息子が悪役令嬢だった件

神様のお試し その４

　この子は私と違って優秀でバリバリのキャリアウーマンで美人なのに、独身の友達の一人だ。

　学歴も、年収もあり、一人で生きていけそうな、いや、むしろ頼もしいので養えそうな感じである。

　勿論、結婚式にはきてくれることになっているが、確か結婚願望がなかったはずなのに一体どういう心境になったのかと思ったけど、今の私が合コンに行くのはだいぶまずいと思う。

「合コンなんて無理だよ、この前なんだか怒らせちゃったみたいだし・・・」

　言葉を濁す。

　正確には別に怒ってないとは思うんだけれど、そんな気がしてしまう。

　あの後、母が彼に電話をして私が途中で変わって、彼とお金の話もちゃんとすることができた。

　招待客が増えたことと、彼の方の招待客の人数を知りたかったみたいで、母親としばらく話していた。

　結婚式場は抑えてると言っても、結婚式を挙げるまでまだ何ヶ月もあるのだから人数はまだ増やせるらしい。

　母親が交渉した結果、結局こちらの招待客の金額と、引き出物代金を出すことで了承してもらった。

　うちの母親はそれでもお金を出させ過ぎだから、その分結婚してからちゃんと家計を守るのよと言った。

　彼と話せたのはこれだけすぐに話して終わりって感じになっていた。

　なので、次に会う約束をしていない状態で悶々としている。

　いつもなら必ず次に会う約束してたんだけどな・・・

　そもそも、私にとっては初めての彼だし、長い間付き合うっていう経験もなければ、喧嘩した時の対処法など全く未知の世界だった。

　友達にイケメン君に告白をされたことを、正直に彼にも報告したって言ったら、

「なにそれ？自慢？？？また年下か？私絶対に年下は嫌、めんどくさそう。それにしても、年下の彼氏に馬鹿正直に報告するなんて、らしいっていえばそれまでだけど、浮気じゃなくても、そういうのって隠した方が親切じゃないの？それとも彼に嫉妬してほしかった？」

　と言われた。

「嫉妬なんて？？？まさかそんなこと思ってなかったよ・・・」

　あの時はパニックになってて、彼につい頼ってしまったけど、冷静に考えると女の嫌な面見せちゃったなと反省してた。

「違うならいいけど、逆の立場だったらどうよ？」

　確かに、彼が迫られたことを報告してきたら・・・

「ううっ、不意打ちの事故とはいえ、よけれるでしょって言って、許すには時間がかかりそう・・・」

　実際はよけることなんて不可能だったのに、そんなことを聞いたら、彼よりうじうじしてしまいそう。

「でしょ？だからそういうのは内緒でいいと思うよ」

　うーんそうかな・・・万が一ばれたとき怖くないかな・・・

「とりあえず話は聞いたんだから、合コン、付き合ってね。もしもばれたら私が責任もって説明するから、もう出会いがないのよ」

「本当に他にいないの？」

　もう一度ダメもとで聞いてみる。