俺が悪役令嬢だった件

恋は盲目 ８

　もっとも、こういう手続きがあるときは、大抵、結婚らしいが、たまたま番が魔術師だった場合とか、騎士団に所属していたなどが特例扱いになる。

　特例に従った場合は、どちらかの国籍を持ち、その国で暮らすことになっているらしい。

　この場合、ほぼトルマリン王国を選択する人が多い。

　サファイア王国では、魔法を使う仕事も、日常に魔法を使うことを禁止されてるという理由もあるが、騎士団の場合も仕事を続けるには、トルマリン王国の方が都合がいい。

　サファイア王国では、獣人は、武器を所有しないスタイルだ。

　体力も、戦い方も違うため、そもそも、騎士団がない国なので、騎士団として雇われることがない。

　その為、騎士団に所属していた騎士も騎士団で仕事を続けるためには、トルマリン王国の方でなければならない。

　だが、そういった結婚など、めったにないとブルーノも言っていた。

　それにしても、レオンは留学が決まってからずっとぶつぶつ言ってる。

　案外、子供みたいだと思いつつも、少し疑問に思ったのだが、理由を聞いて納得する。

　そもそも、レオンほど魔法を使える奴だと、サファイア王国に得意の魔法の力で入ろうと思ったら、どうとでもできるらしいのだが、今回はサファイア王国の国王も絡んでいるとあって、さすがのレオンも頭を抱えた。

　国王が絡むとなると、本気で国同士の亀裂になりかねないという。

　それに、表向きは魔法嫌いのサファイア王国だが、内密で国で雇っている極秘裏のお抱え魔術師がいるらしく、その人物が結構厄介な人物らしい。

　国王が絡んでなければ、その人物が動くことがないらしいのだが、今回、極秘裏でサファイヤ王国の国王が、王妃とともにお忍びでトルマリン王国に滞在しているってことは、その人物が暗躍しているのは間違いないと思われる。

　そもそも、ブルーノが、俺に留学の際にはレオンと、侍女は遠慮してくれと言われている地点で、レオン達はかなり警戒されていると思われる。

　だが、それならば　仕方がないが俺としては都合がよかった。

　実は興味深い授業が目白押しで、本音を言うと今回は留学より白魔法の授業をしたかった。

　なので、留学から帰ってくるまで俺の代わりに授業を受けてもらい、レオンに後で教えてもらおう。

　2日、３日で帰ってくる予定だが、うっかり予定が伸びたことも考えないとな。

　そもそも、俺はイザベラのお陰でチートで色んな魔法は使えるのだが、最近になって、自分の魔法がどこまでが安全で、どこまですると危険なのか把握しないと思い始めた。