息子が悪役令嬢だった件

新しいフラグ １５

　ふと、レオンを見ると、凄い形相で二人を見ている。

　こわっ・・・　

　レオンに睨まれた二人は、慌てて仕事があると言って、部屋を出て行った。

　そのあとすぐに、レオンも用事があると言って同じく出て行ったので、

「激動の一日だよね」

　イザベラに言うと、

「そうだな」

　となんだか生返事。

　レオンのことを、これ以上聞くのは藪蛇になりそうなので、違う話題を振ってみた。

「それにしても、魔物で実験とか、スケールが異世界じゃない？」

　というと、

「そうか？」

「えっ？」

「俺達がいた世界だって、病気を治すための薬の開発のため、動物実験が必要なわけだし、この世界では、動物が魔物になっただけで大して違いはないよ」

「そうかなあ？」

「でも、練習とはいえ、殺しては再生するってホラーじゃない？」

「まあ、乙女ゲームを舞台にしてたけど、ホラー要素もあったしな」

　やっぱりホラー要素あったんかい・・・血は怖がるくせに、ホラー好きだったもんね。

「まあ、この世界の魔物は、知能を持って喋るやつもいるからな、動物実験よりハードだと思うけどさ。俺達の世界だと倫理的に人殺しと変わらんと思ってしまうのかもな。さすがに、おれも喋ってくる相手は殺せないな・・・」

「ああ、そういえば、解剖する動物実験が嫌で、医療系には進学しないって言ってたね」

「それと、これとは話が違う」

「でも、授業で、アサリの解剖で貧血起こしたって・・・」

「だから、アサリの解剖の日は単なる寝不足だって。カエルの実験が残酷だって中止になって、アサリになったけど、五十歩百歩だと思う。動物実験については、俺は解剖以前に、純粋に本物の血を見るのが怖かったんだよ。俺は、鼻血もでたことないんだぞ。だけど自分の体の全身に流れているものを怖いと思うのもなって思うけどね」

　そういえば、貫徹が続いてたとか言ってたな。

「まあ、そうはいっても、俺は肉も食べるし、アサリも食べる」

　私だって、おいしく食べてるわ。

　気にもしてなかったけど、おそらく、喋れる魔物も、すでに食べているのかもしれない。

「でもさ、むしろ、再生魔法なんて、本当だったら、神の領域だよ」

「どういう意味？」

「手術と違って、すべてを再生するんだろ、クローンとも違うな、アルフォンスは多分だけど、再生魔法で蘇生しているな」

　あっ、そういえば、そっか。

　二年間、寝たきり状態だって言ってたよね。

「俺達の感覚だと、再生魔法で生き返った人は、果たして、同じ人物なのかとジレンマに陥るけど、この国では普通みたいだな。お医者さんに行って手術するのとおんなじ感覚だな。ただ、命の危険がある職業は限られてるし、アルフォンスの場合、再生魔法のせいじゃないにしろ、別の人物が入ってるから、相当驚いたんじゃないかな」