息子が悪役令嬢だった件

アルの行方 その９

「ねえ、さっきから気になってたけど、亮の両サイドのイケメン合戦ほっといて言い訳？」

　こっちに来たのに亮は両手に持ってる串焼きの肉をほおばってるし、極楽鳥とエルフのイケメン同士は私たちはほったらかしで会話のバトルしてる。

「ああ、極楽鳥とエルフの留学生か、あいつらはほっておいても大丈夫だろ？時々ブルーノが止めてるし」

　後ろで確かに時々ブルーノが何か言ってるけど、会話嚙みあって無くない？

「ブルーノってあれで止めてるの？むしろ火に油を注いでるって感じなんだけど・・・」

　でもよく観察すると、亮は時々ブルーノと楽しそうにしてるけど極楽鳥はそれには反応してないみたい。

「それにしても亮って変わった人に興味持たれてない？ちょっと言いにくいけど、ようするに人と違うものに惚れられてるというか何というか・・・」

　人外に気に入られてるけど、エルフの留学生に関しては攻略対象だからいいのかなあ？

「ああ、ブルーノに関しては違うぞ。あいつら男同士の友情って感じだからな」

「男同士の友情って、見た目は美男美女がじゃれあってるように見えてるし、かなり怪しんですけど？」

　むしろお似合いに見えてしまう。

「ありえないよ、だいたいブルーノの場合は鼻が利くって言ったろ、番じゃないと独特のいい匂いがしないんだってさ」

　そういえば、そんなこと言ってたっけ。

「本能に逆らえないほどの匂いらしいし、番を探すときは匂いをたどって探すらしいから。病気かどうかさえ匂いでわかるらしいからあいつも大変だよな。因みに俺にも亮には匂いがないって言ってたから友情でちょうどいいんじゃないか？エリザベスに関しては常に違う雄の匂いがプンプンするから萎えるって。見てればわかるけれど極楽鳥もブルーノに関してはノーマークだぜ」

　違う雄の匂いって・・・ちょっと自分でも嗅いでみるけどわかんないよ。

　極楽鳥を観察してみると確かにエルフの留学生だけ警戒してるようだ。

「ま、亮の場合変わったやつらだけが引き寄せられるわけじゃない。亮って強力な魅了持ってるから、基本どんな生き物も魅了できるからユニコーンにも気に入られてるんだろ」

「そっか・・・伝説の動物はきっと気難しいよね」

　でもどんな生き物に対しても魅了できるってってなんだかあまりうれしくないような・・・生き物と言えば亮って確か虫嫌いじゃなかったっけ？？？ん？まてよそれじゃあトルマリン王国を襲うっていう魔物にも魅了使えるんじゃあ？？？

「ねえ、そんなにすごい魅了ならトルマリン王国を襲う魔物にも効くんじゃない？」

　意外とそれで解決したりして？？？