の上層部に報告をして、、次の家宅捜索の段取りをしたのであった。
原田警部補もやくざ事務所のがさ入れで、何かが見つかればいいなと思ったのであぅた。


22)家宅捜査「やくざ事務所」のがさ入れ、、

矢野警部は大阪府警の上級管理官の承諾を貰い、、京都府警にも協力を依頼して、、
「関西連合桜会」と「京都連合橘会」の家宅捜査に入った、容疑は「脱税容疑」と「無許可貸金業法違反」などで、検察庁も同時にがさ入れを行なった。
突然の家宅捜査であったので、、両連合会「組織やくざ」ともに、、最高責任者でもある、、「会長、若頭ともに逮捕出来た」そして、、「銃刀法違反で多数の幹部連中」を逮捕することが出来た。
裏付けの捜査であり、逮捕だったので、、「逮捕状」通りの検挙が出来た。
これからの捜査如何では、、東京での城之内安太郎の殺人事件の状況証拠もでる可能性も出てきたのであった。
これからは大阪府警も京都府警も忙しくなるようだった、、今までは迷宮入りかと思われるほど、、大きな障害にぶつかり、お手上げだった。
もちろん検察庁などでは「脱税」のかけらも見つからず、地団駄を踏んでいたのだ。
今までは噂どまりで進まなかったのである。
「一冊の焼けただれた手帳」の発見から、急展開をしたのであった。
正直言って、、逮捕された「組織やくざ」団体の方が肝を冷やしたはずだ、、しかし、、事実が出たのであるから堪らない。。。
時間をかけて、調べていけば事実は明らかになっていき、、「脱税」も「無許可営業の貸金実態」も判明してしまい、、警察も検察庁も証拠裏付けをしていくはずだ。
国家権力だから、、「なんだカンダ理由をつけて、、拘留期間をのばして」起訴に持ち込むはずである。。ましてや「指定暴力団」が相手だから、猶予はないのだ。
原田警部補は東京の殺人事件に絡んだ情報を流して貰うことを約束して東京へもどった。
此の大阪事業所の爆破事件に関する、関係者の逮捕情報は、東京にも流れた。

一番気が気でなかったのは、、故人安太郎の妻、洋子であった。
そこで、迷探偵柳生幸次郎が呼ばれたにである。
「柳生です、、暫くぶりです、、何のご用件でしょうか、、探偵業務は終わったはずですが、、」
と、、訪ねて来た。
「柳生さん、、お願いがあるのですが、、大阪事業所の爆破事件がその後どうなったか、、調査してもらえますか。。。」と、言われたので、、、
「いいですよ、、私は調査や警護が商売ですから、依頼されればやりますよ、、何を知りたいですか、、、」と、、、尋ねた。
「税金のことが心配なので、、榊原豪太郎の件と、、警察の状況を知りたいのですが、、、」
「お願いできますか、、、」と、、頼まれた。
迷探偵柳生幸次郎は察していた。。。今回のすべての事件の黒幕は、、「妻洋子」だと、、
しかし、彼は今は警察ではなく、、依頼されたことをやり遂げ、、「報酬」を貰えればという、、割り切った考えでいたので、、真相を明らかにする必要もなかった。
迷探偵の柳生幸次郎の推理では間違いなく、今回のすべてを計画して実行したのは「妻洋子」だと確信していた。
その理由はまだ、分かってはいなかった。


23)妻洋子は心配だった、、故人安太郎の妻であるから、、

大阪事業所の爆破事件の捜査が動き出したので、妻洋子は心配になった。
なによりも心配なのは「遺産相続」である、、大阪事業所の株式や、資産の相続がどうなっているか知りたかったのである。
故人安太郎が関わっていれば、、遺産相続で受け継いだ財産が、失うと思ったのであった。
出来るだけ妻洋子は関りたくなかった。
一番知りたかったのは、大阪事業に関わっていても、、、事業所の権利はないことを確認したかったのであった。
関わっていたら、、不味いと思った、妻洋子である。
そこで、迷探偵柳生幸次郎に調査を依頼したのであった。
迷探偵柳生幸次郎も結末を見たかったので、、妻洋子の頼みを聞いたのである。
元は警視庁のやりて、「鬼警部」であったので,そのくらいの調査は簡単であった。
迷探偵柳生の調査では、妻洋子にしてみれば大変なことが分かった。
故人安太郎は、大阪事業所は会社組織で「株式会社大阪金融」であり、、株式は故人安太郎が100%保有であった。
しかし、代表取締役は城之内安一郎で、、故人安太郎と、妻洋子の長男であった。
株式保有から見れば、更には不動産部門が、故人安一郎の名義であったので責任は引き継がれていた。相続権もあり、、「脱税」からくる、責任は取らざるをえないようだった。
報告を受けた妻洋子は、顧問の大久保弁護士に相談をした。
妻洋子にしてみれば非情事態になったのである。。
いずれにしても「脱税の追徴金」すなわち「負の財産」を相続しなくてはならなかった。
国税からいくらの「追徴脱税違反金」が言い渡されるかわからなかったのでるから、、妻洋子は気が気ではなかった。
故人安太郎がどれくらいの商いをしていたか分からなかったので、生きた心地はしなかった。
迷探偵柳生幸次郎は想像はしていた、、、今回の調査でわかったのであるが、、妻洋子の受け取った「遺産」では足りないような、、、

もしかしたら、、故人安太郎の計算だったのかも知れない。死んでも尚、、誰にも好きなようにはさせないという意気込みが感じられた。

24)故人安太郎の執念

城之内安太郎は一代で築き上げた男であった、、、もとは大阪の通天閣近くで育った浮浪児であり、、不良になり、、地元の博徒の「天王寺一家」で男を磨き、一人前の極道になった。
そして、、ガキの頃から「金儲け」に長けていた。
小銭を貯めて、、金貸しを始めて、男家業を売り出したのである。
若いころから「金にはシビアであり、、」いつの間にかやくざ連中への金貸しをしていた。
金を貸す目的は、、担保さえ保全できていれば「銃でも薬でも、なんでにでも貸した」
当時の安太郎のつけられた通り名は「蝮の安」と言われたいた。食いついた獲物は死んでも離さないと、、、しゃぶり尽くすという噂もあった。
そして、、金融部門だけを残して、東京へでたのであった。
後の「株式会社大阪金融」だった、、番頭に残した「榊原豪太郎」は城之内安太郎の右腕となり、辣腕を振るっていたやり手であった。
故人安太郎が信用していたのは「榊原豪太郎」ひとりのようだった。
とにかく、用心深く、人を寄せ付けないところがあり、、一人で資金繰りをしていたのであった、
そんな男が、、家族であろうが、、やすやすと財産を渡してしまうほど、優しくはなかった。
故人安太郎が後妻として迎えた洋子は、、彼からすれば「女中か家事手伝いで、、女のはけ口ぐらいにしか」思っていなかったのである。
妻洋子は、、故人安太郎の長男安治路が連れて来た女だった。凄いのは長男安治路の彼女だったのを、、金の力で奪い、妻にしたのであった。
この事実は、、今回の迷探偵柳生幸次郎の調査で分かったのであったが、、それを知った柳生幸次郎は、、故人安太郎が恐ろしくなった。
全てを知った上での「最後の安太郎の遠望企み計画だ」と迷探偵柳生幸次郎は思い、、唸った。
しかし、、何一つ、それを裏付ける証拠はないのだ。。
考えられることは、、これから出てくる「脱税疑惑」から出る、、「脱税未納金など」の算出で、どれほどの「追徴金」がでるかだ、、、
それは分からない。。国税の調査如何であり、、妻洋子はびくびくしていた。
妻洋子は上手くやったと思っているだろうが、、、故人安太郎の考えは大きかった。


25)大阪事業所の爆破事件の捜査は進んだ。

城之内安太郎の事実上の経営者の「株式会社大阪金融」の爆破事件が起きて、、「脱税疑惑」が浮上したのであった。
しかし、事実上の経営者、城之内安太郎も殺されて、爆破事件で「株式会社大阪金融」に携わっていた長男の安一郎も死亡しているので、、責任者追及が出来ない状態であった。
番頭の榊原豪太郎は、社員扱いで役員にもなっていない。
大阪府警は爆破事件の犯人究明に全力を傾けていたが、、犯人像は浮かんでこないのであった。
捜査していく過程では「やくざ同士の抗争」に絡んだ、爆破事件だという見解が濃厚だということになってきた。
その抗争の裏には、故人安太郎の作為があったようではあるが、、本人は死亡しているので裏付けが取れなかった。
国税としては、「脱税の額」がどのくらいあるか、、榊原豪太郎の残した手帳から算出しているところであった。
そして、取引のあった「組織やくざ」から、困難ではあるが証拠固めをしていた。
「大阪連合会桜会」と「京都連合会橘会」では資金の流れに食い違いが出てきたので、取り調べを強硬にしていた。
やくざ事務所は勿論であるが、、幹部個人一人一人の家宅捜査をして居るので、、ちらほらと、
資金の用途が明らかになってきた。
組織やくざの資金の流れを抑えて、、証明できたところから、、資産財産の差し押さえを始めた。資金面から組織やくざの殲滅をはかっていった。
今回の爆破事件の逮捕の裏側には「組織を解体に追い込む」ほどの金銭が動いていた。
故人安太郎の凄さが伺われる。
全てが明らかになった際は、、妻洋子が受け取った「遺産」などは吹き飛んでしまうほどであった。
その報告を聞いた「妻洋子」は愕然とした。

26)脱税額はまだ、国税庁から発表されず、、、

株式会社大阪金融と「関西連合桜会」と「京都連合橘会」の脱税問題は長期に渡る金銭貸借なので、、
簡単には算出できなかったのである。
番頭の榊原豪太郎の手帳に残る記録と、、組織やくざ団体で確認できる 財務状況から凡その判断をする以外に方法はなかった。
しかし、大阪府警と京都府警が検察庁に協力して、総力を挙げて調べた結果から「脱税額」を決めたのであった。その結果が概算で「両組織の脱税総額は30億円」となった。
その両組織に融資した「株式会社大阪金融」の脱税額も多額であった。
株式会社大阪金融の裏金工作があって。。やくざ組織との取り引きは「闇取りき引き」であったことから、、
「脱税行為」をしてたのであった。
従がって、「脱税行為による追徴金」「法律的な金融闇取り引きに関わる違反金」を合計すると、、、
妻洋子が「遺産相続」で受け取った「遺産金」を処分しても足りなかった。
この事件の解決と共に、「妻洋子は無一文」になる筈である。
故人安太郎には死んでも尚、「してやったりと思っていた妻洋子に、、」その上の仕打ちをしたのであった。
恐ろしい「復讐」の「報復」をしたのであった。
妻洋子のすべての、故人安太郎への「復讐計画」であったが、、それが終わってみれば「報復」となっていた。


27)報復を受けた妻洋子

城之内安太郎の妻洋子は、もとは長男安治路が付き合い、結婚するつもりで、家に連れて来て、父である故人である安太郎に合わせたのであった。
その洋子を故人安太郎が「金力」で奪い、妻にしてしまったのであるから、、長男安治路には恨みは残っていた筈で有る、、、それが原因で安治路はアメリカへ逃避行したのであった。
故人安太郎の妻洋子は「金に目がくらみ」もともと贅沢が好きな女であったから、「金と結婚」したようなものだった。
そんなことは百も承知ではあったが、、男とは不思議なものである。一緒に暮らすうちに醜い愛が芽生えていったのであった、長男安治路に対して嫉妬心を抱く様になり、、彼を近づけなかった。
そんなことも有って、安治路はアメリカで孤軍奮闘して、事業に成功したのであった。
故人安太郎の血を引いていたので、冷血に商いをして行ったのである。

妻洋子は金をかけ
て「妖艶」になり、、故人安太郎は年を老いていった。
そんな負い目から、、自分が死んだ後のことを想像しては、自己嫌悪に陥っていった、
そこで、故人安太郎は考えた。自分の残した財産で、妻洋子と長男安治路はいい思いをすると、、
下種の官繰りをし始めた。
そして、妻洋子には財産を残さないと、、自分が死んだ時には「無一文」にしてやると、、、
それが、城之内安太郎の殺人と大阪事業所の爆破事件であった。
故人安太郎の殺人事件も大阪事業所の爆破事件の真相は噂は出ているが、事実は判明出来ていなかった。
謎のままであるが、、、故人安太郎が妻洋子に対しての報復であると見抜いていたのが、、、
迷探偵柳生幸次郎であった。


28)長男安治路、、アメリカより帰国する、

今回の故人安太郎の「遺産相続」では一切、権利を放棄したのが,長男安治路であった。
その件で不思議におもったのは迷探偵柳生幸次郎である、、それは謎であった。
誰でも遺産の欲しくない人間はいない筈だ、、しかし、あっさりと放棄したのである、、いくらアメリカで仕事が旨くいっているからと、金の欲しくない人間はいないと思っている迷探偵柳生幸次郎であった。
ましてや、故人安太郎に恋人を奪われたのであるから、、恨みもあり、故人の財産を奪ってやろうと思うの当然の理である。
しかし、故人安太郎の遺産は全て放棄したのであるから、大きな謎であった、
そこで迷探偵柳生幸次郎は誰にも頼まれない、金にもならない調査を始めたのである、、、余りにも不思議に思ったので、彼の興味本位からであった。

迷探偵柳生幸次郎はまず、アメリカの会社調査から始めた。
そのためにアメリカまで飛んだのである、、、安治路の会社の有る「オーガスタ市」人口約20万のメイン州の首都に、、、
東京から飛行機で片道「22710円」の都市で、日本でも人気の有る「ロブスター」が漁獲量アメリカ一番で年間「約60万トン」の水揚げがある。
アメリカの東海岸はロブスターロールの有名料理店も多く。メイン州の「コープ協同組合」を通して市場へ発送している。
そんなロブスターをコープ協同組合を通して、日本の市場に販売しているのが「城之内安治路の会社であった」、、、「ヤスロオマール株式会社」であり、、日本販売の最大手であった。
迷探偵柳生幸次郎はアメリカ調査を終えて納得したし、、その後の調査で意外な事実を突き止めた。
それは日本に於ける安治路の商いであった。
そして、金融界の「闇将軍」と、、呼ばれる謎が分かってきたのであった


29)闇将軍

裏社会に君臨する「闇将軍」の噂を聞いたのは、迷探偵柳生幸次郎が城之内安治路の調査をはじめてからだった。彼の調査をしているうちに、行く先々で「闇将軍」の話がでた。
そして、その闇金融の元締めが「闇将軍」だと、、、しかし、その正体は誰も知らなかった、
そんな噂が気になり、、迷探偵柳生幸次郎は「闇将軍」を追跡調査をした。
元警視庁特捜課の鬼警部であった、柳生幸次郎には朝飯前であった。
「闇金融の事務所」は東京都内にいくつもあった。すべて、古びた小さなビルであり、、所有者が別であり、所有者住所を訪ねると、所在不明か死亡していたのであった。

しかし、利用者が元の所有者のままで「固定資産税」を納付しており、、建物そのもが目立たない、誰が見ても資産価値のないものばかりであった。
従がって「固定資産税」も安かった。
そんなビルの中に,個人金貸しが居ても、誰も気にしない事務所であった。
その金融事務所が「闇金融」をしているのだから分からない筈だった、もぐりの金貸しである。そんな金貸しの金の流れなどは見つけようにも見つけられなかった。
全てが闇の中の取引であり、、借りる方も脛に傷もつ身であるから、必要に応じて借りるので、文句も言わなかった。
更に、不味くなると、事務所を移ってしまうから始末が悪かった。
そんな金貸しではあるが[上はヤクザ組織から、、数億の単位での取り引きもあり」
「下は浮浪児からピンからキリまで貸していた」
税金ゼロの商売を組み立てた「闇将軍」とは凄いと思った、迷探偵柳生幸次郎であった。
踏査で仕組みはわかったが、肝心の「闇将軍」は浮かんでこない。
どうしたものかと、、考えていた。


30)どこにいるのか「闇将軍」は、、、、

迷探偵柳生幸次郎は探した、、今までの刑事時代の情報網を駆使して、あらゆる方面から調査の手を伸ばした。
しかし、金融関係の裏情報も集めた。
何としても噂はあるが、実際には見たことも、会ったこともないと言う。
柳生幸次郎は一つだけ、闇金融の世界の金貸しに手がかりを見つけたのだった。わずかな望みを掛けて、
その金貸しをマークして、、四六時中、付け回した。
闇金融のブローカーなので、叩けば何かが出ると、、昔の刑事の勘というものに頼ってみたのである。
刑事時代のように「警察権力」が無いので、脅して言わせれば「脅迫罪」になりかねないので、柳生幸次郎も慎重になった。
闇金融のブローカーは清水宗一郎といって、東京都内のもぐりの金貸しに資金を回していた。
しつこく辛抱強く、付け回していたので、闇金融業者でのトラブルが起きて、、ブローカーの清水宗一郎は、貸金の取り立てから、貸したもぐり金貸しを監禁したのであった。
そして、清水宗一郎は普段利用している「反ぐれ軍団、紅組」に、取り立て監禁をさせたのである。
その監禁状況を抑えて、、柳生幸次郎は闇金融ブローカーの清水宗一郎を捕まえて、脅迫したのであった。
「なあ、、清水よ、、お前の知っているところで、、お前らの金種もとは誰なんだか教えてくないかな、、、いいよ、、教えなくても、、俺の古巣の仲間にお前を渡すから、、」
と、、脅した。
更に「違法金融取り締まり、、監禁罪、、教唆脅迫罪だから、、当分出れないな、、」と、、強要したのだった。
「旦那、、俺たちは本当の金種もとは知らないんだよ、、俺たちの先に仲介元がいるから、、金さえ出して貰えば、後はどうでもいいというのが、俺たち闇金融のルールなんでね、、勘弁してくださいよ」
と、、泣きを入れられた。
迷探偵柳生幸次郎は警察ではないので、逮捕することにはこだわらなかった。
「分かったよ、、清水、、お前の資金元である、仲介元を教えろ、、誰にも言わないから、心配するな、、」と、、聞きだそうとしたが、、
「旦那、勘弁してくださいよ、、しゃべったことが分かったら、俺、消されちゃうよ、、」
と、、半べそをかきだした。
「心配するな、、お前も知ってるだろう、、俺は言わないと言ったら云わない、、」と、、宥めながら、脅かしながら聞き出した。
「分かったよ、、ありがとう、、いいか、清水、もっとうまく立ち回れよ、、闇金貸しで儲けたら、たまには飲ませろよ、、じゃ、元気でな」
と、、聞き出した貸金の仲介元に当たることにした。

31)柳生幸次郎、、闇貸金の仲介元に当たる。

柳生幸次郎は、闇金業者の清水宗一郎に教えてもらった,仲介の金種元を調べて訪ねてみた。
新宿大久保の駅前裏通りにその会社はあった。
大久保は今は韓国関係の店が多く、、賑やかな街通りは見た目には日本人街のようだが、韓国の街だった。そんな街並みの裏通りの一角に韓国風な料理屋が、、教えられた住所だった。
なんの変哲もない韓国風の焼き肉店であったので、、柳生幸次郎は客を装って中にはいった。
「いらっしゃいませ、、注文は何がいいですか、、」と、、流暢な日本語で韓国女が聞いてきたので、、「何が一番、旨いかな、、」と、、尋ねたら、、、
女は笑顔をみせて、、「何でも、美味しいよ、、好きなものを頼んでください、、」
と、、メニュー表を渡してきた。
それで、、柳生幸次郎は「焼肉定食」と書かれていたものを頼んで,待った。
待つ間、柳生幸次郎は店内を観察したが、、何もなかった、
そして、、どうやって、、闇金業者の清水宗一郎が云っていた、人物に会えばいいかを考えた。
考えているうちに頼んだ「焼肉定食」が運ばれてきた。
食べたが旨かった、、しかし、考えたが知恵は浮かばなかつた。そして、、食べ終えた柳生幸次郎は店を出て、その周辺を歩いた。
なんかいい方法はないものかと、、いきなり訪ねて行っても何も聞きだせないだろうし、、また、荒治療で脅しても言わないだろうから、、と、、悩んで考えた。
柳生幸次郎が調べているうちに、一つだけ分かったことがあった。
その韓国料理店「焼肉風流」は、今、焼き肉用の仕入れが高いので、仕入れ先を探しているという噂を聞いたのであった。
早速、準備をして、焼き肉用肉の卸問屋に化けて潜り込もうと、、柳生幸次郎は「焼肉」の勉強をしたのであった、そこまでしても「闇将軍」にたどり着いてやろうと、燃えたいたのであった。
そして、損を覚悟の卸値で、「焼肉風流」と、取引を始めた。
始めて「焼肉風流」の店主が訪ねて来た。。「どうして、あんたのところは安いの、、」と、、、
柳生幸次郎は、、「来たな、、そう来るとおもった、、」と、、用意周到に用意した答えを話した。
あらかじめ、、段取りをしておいた、精肉業者と打ち合わせをしていたので、ボロは出さずにすんだ。
安くて上質な焼肉用の肉を卸したので、何度も会ううちに気に入られるようになり、、張谷社長はゴルフが好きというので、、柳生幸次郎はゴルフを誘うまでになった。
柳生幸次郎はゴルフの上前は「シングルクラス」で、、警察関係の大会では優勝するほであった。
「柳生さん、、あなたはゴルフが旨いね、、私のコーチをしてくれませんか。。」というような、、
付き合いになり、、柳生幸次郎が、「闇金仲介業者でもある男」に近付いたのであった。
飲食も付き合いうようになり、、闇金仲介業者である、張谷社長の人脈を少しづつ知る様になっていった。相手も巧妙であり利口な男なので,そう簡単にはボロを出さない。。
根気のいる調査であった。
そして、、信用されるまでに半年が過ぎた、、暮のクリスマスパーティーに誘われたのであった。

32)クリスマスパーティの夜

迷探偵柳生幸次郎は,やっと、掴んだ「闇将軍」への道のコネである、張谷社長の招待を受けた、港区赤坂に有る、「中宮寺明子」のクリスマスパーテイが行われている邸宅へ出かけた。会場へ入って、柳生幸次郎はビックリしたのであった。
仮装大会のように、それぞれが仮面をつけており、、誰がだれだか分からなかった。
考えたものである、、、主催者は相当に用心深く、注意を払っているようだった。
柳生幸次郎は仮面をつけて、会場に入ったら、まるっきり、誰が来ているかは分からずに、招待してくれた「張谷社長」がどこにいるかも分からなかった、
声を掛けられて、やっと 分かったのであった。
「柳生さん、わたしですよ、、覚えておいてください、、私の仮面は狼ですから、、」と、云われて安心したのであった。
「誰かが分からなくてももいいのですからと、、」云われた。
「お酒を呑んで、デイナーショウを楽しんでください、、」と、、、
そして、、今夜のクリスマスパーティーは仮面をつけたままで、素敵な女性を見つけて、楽しんでいいのですからとも言われた。
柳生幸次郎は思った、、「金持ちの乱痴気乱交パーテーィ」ではないか、、、
ふざけた奴らだ、、金を儲けて、ふざけた人生を楽しんでいたのであった。
許せない奴らだった。
この中に「闇将軍」が居るかと思うと腹がたった。
柳生幸次郎は近付いたと思ってきた。


33)クリスマスパーティーの主催者「中宮寺明子」と、、、

迷探偵柳生幸次郎には「乱痴気乱交パーティー」は気が進まなかった。一人、寒空の庭に出ていた。今夜のパーティーを期待していたのは、「もしかしたら、、それらしき闇将軍に会えるかも、、」との思いが見事に外れたので、少しがっかりしていたのであった。
仮面姿の仮装とは予想もしていなかったので、、、、
しかし、、この中にいるはずだ、、「闇将軍」は必ず、、、、
そう、確信した柳生幸次郎だった。
会場には30人前後の男女が居るだけだから、、強盗の真似事をして、全員の仮面を外させることぐらいは出来る、、そんなことしても、「闇将軍」は正体を出さないだろう。
ここまで、たどり着いたのだ、、もう、、暫く待つことにしたのだった。
時間はあるのだから、、迷探偵柳生幸次郎には、、寒空の庭で振舞われた「シャンパン」を呑みながら、もうすぐ会えるだろう「闇将軍」にと思いを膨らませていた。
ぼんやり冬の透き通った夜空を仰いでいたら、、一人の仮面女性に声を掛けられた。
「よろしいですか、、ご一緒しても、、」と、近付いてきた女性のバラの香りが、その冬の白い景色の中で男心を揺さぶった。
一瞬、迷探偵柳生幸次郎は自分を失いそうになった。
「はい、、、どうぞ、、外は寒いですよ、、」訳の分からない返事をしてしまった。
「このような場所は始めてなので、、どうも、苦手なんです、、」と、、云いながら、、また、招待されておきながらのチグハグナ言葉を発してしまった。
「ふふ、、面白いお方ですね、、私もあまり好きではありませんの、、」と、云いながら、持ってきた「シャンパンボトル」を空けていた。
「私ね、、踊るパーティーより、、お酒が好きなんですの、、、のん兵衛なのよ、、」と、笑みを浮かべながら、柳生幸次郎に近付いてきた。
「もし、、よろしかったら、、飲みなおしませんか、、」と、、云いながら迷探偵柳生幸次郎を誘って歩き出した。
庭の離れの部屋へ入った仮面の女の誘いのままに、柳生幸次郎も入って行った。
そして、,二人で仮面の女の薦めのままに、ブランディーを呑んだ、、柳生幸次郎も酔った。
気が付いたら仮面の女は別の部屋のベットに横たわっていた、、、仮面も外れたいたが、、
気品のあるいい女だったが、柳生幸次郎も少々呑みすぎたのか、寝入ってしまった。
翌朝、先に目が覚めた柳生幸次郎は黙って家を出たのである、、、一緒に飲んだ仮装女性が「中宮寺明子」と分かったのはあとからであった。
一緒にパーティーに行った、張谷社長が一部始終を見ていたのであった。


34)闇将軍、粛正をする

「中宮寺明子」のクリスマスパーティーでの参加者チックが行われた。
常に「闇将軍」は用心深く、あらゆることに気を配っていたので、、その組織は上手く保たれていたのである。どんな小さなミスも許さなかった。
間違いに二度は無かったのであった。ミスを犯した者は必ず、何らかの形で粛正をされてきた。今回の招待客の中の、、柳生幸次郎に疑問の目が向いたのである。
彼を招待したのは誰かと、、組織の許しを得ないで招いた責任を取らせるためだった。
すぐに分かった、、新宿区大久保の張谷誠一社長と分かり、、柳生幸次郎の身元を調査させたのであった。
何と柳生幸次郎は城之内安太郎の妻洋子の依頼人の探偵と分かり、、「闇将軍」は直ちに、「中宮寺明子のパーティメンー」から外させた。
その行為は「闇将軍」の失敗であった。そのことを聞いた迷探偵柳生幸次郎は「ピーン」とくるものがあったのである。刑事の勘という奴だった。
さらに、、パーティーが終わった数日後、新宿区大久保の「焼肉風流」が閉店して、張谷社長との連絡が取れなくなってしまったのであるから、、余計に柳生幸次郎は合点がいった。
間違いなく張谷社長は「闇将軍」に粛正されたと確信した。
そして、迷探偵柳生幸次郎とかかわりの持つ人間を「闇将軍」の組織に近付けたくなかったのだと、、それは、、、柳生幸次郎が知っている人間だと云っているようだった。
考えた、、誰なんだ、、柳生幸次郎に会わせたくない奴は、、、
柳生幸次郎に会いたくない奴、、都合の悪い奴、、それは一人しかいないのだった。
まさかと思いながら、、「中宮寺明子」が心配になり、、先日に聞いた電話に連絡をして見たが留守だった。
迷探偵柳生幸次郎は心配になり、、尋ねることにした、、あのクリスマスパーティーの夜を共に酒を呑み過ごした女性である。。訪ねてみたら、留守番の女性が出て、昨日からアメリカへ行っていますので、当分は戻りませんと、、告げられた。
迷探偵柳生幸次郎は「しまった、、お
そかったか、、」と、、地団駄を踏んだ。
これでまた、「闇将軍」への手掛かりは無くなり、、やっと、、なんとなく、たどり着けると思った道筋がゼロになってしまった。
手ごわい相手だと、、しみじみ思ったのである。
しかし、なんとなく分かってきたことから迷探偵柳生幸次郎は「闇将軍」を追いかけ調査することにした。

36)元の依頼人「城之内洋子」を訪ね。。。

迷探偵柳生幸次郎は、「闇将軍」の策略により、やっと、掴んだ調査の道を絶たれたので、今回の事件の発端である、城之内洋子を訪ねた。
彼女は住んでいなかった、以前の豪邸は競売に掛かり、他人名義になっていた。
大阪国税の差し押さえによるものであった。城之内洋子が、故人安太郎から受け継いだ遺産、、特に不動産資産は全て差し押さえされていた。
城之内洋子の相続やその他の方法で取得した「現金」は、彼女と共に消えていた。噂ではアメリカへ逃げたとも、、しかし、大阪国税の追及は厳しいので、逃げたとしても逃げ切れるものでわない、、噂通り、消されてしまったような気がした、、柳生幸次郎であった。
故人安太郎の遺産は、いろいろな流れはあったが、最終的には城之内洋子に相続はされたが、国税に差し押さえされたりして、全てが消滅したのであった。
「現金」の部分は妻洋子が手にしたが、、闇に消えた。
この遺産相続に関することは、、故人安太郎が妻洋子や自分の身内への報復であったような、、
故人安太郎も恐ろしい人間であった。
しかし、「闇将軍」は更に恐ろしい人間だ、、悪魔の化身かも知れないと思うようになった、柳生幸次郎であった。
城之内洋子も行方が分からず、、謎の女「中宮寺明子」も行方知れずであり、、新宿区大久保の「焼肉風流」の張谷社長も行方が分からなかった。
殺されたとかの殺人事件があったのなら、、納得はいくのであるが、三人とも行方不明のままであったので、、迷探偵柳生幸次郎は合点が行かなかった。
これまでのアメリカでの調査や、行方不明の人間たちから分かったことは、、、間違いなく、
「闇将軍」は「城之内安治路」だと言いきれた。
その「闇将軍」の行方を何としても探し出してやろうと決めた、柳生幸次郎であった。

35)闇将軍はどこに、、、

迷探偵柳生幸次郎は、此処まで来たら、何としても「闇将軍」に会いたかった。
城之内家の遺産相続から、、安太郎の殺人事件、大阪事業所の爆破事件と、、まだ、犯人は逮捕されていなかったので、、その辺の状況を再度、把握しようと動いたのであった。
最初、成城警察署の原田警部を訪ねた、、城之内安太郎を殺した犯人は未だ分からずであり、、捜査は細々と行われていた。
「原田警部、、ご無沙汰しております、、あの安太郎は本当に殺されたのですか、、もしかしたら、自殺と言うこは無いでしょうね、、俺が考えるのに、殺人事件にしては妙だと思うので、
「巧妙に仕組まれたトリックの元での、、殺人事件に見せかけた、、安太郎の一人芝居ではなかったのかなと思えば納得のいくことが多いのだが、、、どう、思います、、」と、、柳生幸次郎に云われてみれば、そう、考えられる。
「柳生さん、、もしかしたら、あなたの推理が正しいかも知れないな、、此処まで犯人が浮かばないのも合点がいくよ、、」
「そうでしょう、、、」柳生幸次郎も相槌を打った。
原田警部は言ってくれた、、再度、捜査の見直すと、、、
迷探偵柳生幸次郎は確信したのである故人安太郎の「芝居殺人事件」と。。そう、考えることにより、、、大阪事業所爆破事件も、故人安太郎の遠望な計画の一つだと思うようになった。
全ての真犯人は故人安太郎だと、、、そのために、いくら捜査をしても犯人は検挙出来ないでいるのだった。
迷探偵柳生幸次郎は大阪へ向かった、大阪府警も相変わらずに「脱税」関係は摘発が出来たが、事業所爆破事件については、関係暴力団も認めなかった。
それを知った柳生幸次郎は、退院した榊原豪太郎を訪ねた。
多分、真相を知っているのは彼だけだと思ったのである。
迷探偵柳生幸次郎の推理では、故人安太郎の指示で榊原豪太郎が爆破事件を起こしたと考えていた。。
迷探偵柳生幸次郎が豪太郎を訪ねた時には意識がなく、危篤状態であった。
これも個人安太郎の計算のうちだろうと思い、真実を聞き出すことは諦めた。
しかし、柳生幸次郎の推理で間違いないと確信して東京へもどった。
帰る新幹線の中で思った、、故人安太郎は恐ろしい、執念の男だと。。。
そして、考えた、その息子の「安治路」も恐ろしいと、、、


37)「闇将軍」現れる、、、

迷探偵柳生幸次郎は考えた、、、城之内安太郎の妻洋子に警護と調査を依頼された時から、故人安太郎には見透かされていたような気がした。
今回の故人安太郎の「殺人事件」も考えれば不思議であった。死んでも可笑しくない人間が最後に、死ぬ間際に、これだけの芝居が出来るのかと疑問を持つようになった、柳生幸次郎であった。
更に復讐とはいえ、、自分の実の息子を爆破事件に絡めて、殺すことが出来るのかと、、
疑問を抱くようになったのであった。
不幸に陥れることが出来るのか、、、どんな「バカな子供達でも可愛い筈なのだ、」そんなことから、、考えてみたら「謎」だらけであった。
そして、親不孝からアメリカに渡った、長男「安治路」にも、それだけの器量が有たかと、思われたのあった。
何か不自然な、、疑惑が沸き上がって来た迷探偵柳生幸次郎であった。
そこで柳生幸次郎は大阪時代の「極道稼業」の時に遡って調べてみた。
意外な事実が飛び出してきた。
城之内安太郎には「双子の弟」が居ることが分かったのである。
同じ極道稼業をしており、、常に兄、安太郎の陰になって生きてきたので、、悪事は全て引き受けて、、二人で「陽と陰」の関係で生き抜いてきた兄弟であった。
兄「安太郎」が死んだ時には、まだ、熊本刑務所に服役中であり、出所してから兄「安太郎」の死んだことを知った、弟の「安二郎」であった。
双子の弟「安二郎」は度胸も頭脳的にも兄「安太郎」より、優れていたのであったが、、人との接し方が不器用だった。。
この事実を知っていたのは榊原豪太郎であった。彼は亡くなる前に書き残した日記があり、、それを孫娘「朱美」が預かっていたのである。
その孫娘「朱美」は云われていたのであった、、、豪太郎の日記は、一番公平に判断できる迷探偵柳生幸次郎に白羽の矢が突き立てられていたのであった。
それを見て、柳生幸次郎には納得がいった。
熊本刑務所から出た、弟「安二郎」は死んだ双子の兄「安太郎」の無念を悟り、、全ての今回の復讐劇を考えたのであった。
そっくりな双子の兄弟の思いを晴らしたのだった。
アメリカにおける事業も故人安太郎が起こしたことであり、、長男安治路は走り使いをしていただけのようだった。
そのために、迷探偵柳生幸次郎が安治路の追跡調査をしても出てこないわけが、やっと理解できた。
すでに、長男「安治路」もこの世から消えているだろうと想像が出来た。
迷探偵柳生幸次郎は双子の弟「安二郎」を探すことにしたのであった。
全ての犯人は双子の弟「安二郎」の復讐であったのだと、、確信がいった。


38)双子の弟「安二郎」の復讐


双子の弟「安二郎」は兄「安太郎」が生前に熊本刑務所まで面会に来てくれた時に、話はすべて聞かされていた。最後の最後まで弟「安次郎」に何も恩に報いられずに、済まなかったと謝った。
そして、その「義」に報いるためにも、、兄「安太郎」は全財産を弟「安二郎」に譲る、約束をしたのであった。そんなことでは足りないことは分かっていた。
しかし、兄「安太郎」は苦労させて、命を掛けて、一緒にやってきたことへの「人生の借り」は返せないともわかっていたが、、、そうしないと気が済まなかった兄「安太郎」であった。
兄「安太郎」は自分の死が近づいていたことを知った、、半年前のことだった。
その後、双子の弟「安二郎」は、、兄「安太郎」から,家庭の事情や会社内容などを聞いていたので、、出所するまで考えた。
そして、大阪事業所の榊原豪太郎の元に手紙を書いて、熊本刑務所まで面会にきてもらった。
兄「安太郎」と番頭「榊原豪太郎」の付き合いは古く、、極道時代からの兄弟分のつきあいであった。
そのために、、榊原豪太郎からも話を聞いておきたかったのである。
兄「安太郎」と榊原豪太郎の話は信用ができた。
面会に来た榊原豪太郎は「ご無沙汰しました、、お元気な様子なので安心しました、、本当に不義理ばかりですいません、、兄貴、、」と、、涙ぐんでいた豪太郎であった。
「おう、、とっつあんも元気みたいだな、、あはあはあはっ」と、、云いながら、東京と大阪の事情を詳しく聞いた。
「そうか、、兄貴も苦労したんだな、、なまじ家族なんか持って、、やっぱり,財産を持ちすぎたな、、なあ、、とっつあん、、」
「そうですね、、少々、大きく成り過ぎましたね、、みんな欲の皮が突っ張すぎて、、腹の中が分かりません、、、家族も身内も無いような、、」
と、、今から「遺産相続」争いが見え始めたというのであった。
誰一人として、「会長の仕事を継いで、やり遂げようとする意欲が見えません、、ただ、自分の取り分を守り、自分の欲を満足させようと、そればかりを考えている様子ですね、、」
そんな話や、会社事情を話してくれた。
また、会長の妻洋子が元は、長男の恋人だったという話もしたのであった。
余りにも「金目当ての家族であり、親族であった」と、、豪太郎は話した。
「そうか、、よくわかったような気がする、、、出所したら、取り合えず大阪のお前の家に行くから、、宜しくな、、それから相談しようか、、、今日はありがとうな、、」
そんな話をして、境原豪太郎は大阪へ帰って行った。


39)安太郎が亡くなる1か月前の話。。。

城之内安太郎が亡くなる1か月前に、双子の弟「安二郎」は出所して、大阪の榊原豪太郎の家に出向いたのであった、まだ、豪太郎が元気な時だった。彼は孫娘の「朱美」と二人暮らしであった。
孫娘「朱美」は豪太郎に似ているところがあり、、度胸もよく、悧巧な娘だったので、、豪太郎も傍に於いて可愛がっていた。
未だ、若かったが、それとなく金融関係の手ほどきを教えていた、、、朱美は覚えが早く、豪太郎の走り使いは出来ていた、やくざ組織の者たちからも、、「朱美ちゃんは女にしておくのは惜しいな、、」と、、、豪太郎は言われていた。
其のたび豪太郎もそう思っていた。
そんな暮らしの中に「安二郎」が帰ってきたが、、孫娘「朱美」は平然と暮らしていた。
「爺ちゃん、、安二郎おじさんが帰ってくるのだったら、、達磨寿司に席を取っておくね、、」
と、、気が利く娘でもあった。
やって来た、、20年振りの大阪に、、帰って来た安二郎は、豪太郎の家に入った時に、涙が零れた。
余りにも懐かしすぎたが、、変わっていない豪太郎の家を見た時に、嬉しいのと、豪太郎の気の使い方に感謝した。安二郎が逮捕された時のままの家だったので、、贅沢をしないで、懲役に行っている者への心使いが嬉しかった、、豪太郎は「義」を知っている男だった。
20年間、義理を貫いて「兄、安太郎」の身代わりで務めた豪太郎には、贅沢は禁物であり、してはいけない「男の誠」であった。
「豪太郎、、ありがとうな、、俺は帰るうちを間違えなかったよ、、」と、、双子の弟「安二郎」は頭を下げた。
そんな湿っぽくなった二人に、、「安二郎、おじさんの好きだった達磨寿司を予約してあるから、、お祝いだもの早く行こうよ、、」と、、孫娘が誘ってくれた。
その晩は、三人で楽しい食事をした、、
達磨寿司の親父さんも入って、、「安二郎さん、ご苦労様でした、、待ってましたよ。。」と、、年老いた寿司屋の親父と女将さんが出迎えてくれた。
「さあ、、今日はお店は休みだぜ、、みんなで20年分を楽しもうよ、、おめでとう。。
ここに安太郎さんが居てくれればな、、、」と、、ぽつりと光るものがあった。
「ありがとう、、みんな,嬉しいよ、、兄貴も病気だからな、仕方がない、、本当にありがとう、、」
安二郎も豪太郎も明日から始まる地獄絵図を知らない兄「安太郎」に誓ったのであった。


40)城之内安太郎が亡くなる前の東京で、、、

双子の弟「安二郎」は大阪で、豪太郎と打ち合わせを済ませて、孫娘「朱美」を連れて東京へ出た。ホテル住まいをして、兄「安太郎」の殺人事件の準備をした。
住み込みで働いている、阿部夫妻を呼んで話をした、阿部夫妻は兄「安太郎」には古くから仕えて働き、夫妻は恩義を感じていた、困っているといる時に助けてもらっていたので、、、
それで、打ち合わせをしたのだった。双子の弟「安二郎」の事は知っていた。
阿部夫妻は協力を引き受けてくれたのである、、兄、安太郎が亡くなる数日前に、その体はそっくりな弟。安二郎に入れ替わっていたのであった。
それで、迷探偵柳生幸次郎が有った時には、元気そうに見えて、会話も交したのであった。
その間、本人の兄、安太郎は住み込みの阿部夫妻の離れに潜んでいたのであった。
そのトリックを考えた弟、安二郎は兄、安太郎が亡くなる前に入れ替わって、打ち合わせ通りの毒薬を飲ませて、死んだのであった。
兄、安太郎の覚悟の決断であり、行動であった。
そのために、迷探偵柳生幸次郎は不振の思ったのであったが、、故人安太郎が双子の兄弟であることには気が付かなかった。
ましてや、成城警察署もそのことは知らなかったのである。そのための失態というか捜査ミスであり、、その後の捜査を攪乱したのであった。
そして、双子の弟、安二郎は豪太郎の孫娘、朱美と大阪に戻り、大阪事業所の爆破を実行したのであった。
豪太郎と画策して、一度の爆破事故で、全てが消滅するように、準備をしたのであった。
そのために、大阪府警や京都府警がやくざ組織を追及しても、爆破事件の証拠は挙がらなかった。爆破した張本人が怪我をして、入院してしまい、その後、後遺症で記憶が薄れてしまったので闇の中に消えてしまったのである。
豪太郎の孫娘が事情を知っているとは夢にも考えずに見逃してしまっていた。
そして、、双子の弟、安二郎の存在は微塵も考えなかった警察であった。
やくざのいいとこと言えば、、知らないことは知らないと、、突っ張る度胸を持ち合わせていることぐらいかも知れない。
やくざ組織も、双子の弟、安二郎が出所していることには気が付かなかったのであった。
その後、双子の弟、安二郎は兄、安太郎からの遺産相続の話は持ち出さずに、別の方法手段を講じたのであった。
この事実を迷探偵柳生幸次郎が知ったのは後のことであり、、その事実を知って納得した事件であった。


41)双子の弟「安二郎」によって、兄「安太郎」の恨みは晴らされた。。。

双子の弟「安二郎」は兄「安太郎」と打ち合わせをした恨みを晴らしたのちは、、兄「安太郎」が残した闇金融の仕事をまとめ上げることに専念したのであった。
その走り使いに動いたのが、榊原豪太郎の孫娘「朱美」であり、、よく機敏に動いた。
アメリカのメイン州オーガスタ市にも安二郎は朱美を連れて行っていた。そこで、安太郎の長男
の安治路のいい加減さが分かった安二郎は彼を始末したのであった。
そして、兄、安太郎の築いた闇金融の組織を引き継ぎ、、「闇将軍」に変身したのであった。
それ以後、、アメリカメイン州のオーガスタに拠点を構え、、事実上の動きは全て朱美を動かし、彼女に仕事覚えさせたいた。
そして、東京との往復も朱美がして、金融の仕事もロブスターの輸出仕事も彼女が仕切る様になっていた。。
そのために「闇将軍」になった、安二郎はメイン州オーガスタ市を動かなかったので、、迷探偵柳生幸次郎が探しても見つからなかったというか、、巡りあうことはなかったのである。
姿が見えない「命令の闇将軍の声」だけが聞こえてきたのであった。
それもあとで分かったことであった。
しかし、迷探偵柳生幸次郎は会いたかった。
曰く付きで、追いかけ踏査していた「闇将軍」に会いたくて、再びアメリカメイン州のオーガスタ市を訪ねた。
そして、、迷探偵柳生幸次郎は、故人安太郎の妻から依頼されて
から、15年が経った日に会うことが出来た。
メイン州は日本の軽井沢のような避暑地に似ていて、、森林の多い街であった。
海も川もあり、、東海岸はロブスターの産地でもあり、旨い料理店が多かった。そんな街で、迷探偵柳生幸次郎は知り合いからディナーパーティーに誘われて出かけた。
そこで、主催者の城之内安二郎を紹介されたのであった。そして、以前に榊原豪太郎の病院であった、、朱美という孫娘に再開したのであった。
朱美から近付いてきて、、「ご無沙汰しております、、柳生さんでしたよね、」と挨拶をされた。。びっくりした柳生幸次郎だった。
そして、朱美に誘われて、安二郎の席に就き、挨拶をしたのだった。
その安二郎という人は白髪で、車いすに乗り、90歳を過ぎた老人に見えた。
笑顔を見せて、、人懐こい老人であった。
迷探偵柳生幸次郎は急に自分が年老いた感覚に陥ったのである。。。
「自分は、この老人に会うために、、闇将軍を追いかけていたのかと、、」少々気が抜けたのだった。
そして、その老人の傍らでてきぱき動く朱美を見ていて、何か不気味な恐ろしさを感じた。



















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